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2023-05-20 17:15

【第4回】『スターガール:ロストチルドレン』はDCらしさの再定義を試みる

今回はDCの『スターガール:ロストチルドレン』の紹介。

プロジェクト『ニューゴールデンエイジ』の一環として始まった今作の紹介を通して、

「ゴールデンエイジとはどのような時代であったのか?」

「なぜマーベルにはサイドキックが少ないのか?」

「DCっぽさとは?」

といった話をしています。


Twitterアカウント:@nobnobnobbonbon

#アメコミ#アメリカンコミック #DCコミックス #ジャスティス・ソサエティ・オブ・アメリカ #JSA

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ポッドキャスト版アメコミ放浪記をご視聴の皆さん、こんにちは。
このポッドキャストは、アメコミ好きの会社員、私、NOBBONが最近読んだコミックの紹介を中心に、アメコミ関連の話題をさせてもらうものです。
今回は、先日完結したDCの【スターガール)ロストチルドレン】の紹介です。
この作品は、ライターはDCの看板ライター、ディフ・ジョーンズ。
最近は映画の関係であまり手が回っていないのか、正直仕事量が以前より減っているので残念です。
アーティストはドットナウックになります。
早速、あらすじですが、この作品の主人公は2人います。
1人は、タイトルにもなっているスターガール、コートニーです。
このスターガールは、ゴールデンエイジから続くヒーローであるスターマンというキャラクターがいるのですが、その何代目かにあたるキャラクターです。
このスターガールは、ギリの父親であるストライプシーというキャラクターとのコンビキャラになっています。
ストライプシーというヒーローはゴールデンエイジからずっといるキャラクターですが、
変則的で、昔ゴールデンエイジで活躍していた頃、子供ヒーローのスター・スプラングルド・キッドというキャラクターがいて、
そのサイドキックという位置づけのキャラクターです。
昔から子供がヒーロー本体で、大人がサイドキックになっているという変則コンビでやっていたコンビでして、
スターガールとの関係がそれと似ていて、スターガールがメインのキャラクターで、そのサイドキックという形でストライプシーがいるような形になっています。
雰囲気的にはヒーロー家業を満喫したいコートニーと、娘にあまり危険なことはさせたくないんだけども、
血のつながらない娘に対してあまり強く出れない、ちょっと甘い父というデコボココンビみたいな感じでやっています。
ちなみにこのスターガールコートニーなんですけども、ゴールデンエイジのヒーローたちを中心にしたチームのJSAのメンバーでもあります。
そしてもう一人の主人公がレッドアローになります。
その名の通り、グリーンアローのサイドキック的なキャラクターで、中身はオリバークイーンの妹のエミコクイーンになります。
オリバーとは母親が違う兄弟になっていて、エミコクイーンの母親は宮堂ヤクザのシャドーというキャラクターになっています。
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というわけで、主人公はスターガールとレッドアローなんですけども、
この2人の関係性的には、わりといい子の優等生のスターガールに対して悪友のレッドアローという感じになっていて、
スターガールが父さん母さんに言われたから今日は勉強しなくちゃとか言ってるところに、
急にレッドアローが忍び込んできて、いいから冒険に出かけようぜみたいな感じで誘うような関係性になっています。
今回の物語も、そんなレッドアローに誘われて冒険の旅に出た2人が謎の救難信号を追って地理のない島を発見するんですね。
その島に上陸するんですけども、その島に上陸した瞬間に謎の敵に2人が襲われて、はぐれてしまうんですね。
その敵に追われるスターガールは、突然その島の中に隠れ住みながら共同生活を送っている少年少女の集団に助けられることになります。
その少年たちというのがただの子供たちではないんですね。
実は彼らは全員がヒーロー、それもいわゆるサイドキックと呼ばれる少年ヒーロー、少女ヒーローたちが共同体で生活を送っています。
ここで読者は、突然今までに見たことのないゴールデンエイジのサイドキックたちを大量に目にすることになるんですね。
例えば初代フラッシュのジェイの娘であるブームであったり、ドクター・フェイトの弟子であるセイラム・ザ・ウィッチガールという魔女子だったり、
もしくはミスター・テリフィックのサイドキックのクイズキッドというのがいたりするんですけども、
実は彼らは設定的にはゴールデンエイジに活躍しながら時の流れから奪われていて、
世界の表裏とはごろか、読者の境遇からも消え去っていたキャラクターたちという設定になっています。
果たして彼らを時の流れから外してこの島に閉じ込めたのは誰なのかというのが今回の物語になっています。
アペールしたいのが、とにかくこのサイドキックたちのデザインが衆議質なんですね。
みんな絶妙に洗練されていなくて、いかにもゴールデンエイジだなという、今風じゃなくて昔風の可愛さなんですよね。
これは画像に出せるのがもどかしいんですよね。
昔ブログとかやってたときはキャラクターの絵を出せば一発でわかってもらえるんですけど、それが本当にポジティブキャストはもどかしいですね。
例えば人間爆弾であるヒューマンボムというキャラクターがいるんですけども、そのサイドキックはチェリーボムって言うんですけども、
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メインのヒーローの名前を無理やり可愛くしたヒューマンボムのサイドキックだからチェリーボムっていうのがゴールデンエイジの味でして、こういうのが本当に山ほどあるんですよね。
しかもDCはこれ本気でして、わざわざこういうキャラクターを紹介するために、DCが昔作っていたキャラ図鑑に寄せた形式で彼らの経歴を紹介してるんですね。
このページも本当にお見せしたくて、ページを見たらDCファンなら、このデザイン見たことあるっていうような定番のデザインになってます。
ここら辺からもDCがこれらのキャラクターを本当はゴールデンエイジからいたキャラクターなんですよ、皆さんが忘れてるだけでっていうふうに扱おうとしてるのが見えるんですね。
このキャラクターを見るだけでもこのタイトルは読む価値があるかなと思ってます。
そしてこの作品は決してゴールデンエイジ風のキャラクターの可愛さを楽しむだけの作品ではなくて、実はこの作品というのは今DCがやっているとある大きな試みの一環になっています。
その試みというのは、ニューゴールデンエイジというワンショットにターンを発するゴールデンエイジのDC世界を再定義しようという試みの一環になっています。
そもそもゴールデンエイジとは何かという話なんですけども、これは本来的な意味では1930年代後半にスーパーマンのデビューをきっかけに起こったヒーローコミックのブームになります。
この時代に大量のヒーローコミックが刊行されまして、DCでは初代グリーンランタンのアラン・スコットであったり、初代フラッシュのゲイ・ギャリックなどがデビューしています。
その後ヒーローコミックブームというのはしばらくすると一旦軟落して、ホラーや戦争モノというのがコミックの主流に移っていくんですけども、
この後でまた1950年代にバリー・アレンが2代目フラッシュのデビューしたことをきっかけにして、再びヒーローコミックのブームが再現して、この時代は今度はシルバーエイジと呼ばれることになります。
このシルバーエイジの時代にはハル・ジョーダンが2代目グリーンランタンとしてデビューしたりしています。
そんな現実世界の流れを受けて、DC世界の中での歴史はどうなっているかというと、大体においてゴールデンエイジにデビューしたヒーローたちがDC世界内でもヒーローの第一世代になっています。
この時代のヒーローである初代グリーンランタンや初代フラッシュたちが結成したチームがJSA、Justice Society of Americaになっています。
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彼らがDC世界のヒーロー第一世代になっています。
その後、シルバーエイジにデビューしたヒーローにバットマンやスーパーマン、ワンダーウーマンを加えたのが現役の中心世代になっています。
ただ、このJSAの世代というのは、DC世界においてはどちらかというとおじいちゃんヒーローでして、現役世代というのはシルバーエイジにデビューしたヒーロー、ハル・ジョーダンだったりバリー・アレンだったりというキャラクターにスーパーマン、バットマン、ワンダーウーマンを加えたのが、
加えたジャスティス・リーグが現役の中心世代になっているというのがDC世界の基本的な歴史になっています。
そして、このJSAが活躍した時代、このゴールデンエイジを新しく改めて定義しようというのが、今回のニューゴールデンエイジというプロジェクトの意図になっています。
じゃあ、なんでわざわざゴールデンエイジの最低義が必要なのかというのは、当然湧いてくる疑問だと思うんですけれども、それはニュー52の時にゴールデンエイジの存在というのが曖昧になってしまったからなんですね。
皆さん、ニュー52のジャスティス・リーグ誕生の内容をちょっと思い出してほしいんですけれども、あれって、要は今までヒーローなんて存在しなかった世界に突如ダークサイトが襲来して、
そこでジャスティス・リーグがそれを撃退するというのが、世界がヒーローを認識した初めのその瞬間という内容だったと思うんですけれども、
要はニュー52ではジャスティス・リーグがヒーローの第一世代になってしまったんですね。
結果として、初代ヒーロー、昔のヒーローたちが集まっているというのがアイデンティティであったJSAの存在というのが消えてしまっていました。
その後、DC世界でもようやく曲折があって、JSAと彼らが活躍した歴史というのは一応DCの政治世界に戻ってくるんですね。
ただ正直、印象は薄いものというのが正直な感想でして、要は歴史が戻ってきたけれども、そもそもJSAって昔どんな活躍してたの?というのがちょっと曖昧になってしまっていました。
なので、改めて今のDC世界でのゴールデンエイジはどんなものだったのかというのを、まず今、再定義する必要があって、
その試みというのが今回のニューゴールデンエイジという試みになっています。
そして、ゴールデンエイジの再定義というミッションを行うために、DCは2つの作品を用意しました。
1つはJSAでして、これはそのものづまりゴールデンエイジの消極狂とも言えるチームであるJSA、Justice Society of Americaを主人公にしたものでして、
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内容的には現代過去未来、すべつの時代のJSAをバットマンとキャットウーマンの娘であるヘレナ・ウェインが起法するという内容になっています。
これもちなみにゲフ・ジョーンズが書いていますね。
もう1つのタイトルというのが、今回紹介したスター・ガール、ロスト・チルドラインになっています。
そして、こちらのほうがテーマにしているのがサイドキックの復活なんですね。
つまりDCはゴールデンエイジの再定義というのはJSAの再定義であると同時にサイドキックの再定義でもあるというふうに言っているんですね。
これはかなり奪った見方でもあるんですけども、個人的にはなるほどと思わせるものがあります。
確かに大昔って主要なヒーローには大概サイドキックがいる。
むしろサイドキックがいてこそヒーローとして一人前とも言えそうな時代があったんですね。
しかしそういう傾向というのはある時点で実はプッツルとなくなってしまいます。
その傾向がはっきりと見せとれるのは、DCとマーベルのサイドキックを比較した場合なんですね。
実はマーベルにはあんまりサイドキックっていないんですね。
もちろんマーベルにも子供ヒーローというのはたくさんいます。
その子供ヒーローの中にはミズ・マーベルであったり、マイルズ・ムラレスのように、
旧世代ヒーローの名前であったり、コスチュームであったり、もしくはモチーフであったりというものをついているキャラクターも少なくないです。
ただ、大人ヒーローがメンターとしてついていて、そのメンターの保護家の下でヒーロー活動を行う子供ヒーローという意味でのサイドキックはほとんどいません。
これはそもそも現代のいわゆるマーベルユニバースが設立したのがゴールデンエイジではなくてシルバーエイジ。
それもフラッシュの登場によるブームから5年遅れて誕生したことが原因になっています。
一般的にマーベルユニバースの設立は1961年のファンタスティック4の登場をもってマーベルユニバースを設立することが多いのですが、
そもそもマーベル自体がシルバーエイジの終わり間際に、それまでのヒーロー物へのアンチデーゼとして登場した側面があります。
それを端的に示すのがスパイダーマンの初登場のエピソードかなと思っていて、
あれって思い出してほしいんですけども、スパイダーマンの初登場エピソードって、
いきなり僕たちもスーパーヒーローなんて飽き飽きしてるんだけども、でも今回のヒーローはちょっと違うんだみたいな、
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そういう編集部からのぼやきで始まってたと思うんですね。
つまり乱暴に言ってしまうと、マーベルユニバースっていうのは、それまでのゴールデンエイジ、シルバーエイジ的なヒーロー、
もうちょっと言ってしまうと、DC的なヒーローに対するアンチデーゼとして生まれた側面があります。
そのせいで、マーベルには昔ながらのゴールデンエイジ風のサイドキックというのは少ないんですね。
いたとしてもキャプテンアメリカに対するバッキーであったり、あとはヒューマントーチに対するトロのように、
マーベルユニバースの設立前、タイムリーコミックス時代からの復活組ばっかりなんですね。
一方で、ゴールデンエイジとシルバーエイジの縦役者であったDCにはサイドキックというのはたくさんいるんですね。
言い方を乱暴にしてしまうと、サイドキックというのはゴールデンエイジっぽさであると同時に、
DCらしさでもあると言えるかなと思います。
というわけで、今回紹介したスターガール・ロストチルドレンという作品は、
サイドキックを定義することでゴールデンエイジを再定義して、
ゴールデンエイジを再定義することで、そのDCっぽさを再定義していこうという非常に野心的な試みの作品になってますので、
興味を引かれた方はぜひ読んでいただけたらなと思います。
というわけで、今回の話題は以上とさせてもらいますが、いかがでしたでしょうか。
感想であったり、紹介してもらいたいタイトルや、アメコミに関する質問などがあれば、
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それでは次回の更新でお会いしましょう。ご視聴ありがとうございました。
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