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この番組では、毎回一冊の邦訳アメコミを取り上げて、それについて語っています。
今回のテーマは、アイデンティティ・クライシス。
11月にバットマンデスメタルの邦訳があるので、それがどうやらクライシスのお話らしいので、
ちょっと月一で過去のクライシスを追っていこうと、そういうシリーズの一つですね。
今、どこからともなくアメコミファンの、「アイデンティティ・クライシスはクライシスじゃねえだろ?」という言葉が聞こえてきましたが、
クライシスというのは、1986年にあったクライシス・オン・インフィニット・アースという、
複数の平行宇宙が融合して一つになってしまうという大型クロスオーバーイベントがありまして、
そこからDCコミックスの中の世界観を揺るがすような大きなイベントに対して、このクライシスというタイトルが使われるんですけれども、
前回やりました、ヒーローズ・イン・クライシスと同様ですね。
この作品もクライシスと名がついてはいるんだけれども、
そういう世界観を更新するような、平行宇宙を巻き込むようなお話ではないわけですよ。
だから、これはクライシスじゃないというファンもいるだろう。
ああ、なんだこいつらはと。
分かってねえなと。
分かってねえなと。にわかだなと。
違う、分かっている上でやってるんですよ。
あえてね。
あえて、あえて。
これ、伏跡ですから、次のクライシスと。
次のクライシスに向けたのも伏跡として、このアイデンティティクライシスが。
そうです、そうです。
ああ、そういう流れだったんですね。
なので、読んでもらって、そういう話じゃなかったじゃん。
あんまりね、世界観変わるかっていうと。
そうじゃなかったでしょうね。
まあ、そういうわけなんで。
ただ、次のクライシスの伏跡としてやってるんで。
クライシスがなんだかよく分かってない人は、我々と一緒に読み進めていくといいかもしれない。
一緒に学ぶクライシス。
ああ、初めてのクライシス。
クライシスラジオ講座ってことですね。
そういうことです、そういうことです。
NHKです。
NHKではないです。
NHKではない。
NHKではないです。
どういう話かと言いますと、エロンゲイテッドマン。
かの有名なエロンゲイテッドマン。
ゴムゴムの人ですけども。
体が伸びる人。
そうですね。
私、初めてお会いしましたね、今回。
彼の妻、スー、一般人ですよね。
彼女が何者かに殺されたという事件をきっかけに、ヒーローの家族が次々と狙われていくという事件が発生する。
一体犯人は誰なのか、ジャスティスリーグの追跡が始まるというようなお話ですね。
ミステリー仕立ての作品でしたね。
結構謎が謎を呼ぶというか、どんどん手がかりが出されて謎が深まっていってというようなお話だったので、ミステリー仕立てですね。
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今回このラジオでは先の展開をどんどん話していってしまうので、そういうところを楽しみたければ一回止めていただいて、読んでからまた聞いていただければなと。
確かにね。すごく良いミステリーではあるので、読んでほしい作品ではありますよね。
そうですね。というわけでよろしくお願いします。
この作品が発表されたのは2004年ですね。
この時期DCユニバースがどういう形をしていたかというと、さっき言ったクライシスオンインフィニットアースズというイベントで、たくさんあった平行宇宙が一つにまとまったんですね。
そういう時期なので、一つのアースの中でユニバースを作っていった時期であります。
それから、我々は基本的にはフラッシュポイント以降のMU-52という世界観の物語を読むことが多かったと思うんだけど、フラッシュはバリーアレン。
ああ、そうだね。
グリーンランタンといえば春冗談。
我々が読むときはそんなイメージがありましたね。
そういうイメージがあったと思うんだけど、この時期のフラッシュはウォーリーウエスト。
びっくりしましたね。
初めて見ましたね、ウォーリーウエストがフラッシュをやっている姿。
ああ、そうだね。今まで出てきた時はきっとフラッシュだったり、精神病じゃなくて、
入院されていたり。
カウンセリング施設で入院していたりとかね。
ちゃんとヒーローしてたんだなっていうのを初めて知りました。
見た目じゃわからないんだけどね。
確かにコスチューム着てると区別つかないんですけどね。
ウォーリーウエストだし、グリーンランタンも春冗談じゃなくて、カエル・レイナーというアーティストが担当していましたね。
その他にもすごくたくさんのヒーローと、それからビランもビランでね。
結構豪華でしたね。
独自のコミュニティみたいなのを形成していて、意外と仕事の受注とかね。
みんなで集まって相談してね。
どの仕事を受けるか考えたりしてるんですよね。
やっぱり彼らには彼らなりのコミュニティがあるんだなって思うんだけど。
だから登場キャラクターめちゃくちゃ多くてですね。
別冊で冊子があって、登場人物の紹介が一覧になっているぐらいなんで。
知らなくても全然物語の中で丁寧に説明してくれるので、
お話を楽しむことはできると思うんだけど。
その後いろんなDCの作品を触れてみて、
いろいろキャラクターの人となりとか背景とかっていうのを知ってからもう一回読み直すと、
またそれはそれで新たな発見だとか、面白みがあるんじゃないかなって。
そうだね。
アイデンティティクライシスを初めてのアメコミとして読んで、
ここから気になるヒーローを掘り下げていくと。
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っていうのも一つ入り方としてありですよね。
今回ライターがブラッド・メルツァーって、
この人普通に小説家らしいんですね。
ちょっと作品を読んだことはないんですけど、
運命の書、偽りの書などと、
数々のベストセラーで知られる奇影の小説家ということですね。
本当だ。いわゆるアメコミのライターが書いた作品ではない。
ミステリー作家なのかな。
ちょっとそういう意味でも変わり種ではあるかなと思います。
確かに。
この作品、ミステリーとしてもすごく面白いなと思っていて、
最先端のセキュリティで守られた部屋で家族が暮らしているのに、
何者かによって襲われる。
しかも調べてみると誰も出入りした形跡がない。
実質的には密室殺人ってやつですよね。
そうですね。
一体誰がどうやったのかっていう謎を、
みんなで解決しようとするっていうお話なんですよ。
私思うんですけど、
ミステリーで一番面白いジャンルって、
密室をテーマにした作品だと思うんですよ。
そうですか。
ミステリーをたくさん読みますよね。
ミステリーは結構好きなんですけど、
一番好きなのは密室をテーマにした作品です。
例えば史上初の探偵小説、
江戸川乱法のモルグ街の殺人。
あれも密室殺人をテーマにしているし、
あるいはオリエント急行殺人事件も列車っていうような密室をテーマにしている。
そういう意味ではまさにトラディショナルな形で、
ミステリーの面白さを追求した作品なのかなと思うんですよ。
なるほど。
しかもこの作品、強調したいんですけど、
名探偵がいっぱい出てくるんですよ。
あ、そうね。
このお得感。
そうだね、お得感。
最初の事件の発端ってことは最初の被害者のエロンゲイテッドマンの奥さんだけど、
エロンゲイテッドマンは探偵っていう役柄を持っているし、
もちろんバットマン。
我らがバットマン。
我らがバットマンも登場する。
そしてスーパーマンも謎を解決するために総裁に乗り出すわけですよ。
あのスーパーマンが探偵をやるんですよ。
解決できなくないじゃないですか。
あるいは以前このラジオでも扱ったけど、ミスターミラクルも探偵役として登場する。
脱出の達人、ミスターミラクルは。
実は密室の達人ではあるっていう。
脱出の達人ってなんだよって最初思ってたんですけど、
こういう使い方あるんだってちょっと思いました。
なんかさ、いいよねミスターミラクルね。
うん、すごくいいキャラなんですよ今回。
脱出の達人っていう微妙にしょうもない能力が。
しょうもない能力じゃないですか。
概念化してなんかいろいろ使えてきてね。
すごくいいキャラだなって思いましたね。
いいキャラしてましたね。
脱出が得意だから密室の出入りする方法も思いつく。
だから密室を操作しながら言うわけですよ。
この部屋に出入りする方法は17種類考えられた。
でもどれをやったのかわからない。
さすがっすね。
バットマンもスーパーマンもミスターミラクルも、
史上最高の名探偵たちが集まるんですが、
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でも謎が解けないんですよ。
このね、ワクワク感はないですよね。
あのやっぱりヒーローもビランもたくさんいる世界観だから、
いろんな能力を持っている人がね、操作に協力してくれてね。
例えばテレポート能力を持っている奴が犯人なんじゃないのか。
って思って操作に行くんですが、そいつも犯人ではなかった。
あとアニマルマンに臭いをかかせて、周りの手がかりを探ったりとか。
清漁員流水っていう小説家が書いたJBCシリーズがあります。
日本ディテクティブクラブという推理小説のシリーズがあるんですけど、
これはいろんな特殊能力を持った名探偵が活躍する作品で、
例えば寝不足になるほど推理が栽培される名探偵とか、
必ず推理が外れる名探偵とか、
あるいはメタ推理って、この世界を外側から見るかのように一目で事件を解決する名探偵とか出てくるシリーズで、
それもすごく面白いシリーズなんですよ。
名探偵の個性ってミステリーのひとつの魅力だと思うんですよ。
そういう意味では、このアイデンティティクライシスに出てくるヒーローたちは最高ですよね。
そうだね、いい探偵だね。
キャラも立ってるし、能力もしっかりあるし。
清漁員流水が書いたそういうシリーズって、ジャンルで言うと何ミステリーって言うんですか?
あれね、実は推理小説ファンの中では、そういうJDCシリーズをちょっと否定的な人もいるんですよね。
いわゆる本格的な、真本格とか言わないですけど、そういうミステリーとは違う特殊能力で事件を解決していくから、
果たしてこれは推理小説と呼べるのかという人もいないことはないらしい。
邪道だと。
堂々ではないんだ。
気持ちはわからなくなるけどね。
わからなくはないんだけどね。
アイデンティティックらしい名探偵がたくさん登場する良い作品であります。
最終的にはもちろん事件解決されるんですが、トリックを解くきっかけも個人的にはすごく好きで。
嫌な人もいるかもしれないんですが、最後犯人でしか知り得ない情報を思わず口にしてしまう。
あるあるじゃない?
あるある、そう。
でもそれがありがちすぎて、逆に嫌な人もいるかもしれない。
せっかくこんな特殊能力を持っている人がいっぱいいるのに、あるあるネタ的な事件の解決をしてしまうんですけどね。
ただ説得力がすごくあるし、物語の序盤から登場している人が犯人になるし、名探偵役たちもヒントを出しているんですよね。
バットマンが言うわけですよ、捜査の途中で。
犯罪捜査の第一歩だ。犯人を知るには犯行で得をするものを探すべきなのだ。
誰が得をする?繰り返し言うんですよね。
このセリフがちゃんと伏線になって、犯人が導き出される。
そうだね、ちゃんと動機がね。
ちゃんと伏線があって、ポッドでの犯人がこいつが犯人でしたとかではなくて、
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ちゃんと丁寧に伏線を張っていって、落ち犯人を示すから、ミステリーとして私はすごくよくできた。
良い作品だなって思っちゃったかな。
ヒーローものっていうか、アメコミとしても最初その消失体として発見されたから、火使う系の未来が。
焼かれてるから、きっとこれは。
疑われてすごく捜査網に乗ってくるんだけど、実は死因はそうじゃなかったとかって言ってね。
展開が2点、3点。
そうそう、犯人だと思ったら実は違ったっていうのを何回かやってくれてね。
最後まで緊張感があるストーリーになってるなって思いましたね。
最初このヒーローたちは、やっぱりビラン、悪役にを疑うわけですよね。
ヒーローの家族殺しに対して、結構否定的な反応というか、若干引いてるんですよね。
マーリンっていうビランがいるんですけど、彼がこう言うわけです。
俺たちにとっちゃやりづらくなるだけだぜ。家族殺しをすることによってね。
当面の間、俺たちは首をすくめて、この事件を起こしたバカが捕まるのを待つしかないだろうな。
ヒーローになる人たちって、家族を傷つけられたり、家族を殺されてヒーローになった人たちって多いんですよね。
オリジンにね、肉身の死が関わってるパターンってすごく多いですよね。
結構あるあるですもんね。
あるあるですね。
そんな彼らの家族を傷つけるとどうなるかっていうと、
ヒーローの捜査手法が極めて暴力的になって、拷問とかさ、結構過激なバイオレンスによって捜査されるので、
結局、ヴィランの立場としてはリスクが大きい。家族を襲うってことに対して得られるメリットが少ないんですよね。
なるほど。
っていうような話もある。
じゃあ一体犯人誰なのかっていうと、ヴィランではなかったんです。
真犯人はジーン・ローリング。
体を自由に伸縮できるヒーロー。
アトムの元妻。
元妻。
普通の人間。弁護士みたいですよね。
らしいですね。
しかも作品中で襲われているキャラクターでもある。
何者かに首を締め上げられて。
殺されそうになるというシーンもあったんですが、実はそれは全て彼女の自作自演で、全ての犯人は彼女だった。
なぜそんなことをしたのか。
それは家族と一緒に過ごす時間を増やしたかったから。
自分の家族がヒーローをしている。なかなか一緒にいられる時間が少ない。
だからヒーローの家族が襲われることがあれば、自分も他のヒーローたちの家族も一緒に過ごす時間が増えるんじゃないのか。
という動機だったんですよね。
元妻なんでね。アトムが自分の元に戻ってきてくれるだろうという理由でね。
だからヒーローの家族が襲われることで得をするのはヒーローの家族だったということですね。
悲しい事件ですね。
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悲しい事件は関係ないんですけど、首吊られるシーン。
ロープの結び方を見てスーパーマンが犯人を探ろうとするといいですよね。
ロープの結び方がもやい結びだったと。
結び方の名前ですよね。
オランダ海軍式のひねりが加えてあると。
どうしてわかったんだと。ボーイスカウトの基礎だ。
スーパーマンといえばボーイスカウトのお兄さんというのもありますもんね。
結構ボーイスカウトでいじられていることはありますよね。
今回もグリーンアローにこの男が好きだが同じ理由で嫌いだ。ボーイスカウト納得だって言われてるからね。
ボーイスカウトキャラで名探偵やってるからいいよねスーパーマンも。
そうだね。
そういうわけで犯人はジン・ローディングだったと。
結構家族の話ね。今回取り上げられてますよね。
そうですね。
ジン・ローディングが他のヒーローの家族を襲わせるためにロビン、今回はティムですかね。
そうだね。3代目ロビン、ティム・ドレイク。
ティム・ドレイクの父親を他のビラに襲わせるんですよね。
キャプテンブーメランという二流の悪党ですか。
そうですね。
結構メジャーだと思うんですけど、だって映画スーサイドスクワットにも出てきてましたね。
フラッシュのビランですね。
この作品中ではちょっと落ち目の感じでね、あんまり上手く仕事がいっていない。
二流三流のビランとして描かれてますね。
でも彼も自分の息子にいいところを見せたいからティムの父親を襲うわけですよね。
息子とは長い間ちょっと離れてたみたいなんだけど、会いに行くシーンが。
これいいよね。
ちょっとリアルな感じだったけど、落ちぶれた父親がね、昔捨てた息子に会いに行くっていう。
声をかけられない。
でも息子も意外と悪の才能あったらしくて、普通に親父がビランだってことを知ってて、受け入れてますよね。
そしてブーメラン投げの技術を教わるっていう。
継承していく。
全然関係ないんですけど、この息子の方の。
あ、ていうかキャプテンブーメランこのお話の中で死んじゃうんで。
ティムの親父もキャプテンブーメランの二人ともね。
この二人が相打ちになっちゃってね。
つらいぜ。
この息子の方がですね、キャプテンブーメランの名前を継ぐことになるんですね。
このお話の中でも一つシーンがありましたけど、息子スーパースピードがあると。
ああそうだね、なんか急に出てきましたよね。
すみません。
すみません。
誰かから声をかけられましたけど。
急にシリーが鳴りました。
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失礼しました。
息子もね、二代目キャプテンブーメランになるんですけど、スーパースピードを持ってる。
ブーメラン投げる力とスーパースピード、食い合わせ悪くないですか?
投擲技、飛び道具とスーパースピードはちょっと。
相性悪いよね。
相性悪いよね。
直接言ってブスって言った方が。
早そうだよね。
早そうだもんね。
っていういいキャラしてますよね。
いいキャラしてますね。
でもじゃあミランとしてこれからこの後活躍していったんですね。
そうそうそうそう。
普通に親父の名前を継ぎますよ。
あら、いい話じゃないか。
今回最初にエロンゲイデッドマンの妻が殺され、真犯人はアトムの元妻。
ミスターブーメランとキャプテンブーメランとロビンのお父さんが死んでしまうということで。
家族絡みのお話多かったですね。
そうだね。
そんな中、家族関係なくファイアストームが死にますね。
なんか事故というか何というかね。
操作の合間にミランを追ってて、そこでの戦闘で腹に穴を開けられてというか。
その中に剣が刺さって。
原子力パワーで戦うヒーローなんで、爆発して死んでしまうという。
かわいそう。
かわいそうですよね。出番もそんなに多くあるわけじゃないのに、急に出て急に死ぬっていう。
ヒーローズインクライシスでね、頭が燃えていることを悩んでましたよね。
なんかすごくかわいそう。
今回もちょっとかわいそうな役割をね。
同情しちゃいますね。
同情しちゃうぜ。
今回読んでてちょっと思ったのが、よくヒーロー物とかで、ヒーローの変身中に攻撃しろよとかさ。
はいはいはいはい。
家族を襲えとか、本拠地を襲えとかさ。
そういうつまんねえツッコミしてくるやついるよね。
あるじゃん。100万回くらい言われてるじゃん。
あるある。なんで毎週毎週一人ずつ来るんだよとか。
そうそう。まとめてこいよとかね。
うるせえよって思うんだけど、それと一つのこれ回答を示してる作品かなと思ってて。
あーなるほど。家族を。
襲わないのはなぜか。
家族を襲ったらヒーローの暴力が極限までいってしまうと。容赦がなくなってしまうから襲わないんだ。
ヒーローさんも仕事でやってるわけですから、一戦は超えられないんだっていうのを示したのは個人的にはちょっといいなって思いましたね。
やっぱ不分立があるんですね。
守るべきルールがね。
守るべきルールがね。
やっぱ仁義っていうのがね、正義と悪の間にはあるんだなっていうのが。
これ発表されたの2004年なんですけど、結構この時期って、まあなんていうかそういうお約束破りじゃないですけど。
そうなんだ。
なんかそんなイメージがありますね。
やっぱり昔はもっともっと子供向けで、もう少し牧歌的なヒーローと悪の戦いって感じだったと思うんだけど。
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やっぱ80年代90年代2000年代と、例えばキリングジョークみたいなヒーローキャラクターに対して後遺症が残るような暴行を加えるとか。
星の島で影響が残るような。
なんかそういうただただ正義と悪っていうんじゃなくて、そこに少しなんて言うんですかね。
リアルさというか、バイオレンスさというか、そういうのをトッピングしたようなのが、ちょっとこの時期の一つの特徴でもあるのかなと。
なるほど。
その流れの中でこのアイデンティティクライシスも結構いろんな形で暴力描かれるもんね。
そうそう。
あの今この話、次にやるクライシスの伏線なんで。
なんかさ、最近の作品の方訳とか読んでるとさ、結構こう、むしろヒーローたちの希望とかっていうのを肯定的に描いてる作品が多いようなイメージがある。
逆にやっぱちょっと20年前ぐらいの作品になると、結構暴力ってものに向き合ってる作品が多かったりして。
言われてみればそうかも。
なんか時代性みたいなのがあるのかなっていうのは少しちょっと思いました。
確かに。
そういうバイオレンスさとかお約束破りみたいなののもう一つの側面として、このアイデンティティクライシスではもう一つジャスティスリーグの秘密が語られますね。
これすごいよね。びっくりしちゃった。
やっぱそのヒーローと悪が仲良く喧嘩しなっていうか、一定のラインを守って戦い合うっていう中で正体バレねえのかよと。
気になるよね。
家族狙われないのかよっていうのもそうなんだけど、今までそうした家族を狙ったりだとか、変身してない時といいますか、プライベートのところを襲われなかった理由っていうものが判明しますね。
なんと捕まえたビランを記憶を消してさらに人格を変えてたという。
やばいですよね。
すごいですよね。
発端となった事件は、ドクターライトがジャスティスリーグの基地に忍び込んで、スーに暴行を加えるという事件がありまして、その時にドクターライトはマジクソ野郎ですよね。
ひどいですよ、本当に。
弱みを握ったぞって言って、お前のことを覚えたぞと何回だって襲っているみたいなことを言うんですね。
こいつはやばいと。事件の記憶を消して、性格を少し変えよう。
そうしたくなる気持ちもわかる。
もちろんジャスティスリーグも投票というかですね、悩みはした。
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実質的な洗脳ですもんね、人格変えちゃうってことですからね。
フラッシュがね、ロボトミーゴって。
ロボトミーゴね。
ですからね、ジャスティスロボトミーゴって。
難しいよね。
脳をいじくっちゃうわけですからね。
脳いじって記憶をなくして、人格もちょっとまともにして。
道徳的には正しいとはちょっとなかなか言えないですけどね。
でもやっぱり自分の家族が襲われて縄打っていうことを考えるとね。
対極的な利益を考えるとした方が確かにいいんですよね。
っていう話になるわけですね。
暴力はどうあるべきかっていう話ですもんね。
そうだね、そうだよそうだよ。
正義とは、正義はどこまで暴力的になれるかっていうことでもありますよね。
すごく重いテーマを扱ってる作品でもありますよね。
あと個人的にはこの洗脳するジャスティスロボトミーに対してバットマンが否定的なのがちょっと意外でしたね。
めちゃくちゃ怒ってましたよね。
バットマンはこういうのをしそうなイメージがあったんですが、
彼らがジャスティスロボトミーをしていることに対して非常に彼が怒り狂ってましたね。
バットマン自身もジャスティスロボトミーされてしまうという衝撃の展開が。
ちょうどその洗脳をしている瞬間にバットマンが立ち上がってしまったんですね。
めっちゃ怒ってやめろって言うんだけど、バットマンはその時の記憶を消されてしまう。
この後の話でジャスティスロボトミーをした奴らが避難されるじゃないですか、フラッシュに。
それに対して、じゃあお前バットマンがそれしてないとでも思ってるのかっていうシーンがあったね。
言われたフラッシュは無言になってしまうというのが面白かったですね。
このことは当然秘密にされていたし、話題には上がらなかった。
メタ的なことを言えば、コミックスコードとかがあって、昔は結構犯罪を描いていたのが、
そういうのがなくなって、正義と悪の仲良しバトルみたいになったっていう理由づけにも。
これそういうことでもあったんだ。
だからドクターライト最初は悪者だったのに、今はタイタンズとかと仲良く戦ってるみたいな。
少年少女とキャッキャしてると。
こいつもっとタフじゃなかったか、みたいなことを警察に言われてますよね。
あったね、こんなセリフも。実はそれにはちゃんと理由があったと。
そうやって上手く理屈づけしてるところも、この作品の面白いところかなって。
歴史的なというか、時代的な流れを知っているとさらに楽しめる部分もあるんですね。
っていうのもあるかなと思います。
あとはやっぱこの、ジャスティスリーグがロボトミンをいじってるということを、スーパーマンは知ってるのかというシーンがありますけど。
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あったね。
スーパーマンは超聴覚、めちゃくちゃ耳いんで、当然知ってるんでしょうね。
やりとりをね、知ってるんでしょうね。
でもまあ聞きたいことだけを聞いてるんだ。
あえて聞かなかったことにして。
ここにね、切り込んでいくのは確かに難しいよ。
スーパーマンがどう考えてるのかって、結局これはスーパーマン自身の言葉は出てこないですもんね。
あとバットマンも確かに記憶を消されたんだけど、彼は世界最高の探偵だと、このことに気づいてないと思うかということもありますから。
バットマンもたぶん知ってるんでしょうね。
っていうジャスティスリーグの闇の部分が暴かれる作品でもありますね。
はい、というわけでアイデンティティクライシスでした。
好きなシーンがありまして、最初の被害者2の葬式のシーンなんですけど、たくさんのヒーローたちが参列するんですね。
プラス野獣魔というかマスコミとかもいっぱい来てる。
たくさん来てますね。
ここでグリーンアローが独白するんだけど、城内を見て葬式が嫌いな理由を思い出した。
コスチュームは浮きすぎる。
確かに普通に葬式をしてるんだけれども、カラフルな。
そうだね。赤、黄色、青。
肌の色が緑だったり、頭が燃えていたり、羽が生えてたりという人たちがいて、すごく違和感のあるシーンにわざと描いているのかなと思うんですけど。
印象的な絵ですよね。
そういう現実世界のルールだったり、常識的なものみたいなものとヒーローたちっていうのが混ざらないというか、
そこにはどうしても違和感が浮いてしまうっていうことを表した、象徴した場面なのかな。
今回のお話はやっぱりそういう、なんでヒーローと悪は、特にアメコミなんかはずっと同じ敵同じヒーローが戦い続けるわけじゃないですか。
そこに蹴りはつかないし、致命的な出来事は起こらないっていうのが。
死んでも蘇ったりするもんね。
そうそうそうそう。
っていうことがあったから、やっぱりそういうヒーローのお約束ってものと、リアリティというか現実の規則っていうところのぶつかりを描いた作品だったのかな。
それがテーマだったかなって。
なるほどね。
最初はアイデンティティクライシスっていうタイトルだったんで、さっきのロボトミーの話。
その人の人格を変えてしまうことを表したタイトルなのかなって思ったんですけど。
じゃあむしろヒーローとは何なのかっていう、ヒーローとしてのアイデンティティとは何なのかを描いた作品なのかもしれないね。
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なるほどね。
アイデンティティクライシスって本来どういう意味ですか?
自我の危機?
自分ってものがなんだか分からなくなっちゃう状態かな。
だからヒーローとは、正義とはっていう作品なのかな。
分からなくなるような作品か。
解説にもちらっと似たようなことが書いてあるんだけど、やっぱり今回性犯罪であったりだとか、起きて破りのヒーローの家族を狙うとか、タブーみたいなところに触れるような作品でもあって。
ライターが小説家じゃないですか。コミックスの外側にいる人にあえてこういう話を書かせたっていうのも、コミックスっていう枠組みに対して揺さぶりをかけたいっていう意図があったのかもしれないね。
だいぶ人間の視点を入れて、違う意味合いを生み出そうとしたということなんですかね。
なるほど。
アメコミがそういうゾーンというか、時代というかに突入した作品だったと言えるかもしれないですね。
なるほど。
私はどちらかというと、ヒーローがクナーンに打ち勝って希望を示してくれるっていう作品に胸躍るかなっていうので。
分かる。めっちゃ分かる、それは。
もちろんこれもね、長いアメコミの歴史の中ですごく面白い作品だし、この一冊をミステリー仕立ての読み物として読んだ時も面白いと思うんだけど。
ちょっとこういう暗い語り、リアルやバイオレンスっていうものにアメコミが向いていた時期っていうのがあったなっていうのを、次のクライシスの伏線として捉えておいていただけるといいかな。
次のクライシス楽しみにしてます。
この番組の感想やリクエストがあれば。
メールあるいはツイッターハッシュタグ、方訳アメあられで投稿してください。
ぜひお願いします。
いつもありがとうございます、投稿してくださった皆さん。
はい。
いつも読んでます。
ということで、また次回。ありがとうございました。
ありがとうございました。
さよなら。
さよなら。
ロボトミーといえばさ、このラジオを聞いているとどんどん方訳アメコミを買いたくなる。
なんだと?
天皇を行っている。
電波発信している。
毒電波ロボトミーポッドキャストだから。
そろそろ皆さん効果が出てきたんじゃないですかね。
食前食後に食用してください。
はい。