それでは、今回のゲストサボテンさんです。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。サボテンです。
自己紹介をお願いします。
そうですね、僕も研究者をやっていまして、神奈川県で生まれて、大学は脳の研究がしたくて、脳の研究を代々的にやっているというのをホームページで見かけた大阪大学の基礎校というところで入学しまして、
そこで、もともと高校の時から脳の研究に興味がありまして、そこから入っていって、続けて大学院に行って、そこから卒業して、アメリカで研究したいなと思いまして、
アメリカで優秀ばっかりに行って、ポスト学3年間終えて、現在とある脳の研究所で研究しているということになります。日本の研究所です。
サボテンさんと初めて会ったのが多分、サボテンさん俺より早く留学しますよね?
そうですね。半年ぐらい早くで、年末のUCSFの5年会で初めて会ったのを覚えています。
バークレーから人が来ているんだと思って、遠くない?って思ったから。
そうですね。慣れたらそんなに遠い感じはないんですけど、その時はバークレーから参加したのは確か僕ぐらいで。
うんうん、そう思います。
パ大学との交流も楽しいなと思いましたし、カニ鍋がすごい美味しかったなと思って。
ああ、そうだったな。いつでも戻ってきてもらって、またクリスマスに。
クリスマスに合わせて考えておきます。
研究に至った経緯を聞いていきたいんですけど、そもそも脳に興味を持つっていうのは、どういうことがきっかけで脳に興味を持つんですか?
そうですね。いろんな要因があって脳に興味を持ったと思うんですけど、
例えば、小さい頃祖父母と祖祖父家のお家で遊んだりとか、すごい仲良くしてもらったことがあって楽しかったんですけど、
ある日その祖父祖父が入院して、しかもそのまま亡くなるわけです。それで、人生って楽しいけど終わりあるんだと思って。
その時に気づいて、人の死とかそこらへんについて衝撃的だったんで、生きてて喋ってた人が骨になってっていうところで、すごいショックがその時大きくて、
死んだ後どうなるのかとか、そういうことを小さい頃から考えるっしょ。
結構あれですね、文系系ですよね、脳みそって。
そうなんですよ。もともと哲学者になりたいなと思うぐらい、哲学の本を読んで、最近もう亡くなっちゃったんですけど、池田明子さんっていう人とかが、
14歳からの哲学という本で、若い子向けに対してこういう風な生き方だったり、それこそ死とは何かっていうところまで書いてる本とかって、
そういうのにどっぷり使って、哲学者になるのも面白いなとは思ってたんですけど、
でもそもそもちょっとあんまりご飯食っていくの厳しいっていうのを、哲学者はそういうの聞いたり、
あと今になって客観視できて気づいたんですけど、ちょっとなんか批判的なこと言ったら問題かもしれないんですけど、結構哲学者の中にも結構思想家というか、
自分はこう思うっていうところを言う人が多くて、あんまり客観性がないなっていう話も結構思うように、多分その時も言葉にはできないですけど思ってて、
そんな脳活動というところと人の心というところを、より定量的、数値的に記述できるようにして関連を調べるという、
認知神経科学という学問があるっていうのをネットで調べてて見つけて、そのやってる大阪大学のところに入学したっていうところで。
結構興味は変わらず続いてますね。
じゃあもう入学する前からなんですね、その脳に興味があったの。
大学受験のモチベーションがなくてあまり。テストとかだんだん高3ぐらいからだんだん成績下がっていって、何のために大学入学するのかなみたいな。
考えてた時に、入学する理由を見つけるっていうか、そういうモチベーションを確保しなきゃやばいなって思ってて、
受験勉強と同じぐらい、自分が何したいかっていうところを考えて、いろいろネット調べたりとかして、
そこからまた成績も回復していったんで、聞いてる方いるかわかんないですけど、高校生とかでそういうモチベーション失ってしまってる方とかは、
全然何やりたいかっていうことを考えて、そういう時間を確保したらいいと思います。
半大、どこまで言ってたかわかんないけど、半大基礎校ってどっちかっていうとゴリゴリのエンジニアリングっていうか、そんな別にブレインサイエンスとかいうイメージはそんなないんですけど、どうなんですかね。
基礎校って大きい枠組みの中の小さな部門で、生物工学コースっていう部門があって、
さらにこの一部に脳のことを研究している研究室が3つぐらいあって、僕は当時その日本一の脳の研究所みたいな風に新聞の切り抜きみたいなホームページ貼ってたんですよ。
それも1990年代の新聞の切り抜きで、僕入学したのは2012年。すごい古い時代だったと思うんですけど。
騙されたってわけじゃないんですけど、日本一ならやりがいがあるなっていうか、そこに入学するモチベーションあるなっていう感じで頑張ってます。
脳って言っても、人とか猿とかネズミとかいろいろあるじゃないですか。そこまで結構考えてますか?
そうですね。今僕がアメリカ行く前にいた研究所が、主に人を対象とした脳を研究する研究所、心理実験だったり、
MRIっていう装置を使えば脳活動とか脳の構造を調べてそれとの対応できるので、人を対象とした脳の研究ができるんですけど、
僕が入学する段階ではその研究所はなくて、漠然と脳の勉強したいなっていうところで入って、
もしその研究所がなかったら霊長類の脳であったり、マウスの脳であったりを対象とした研究をすることになったんですけど、
僕が入学して1年後ぐらいに、人を対象としたことを主に研究する研究のビルができて、ちょうどいいタイミングで出来上がって、
研究室配属でそこ行きたいなと思って入りましたね。
人を対象についてなんか難しそうですね。どうやってやるんですかね?
なかなか現状脳活動とかと心理実験の結果と組み合わせる程度で、
霊長類とマウスとかですと薬理的な解剤、ここの神経回路を変えたらビヘビアが変わるとか構造が変わるとか調べることはできないんですけど、
なかなかその倫理的に薬剤を人に投入して、心の変化を知るというのはなかなか難しいし、
医学的なニュアンスというか、医学的な研究で軸刺激というところで脳を刺激してその行動を変化する。
結構疲れているものはその刺激で鬱病とかを治したり、精神疾患に介在していくということもあるんですけど、
なかなか普通の研究目的のところでやっぱり難しいというのは現状であります。
マウスとか霊長類のやつって脳みそって人間に近いんですか?
どうなんだろうなって。
それ結構面白いかもしれない。人の脳の10分の1がだいたいお猿さんで、そのさらに10分の1がネジミです。すごい小さい。
大きさですか?
大きさです。
あ、そうなんだ。猿ってそんなに小っちゃいんですね。
猿もすごい小さくて10分の1なんで、結構実験する人とかは大変そうですね。
知らなかったな。
マウスはよく見ますけど、人間バカでかいんですね。
すごい違いがありますね。
そこで半大でずっといたんですか?その博士課程まで。
そうですね。半大、わかりやすいところだと理研とかってあると思うんですよね。
理研とかって大学院生もそこで研究してると思うんですけど、理研みたいな研究所が半大の敷地内にありまして、
そこにある意味協力研究員という研究生という立場でいて、ただメインの所属は半大にあってというところになってましたね。
でもそうですね、ずっとそこでアメリカ行くまでにいました。
それアメリカ行こうと思ったのは大体いつぐらいなんですか?博士課程の。
博士課程。
それかもだいぶ前から。
学部4年の時からそこの研究所にいたんですけど、そこに入った所属、研究室配属で所属してたところに、
当時その僕が入ったタイミングで、2人補足でコロンビア大学から1人とスターフォー大学から帰国してきた人。
学生は僕の2校目の人が1人、あと僕しかいなくて、その時の僕の指導教員の人もスターフォー大学から帰ってきて、
数年というところで、みんな海外から帰ってきて、研究者として成功するにはアメリカなり海外で研究するのがマストなんだなというか、
そこに向けて海外留学、卒業からできるように業績なり貯めていかなきゃなっていう感じで、
すごいみんなモチベーションが回り高かった人に囲まれてました。
すごいですね、コロンビア、スタンフォード、つよつよ大学が揃って。
つよつよ大学が。
ミーティングも基本英語でやってました。日本人しかいない時も。
マジか。
外国人も、外国の方もよく研究室に訪問したりとか、その研究所、できたてでこれから頑張っていこうという研究所だったんで、
毎月数人ぐらい外国の方が来て、その人を対象に、僕学生ですけど、ローテーションで研究紹介して英語で、
フィードバック得てみたいな、そういうところで、正直アメリカ行ってからとあまり変わらないようなスタイルで、
外国の方と交流できたんで、すごい良い環境でした。
日本にもそういう環境あるんですね。
そうですね。だんだん予算が減っているらしいんで、それがいじれているかもわからないんですけど、
その当時はすごい良い恵まれた環境だったなって思います。
そうだな、インビテーションするのもお金かかりますもんね、やっぱり。
そこからアメリカ一択なんですか、スタンフォード、コロンビアっていう人がいて、
ヴァイセンさんなんかヨーロッパがいいみたいなこと言ってましたよね、なんか昔。ヨーロッパの方が住みやすいみたいな。
僕の分野はアメリカ一挙とかそういうわけでもなくて、全然ヨーロッパのオランダも強いですし、
イギリスもそれは当然強いですし、あまり特にここじゃなきゃいけないっていうところはないんですけど、
やはり研究所にいた先輩方から西海岸楽しいよって聞いたりしてたんで、
アメリカはとりあえず行こうかなって。
あと英語が頑張れば通じればそれで大丈夫っていうのもあって、他の言語を習得する大変さもないですし、
あと一番の理由としては、大学院時代にやってた研究で脳の繊維を見る研究をしてたんですけど、
ちょうど見てた繊維と物の見え方、視覚との関連を明らかにする研究を行ってたんですけど、
その繊維っていうのは100円ぐらい見落とされていた繊維。
繊維って何ですか?
分かりづらいです。脳って肺白質と白質っていう部分から主に交通されてまして、
肺白質っていうところに神経細胞が密集していて、脳はネットワークを形成して細胞同士のやり取りをする必要がありまして、
脳の深い位置に白質という本当に白く見えるところがあって、
そこに軸作と呼ばれる、変異の言い方をすると繊維があって、
その繊維を介して細胞同士が接続されて、情報のやり取りをしている構造になってます。
でもそこで100年、誰も見つけたことがなかった?
誰も見つけたことなかった繊維っていうものを、アメリカの今のボスが見つけて、
そこの領域に対して心理学的な関連を僕が論文を書いたんで、
その人の話を聞きたいなと思って、その論文が出たタイミングでトークシーに行って、
話しているうちに興味が一緒だったっていうのもあって、
ポストドクサーとして一緒に研究しやすいなと思ってそこに決めましたね。
もうそこ一本ずりですか?
いや、他のところも話したりとか、自分がいた研究所に来た方ともお話したりとか、
あとバークレーで訪問したところでも、他の研究室でもトークしたりとかで、
いろいろ視野は広げていたんですけど、その時の自分に興味があった内容というか、
そうですね、僕が行ったタイミングっていうのはまだ大学院1年生じゃなくてあるか、
他の行ったところは5年一貫生課程で、その時3年目だったんですけど、
早いですね。
早いですね。
で、カリキュラムの一貫で海外で研究してくださいっていうのがマストであったんです。
ただ僕がそれをやろうと思ったタイミングでコロナ禍になってしまって行けなかったんですけど、
今Zoomとかで一緒にミーティングとかで研究もできるっていうところで、
そこの大学院時代からどこかで一人で研究しなきゃいけなかったんで、
その段階から考えて、今のバークレーの先生にアポ取ってやっていきましょうっていう風に、
ある意味スタートしちゃってたんで、
ポスト学でインパーソンでアメリカ行ったのは大学院卒業してからだったんですけど、
結構やり取りはその前から続いてたっていうのはありまして、
比較的シームレスにそのバークレーの研究室に行ったなと思ってますね。
そうか、英語をもともと喋れる環境にあったからそこら辺のコミュニケーションもうまくできたわけですね。
結構簡単にというかスムーズに。
僕自身全然上手じゃないんですけど。
サボテンさんの英語聞いたことないな。
聞いたことないぐらいそんな喋らない。
使わないですけど。
早めから会ってたんで、僕の英語力も理解してくれた上で、研究室に実際迎え入れてくれたっていうのもあって、
英語力が多少下手でも理解してもらえる土壌があったっていうのは、
いいか悪いかは置いといて、優しい先生でよかったです。
やっぱり熱意なんですかね。熱意と興味。
そうですね。興味と、ちゃんと研究していればそこが一番大事なことなんで、
怖くていいっていう感じです。
話あれなんですけど、ポストオク先ではさっき言ってたコラボの発展させるような感じのプロジェクトをやるっていう感じでジョインしたっていう感じなの?
そうですね。もともと僕がテーマ、僕が選んだってわけじゃなくて、
その先生が当時ペンシルバニア大学の先生と研究していこうっていう話で、
ただ具体的などういうことをやろうっていうところも決まってなかったんですけど、
データがあるから、それに対してまず解析する手法というか、ものも開発しなきゃいけないし、
取得したデータがあって、それに対して何をするかっていうタイミングで、
僕がバークレーの先生と研究したって言ってたんで、そこの段階からスタートしたっていうところで、
一応バークレーとペンシルバニアで研究しようっていう流れはあったんですけど、
やることは決まってなくて、そこから入ったっていうことです。
サボテンさん実際に博士課程ってどういう研究をそもそもやってたんですか?
視覚の研究をメインでやってて、かつそれの神経基盤として脳を調べようというモチベーションの研究室にいたので、
まずその視覚機能を調べるためで心理物理実験というところで、
どれぐらいの明るさなら見えますかだったり、どれぐらいの立体感なら視覚できますかっていうところを
心理実験でランダムに提示して、どれなら見える、見えないっていうふうなことをして、
その人の見え方っていうものを定量的に数値で調べて、
その数値とそれを見ている時の脳活動っていうのを定量的に表せることができるので、
それとの関連というものを調べるというところで、
心理物理実験とMRIを使って脳活動を調べる、その関連を調べるという研究をやってました。
MRIってよく輪切りにしたり病気見つけるのをよく使いますけど、それで脳の活動っていうのは見れるんですか?
はい、その手法を開発したのは小川誠二さんという日本人の方で、
僕はノーベル賞を取ってもいいんじゃないかなと思っているんですけど、脳の血流変化を見ることで、
あるものを見ている時にある血流が変化して、また別物を見ている時にはまた別の血流の変化が見られて、
その血流の変化から脳活動との対応付けということをやってますね。
それでFMRIというファンクショナルMRIという方法なんですけど、
それで生きている人を対象にどういった脳機能が得られるかというところを見ることができるという素晴らしい方法です。
でもNAKAMURAさんのおっしゃる通り、輪切りにした、つまり脳の構造、動いていない情報というところで、
どれぐらい分解速度の密度が高いか薄いかとか、そういった情報も知ることができて、
MRIって意外にいろんな生態情報を拾うことができる素晴らしいものだと思っています。
それは疑問的にはどういうところになるんですか?光の強さの検出と脳活動というのは。
僕の研究からずれてしまうんですけど、例えば外を見たときに眩しいですけど、
それが眩しいままじゃなくて目が慣れるじゃないですか。
というところで、人の目から入った情報を脳がその光の量をコントロールして目が慣れるというところに行くんですね。
コントラストですね。明るすぎるままだと光の絶対量をそのまま受け取っていると眩しいだけなんですけど、
あるところを基準とした差分を見ることで眩しくならないようにするという調整が目でもあるんですけど脳でもあって、
そういった調整をされた後の光の感じ方と脳の関連を見るというところもやっている人はいますね。
自分の研究で話した方が分かりやすかったと思うので話すと、僕がやってた研究は奥行きですね。
人の3Dビジョンの研究をしてまして、例えば映画館だとアバターとか3D映画が昔流行ったと思うんですけど、
そちらは左目と右目で提示している映像というものを左右方向に少しずらしているんです。
ステレオと呼ばれる映像なんですけど、その人というのはズレから奥行きを近くすることができるということができまして、
詳細は省くんですけど、つまり左目と右目の映像のズレが大きければ大きいほど、大きな奥行きを提示できるんですけど。
赤青のフィルムを貼った眼鏡みたいので立体視ってできたりするじゃないですか、子供のおもちゃで。
そうです。
赤青のあれって、元の絵って赤と青のインクってちょっとずれてやってますもんね。あれと同じことですかね。
はい。分かりやすいですね。ありがとうございます。
え、けど片目で見ても奥行きって分かりません?
そこも大事なポイントで、例えば手前のものと奥のものって、手前のものが奥のものを遮ることで奥行きっていう風に近くできます。
なので、片目でも奥行きも近くできるんですけど、両目でも奥行きが近くすることができて、
僕が研究対象としてたのは、両目で奥行きを近くする両眼立体視というものを対象に研究してました。
実際、例えば外出て木の枝とかを見てもらったら分かりやすいんですけど、
片目を閉じて10秒ぐらい見ていただいて、その後両目で見たら、
より木の枝の立体構造っていうのが分かりやすいと思うので、そういうのをやってみたら楽しいかなと思います。
今の話も、僕がいた研究室っていうところで立体視の研究をされている教授の方を見て、
その先生の本に書いてあった話をそのままやりました。
いろんな脳をそもそも興味があったきっかけっていうのがあったと思うんですけど、脳の研究をやってみて、
実際に自分で脳の活動を見てみて、何か変わりましたか?脳への興味というか。
大学院時代は、とりあえず脳関連する研究ができたらいいなっていうところで、
とにかく頑張るっていうことしか考えてなくて、一回自分の脅威っていうところ。
正直、人の感情はどう生まれるのかっていうところは、いまだに興味あって、そういうところも今後やっていきたいなと思うんですけど、
とりあえず自分らへの成果をあげて、一つ一つ勉強していきたいなっていうところで、
脳の研究分野として視覚、ビジョンっていうのは確立されてきた分野なので、
勉強し始めるという意味でもそれは良かったかなと思ってますし、
人間の興味って結構コロコロ変わると思いますね。
初めこういうのやりたいと思って研究室でやりますけど、
それが実際やれなくても、あまり後悔することって始めちゃったらない気がしますし、
それはそれで良かったかなと思いますね。
どうですか皆さん?
モチベーションとして持ったものを大学院でやっていたかっていうところはどうでしたか?
ボス読でも結局出しまったら与えられた研究をやることになるパターンが多いと思いますけど、
それでも最初興味ないなと思っても意外と興味が出てくるっていうのはあるあるかもしれないですね。
あるあるですね。
僕も大学院の時はまだざっくりとしたテーマの中から、
じゃあ自分は何やりたいかっていう感じだったんですけど、
ボス読の時は結構もうこれやりましょうっていうところを
ボスはトップダウン的に決めたがる人だったんで、
それはそれで新鮮な環境というか、大学院とは違う状況だったんで、
それも勉強になるなと思って、
それもそれでやってたら楽しさもあったんで、
結局楽しく研究できていれば何でもいいかなと思います。
でもやっぱり脳という、脳科学という大筋からは外れないところはやっぱりそこの興味っていうのが一番強くあって、
その中のサブグループ的なところはその目の前で自分ができることだったら
興味持って深く研究することができて、今もそれが続いているっていう感じなんですかね。
そうですね。与えられたテーマも含めて自分がやってきた研究で、脳の研究のアプローチとして、
計算理論的に数学という記述を頑張るという方々もいる一方で、
イメージングですね、MRIも含めて、あとはヒストロジーという脳を解剖するのも含めて、
実際の脳を見ることで成果を出していくといった、僕的には大きく二つのアプローチがあると思っているんですけど、
前者の数学的に頑張るというのはすごい苦手で、とりあえず自分の得意と思うイメージングのところで成果を出してやめていって、
頑張っていくというところをやっていますし、誰に言われたかちょっと忘れてしまったんですけど、
若いうちはとりあえず成果を上げて、自分の研究室を持てるようになったら、
自分の好きなことをやるというところをやっていったらどうですかという話があったので、納得して研究を続けていますね。
大学院生からポスト学の期間というのは、そういう自分のやりたい脳の研究だったり、認知科学の研究のための修行だったりとか、
自分の中のツールを揃えている、そんな期間という感じで進んでいた感じになるんですね。
今もまだそうだと思います。
実際ポスト学になって、ポスト学ではどういう研究をしていたんですか?
ポスト学時代は霊長類を対象に、MRIとプラスしてヒストロジーという脳を解剖して、それを染めて、
どういった細胞密度がありますかだったり、どういった酵素の活性が見られますかといった脳の構造を
詳しく見るというところを行ってきましたね。
モチベーションとしては、MRIって解像度が1ミリ立方メートルで、その中にすごい無数の神経細胞が入っていたりするので、
細かく理解したいなというところで、組織学的方法ですね。
解剖して染めて神経細胞の数を数えたいとかというところで、細かく見るというところも面白いなと思ったので、
そういう研究をしていました。
ついに脳みそを取り出して、脳みそを初めて触ったということなんですか?霊長類の。
そうですね。日本の実習みたいなところでちょっとやってたことはあったんですけど、
初めて触るということもやりました。
ただ残念ながら、やってはみたもののすごい苦手っていうか下手すぎて僕は諦めて、
アメリカってテクニシャンというか、そういうのできる人がラボにいてくれるので、
そういう人が基本的にメインでやってたっていうことですね。
日本だと結構人数限られてて、学生であったり、ご所属が全部自分でやらなきゃいけない環境がほとんどだと思うんですけど、
その状況だったら、全然研究できてなかったと思います。
そしたらアメリカの研究は、この生物学的クエスチョンを解くというよりは、
ちょっと手食い感じのテクニックディベロップメント的な研究だったという感じなんですか?
そうですね。テクニックディベロップメントプラス、それを使った発見というところを目指してましたね。
一応、うちのバスとしても、論文を書くとしたら新しい技術も作って、
それプラスそれを使った新しい発見ができるっていうのが、いい論文の基準っていう話をしてて、
それを目指して頑張ってましたね。
結構いろんな人に手伝ってもらいながら研究を、共同研究とかもあったりしてやったみたいな感じなんですか?
そうです。結構大変でしたね。
僕の研究はパークレーとシルバニア大学との共同研究で、
多分パークレーだけで完結するんでしたら、
ミーティングもしやすいんですけど、
ペンシルバニアの方ともミーティングして、進捗を確認しながら進めていったっていうところで、
結構いろんなコミュニケーションを発散している。
そうですよね。距離的に流れてますもんね、アメリカといえども。
3時間時差がありますね。
何かあったんですか?何かトラブルがあったんですか?
いや、トラブルではないんですけど、
進捗としてそろそろ論文書きたいなっていうタイミングを、
パークレーのボスから言われてたんですけど、
解析技術の一緒に開発してたのがペンシルバニア大学で、
僕はこうした方がいいんじゃないなっていうことと、
学校サイドのやってるところが若干食い違えるところもあったんで、
どうしようって迷ったんですけど、
もうじゃあ行っちゃえばいいやと思って、
ペンシルバニア大学に訪問していったっていうところですよ。
結構その時結構決断として、
その時住んでいたパークレーの家も引き払って、
もう終わるまで向こうにいようと思って行っちゃいました。
論文を終わらせるまであっちにいたって感じですか?
そうですね、半ば向こうに圧力をかける感じなんですけど。
短期乗り込んできた日本人がいるってなりますよね。
もうAirbnbで安いところ借りて、そこでマンスリーで借りていましたね。
そうか、ペンシルバニアだから。
まあまあいいですね。
サンフランシスコとかよりは全然安く借りれるんで、
それはよかったですけど、
結構安いところを選んで、
結構スラム街的なところに最初は家を借りてしまって、
結構朝なんか気をつけたりとか、
夜もなんか怖い気持ちになりながら、
1ヶ月目は過ごしてしまいましたね。
その後別のところに部屋を移動して。
まさかマンスリーだから1ヶ月動けないですね。
そうですね。
まあ若いからできるというか、
僕単身で来てたんで、
単身だからこそできる研究スタイルかもしれないです。
何ヶ月くらいいたんですか?
本当はもういくらでもいいよって思ってたんですけど、
とりあえず論文投稿して帰ってきたんで、
大体3ヶ月くらいですね。
すごいね。しっかり3ヶ月終わらせてきたんですね。
はい。その時結構頑張りましたね。
すげえな。
それはなんか実際相手を怒らせるわけにいかないじゃないですか。
はい。
なんか嫌な気持ちにさせるわけにいかないじゃないですか。
プッシュしてすぎて。
なんかコツとかってあるんですか?
コツ、どうだろう。
しかも英語じゃないですか。
そうですね。
ミーティングだと1時間だけやりましょうとかで、
Zoomですと1時間だけやりましょうっていう風に週1でやってたんですけど、
それだと細かい話までできてなかったんで、
自分の考えっていうところを時間とって説明したりですとか、
向こうの考えっていうところをホワイトボードを使って
インパーソンで話し合って、
本当技術開発するところで細かく詰められたので、
それは良かったですね。
向こうにとっても気が悪いということはなくて、
むしろハッピーな感じで、
早めに論文も書けたし、
お互いにとってハッピーだから、
言ってよかったねっていうのはありますね。
ただ、
バークレーのボスは、
僕がそんな長期間行くと思ってなかったらしくて、
3ヶ月確かに長いよな。
ちょっと申し訳なかったなって思ったんですけど。
勝手に決めたっていうか、相談はしたでしょうけど、
もう行ってくるわみたいな感じで。
そうです。
結構もう込められてもしょうがないなって思ったんで、
いやもうこういう状況だから行きたいと思ってるんで、
行ってきますって。
宣言してね。
相手の許可を得ずに行ってしまいまして。
じゃあ結構心が広いボスですね。
結構みんな心広かったですよ。
ペンシルバニアはもう、
とりあえず1週間ぐらいいるのかなって思ったって最初言ってましたけど、
僕があまりにも長くいるんで、
なんか論文書くまでいるつもりですっていうのをちゃんと伝えて、
なんか驚かれはしましたけど、
一番頑張った瞬間でしたね、その時は。
研究者でした。
すげえな、なんかそんなことがあったんですね。
ペンシルバニアは何月ぐらいに行ったんですか?
ペンシルバニアは東じゃないですか。
西と東を両方留学した男身になってると思うんですけど、
アメリカを両方経験した身として感想はありますか?
僕への研究スタイルとして合うのは、
ペンシルバニア大学だなって思いました。
ただ、気候とか含めた生活のしやすさですと、
やっぱり西海岸、バークでいいなって思いました。
研究スタイルとしては、
ペンシルバニア大学の人は努力家っていうか、
結構日本のラボとあまり変わらないくらい、
研究室にいて研究するっていう、
家でできるような作業も、
結構ラボで研究してるっていう人も多かったんですけど、
一方で、大学におると、研究室におると思うんですけど、
僕のバークレーのラボは、
データ取ってしまえば、
家で研究したいっていう人がはなりいたんで、
交流という意味でも、
ペンシルバニア大学の方がより人の交流もできましたし、
日本にいた時も、