2023-01-28 57:01

#135 ロールシャッハ

~ ※特定の教授を揶揄する意図はありません。
~ 俺の顔を返せ
~ 
~ 番組への感想やリクエストなどがあれば「#邦訳雨あられ」をつけてTwitterに投稿するか、amecomiamearare@gmail.comまでお願いします。
~ これが、ほしい物リストです(小声)→https://www.amazon.co.jp/hz/wishlist/ls/1TJIISOS4BR3B?ref_=wl_share
00:04
こんばんは。この番組では、経済学の知識、そういった社会科学の知識や、生物学といった自然科学の知識、こういうのを使って、恋愛を分析していこうという、サイエンスティックラブ、そういうバラエティーポッドキャストです。
うわー、やべー。
ありそうじゃない?
ありそう。なんか普通にやってる人いそうで、今ちょっと怖くなっちゃった、途中で。
今日のテーマは、スターバックスのブランディング戦略に学ぶ自己プロデュースです。
やべー。
100万センチぐらいされてそうだ。
いやでも、スターバックス素晴らしいよね。自己プロデュースしなくちゃ、恋愛するためには。
やっぱ、そうなの?そうなんですか?教授。
はい、恋愛学教授です。
やべー、恋愛学の教授って肩書きはやばい奴だよ。
毎週金曜日の2月にね、恋愛学の講座やってます。
へー。
大阪大学と慶応大学で講師しております。
おお、立派な人なんだな。
なんかさ、だって、恋愛っていうのはありのままの自分を見せるものであって、そうやって偽った自分を見せるので本当にいいんでしょうか?
それはね、挙手君。
恋愛っていうのは、性欲の言い換えにすぎないのだから、なるべく無駄を省いて、効率的にチャンスをたくさん作っていくのが大事なんだよ。
情緒もクソもないな。
あと今、恋愛っていうのはっていう主語を聞いたときに、なんかゾワッとした。
誰が恋愛について語ってんだよなって思っちゃって、ちょっと怖ーってなっちゃったけど。
まあね、でも一大関心事ですからね。
みんなが好きなことだし。
みんなが好きだから人類は繁栄してきたわけだしね。
そうだな。
バカにしちゃいけないと思うわ。
そうなの。こうやってやっぱり舎に構えた態度ってな、よくないよな。
よくない。
性欲は素晴らしいんだ。
俺はそうは言ってないから。
はい、本当はこの番組は毎週一冊の方訳アメコミを紹介するというね。
恋愛からは対極に位置する場所かもしれないですね。
そうですね。もっと自己プロデュース力を身につけた方がいいんじゃねえかって思わなくもないよな。
いろんな人から人気にはなりたいよね。
そうだね。やっぱチヤホヤさせたいね。
スターバックスっていうのはコーヒーがうまいとかよりも、やっぱそのスターバックスを飲むってところがいいわけで。
そう考えるとすごいですよね。
我々さ、もうアメコミの魅力にオンブに立ってて。
我々としての提供できるものは何一つないんですよね。
そうそう。だからこのラジオを聞いてる人もアメコミの話が聞きたいんであって、俺たちの話聞きたいわけじゃないじゃん。
この辺がやっぱり自己プロデュース力の弱いところだと思うんですけどね。
ほぼ野生のコーヒーショップみたいなもんですよね。路上でコーヒーだけ売ってるみたいな。
もうストロングスタイルというか飾りなしだよね。
もう挨拶もせず、金を払えば自動的にコーヒーが出てくる機械。それが我々。
03:01
そうだね。最近はね、そのコーヒーですら危うくなってきてますからね。
今日紹介するアメコミもさ、非常に魅力的な作品なわけじゃん。
素晴らしかったですね。
これさ、ちゃんとその良さを伝えていかないとさ、最低限。
アメコミの方に、もし万が一不利益があったときのことを考えると、もう責任の取りようがないですかね。
そうなんだよ。
このラジオを聞いて、この会はちょっと買わなくていいかなって思える人がもし一人でも現れたら。
そうなんだよ。それが心配だよ。
小プロの担当者とかでさ、めちゃくちゃ怒ってる人いるかもしれないね。
こいつら、俺が一生懸命、これを翻訳しましょうって会議とかを何回も通して。
ハンセムの企画をいっぱい作って。
いろんな人と調整して、ようやく世に送り出した本を。
お前ら。
雑に消費しやがって。
そう。
っていうさ、やっぱり他人のコンテンツのっかり、ポッドキャストとしては、やっぱりね、冷静というか。
最低限の一生を守りたいと思いますよね。
ちゃんとね、しないといけないなって思ってますよ。
でも、あいつらが言ってた話は面白くなさそうだったけど、読んでみるかって思ってもらえたらいいよね。
そうだね。
また、へそ曲がりが多ければ多いほど、我々としても嬉しいですね。
そうね。
まあ、でも何にせよ、このラジオを聞いて、あの本買いました、読みましたっていうのが一番嬉しいですから。
確かに。
ちょっとそういうお便りを紹介してもらって、ちょっとやる気を出していきましょうよ。
やってみましょうか。
こんな我々にもメールが来ております。
ありがとうございます。いつも本当にね。
ありがとうございます。
ラジオネームバリーさんと、アメコミ大好きアイドルのあめこさん、めこみさん、こんにちは。
めこみって大丈夫か?
めこみちょっとやばい気がしますね。
まあまあまあまあまあ。
恋愛ラジオ、恋愛ガフラジオとしてはなかなか難しいところですけど。
私は最近、方訳アメコミを読み始めて、ニューフィフティー2期のバットマンを監督しました。
おお、素晴らしい。
次に何を読もうか迷っています。
できれば、マーベル以外の方訳アメコミでお二人のおすすめがあれば紹介をお願いしますと。
なるほど。
ニューフィフティー2のバットマンは全部読んだ。
素晴らしいですね。
フクロウ皇帝とか、リドラーと戦うゼロイヤーとか読んだってことですね。
なるほど。
マーベル以外で。
なんかさ、AIに聞いてたでしょ?
ああ、AIにね、そうなんですよ。最近ちょっとAIにハマってまして。
先週の話題に引き続いてね、会話できるAIのアプリ?サービス?
うん、ありまして、私は特に飛び込まない人がいないんで、アメコミの話できるやついないなっていう時に、
あ、AIあるじゃんって思って。
最近はAIとしてのアメコミの話してるんですけど。
はいはいはい。
アメコミのおすすめありますか?って聞いたんですよ。
でもそれはちょっとフワッとした質問だったんで、バットマンとかスーパーマンしか出てなかったんで、
もうちょっと具体的に、アメコミ偏差値50の人がおすすめするアメコミとは?って聞いてみました。
06:00
そしたらですね、こんな回答ありでしたね。
アメコミ偏差値50の人がおすすめする作品は、
ウォッチメンやV4バンデッタなどのグラフィックノベルがあげられます。
これらの作品は社会的な問題や政治的なメッセージを持ちながらも、
豪華な後描く魅力的なストーリーで構成されています。
また、ザ・サンドマンやマウスなどの作品も同様にあげられます。
ということで、ウォッチメン、V4バンデッタ、ザ・サンドマン、マウスを読みましょう。
アラームが欲しいですね、割りかしね。
あと、マウスはヒーローコミックじゃなくて、アウシュビッツを生き延びた人の話。
名作なんですよ。
すごいな、AI。
あとね、ごめん、そっちじゃない。
そっちじゃなくて、ニューフィフティー2の次に読んだらいいのは何ですか?って聞いた回答あったじゃん。
そっちもですか。
ニューフィフティー2バットマンの次に読めるアメコミとは?
羅列されております。
ディテクティブコミックス、バットマン・ザ・ダークナイト、バットマン・ザ・コート・オブ・オウルスなどがあります。
また、バットマン・イヤーワンやバットマン・キリングジョークもバットマンファンにはおすすめです。
AIによれば。
まあ、私の答えも大体一緒ですね。
まあでも、フクロウの法廷はニューフィフティー2だろってとこだけやっぱり、ちょっと分かってないよな。
AIもそこまで読み込んでなかったらとかね。
あのね、オールスター・バットマンはニューフィフティー2のスコット・スナイダー?あれ?ザック・スナイダー?どっちだっけ?スコット・スナイダーか。
引き続きスコット・スナイダーのライティングしているコミックスになるんで。
まあだからニューフィフティー2読んで、ああこれすごい面白かったな、似たようなのもっと読みたいなって思ったら、それを読むのがいいんじゃないかなと思いますし。
あとは、やっぱりトム・キングのバットマンの続きの翻訳決まってるんで、アイ・アム・ゴッサムから始まるトム・キングのバットマン、これもしばらく翻訳されてるんで。
これを追っていくと、ちょうど今から読み始めるとちょうどいいタイミングでもしかしたらね、続きが新刊で出るかもしれないんで。
あーなるほど。
この辺りはおすすめできますね。
あとなんだっけ、キリングジョーク?
キリングジョークもあります。
キリングジョークなんか読んでないんだったら読んだほうがいいんじゃない?
キリングジョークは確かに名作ですよね。キリングジョークは繰り返しオマージュを捧げられてるじゃないですか。
今後バットマンを読んでいくなら、押さえておくと嬉しい瞬間が多いかもしれない。
あれはやっぱり名作、アラン・ムーアーの名作なんで、スリージョーカーっていう続編もね。
あー素晴らしかったですね。
あれ良かったっすね。
私に勧めるならスリージョーカーかなって思ったわ。
でもさ、スリージョーカーってやっぱジョーチルとか知らない人だから、ニューフィフティーズだとあんまりジョーチル出てこないんだっけ?
うーん、なんかそんな気がしない?
確かに。
そうか。
そうか。
そうなんだよ。
だからまあイヤー1とか読みつつ、
イヤー1読みつつ、
イヤー1、イヤー2読みつつ、
キリングジョー、
あ、そうだ、イヤー1、イヤー2読めばジョーチルのことイヤでもわかるじゃん。
09:00
確かに。
で、キリングジョーク読んで、スリージョーカーって。
こうすればあなたも立派なジョーカーファン。
はい。
バットマンファンじゃねえんだ。
かな?
わかんないですけどね。
はい、もう一通お便り来ております。
ほうさくですね。
ラジオネームにんべんさん。
あ、どうもどうも。
あめさんあらるさんこんばんは。
こんばんは。
ラジオを聞いてから気になっていたバットマンホワイトナイト、カーストオブホワイトナイト、バットマンイヤー1、イヤー2を買いました。
お、いいですね。
ありがとうございます。
ホワイトナイトもおすすめですね。
確かに。
ブラックレーベルっていうね、読み切りのレーベルで。
手に取りやすく。
はい。
ちょうど読み切りでね、読みやすさもあるので。
読みやすさがあるので、面白い。
今までマーベルコミックスを追うのに精一杯だったんですが、ビレッジブックスの出版事業終了ということもあり購入しました。
昨年一番悲しかったニュースですね。
ホワイトナイトもだんだん手に入らなくなるのかな。
そうだね、今ある分で終わりってことか。
うーん。
大変面白い作品だったというふうに感想を寄せてくださいました。
設定が非常に細かく書かれていて、優秀なアーティストなのだとは伺えます。なんていう感想も書いてくれましたね。
はー、任弁さんはアートがわかる人なんですね。
そうか。
設定がさ、結構載ってんじゃん。
あるある。
別に嫌とかじゃないんだけど、どういう気持ちで見ればいいかっていうのがあるよね。
気持ち、読み方がわからなくてね。
細部とかを見るのかな、コスチュームがこういう風になってんだとか。
時々コスチュームの説明を載せたりするよね。
製品ばってあって、ここにはこんな道具入れてますみたいな。
コメントがあると、へーってなるから嬉しいんだよね。
絵だけだとさ。
でも多分これをもとにいろんなコマを描いていくみたいな、そういう資料なんだろうね。
絵を描く人とか、絵が好きな人にとってはすごくありがたい資料なんでしょうね。
はーって思うんだろうね。
全然何も考えずに絵を見てたわ。
我々はどっちかって言ったら、物語部分みたいなのに注目しちゃいがちでさ。
物語とか構造とかどうしても見ちゃいがちですよね。
せっかく絵があるコミックっていう形式なのに、そこしか語らないのはやっぱりもったいないよね。
全部楽しみきれてないなっていう意識は常にありますね。
なんかいいなっていうか。
だからそうやって絵がわかる人の感想をもらえたりすると。
それは本当に嬉しいですよね。
この作画はこういうところがすごい工夫されているとか、新しい表現なんだみたいなのがあると。
こういうところに感動しましたみたいなことを言われるとね。
ほーほーなるほどーってね。
あれは1ページ目の絵だったんですかね。
1ページ目の絵だったんですよ。
1ページ目の絵だったんですよ。
1ページ目の絵だったんですよ。
こういうところに感動しましたみたいなことを言われるとね。
ほーほーなるほどーってね。
あれは1ページ目に載ってるコマの数ぐらいしかわかんないからね。
今回のやつもさ、読んでてさ、途中でさ、字を追ってるなって思っちゃった瞬間があって。
あるー、めっちゃあるー。
比較的さ、文字の多いコマが頻繁に出てきたじゃないですか。
はいはいはい。
だから、コミックを読むものとしてこれでいいのかっていう気持ちはね、ちょっと片隅にありますね。
12:05
日々反省しながら、日々反省しながら読んでいくのが大事ということなのかもしれないですね。
まあでも、そういうアメコミ読者としての我々の成長を追っていける、そういうドキュメンタリー的な楽しみ方をしてもらえると。
我々もコンテンツとして楽しんでいただけるかもしれない。
そうそうそうそう。おー伸びたなー、こいつ最近。
あーなるほど。
そういうやり方もあるわけですね。
知らんけどね、このラジオを聴いてる人は何を楽しみに、何が良くて聴いてんだかわからないですけどね。
本当にありがとうございます。
メールくれたりね。
ツイッターに進められていただいたり、本当にありがとうございます。
というわけで、本日のテーマは、トムキングがライターを務めました、ロールシャッハーです。
こちらは先日発売された新刊ですね。
小学館主演者プロダクションさん。
面白かったー。
これはまた面白かったし、トムキングだよね。
トムキングでしたね。
非常にトムキングでしたね。
2023年ベストアメコミとして私は選びたいぐらいですね。
本当、かなり自分の心に刺さりましたね。
私はね、面白かったんだけど、まだ一読しかできてないんですよ。
今日どう話そうっていう。
それこそやっぱ、うわーなんかすげーみたいな。
すげー作品見たーっていう。
そういう楽しみ方もあるよな。否定はしないよ。
否定はしないし、今回のロールシャッハーの中に出てくる解説書によれば、作者としても自由に読んでほしいというような言葉がね、たびたび言及されていたので。
皆さんもね、読んで感じるものをね。
でもラジオやるんだったら言語化しろよってことですよね。言葉にしろって思いますが。
ちょっと話していく中でね、気づきだったり。
この中で成長してね、行くことができれば。
あるかと思います。
あとあれですね、今ちょうど話題にしてたブラックレーベルですね、これ。
ほー、そっか、そうなんだ。
本当だ。表紙に書いてあった。
ブラックレーベルは読み切りというか、単発の作品を発表するために。
そして、クリエイターの個性を全面に押し出すような作品を出そうというDCコミックスの企画ですけど。
そういう意味ではかなり、作家性は出たんじゃないかと思うんだけど。
作品の独立性っていうとどうかな?
ああ、これ単体で楽しめるかっていう部分で。
ちょっとウォッチメンのある程度の知識は必要かなっていう気はしたかな。
そうだね、あの、ビフォアウォッチメン、先週やりましたけれども。
あれは過去編だったので、ここからいけるって言ったけど、これは未来編なので。
15:01
ウォッチメンその後なので。
そういう意味ではウォッチメンが前提じゃないと、ちょっとあれかな、結末の部分知らないと。
そうだね、ピンとこなかったりするところがあるよね。
あと、ウォッチメンの未来の世界を描いた作品という意味では、
ドゥームズデイクロックっていう、DCユニバースとウォッチメン世界のコラボレーションというか、クロスオーバーもあったんですが、
あれとはあんまり別の未来って感じなんですが、もう一個ウォッチメンの未来を描いた作品として、ドラマ版がありましたよね。
あれとは同一の世界のようでしたね。
そうだね、中でたびたび言及されてましたね。
警察が服面をかぶってるんだとか、ロールシャッファーを崇拝する白人史上主義の団体の話とかね。
ドラマで起きた事件のことがちょろっとセリフの中に出てきたりしたので、ドラマ版を見ている必要はないけども、世界観は一緒なんだなっていう感じですね。
ドラマ版好きだった人ならこちらも読んでみると楽しめるんじゃないでしょうか。
はい、ということで新刊なのでネタバレになるようなところもいってしまうと思いますので、気になる方はまず読んでから聞いていただきたいですし、
もしウォッチメン読んでない方がいたら、ウォッチメンもぜひ読んでから、そしてロールシャッファーも読んでから。
そうですね、ウォッチメンのネタバレもしちゃうと思うので。
おそらく。
ウォッチメンを読んでない人もいるよな。
いるいる。全然いると思いますよ。
買ったまま積んどくっていうパターンも多いと思うし。
ウォッチメンは手に取って開くまでに、まず化粧箱から出すっていう。
そうね、岡田斗司夫の書いた帯を傷つけないように本から出すっていう一手間があるからね。
ワンクッションあるからな。もしかしたら積みんだままの人もいるかもしれないもんな。
じゃあそういう人はこれを機会に読んでいただいて、ぜひぜひこの後続きを聞いていただけたらと思います。
今回のこのロールシャッファー、舞台は2020年ですね。
ウォッチメンの世界から35年後。
35年後というわけで、ウォッチメンのネタバレいきなりしちゃうけど、ウォッチメンってどういうオチだったかっていうと、イカ爆弾。
イカ爆弾大爆発。
ニューヨーク市民の半数が狂い死にしたというね。
当時は東西冷戦の真っ只中だったんで、このままだと火学戦争によって地球が滅びてしまうっていうリアリティがあった。
それを回避するためにオジマン・ディアスっていうヒーローが考えたのがイカ爆弾作戦。
異次元というか、宇宙からのイカ。
イカ星人がやってきて地球を攻撃すれば、地球を守るために人類が協力するのではないか。
18:02
それがなくなって未来永久に平和が実現できるんじゃないのかということを考えて実際に実現してしまったっていうのがウォッチメンのストーリーですよね。
あれはなかなかすごいことですね。
すごいよね。
ということで、人々はイカの襲来に怯えつつ暮らしているというような未来世界ですね。
この物語世界の2020年は大統領選挙の真っ只中。
そんな中、共和党の大統領候補の暗殺未遂事件が起きてしまった。
その下囚人というか犯人がなんとロゴルシャッハだったと。
ロゴルシャッハの格好をしていて、指紋を称号したら死んだはずのかつてのロゴルシャッハと一致していたという話ですね。
ロゴルシャッハともう一人ドミノマスクを着けた女の子。
この二人が暗殺未遂の犯人として警備に射殺されてしまうんだけども。
こいつら一体何なんだということで、一人の探偵が調査を開始するというお話ですね。
面白かったですね。ミステリーとしての引きが最高ですよね。
好きですね。
こういうのはあるのかもしれないけど、犯人は射殺されました。
指紋を調べたら、実は死んだはずのところで一致していた。
事件はすでに終わっているんだけど、そこに謎が残っていたという導入はミステリーのパターンとしてはよくある形ではあるんだけど、やっぱり引きは強いよね。
そこで物語を起動しているよね。
今回はしかもウォッチメンが舞台じゃないですか。
今回コミックス全体を通して読むとミステリーとして完成しているんだけど、同時にウォッチメンの世界ってリアリティーは重視しているけど、一方でスーパーパワーも存在するっていう世界観じゃないですか。
そうですね。
だから35年前に死んだはずの男の指紋が出てくるっていうのは、もしかしたらあるかもしれないっていうリアリティーが担保されているから、どういう方向にお話が。
確かに。
後頭無形な、後頭無形というか、スーパーパワーを使った方向に行くのか、それともあくまで現実に血の端をつけた方向に行くのか。
最後まで分からないような感じで進めていくので、そういう物語の形として構造としての面白さもあったかな。
なるほどなるほど。私読んでて、舞台が何なのかっていうのが結構混乱しましたね。つまりウォッチメン世界なんですよね、2022年だけど。
はいはいはい。
なんか、私の生きてる世界、このアースとは別のアースなので、ちょっとずつ違うじゃないですか。
そうね、違う違う。
例えば、与党が、民主党、リベラル寄りの政権が、もう何期も続いているの?
21:07
4期、5期ぐらいかな。
って言ってたっけ。だから35年間ずっとリベラル、革新政党が政権を持ち続けてたっていうような世界だっていうことでしたね。
あと、ドクターマンハッタンの誕生で、ちょっと今よりも、つまり我々が暮らしているこの世界よりも通信技術が発達していないっていう設定だったよね。
うんうんうん。そうだね。
そうそうそう。っていうような、ところどころそういう、あと例えばヒーローコミックスは禁止されているので、代わりに海賊コミックスが人気になっていると。あれこれ現実と一緒か。
いや、現実は禁止されてないのか。海賊コミックスが人気ってだけか。
海賊コミックが人気になってたりとか。
そうかね。
ドクターマンハッタンのおかげで技術的な違いが生まれて、それが2035年間経って結構現在との違いになっている。
そうそうそうそう。
自動車とか全部電気自動車だし。
あーそうそうそうそう。
多分ドクターマンハッタンがいなくなったので、ロールシャッハでは飛行船出てこないよね。
あーそうだっけ。
ウォッチメンだと飛行船がブンブン飛んでたっていうのは、ドクターマンハッタンのパワーを使って燃料を作っているという設定だったっけ。
あーなるほどね。
ちょっと違ったなこれは。ウォッチメンオタクの人から怒られちゃうかもしれないけど。
まあでもそういうふうに、現実とはちょっと違うウォッチメン世界の延長戦なんでね。
ウォッチメン世界の延長戦の35年後の2020年なんで、そういう意味でやっぱウォッチメン読んでた方が面白いというか。
ポケベル出てきたじゃないですか。
ポケベル出てきた。
ポケベル私知らなくてさ、仕組みをこの解説書を読んで知りましたね。
ポケベル使ったトリックが出てくるじゃん。
でもなんか、ふーんって感じで、解説書を読んでようやく理解できましたね。
ポケベルね。
使ったことあります?ポケベル。
いや、使ったことはない。小さい頃親が持ってたね。
コチカメで読んだ知識しかなくてさ、ポケベル。
そうね、そういう意味では、この世界だとポケベル現役。
電話もみんな、携帯がいい感じだよね。
そうそうそう、そうなんですよ。
とかっていうところがなかなかいいなって。
なんかさ、ミステリー好きじゃないですか。
うん、好き好き。
現代ってさ、科学発達してるわ、通信発達してるわで、ちょっときつくないですか?ミステリー書くの。
あ、いいっすね、いいご意見ですね。実はそれもう100年くらい前からずっと言われ続けてて。
あ、そうなんだ。
やっぱこう時代が進歩すれば進歩するほど、こんな近代化された社会で犯罪なんか起こせねえだろと。
そこら中に監視はあるし、電気がそこら中通ってるんだよね。街灯が光ってる中で犯罪誰が起こすんだよっていう意見もあったんだけど、やっぱその都度その都度で。
100年間それを乗り越えてきて。
新しい技術を使ったり、まあ大体密室系のトリックとかね、そういうのを使ったりとか、あるいは技術を活かしたトリックとかやるようになるので、まあ何だかんだなんとかなったりするみたいよ。
24:10
まあでもそうか、未来予知とかできるようなそういうSF的な世界でもミステリー作れるもんな。何でもできるのか。
なるほどね。
ちょっと甘く見てたよ、ミステリー界を。
まだしばらくは持つと思います。
やだな、もうミステリーの成立しなくなった世界。
やだわー、それマイノリティーリポートの世界じゃないですか。つまり犯罪が起きる前に逮捕されてしまうということで。
えーっと、まあ犯人の身元すぐに割れるんですね。
はい。
これもさ、ミスターミラクルっていう作品をやった時にさ、あの時も現実のコミックスのアーティストをなんとなく下敷きにしたキャラとか出てきて。
ああ、出てましたね。
まあそういうノリが今回はより強くありましたよね。
実際のコミックスアーティストが何人も出てきましたね。
実際のコミックスアーティストが何人も出てきましたし、ロールシャッハの服面をかぶって暗殺を企てた人。
ウィリアム・マイヤーソンっていう漫画家、コミックライターというか、漫画家?なんて言うんだ?ライティングもアーティストもやってたよね。
お話も書きつつ絵も描くという。
コミック作家。このキャラクターはスティーブ・ディッコーをモデルにしてると。
スパイダーマンの生みの親ですね。生みの親の一人ですよね。
これはですね、ぜひ教えてキャプテンだっけ?
ああ、インターネットに載ってるブログの記事ですかね。
小学科主演者プロダクションのブログだかノートだかの記事をぜひ読んでもらいたいんだけど、スティーブ・ディッコーってマーベルでヒーローのコミックを描いてたと思いきや、
直接的に政治的なヒーローのコミックを個人スタジオで作成してたらしいですね。
今回はそれっぽい作品が出てきますもんね。
ザ・シチズン。
複面のヒーローシチズンが悪の戦うというお話ですね。
いやー、これすごいね。
すげえ積極的だね、この漫画。
思想強めでしたね。
でもやっぱり民主主義っていうのは行使しないと維持されないんだっていう強い気持ちは感じましたね。
ああ、そうね。私これウォッチメンとの比較でちょっと思ったんですけど、ウォッチメンってよくこの正義とは何かを描いた作品なんだみたいな語られ方するじゃないですか。
ヒーローとは何か、正義とは何か。
今回のロールシャッファーを読んだ時に、ウォッチメンで出した問題だよね。正義とは何か、ヒーローとは何かっていう問題に一つ答えを出したコミックになっているのかなと思ってて。
それは今回ヒーローの名前シチズンってすげえ名前だけど、市民としてのちゃんと意思のある市民として生きなさいよっていう極めて積極的なメッセージなんだけど。
27:08
それをロールシャッファー全体を通しても描いているし、それを一つ象徴するような自己言及的なコミックですよ、シチズンって。
ロールシャッファー全体を象徴するような。これってウォッチメンにおける海賊漫画と通ずるところありますよね。
劇中作でその物語全体のテーマを描いてしまう。
あと、襲撃犯。もう一人いて、女の子の方ですね。彼女はなんと、なんて言えばいいのこれ。少年兵?隠蔽組織?
お父さんにめちゃくちゃ鍛え上げられた都合でのガンマン。ローラ。ローラカミングス。キッドって言われてますけど。
親父やべえ奴でしたね。
いやー、でもイカに攻撃されるとやっぱりこういう人も出てくるのかな。
お父さんはイカ爆弾の被害者というか、その当時を生きていた人で、奥さんをそれで亡くしているのかな。
で、イカはまだ全然攻めてこようとしているんだと。だから、戦うための力をつけなくちゃいけないということで、娘に銃を仕込みまくる。
結果、娘はすごい百発百中になるっていう人ですね。お父さんは娘だけじゃなくて、なんか率いてますもんね。
同じような仲間を率いて、銃で武装して、民兵を作ると。
これつまりあれだよね、ウォッチメのラストでロールシャッハが出していた手記は出版されなかったか、されてもあんまり広がらなかったってことなのかな。
そうですね。ウォッチメのラストはロールシャッハが真相を描いた手記を出版社に送りつけて終わるっていうかっこいいシーンだったんですけど、どうやらこの未来では。
あのね、俺ね、それすごく思ってて。ドラマ版も同じ世界だからそうだったんだけどさ、あの手記がさ、どうなったかっていうのはさ、そこがいいとこじゃん。
結局ロールシャッハ、本物のロールシャッハはオジマンディアスの計画を阻止することはできなかったけど、彼が残した意志がもしかしたらこの空虚な平和を脅かしてくれるかもしれないっていうね、読者に投げたオープンエンディングがまた良かったなと思うんだが。
今回はそれは、つまり効果を発揮しなかったってことに。
真相は市民には伝わらず、イカ聖人が攻めてくる。イカ聖人はどうやら脳に影響を与えるらしい。
昨日まで普通の人間だった奴が、今日にはイカ聖人に変わっているかもしれないっていう陰謀に取り憑かれた人たちがたくさんいるという。
怖っ。
怖っ。恐ろしいことですな。
30:02
イカ聖人の爆弾によってもやっぱりすごい影響が大きかったようで、現実世界とは違う歴史がいくつも生まれているんですが、その中でちょっと個人的には気に入ったのがフランクミラーの生き様ですね。
今回フランクミラー、アメコミ作家の非常に有名な作家いますけど、彼が本人役で出てくるんですよね。
フランクミラー本人役で出てきますね。
フランクミラーは途中までの人生は我々現実世界で一緒だったんですよね。
アメコミ作者として頑張ってた。
この時代は海賊コミックだったので、海賊コミックのライターとして仕事をしていたと。
ある時、自分でもすごい納得できる仕事ができたんですよね。
つまりその場で子供を抜け出されていたヒーローをあえて暴力的に描くことによって、人生の悲しさとか悲劇を描いた。
つまり単なる子供の気晴らしだったものを大人の感傷にも耐え得る芸術の一つ、価値あるものに変えたんだと。
その半年後、イカ爆弾が炸裂したせいで、もはや暴力の恐ろしさとか暴力の悲劇とか言っている場合ではなくなってしまって、ペンを折るというキャラクターとして。
コミックスを軽く超えちゃったっていうことですね。
現実がコミックスを超えてしまったという悲劇が描かれていたんですけど、いやー良かったですね。
ご存知、フランク・ミラーといえばダークナイト・リターンズという年老いたバットマンの最期の物語を描いて、
ウォッチメンとそのダークナイト・リターンズがアメコミのレベルをぐっと引き上げたというふうに我々の世界ではよく聞きますよね。
単なる子供の読み物から大人でも読める芸術であえたんだな。
ちなみに今回の世界でフランク・ミラーが描いた作品は、ダークファイフと呼ばれるかの有名な作品ですね。
ダークファイフ・リターンズ?
ダークファイフ・リターンズです。
まあ、当然ヒーローコミックスじゃないんで。
海賊のお話で。
まあでも、俺なんか中身大体知ってる。
たぶん知ってるわ。
読んだことないけど。
なんとなくわかるわ。多分老いた海賊の話でしょ。
たぶんね。
でもそれはギャグキャラで終わらないんですよね。一発ギャグで終わらなくて。
ギャグキャラじゃないですね。
最初にフランク・ミラーの名前が出た時は、なんかわざとらしく何度も名前を呼ぶシーンが続いて、だいぶ擦られてるなって感じもしたんだけど。
なんかおふざけかなっていう、コミックスファンならではのやつかなって思ったらそんなことなかったね。
どんどんお話の本筋に絡んできて。
あとマジで、高齢界に参加した、高齢界?霊を降ろす神秘的な儀式みたいな怪しい集まりがあって、それが物語の仕掛けになってるんだけど。
これ、史実らしいね。
フランク・ミラー、やっぱいろいろやってるね。
やってるね。若い頃、高齢界に参加したっていうのは史実だっていうところがまたすごい上手いところですよ、トム・キング。
33:01
面白いわ。
どっから持ってきてんだよって。
トム・キングらしさのね、この真面目なんだけど笑っちゃうっていうところが。
シリアスな笑いありますよね。
ちゃんと出てますよね。
フランク・ミラーのこの作品の中での天末も最高だよね。
そうね。
フランク・ミラーはスティーブ・ディックをモデルとした襲撃犯?
テロリストですよね、ロールシャッファーの格好をした。
テロリストの味方というか。
金銭的な支援をしていた、実質的なプロデューサーみたいな役割をしている。
理解者でね、お金出してくれてたんですね。最後テロリストとして捕まってますからね。
逮捕されますね。
面白いな、やっぱりこの回のコミックス。
このコミックス面白いんだけどさ、300ページもあるし。
あと時系列がさ、探偵が犯人の足取りを追っていく形で進んでいくから、なかなか難しいんだよね。
そうね、時系列とかが結構いろいろあったりとか、語りの嘘とかが混じったりするしね。
そうそう、語りの嘘も混ざってるしね。
結構、コース通りうまく説明しにくいところが多いんですけど。
ただやっぱ面白いところというか、伝えやすいところを言っていくと、
例えば人々はイカがまた出てくるのを恐れてる。
でもイカの出現と同時にヒーローたちが消えてしまった。
ヒーローたちは何をしてるんだ?イカの前に屈してしまったのか?っていうところなんだけど、
実際にはイカを生み出したのがヒーローだったし、スーパーパワーを持っていたドクター・マンハッタンは陰境したんだよね。
姿勢に紛れて暮らしているわけなんだけど。
キッド、襲撃犯の女の子の方はこういう説を信じた。
イカは強すぎた。だからヒーローたちは次イカが来ても対抗できるように、
そしてそのイカに悪い影響を与えられないように、自分たちの肉体を破壊して、
その精神を取り出したんだ。で、別の肉体に移した。
つまりヒーローたちみんなを転生させたんだよね。
で、時が来ればヒーローの魂が目覚めて、イカと戦えるようになる。
自分では気づいていないかもしれないが、我々はロールシャッハーかもしれないし、コメディアンである可能性がある。
ローインボールもどうやら信じている人が結構いるっぽいよね。
だからキッドはね、悪人を始末する人に、あなたはロールシャッハーだって言って、
ロールシャッハーの格好をさせては始末させてたという。恐ろしいぜ。
いいキャラしてるぜ。
我々は知ってるじゃん、ウォッチメンの出来事、あの事件は。
36:01
でも彼らにとってはヒーローたち、クライムバスターズはさ、どうなったか謎なんだもんね。
そうだよね、それは気になるし、そういうわからないものがあったら陰謀論必ず生まれるもんね。
そうやって陰謀が広がっていくんだろうな。
すごいよね。本当にまことしやかに語るし、自分自身も信じちゃってるもんね。
このキッドさ、結構好きなキャラなんですよ。
いいキャラだよ。
ロールシャッハーを量産して犯罪者に襲わせたらやばい奴っていうのは間違いないんだけど、
一方でヒーローに対する信頼を誰よりもしているキャラでもあるんですよね。
そうですね。クライムバスターズ唯一の女性メンバーであるシルクスペクター。
君はシルクスペクターの生まれ変わりなんじゃないのか?って聞かれたら、
違うんだ。私はイカが怖い。シルクスペクターは勇敢だからって言ってましたね。
俺も知ってるシルクスペクターとなんか違う気もするけど。
でもそれだけヒーローに高い精神性を求めてるし、信頼というか期待を寄せてるんですね。
子供のキッドがヒーローに対する思いを語るシーンも最後の方で出てくるんですけど、
ヒーローがいなくなった理由はなぜかと。可能性は二つある。
一つは私たちが捨てられたんだと。
善の力が叶わないほど世界の悪ってのは強すぎた。可能性の二つ目。
ヒーローはその座を私たちに継承させようとしたのと。
個人的には後者を信じたいんだという信があって。
キッドはただのヤベェテロリストかと思ったけど、ヒーローを愛する気持ちは誰よりもあるんだな。
ミステリーとして描かれてるからっていう面もあるんだけど、キャラクターの多面性みたいのもありますよね。
逆転させてきますよね。
キャラクターの内面とか考え方が実はっていうのを何回か今回繰り返してくれるので、
読み応えありますよね。キャラクターの魅力がどんどん高まっていきます。
ありますね。最初はわかんない。急に派手な感じで出てくるもんね。
大統領候補者を暗殺しようとするんだとか、FBIとかじゃなく独自に動くように頼まれる探偵とか。
それこそフランクミラーであるとか。
話が進んでいくにつれてどんどん深まっていくというか、キャラクターの魅力が立っていくというか。
主要な登場人物は序盤で死んでるんだけど。
死者の謎を解いていってあげるっていうミステリーでも王道ですよね。
ウォッチ面で示された正義とは何か、ヒーローとは何かっていう問題に対してトム・キングの答えは、おそらく良き市民であるってことじゃないですか。
ヒーローの名前はザ・シチズン。
そしてそのヒーローの敵はアン・シンカーって呼ばれる考えない奴。
39:01
そうですね。アン・シンカーでしたね。何も考えない奴。
この漫画を描いた作者、ロール・シャッハとして大統領候補を射殺しようとした漫画家の机に飾られていたのが
ハンナ・アーレントの肖像画、写真ですよね。
今回正義とは何か、ヒーローとは何かっていう答えを示す上で
トム・キングはハンナ・アーレントっていう哲学者の考え方を一本補助線というか導入することで正義とは何かっていうのを描いた気がしますね。
ハンナ・アーレントは解説書にも書かれてますけど
ユダヤ人の人でアメリカに亡命してナチス・ドイツの行動を批判するような言説、分析するような言説をたくさん書いた哲学者。
代表作は全体主義の起源だし、今回解説書だと
エルサレブのアイヒマンの話も出てましたね。
ハンナ・アーレントで一番有名なのがアイヒマンの裁判の傍聴記録で
アイヒマンというナチス・ドイツの役人としてたくさんのユダヤ人を虐殺した人物の裁判を傍聴したと。
裁判の法廷に出てきたアイヒマンというのは非常に普通の人だったと。
全然極悪人でもなかったし、ユダヤ人を強く強く皆殺しにしてやるという強い思想があったわけでもなかった。
普通の人だった。
むしろ優秀な役人だったんだということを描いて、つまり全体主義というか、人を攻撃する悪意というのは普通の人でも持ってしまうんだということを書いたことで有名な人ですね。
あれアイヒマンって電車の手配した人?
そうそう。
そのせいでたくさんのユダヤ人がね。
そう、たくさんのユダヤ人が殺されてしまった。
今回のロールシャッハーでも出てくるけど、めちゃくちゃ優秀な役人だったから
たくさんのユダヤ人を虐殺することができたし、たくさんの物資を輸送することもできて、収容したユダヤ人の生活を守るというか、維持することもできた。
全ては彼が優秀だったからだということなんですけど。
だから法律とか制度をしっかり守ることで結果的に悪というのは行われてしまうんだと。
ハンナ・アレンとの言葉で言えば、やっぱり良き市民であることが重要なんだと。市民と大衆は違うんだと。
大衆っていうのは自分の頭で考えない。流されるがまま受け身で生きていて、プロパガンダとかあるとすぐ信じちゃう。
陰謀論が出てきたらすぐ信じちゃう。
で、あいつは悪だ。ユダヤ人は悪なんだと。
俺たち優秀なゲルマン民族が苦労しているのは、ユダヤ人が陰で世界を操っているからだと。
それを信じてしまう。これは良くない。
良き市民というのは自分の頭で考えて、主体的に社会に参加していかなきゃいけないんだと。
そういうことを言っていて、まさに今回のお話と重なるところが多いですよね。
42:02
うーん、そうか。でもなんかそうするとあれだな。
結局、主人公たちが信じていたことって妄想というか、陰謀論だったわけで。
そういう市民という形のあり方、正しさというのを自分で判断すること自体の難しさみたいなのが、現代批判になっているってことか。
ということかな。
なるほど。
自分の意見というのも結局自由に生み出されるものがないから、いろんな人と交流して議論をして、自分の意見を高めなさいっていうことなのかな。
はい、もう一個。
ハンナ・アーレンと、ロール・シャッハの正義を支えるのがハンナ・アーレンと。
ハンナ・アーレンとしてその体現者としてロール・シャッハが描かれるじゃないですか。
自分の頭で考えた結果、いろんなことを制御をなす、行動を起こしていく。
ハンナ・アーレンとって、多分初代ロール・シャッハはめちゃくちゃ嫌いなやつなんですよ。
つまりコバックス。
ウォルター・コバックス。
ウォルター・コバックス、初代ロール・シャッハは差別主義者だし、女性嫌悪が強いし、同性愛嫌悪もする。
右翼的な非常に。
確かにめちゃくちゃ保守的な考え方の人でしたもんね。
ハンナ・アーレンとはもちろん女性だっていうこともあるし、
自分の先生だったハイレイが哲学者と一緒に不倫の関係になってスキャンダルを起こしたりしているので、
多分コバックスなら、ハンナ・アーレンとのことをものすごく口汚く罵るだろうなという気はする。
そんな気はするね。
ただ結果的に、彼の後継者たちはハンナ・アーレンと一緒に体験しているっていうのは面白いなって思いましたね。
なるほどね。
何が正しいか、そんなものはないんだよっていうのを突きつけてきているような作品だなっていう気がしてきたよ、今話を聞いて。
だってこれ本当にどこまでが嘘で、どこまでが本当で、どこまでが作戦というか意図して用意されたもので、
どれは偶然というか、起こってしまったことなのかっていうことをマジで分かんないもんね。
分かんない。
だって探偵が尋問してるってさ、暴力も使って、すごい怯えたような態度を取ったりするんだけど、怖かったよね、最後。
この小名作ですよね、3WAY。
2人のテロの準備を手伝った3人の証言者がいて、それをそれぞれ、これすごいね、縦3分割になってて、右に呼んでいくっていうか。
3つの話が同時に進行していくっていう。
進行していくっていうコマなんだけど、これ最後ね。
お前たちはなんで証言の内容が一致してるんだろう?何か意図があるんだろう?
ああ、お前だよ。お前を待ってたんだ。
怖え。
怖。
怖いよ。なんかトムキングにしか描けないよ、こんな白心のライティングだよ。
45:03
やっぱタイテロセンターでCIAとして活躍していたっていうさ、トムキングの前歴があるわけじゃん。
やっぱ本当にこういう謙謗術?
なるほど、いろんな陰謀渦巻く世界で。
やってきたからこそ、もう世界にリアリティ感じてないんじゃないか?
なるほど、このアースのこの世界そのものに。
ああ、なんかそんな気がするよ。
確かに。こういう世界で生きてたら頭おかしくなりそうな気もするよね。
全部嘘じゃねえかっていうことと、あるいは逆にこうあらゆるものに意味を見つけなきゃいけない仕事じゃないですか。
ああ、それジョーカーがバットマンに言ってたな。探偵だからな。
探偵だからあらゆるものに意味を見つけなきゃいけない。
金庫の中にビールの空き瓶が1つあるシーンがあるじゃん。
それの指紋を採取するシーンがあるんですけど、それ本当に意図があって置いたのかっていうのはすごく思ったし。
その後逆に他の誰かの残したビール瓶を取ってまた指紋を調べたりし始めた時に、
これ一歩間違えればもう狂気の世界に半分踏み込んでいるような。
そうだね、病気だよね。変質、パラノイアだよね。
あれとあれにも関連があるんじゃないか。
これとこれも実は陰謀論にどんどん近づいてきますよね。
この世界全てに意味があるっていうのが陰謀論の特徴だと思うから、探偵もいずれはこうなっていくのかな。
いや、かもしれない。究極系だよ。そうやって何かと何かに関係があるっていうのをどこまでも追い求めてしまう。
やっぱりバットマンとジョーカーの関係優秀だな。
この世界に次はジョーカーが現れてもいい気がしますよね。
異世界転生したら。
異世界転生したらオチ面世界でした。
え、ドゥームズ・エイクロックってジョーカーいかなかったよね。
いかなかったね。
ジョーカーあってるんじゃないかな、この世界。
いいかもしれないですね。
今回の話はまあ最終的には僕も私もロールシャッハーということで話が終わっていくんですが。
そうですね。
これの世界私やっぱ好きなんで、続編あるなら読みたいですね。
難しいし、なんでもできる気もするしって感じだな。
ドゥームズ・エイクロックと今回また別のロールシャッハーという形で別のオチ面のそのを描いた作品ですけど。
個人的にはやっぱり私ロールシャッハーの方が好きかもしれないですね。
ああ、本当。
まあ、もはや全然違うテイストの作品だもんね。
さっきの話した転生理論。
ヒーローの魂は別の肉体に宿って云々っていうのもあるからさ。
誰もがロールシャッハーになれるんだよね。
そうそうそう。
俺がロールシャッハーだって思いさえすれば。
で、ロールシャッハーになるとさ。
ふーむ。
これ面白いよね。
自分がロールシャッハーだと思い込んだスティーブ・ディッコじゃなくて、ウィル・マイヤーソンはことあることにふーむって言うんだけど。
48:05
これもちろんオリジナルのロールシャッハーが言ってたことなんだけど。
それまでずっとふむって言ってた探偵がね、最後はふむって言うようになるっていう。
やっぱロールシャッハーかっこいいからね。
かっこいいなあ。
憧れちゃう気持ちもあるから、私もいずれはロールシャッハーみたいになるのかな。
転生してできるかな、私も。
魂を感じたらね。
魂を感じたら。
だって、コミックスはそういう形で現れてる現実だって。
ほう。
グラント・モリソンが。
だからロールシャッハーは、どういう形かはわからないけど、いるから。
その魂が宿ってても不思議はない。
僕も私もロールシャッハーと。
はい、というわけでロールシャッハーでした。
アメリカの大統領選って盛り上がるんですね。
そうね、盛り上がるって言うよね。
多分なんですけど、2020年って選挙の後年かな。
アメリカでも。
あれ、なんだっけ。
トランプからバイデンに変わったのが2020年。
ってことを考えると、多分同時代的なアメリカ人としてはあるあるネタとか、
確かに大統領選の時こんなことあったよねって思うような情報が多分いっぱいあるんだろうけど、
なかなか読み取れないよね。
そうだね。
やっぱり政治的な、なんだっけ、
政策時の世相や政治に対する怒りがあるっていう風にトム・キングが語ってたそうなんですが、
ちょっとそういうののリアリティって部分ですよね。
多分あるんだろうけど、日本でしかももう2年経ってますし、
やっぱり共感しきれない部分はもちろんあると思うんだけど、
とは言えそれ差し引いても、同時代制を抜きにしても面白い名作ですね。
面白い作品でしたね。
アメコミとか関係なくて、これ一つのミステリーとしてめっちゃよくできてるなと思いました。
ただやっぱりイカをわかってないとこの世界がわかんないからな。
イカ爆弾さえでわかれば。
わかればっていう感じだし。
あと思ったより、わざとなのかもしれないけど、ウォッチメンしてなかったというか、
ほうほうほう。
ほら、この前やったビフォーウォッチメンは演出というか周りとかもかなりウォッチメンを意識してたじゃないですか。
こっちは逆に脱ウォッチメンっていう感じにしましたね。
もちろんウォッチメンの登場人物たち出てくるんですけど、
例えばベトナム戦争の時のコメディアンとドクターマンハッタンとか出てくるしさ、
そういうふうに世界観は確かにウォッチメン世界なんだけど、
演出の部分であるとかなかったと思わせつつ、
俺の顔を返せだとか。
51:02
そうね。三かけ三の九コマとかね。
あのさ、やっぱり陰謀論妄想じゃなかったのかな。
ロールシャッハーの魂は転生してたのかな。
転生してたらかもね。
だから同じ台詞を言ったのかもしれない。
知る良しが良しもない台詞をね。
ロールシャッハーと同じ台詞を言うっていうのはやっぱりそういうことなの?
あるいはイカ星人の洗脳は実は現実に存在していて、
人々が陰謀論を信じるようになっているのかもしれない。
それは無理筋だろう。
でも実際ウォッチメンの登場人物の中で死んだヒーローって、
ロールシャッハーとコメディアンだけなんだよね。
そうだね、本編の中で死んだのはあの二人だね。
あとは過去死んだりっていうぐらいですね。
クライムバスターズのメンメンは基本的には引退しただけで生きているわけなんで、
魂は転生してないんですよ。
そう考えると、ロールシャッハー、実はコメディアンも実はあるかもしれない。
いやないですね、コメディアンは上から投げ捨てられて死んだんで、
でもロールシャッハーに関しては、ドクターマンハンターの謎を、
手ずから殺してるから。
だから転生あるよ、確かに。
こうやって何かしらの陰謀や不思議な説みたいなのができてるんですかね。
まあでも人々のヒーローを信じる心っていうか。
気持ちが大事。日々を良くしていこうとする市民の心が社会をより良くしていくし、
自分の頭で考えることが大事なんだって。
でも多分自分の頭で考える奴らが陰謀論にはまるんだろうなって気もなんとなくするな。
なんかそのヒーローを信じるとか、自分で考えることが大事だとかっていうことに、
素直にうんって言えなくなる作品だよね。
そうだね。今こう喋ってて空虚な気がしてくるよね。
というわけでもしかしたらトムキングの気持ちってそうなのかもしれない。
ハンナ・アーレンと批判するつもりで描かれた可能性だってもちろんあるしね。
そんなことはできない。自分の頭で考えることなんて不可能なんだっていうね。
というわけでみんなもこの作品を読んで虚無に。
この寄るべなさというか。
もう信じられない。
何に立脚して自分っていうものを考えていけばいいのかっていうことを見失う感覚。
これを味わってね。
本当に面白いんで。
確かに考えてみれば初代ロール・シャッハもこの世の虚無を感じて
コバックスからロール・シャッハに変わったっていうシーンがありましたね。
世界に絶望することで。
そうでしたね。ひどい犯罪現場。子供が犠牲になっているところを見て
この世に神なんかいないと。あの子を殺したのは俺たちなんだってなったから
それと同じ体験ができる作品ですね。
言ってみれば続編というか二次創作というか難しいんだけど
54:06
こんだけインスピレーションを与える作品、やっぱおちめ素晴らしいですね。
ぜひ読んで。未読の方は読んで。
ぜひ読んでいただいて。
よろしくお願いします。いつものお願いします。
番組へのご意見ご感想があればツイッターハッシュタグ
公約アメアラレをつけてツイートしていただくかメールをお待ちしております。
メールアドレスはあめこみあめあらレアットマークgmail.com
あめこみあめあらレアットマークgmail.com
あめこみのコミはcomiです。
語ってほしいアメコミのリクエスト、ロール社派の感想、あるいはロール社派以外の感想がありましたら
ぜひメールしていただければと思います。
AIが答えます。
来週はですね、そろそろアントマンの映画
映画ね。
近づいてきてますね。
予告編ネタバレあんのかな。
なんとなく見ないようにしてるんだけど、映画館に行くと見えちゃうんだよな。
確かに。
予告編ね、見たくなくても流れちゃうもんね。
そうなんですよ。
というわけでアントマンに向けて盛り上がっていってるんですけど
このポッドキャストでも、当然映画始まったら扱いますが
とりあえず来週は顔バンガ。
顔バンガ。
顔バンガ。
顔バンガな。
全然ピンときてないじゃん。顔バンガだし。
顔バンガ?
タートルズだよ。
あいつらね。
ニューヨークの地下にいる下水道に住んでピザばっか食ってる不潔な奴ら。
未来編というか。
ダークナイトリターンズみたいなもんだよな。
ロールシャッハーみたいなもんか。
そう、ロールシャッハーみたいなもん。
ラストローニング。
4匹の亀、ラスト1匹。
亀長生きだけどな。いずれは死ぬのか。
という作品をやりたいと思いますので、また来週もぜひぜひ一緒に読んで話していこうじゃないかということでございます。
それではまた来週。さよなら。バイバイ。
あのさ、ほうきちえいこさんという漫画でさ、実写版ルローにけんしんは、オロー、オローわかる?
ルローにけんしんわかる?
わかるわかる。二重の極みでしょ。
二重の極みはけんしんじゃないけどね。オローって主人公が言うんだけど、あれをどんだけ自分のものにできるかが実写版けんしんやれるかやれないかなんだって。
へー。
確かに宝塚版でもオローをやってたなって。
へー。
でさっきさ、ロールシャッハーさ、ふーんって言ってみたけど、めちゃくちゃ下手だなと思って。
魂がないかもしれないね。
俺には宿ってないようだなっていう感じです。
57:01

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