画材との出会い
イラストレーターの原あいみです。絵本や書籍、キャラクターを作ったり、難しいことを分かりやすく、漫画やイラストで伝えるお仕事をしています。おはようございます。お疲れ様です。
クリスマスですね。皆さんいかがお過ごしいでしょうか。そろそろね、年末に向けての今年の振り返りなんてことをされている方が多いなという印象を受けております。
私も今日は一つ、イラストレーターらしい振り返りを1個しようかなと思います。
2025年は、私は古典というね、もう本当に人生の中でもそう何度もないチャレンジをしたんですね。
で、アナログイラストをたくさん書きました。
普段のお仕事は主にiPadで書いているので、ほぼデジタルなんですね。
まあ手書きではあるんですけど、古典に向けての作品たちは、紙に絵の具で筆を使ったりね、つけペンを使ったりしながら、もう本当に一発勝負というかね、やり返しができない世界での作品をたくさん書いてきました。
そんなチャレンジもあった2025年はですね、たくさん画材にチャレンジしました。新しい画材です。
人生初の画材もね、たくさん触れましたね、今年は。
なんかこんなアラフィフになってね、いろんな絵の具とか、なんかそういった新しいものに触れてね、もうなんか子供の頃に戻ったようなワクワクしたね、1年だったなあという気がしています。
なので私のちょっと今日の振り返りはですね、この1年初チャレンジした画材を振り返ってみようかと思います。
あの皆さんの何かお役に立つような放送ではないかと思いますが、なんかね、あの私らしいイラストレーターらしい話にしてみようかなと思いますので、ぜひお付き合いください。
今年、そうですね、最初に初めて手にした画材の一つ、これはね、画材と言ってもちょっと道具に近いんですけど、マスキングインクというものを初めて使いました。
これはどんなものかと言いますと、マスキングなので絵の具をね、はじく素材でできているインクなんですよね。
そのマスキングインクで塗ったところは、上から絵の具をペタペタと塗っても弾いてくれるんです。
そして完全に乾いた後にペリペリとね、めくることができるんですよね。
この乾いた後にこのペリペリめくる作業がね、すっごい気持ちがいいんですよね。
このマスキングインクというのを初めて使いました。
自分の古典の作品の中にもこれを使ったものがいくつかあります。
インスタの方では、このペリペリを娘がやってみたいっていうので、ペリペリしている作業の手元を娘の手で撮影させてもらった動画が一個上がっています。
これを見てね、この手の甲の若さの違い、娘はね、めっちゃ手が綺麗なんですよね。
すごい羨ましいんですけど、このね、美しさの違いにね、愕然としたっていうのを思い出しました。
マスキングインクは、例えば夜空に星をね、キラキラとした星を描きたい時に、まず星を描いておいて、上から青のね、綺麗なグラデーションで、例えば水彩絵の具でシャーって塗って、ペリペリペリっと剥がすと、綺麗な星が浮かび上がるみたいな、そんなことで使えますね。
なので、ちょっとした絵手紙とか、はがきにね、少し模様を描いて、手作りで何かメッセージカードを作ったりとか、なんかそんな遊びもできるんじゃないかなと思いますので、そんなに難しくありませんので、おすすめです。
はい、次はですね、これはね、別に初チャレンジじゃないんですけど、真剣に作品を描いてみようと思って使ったのは初めてです。
コピックマーカーです。コピックマーカーは結構ね、漫画家さんがカラー原稿を描くときに使うことが多いなという印象ですね。
私は学生の頃に、プロダクトデザインの授業で初めてコピックマーカーを使いました。
今はね、もうデジタルでいくらでも着彩できるんですけど、私が学生の頃はね、もう何十年と前なので、あんまりそういう手軽にね、データで作れるものはなかったんですよね。
最初にこのプロダクトデザインっていうのは、工業製品とか物の形をデザインする授業だったんですけど、例えばテープカッターの形をデザインしましょうっていうので、絵を描きますよね。
それに影をつけたり色を塗ったり、質感のね、ここは金属でここはプラスチックでとかね、ここは木でとかいう感じの出来上がりのイメージを描くときにコピックマーカーを使うっていうのが主流だったんですよ。
そこで初めてコピックマーカーっていうのを習いました。
でも今はどちらかというと、そういうね、漫画とかのイラストを作るときに使われているというイメージですね。
なんか若い女の子とかね、あのコピックマーカー使ってみたいって思っている子が多いなっていうような印象があります。
結構ね高いので、まあでも100均とかでも近しいマーカーがね今は出ているので、本当にね暇の子はたくさんの画材に安くね触れられるので羨ましいなぁなんて思いますが、そんなねコピックマーカーです。
で、コピックマーカーで作品ね、個展に出してみようと思ってかなり格闘したんですよね。
あの素敵なグラデーションを描きながら、紫陽花の作品を作ろうと思ってだいぶ描いたんですけど、ちょっとね自分の中で合格点が出ませんでした。
かつコピックマーカーって対抗性が悪いんですよ。
あの色がねどんどん年月とともに結構ね抜けていってしまうというマイナス点があります。
なのでデータ化して漫画家さんが原稿なんかに使うにはとてもね発色も綺麗ですし気軽ですしね。
いいと思うんですけど、お客様にね原画を買っていただくものとして描くにはちょっと不向きだなっていうのもあり、結局最終的には自分の主流の画材にするのはやめようと思って手放したというか、使うのをやめた画材でした。
こんな感じにチャレンジはしたものの作品も何枚か描いて格闘はしたけど、使わなかったというものもあります。
本作家の野原遥さん、10階建てのお姫様のお城で有名な作家さんですが、野原遥さんがコピックマーカーの使い手という印象がありますね。
日本画材の探索
コピックマーカーと色鉛筆とかを上手に使われて作画をされているというイメージの作家さんです。
コピックマーカーね、皆さんもよかったら使ってみてください。
次はですね、古典を終えてから対抗性の強い画材にちょっと移行していきたいなという思いが出てきて、日本画の画材にいくつかチャレンジしました。
岩絵の具と水筆絵の具、そしてゴフンというものに、今年の後半戦は結構触っておりました。
その中でも私は水筆絵の具というのがとても今気に入ってよく使っています。
まだまだ勉強中なんですけど、これはかなり自分の作品に取り入れていきたいなと思っている画材の一つです。
水筆絵の具っていうのは、まず岩絵の具っていうのはまさに岩を砕いて作られた日本画でよく使われる画材の一つですね。
とても高価なものがたくさんあるんですよね。
でも岩が原材料なので、本当にね、色がもう半永久的に残るなんて言われている私としてはね、非常にロマンを感じる絵の具です。
でもとてもお高いので、私はまず水筆絵の具というものから手を出しています。
水筆絵の具っていうのは、確か貝の粉に着彩をしたような顔料を混ぜて絵の具にしたというそういうもので、
この水筆絵の具も岩絵の具も煮革という接合剤と混ぜて、練り練りと混ぜて絵の具にして使うというものです。
煮革っていうのは、牛の革とか魚の浮き袋とかを煮詰めてできた汁みたいなものなんですけど、
そういったものと自分の手でね、粉を混ぜ混ぜして練り練りして絵の具を作ってから色を塗るっていうものなんですね。
なのでとっても手間がかかってめんどくさいんです。ものすごくめんどくさいんですけど、
でもこの絵の具を作る時間っていうのが、なんかとても今のところ楽しく感じていまして、
なんていうか手間がかかる分、この色とこの色とこの色を使おうって自分の中で数色決めて絵の具を作るっていう作業から始まるんですよね。
それを終えないと絵が描き始められないので、その自分の色選びのセンスとか、
なんかそういったところをね、研ぎ澄ましていかないといい作品ができないっていう、
なんかさらに一段、普段は透明水彩絵の具を一番メインで使ってるんですけど、さらに一段ね、
なんかスキルとセンスを問われる画材だなっていう気がしています。
でもこれはとてもね、自分が使っている透明水彩絵の具よりも対抗性がいいという風に画材屋さんで勉強しましたので、
後世にね、長く残る原画を描きたいんであれば、この辺りをね、使いこなしていけるといいなと思って、今は楽しんでおります。
はい、あと最初にちょっと触れましたが、めんどくさいといえば、もうめんどくさいの極みのゴフンというものにも、
今年初チャレンジしました。ゴフンっていうのは、カキとかホタテとかの貝殻を原料としている、
日本古来の白色顔料というものですね。日本画にね、きっとベラボーの時代から使われていた白色絵の具だと思います。
これがですね、これも煮革と練って絵の具を作るのにめちゃくちゃ時間がかかるんですよね。
ゴフン団子っていう団子を作って、それをお皿に、陶器のお皿にね、ペチペチ叩いて混ぜていくっていうね、
新しい画材の挑戦
ゴフン団子の百叩きっていう謎の工程があるんですけど、それをやり終えないと白い絵の具が使えないっていう、
もう恐ろしく手間暇がかかる白色絵の具です。1,2回やったんですけど、ちょっとね、さすがにめんどくさくて、
私日本画家ではないので、ゴフンはですね、チューブに入った、もう練られたやつ買っちゃいました。
もうちょっとね、ここぞという白い絵を描くとかね、気合い入れる時にはゴフン団子をまたチャレンジしようかなと思ってるんですけど、
ちょっと一旦置いておいてるっていう感じの絵の具です。でも面白いですね。
こういう本当にね、めんどくさい手間暇かかる日本画の画材をイラスト作業に取り入れていったっていうのが、
今年の後半の自分の中での大きな大きなトピックスですね。
あのちょっと話は変わりますけど、ベラボを見ていました。面白かったです。
ベラボに出てくる絵師たちがみんな使っている材料ですね、絵皿とか筆とか、
それが日本画の画材だと、あの当時からおそらく変わっていないので、自分も白い陶器の絵皿を今使ってるんですよね。
この水平絵の具とかゴフン団子を作ったりとか、その辺が一緒だなって思うと、これまだねロマンがありますよね。
なんか楽しいなと思って、そんなベラボもね楽しく見ました。
もうちょっと続きますね。今年結構いろんな画材に初チャレンジしてますね。
次がですね、サイボクというものです。
これはね、本当に年末最近初めて手を出したんですけど、
サイボクっていうのは、彩りの際に墨、墨汁の墨ですね。
って書くんですけど、まさに色がついた墨ですね。
絹をする時にね、墨を最初にスズリで擦りますよね。
それと同じ感じで、最初にスズリで擦るんですよ。
固形になったもので、赤とか青とか本当にいろんな綺麗な色があるんですけど、
まず擦ってから塗り始めるっていうね、そういうものです。
でもこれも多分ね、日本画の画材の一つなんですけど、
にかわで練ったりする必要がないので、水と合わせて擦るだけでいいんですよ。
だから水平絵の具とかよりは、まだちょっとお手軽かもしれないなという気がしました。
これはですね、ものがめちゃくちゃかわいいんですよ。
なんかこう、墨汁のあの墨、墨汁じゃないですね、あの墨、固形の墨ってなんかかっこよくないですか?
それと似た感じで、固形になったこの色の塊っていうのが紙箱に入っていて、なんかめっちゃかわいいんですよね。
これ、もの自体がプロダクトとしてかわいくて、思わず買ってしまったんですけど、
今はこれをね、擦って塗るっていうのに練習で使っている感じです。
これもね、耐光性が高いというふうに聞いたので、取り入れていけたらいいなと思っている画材の一つです。
画材の楽しさ
そして最後です。これはこれも画材屋さんでね、いつかチャレンジしてみたいと思って手を出したもので、
箔ですね。これ本当は金箔とかにね、手が伸びていけるとね、かっこいいんですけど、
さすがにね、日本画家ではありませんので、金箔を使うのはちょっとまだ早い。まだレベルが達してないし、恐れ多いということで、
アルミ箔を買いました。アルミでできた箔の、しかもペラーッと1枚のシートになっているものではなくて、
もうバラバラにね、ちぎれてしまったカスみたいなやつですね。それだとそんなに高くないので、アルミ箔を購入してみまして、
それを最後、絵にね、にかわ液でペタペタと貼っていくと、銀のね、花吹雪みたいなのがバーってできたような感じにできるんですよね。
これは銀の絵の具で自分で描くでもいいんですけど、やっぱりこの箔がちぎれた形っていうのは、ちょっとね、計算できないですよね。
自分で描くのとはまた違った、なんか本当に花吹雪が散ったような表現ができるのがとても面白くて、
最近はこのアルミ箔とか、あとホイル箔っていうのも買いました。いろんな色がね、ちょっと混ざっているやつなんですけど、
それらを使って最後、絵をデコレーションするっていうのに今ハマっております。
そんなところで、2025年はですね、たくさんの新画材にチャレンジしました。
もうね、デジタル一辺倒でずっとね、iPadでお仕事してきた私なんですけど、
今年古典をするというチャレンジのおかげで、こんなにもたくさんの新しい画材に触れることができました。
もうね、これをうまく使いこなしていくにはたくさん描くしかないです。そんなね、ベロッとすぐ習得できるもんじゃないですよ。
それが楽しいんです。何年かかるんだろうね、この絵の具の癖をね、自分のものにして、
思ったように使いこなせるようになるまですごく時間がかかると思うんですけど、
もうその過程が楽しいというね、原点に返れているアラフィフ・イラストレーターです。
はい、ということで今日は私が2025年に初めて触れた画材についてまとめてみました。
絵を描いていらっしゃる方がね、これをどのぐらいの方が聞いているかわかりませんが、
概要欄にものはね、何か見える形でまとめておきますので、ご興味ある方は、
ああ、こういうものなんだ、こんなんで描いてるんだな、みたいな感じで見ていただけると嬉しいです。
イラストレーターの原井美でした。また話します。