ストーリーの概念
新米広報のための質問箱。こんにちは、アサギデジタルラボの新米広報津田です。
こんにちは、広報の武田です。
このポッドキャストでは、ひょんなことから広報を兼務することになった津田が、広報の先輩である武田さんに、広報って何なの?と、広報のいろはを伺っていく、そんな内容でお届けしております。
今回は、ストーリーっていうやつですね。
ストーリー?
僕も広報になって、広報系のいろいろサービスの連絡とかもらったりするんですけど、そういうのによく書いてある、ストーリーで伝えよう、みたいなのがよく書いてあったりするので、どういうこと?っていう感じのところもあり。
広報コンサルがよく言うやつですね。
広報コンサルは、ストーリーで伝えようって言うわけですね。
ということは、武田さんも言ってるってことですか?
ストーリーで伝えようとは言わないんですけど、そういう感じのフィードバックをすることは結構あるかもしれないですね。
それは、結局何を言おうとしてるんですか?
このストーリーで伝えようって言ってる人がどう言ってるのかは、推し量るしかないんですけど、
私が今の話の流れだと、いくつかあるんですけど、
いわゆる物語的な演出をして伝えるっていうことと、
あと、起承転結をきちんと整理してお伝えしなきゃダメですよっていう両方の面でいうことがあるかなと。
物語的な演出っていうのは、どういうことかというと、劇的な要素とか苦労話みたいなものを混ぜ込んでお伝えすることで、
お伝えしたかった内容がリアルになるというか、エモーショナルになる。
単純に何々が発表されました、これすごいでしょうじゃなくて、そこにたどり着くために、実はこういう挫折があったりとか。
いわゆる、12チャンネルとかでやってる、ダダーンと音楽が流れる。
ピコーンみたいになったりして、何々はどうしたみたいになって。
あなたにとってこの会社は?みたいな、あれですあれです。
あれ的な感じですよね。オフストリー的で言うのと、もう一つはその起承転結をきちんと整理して、
例えばプロダクトだとしたら、このプロダクトのきっかけは何で、どうして作ることになって、どういうふうに作って、何をしたかった、
どういう経緯で、結果どうなって、どういうふうに使ってほしいと思っているのか、みたいなことを順序立てて整理して、
それを物語的にって言うんですけど、起承転結ですよね。
整理してお伝えすることで、ただ製品発表しました、すごいでしょうではなく、
すごいでしょって私が伝えるのではなくて、読み手側、記者さん側とか読者側が、私の話を聞いて、すごいねって言ってもらうようにする。
結局、純広告とかペイドカブリシティだと効果が下がるけど、記者さんが取材してくれた記事は効果が高いみたいな話とか、あれと似たような話だと思うんですけど、
こっち側がどんなにすごいでしょって言っても、すごいですねってなるけど、
こっち側がこういう感じのものなんですよ、こうやって頑張ってきたんですって伝えると、それはすごいですねって言ってもらった方が、心に刺さりますよねっていう。
プレスリリースのアプローチ
そういう意味でストーリーっていうふうに使ったりとかするっていう。
メディアとか記者がインタビューする内容みたいなのが近くて、
どうしてもこのサービスって何がきっかけでこういうことをやろうと思ったんですか?とか聞いたりするのって、
企画者だったりの出発点を探ると、そこがすごく身近なことだったりするんで、
我々と同じように身近に何か不足を感じていた部分がきっかけになって、これが生まれたっていうのは想像しやすくなったりとか、
製品の厚みが変わって見えたりとかっていう部分につながりますよね。
そうですね。
よくPRの話とかをする時に、単的に情報をこれをよろしくって情報を発信するんではなくて、
その前後にあることを一緒に伝えることで、ファン意識を創出できるみたいなふうに言われている手法というか。
自分ごとにしてもらうために、例えばこの掃除機、画期的ですごいんです。使ってみてくださいって言われるよりも、
この掃除機を開発した経緯は、実は家の猫の毛だけがどうしても取れなくて、黒い服についてしまうことが、悩みの種だったことが出発地点でした。
みたいに言われると、「なるほど?」ってなるじゃないですか。
なりますね。
例えば、動物の毛も100%取れるすごい掃除機ですって言われるよりも、
そうやって話し始められている方が、「なるほど?」って入りやすいし、
言葉に説得力があるよね。
あと、人間は単的に情報を発信されたものを受け取るよりも、
自分から能動的に入っていった方が、意識的に情報に共感しやすいらしいんですよね。
例えば、メディアの方達は当たり前としてそれを意識されていて、
さっきみたいな質問をされるんだろうね。
より読者に刺さる記事を書くために、要はエモーショナルにするために、
そうやって質問されているんだと思うんですけど、
それを広報側が意識して発信しようねっていうような話ですよね。
特に苦労話とかを入れると、
特にBtoBなんかだと、苦労話をされると、「わかるわかる。」ってなるじゃないですか。
なんか人間の心理なのかもしれないけど、
僕もよくプロダクトのインタビューとかで聞くんですけど、
すんなり上手くいったことより、途中の失敗を聞いてすると、
急になんかこう話が面白く作れますよね。
そうそう、テレ通し法ですよね。
そう、あれあるよね。
実際、テレビの取材とかを受けると、ディレクターさんから失敗談を教えてくださいって必ず言われるんですよ。
絶対そうだよね。
あんまないって言うと、作ってくださいって言われるぐらい。
思い出してくるみたいに。
何かあったよねとかってね。
そんなにないですねって言うと、いや何かあるはずだ、思い出してくるみたいな。
そうだね、あえて困った部分とか言わないと作りにくいな。
それって一方で、一般コンシューマーだったりユーザーみたいにそれを届ける上で、
そのストーリーが重要だなっていうのはなんとなく認識できるんですけど、
それって周り苦毒もあるじゃないですか。
そうですね。
記者によっては、この製品の予定はどうなのよって言われることってないんですか?
あると思いますね。
だから、さっきの劇的な演出ってやつで、
記者さんによっては、劇的な演出をしすぎているが故に、
だから、要点どれなんだよみたいに突っ込まれるっていうのもあると思いますね。
リリースによって、すごい物語っぽいっていうか、その手の要素が多すぎて、
結局、今回できた製品はどれなのじゃ?みたいな。
さっきPRコンサルがよく言いますよねって言ったのは、まさにそれで。
今の話って、ちょっと一昔前のトレンドなんですよね。
エモーショナルにするっていうのが。
最近は、タイパーだからね。
だから、要点はなんだよってなりがちなんですよね、記者さんたちも。
なので、そこをうまくミックスとする。
例えば、要点と要点じゃないところが分かれていて、
要点しか読まなくていいよねってなっているとか。
あと、私とかはリリースは端的に、
で、リリースを送る時のメールをメールで。
ちなみに私がこう思いますが、こういう裏話ありますよとか、
取材メモみたいなやつを一緒に送ったりとかすったりとかする。
それはいいかもね。
あと、プレスリリースだとやりすぎると、だから何書いたかわかんないよってなるけど、
プレゼンテーションだったらいいかもしれないですよね。
発表会で社長がしゃべる。
そう、なんか気持ちも乗るじゃないですか、そういうのって。
それはすごく聞いてても楽しいし、やりがいあるんだよね。
ストーリーで伝えるって言い方を変えると、
ストーリー性を持たさないと商品にインパクトがない場合っていうのもある。
確かにね、それは確かにそうだね。
そういうふうに捉えられないように、
全部がストーリー性があればいいってわけでもないよねっていう。
ただ、なんでストーリーで伝えようって言われるかっていうと、
商品のことだけ伝えられても、その商品に良さって伝わらないから、
その前後をセットにして共感してもらいましょうとか、
基礎転結をつけることで、
この商品ってすごいんですよって言われてるけど、
実際どういう場で解決、何を解決してくれるものなのかっていうのを
イメージしてもらいやすいようにしましょうみたいな。
リリースに事例をつけましょうみたいな人と方向性が似てるかもしれないですよね。
それは仮にリリースを作ったりするときに、
商品企画側がもっとそういうノリにしてくれとか言われたりするものなの?
それとも広報側でそういう端的にものをはっきり言うタイプのやつがいいのか?
物語に実はこういうのがあって、こういう開発経緯があって、こんなことがあって、っていうふうにした方がいいのかっていうのを選択するの?
2本出すの?それとも。
でも、私はそんなにストーリー性がばっかり追求されているリリースは書かないので。
だって読むのうざいじゃないですか。
正直僕はうざいと思ってるんですよ。
ストーリー性を感じるような内容はこっちが聞くから。
どっちかというと、その本質的な裸の要素の部分がまず最初に知りたいのに。
余計な背景情報とかコーデっていうのは後々って思うんですけど。
だけど、コウホーは自分もやるようになって、PRタイムズとかIMとかを見ると、ストーリー性がよく出てくるから、そういうふうにしなきゃいけないのか?って疑問してるみたいな感じなんだけど。
やりすぎるとちょっとポエミックになっちゃうから。
例えば、企画担当者とか代表とかが思いの丈が強すぎて、出てきたドラフトが物語のようだっていうケースが結構あって、コウホーは削る仕事をするみたいな。
でも、今ラジオの向こう側でうなずいてるコウホーさんがいそうなんですけど、テイムホーケースの方が多いような気はしますよね。
プレスリリースって考えるから、そもそも事実を伝えるためのものだから、過不足なくが基本なわけです。
だけど、それだけだと伝えたかった思いが伝わらないから、補足したいわけですよね。
だとしたら、どうやって伝えるかの手法をもうちょっと考えて、ストーリーを伝えたいことをどうやってメディアに押すかみたいなことを考える方がいいかもしれないですよね。
受け取りたい人とのうまくマッチングができないと、ストーリーってすごくネガティブに取られるよね。
プレスリリースにストーリー性をあまり求めてしまうと、別に読み物を読みたいわけじゃないからね。
プレスリリースに沢山の作品が出てきたのを、さっさと捌いている感じで見ようとしているのに、これがいかに歴史的なことかと書かれても、違うものを読んでいる感じになるから、結構キツかったりします。
リリースってやっぱりお作法があるじゃないですか。タイトルでこう書いてあって、副題でこう書いてあるから、だいたいこの内容だなとかわかったりするのが、前段の背景とかがわーって書いてあったりすると、結局見る場所がわからなくなるみたいになるので。
リリースの書き方
リリースの書き方のお作法は、いろいろ多分意見があると思うんですけど、今の話だと例えば、私がやるのは、どうしても書きたいんだったら、お作法に則るってやつですよね。タイトルと概要があったなら、まずは結論。この製品はこのターゲットでこういうスペックでこうです。
ちなみに特徴はこうです。ここがすごいです。その後にこういう風に事例、こういう風に使われています。開発経緯、実はこういうバックボーンもありました。という風に分ける。お好きなところだけお読みくださいみたいな。
それを読みやすくていいね。
ノセッタインだったらそういう方法の方がいいかもしれないですよね。
クライアントさんというか、リリース出しての社長だったり商品企画だったりとかの人によってそういうのに入れ込みたいって人たちはやっぱりいるんだよね。
あともう一つ、最近のPRのいろいろ扱っているところとかがこういうのをやっているという要素として、以前はリリースってすべてメディアの記者さんのために書いていたから、今みたいな話が重要なわけですよ。記者さんに事実をちゃんと伝える。
だけど今は原文がそのままインターネットに載って拡散される状況にあるので、それ自体もコンテンツだというのがあると思うんですよ。
どうするのっていうのは、いろいろと悩みどころだと思うんですけど、例えば自社のホームページに自分のことを褒めることが書いてあったらすごい寒いじゃないですか。
だから自社のホームページに載せる事実情報としてのリリースと、メディアの方にお届けするためのプレスリリースと、オンラインSNSで拡散してもらうためのニュースと、部署を分けてもいいんじゃないかなって個人的には思ったりします。
受け手が違うってことだもんね。
だからエモーショナルな開発秘話とかを商品企画や社長は一般の買ってくださる方にお伝えしたいわけですよね。
だからリリースがそういうエモークになるわけですよ。
だとしたらリリースにイントロだけを書いてホームページに誘導するとかね。
ホームページにガッツリエモい感じで、この商品はなぜ生まれたかみたいなコンテンツを作ればいいと思うんだよね。
確かにね。それならメディアの人も気になる人だけ読むとかになるから、いいね。スッキリして。
そうなんだよな。あれ謎なんだよな。
ポエムから始まるリリースとかもあるじゃないですか。心を許されるなんちゃらみたいな。
でもあれって本来プレスリリースではなくて、商品広告に使うためのコピーだよねっていう。
あともう最近あるのはその手のリリースとかだと、ポエミのやつ以外にリリースだと思って読んでたら、なんか企画提案じゃねえかみたいな。
メディアのネタをもうこっちで考えておりますみたいな感じのやつが来たりとかするんだけど。
あれも間違ったコンサルタントをされたことによって起こる。
他のメディアさんもわかんないけど、メディアの立場からしたら、自分たちで考えなきゃいけない部分も形にされたら、そっちで勝手にやればいいじゃないかと思うんだけど。
映像系のテレビとかだと、どう紹介してほしいのか考えて企画にしてきてっていうディレクターさんもいるわけですよ。
メディアへの情報発信
内容に詳しくないとか。
例えば、この新しいサービスを紹介してもらいたいんですって売り込みに行くと、ちょっとよくわかんないんで、どういう番組にできるのかっていうのを提案してもらえません?って言われたりするんですよ。
そうだよね。わかんないからってあるよね。
僕もバンシーに行ったときに、テレビのスタッフが多かったというのもあって、全部の確認を企業側に返してるスタッフがいて、
なんで?って言ったら、内容に自信がないんでっていう話をしてて、なるほどと思って。
でも、もう俺が見るようになるからやめてって言って、やめてもらったんだけど。
確かにテレビの人で詳しくなくて、でもコンテンツをその内容について伝えなきゃならないってなったら、
そういう確認作業みたいな感じで返すのも含めて、企画から全部やってもらった方が楽だっていうのもあるかもね。
紹介してもらいたいんだったらそうしてくれっていう圧みたいなものっていうのも、
うちら忙しいんでねっていう圧みたいなものもあるわけですよ。
要は、こっちが代理店みたいに、広報担当が代理店みたいになっちゃってて、プレゼンしに行くみたいなね。
えー、嫌な感じ。でも、メディアが強いから。
そういうこともあったりするわけですよ。
それこそ、自分の会社の競合とかを全部まとめて、資論して持って行ったりするとかね。
要は、これで比較していただくことができますよ。
あれだったら、他の会社も全部アサインしますみたいな。
でも、同じような競合が同じように別の角度から同じことをやってる可能性もあるんだもんね。
テレビの売り込みとかで、うちの社長がいかに映えるかみたいなのをプレゼンしたりとかね。
だから、社長とか会社を、例えばバックボーンが激動だとかね。
コンテンツとして面白く見えるかってことを。
こういう絵が撮れますとか、うちの会社はこういうエモい映像を撮れますとかね。
確かに、メディアの社長、特に社長インタビューとかで普通にやってますっていうのは、全然コンテンツにならないからね。
そういうのとプレスリリースが混同されてしまうっていうのは、
アサギデジタルラボの展望
提案資料とプレスリリースって違うよねっていうのが混ざっちゃうっていうのはあるんだと思うんですけどね。
声をお題にして言っていただけるとね、コウホーの皆さんに。
ポエミーなレリースは、メディアの人みんなめんどくさいと思ってるよって。
大体の人は思ってるんじゃない?
たくさんポエミーな、毛色の違うポエミーなものをたくさん読む仕事なんですか、我々は?ってなるからさ。
そこを、要点を絞ったものをもらって、それを料理するのが仕事なのに、
すでに料理化されている日かで違う料理を作るっていうのは、手間がかかるなという感じは正直思ってます。
でもそれ多分メディアによるのかもしれないね。今の話はテレビ系とかの違いそうだからね。
ストーリー性っていうのを劇的な感じにするっていうところだけに思ってしまうとそうじゃなくて、
広報のベテランの人がやっているストーリー性っていうのは、ちゃんと起承転結がありますか?っていう、
買う則ないレリースになってますか?ということで使っていることもありますよっていうことですね。
綺麗にまとまったところで、お時間が来てしまいました。
ありがとうございました。
アサギデジタルラボのミッションは、コンテンツで明日のワクワクを作るです。
バウンシー、ムーブー、ニュートンハブといったですね、メディア事業の知見をもとに、
受託、製作、ウェビナー、企業研修などいろいろやっております。
そしてですね、先日発表されましたが、アサギデジタルラボは朝日新聞社のグループ会社と経営統合をしてですね、
10月1日より株式会社4Xという名前に生まれ変わります。
朝日インタラクティブ、サムライト、TECといった会社とですね、
アサギデジタルラボが一緒になってですね、さらに様々なコンテンツをお届けできたらと思っております。
そちらもどうぞお楽しみに。
武田さん、ありがとうございました。
ありがとうございました。