00:09
ビルドアップローカル、番組ナビゲーターの常田幸永です。
この番組は、30年のスポーツ界でのキャリアを経て、現在は地域金融機関に勤務している私が、これまでの経験とゲストの皆様とともに、スポーツを通じて街を豊かにしようという番組です。
さて、今月のゲストは、東洋大学健康スポーツ科学部健康スポーツ科学科講師の谷塚哲さんにお越しいただきました。
谷塚さん、どうぞよろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
先週は、一般社団法人比営利のお話をいろいろとお聞きしました。
今週はですね、地域とスポーツの関わりについていろいろとお聞きしたいと思いますが、
例えばですけども、ヨーロッパ、こちらで地域人口とクラブ会員数、スタジアムのキャパシティ、この関係性など、日本のスポーツ環境とですね、比較して、どのようなお考えをですね、お持ちなのか、この辺からよろしいでしょうか。
はい、ありがとうございます。Jリーグというのはご存知の通り、ヨーロッパのドイツを参考にしております。
ドイツは、これも皆さんご存知の通り、サッカーが有名な地域でして、非常に地域の人たちもサッカーに対する熱量が高いと言われております。
よくこれも話に出てくる、例えばドイツブンデスリーガーのドルトムントというチームは、席数が8万9万あってですね、毎試合8万人入ると。
実際ドルトムントの人口が58万人とか9万人なので、全人口の13%から4%が試合に来ると。
すごいですね。
すごい、これ驚異的な数字なんですよね。
当然そのヨーロッパの歴史の中で、サッカー、これヨーロッパだとフットボールって言うんですけど、サッカーのステータスってのがやっぱりすごく高くて、逆にサッカー以外のスポーツがすごく離れちゃってるぐらいですね。
その歴史的な背景がある中での、今のヨーロッパ、ドイツのサッカーのありようということなんですよね。
このありようを、いわゆる93年に川口さんがJリーグを作ろうということで、地域の人たちがサッカーに関わらずスポーツを通じて楽しい週末なり楽しい生活を送るというようなことを理念に掲げてできたのがJリーグであって。
以降、例えばBリーグとか他のスポーツいろいろあると思うんですけど、やはり今のところこのJリーグの地域密着、地域を主としてスポーツが成り立つっていうですね。
こういったスポーツのモデルがですね、日本のスポーツ界でも主となって、それに相対してですね、プロ野球という企業が主体というようなビジネスモデルもあるんですけども、
03:06
これも皆さんご存知の通り2004年の旧海再編問題というですね、オリックスと金鉄が合併して楽圏が新しくできたという問題があったと思うんですけど、
あれ以降ですね、やっぱりそのプロ野球ですらこれからは企業に頼らず、地域に根付いていこうということで、
北海道だったりとか千葉ロッテだったりとか福岡ソフトバンクだったりとか、こういった地域色をたくさん出すようなプロ野球チームが出てきたということになりますので、
やはりこれから日本のスポーツと地域っていうのは非常に重要な関係性を築いていく必要があるのかなと思いますね。
なるほど。Jリーグがドイツあるいはヨーロッパのモデルを習って、それでリーグが立ち上がったと。
で、地域密着という理念を掲げられて、いろんな地域に展開して、そこにはスタジアムが建設されて、行政への協力というのも非常に高いんでしょうね。
そうですね。Jリーグって面白くて、ほぼほぼのクラブがいわゆる公共スポーツ施設ですよね。
自治体の施設をお借りしてやってるモデルなんですよね。だから逆を返せば自治体の協力がないとJリーグっていうのは運営できないと。
なるほど。
プロ野球見ていただくと意外と自前で持ってたりとか、親会社が持ってたりとか、ほぼほぼ自分たちで運営できるっていうような球場が多いので、
あまり地域とか自治体との連携がなくてもできるんですけど、Jリーグはどう考えてもホームスタジアムは自治体のものっていうのがメインなので、
そういった意味で言うと地域密着っていうのを掲げて、公共スタジアムを公共のスポーツ施設を優先的に安く貸していただくためにも、
Jリーグっていうのは自分たちの利益だけではなくて、地域の人たちのためにっていうことを掲げていかないといけないというビジネスモデルになってますね。
なるほど。日本のスポーツ、地域への関わり合いっていうことを少しお聞きしたいんですけども、先ほどドルトムンとのお話がございました。
アベレージで8万人ですかね、満員になると。日本にはそれだけ大きなスタジアムはそんなにないと思うんですけども、
これ8万人を常に満員にするという、その感覚というか、いわゆる文化というかサポーターの熱意ですね。
それがこのヨーロッパと日本と比べて、スポーツに対するサポーター、地域の方の意識というのは、この辺の違いというのは感じられるところはありますか。
たぶん要因はいろいろあると思うんですけど、僕個人的に思っているのは、例えばドルトムンとバイルミューヘン、ドイツじゃなくてもFCバルセロナ、リバプールって、
これ僕ら日本人から見るとすごいかっこいい横文字なんですけど、彼らからしたらこれ単なる地域名なんですよ。
日本で言うと北区、新宿区、渋谷区って言ってるようなもので、要は彼らからするとあれは単なるサッカークラブではなく、地域を体現しているものであり、
中には過去の地域と地域の因縁だったり、地域と地域の歴史が絡み合っているので、単にサッカーの試合を見て楽しむじゃなくて、
06:02
自分たちのルーツだったり、自分たちのアイデンティティ同士が隣町とぶつかっている。もしくは南のクラブが北のクラブと戦っている。
そういうような歴史的な背景があるので、やはり日本のプロスポーツの盛り上がりとヨーロッパのプロスポーツの盛り上がりっていうのはもう全然違うっていうのは、
その歴史的な背景だったり、そういったものが大きく関係しているんじゃないのかなと思いますね。
本当によく日本のスポーツの文化ということではないんですけども、強いチームだと完全に弱くなったらいかないとか、そういったような傾向もいろんなスポーツ競技によってもあるんですけども、そこがやっぱり大きく違うってことですね。
これよく僕いろんなところで話すんですけど、サッカーを応援する人、野球を応援する人ってあると思うんですけど、これ日本だとファンなのかサポーターなのかって、
僕らいわゆる研究者でもオジに起こすときにファン、こっちサポーターっていう、どっち使っていいかわからないっていうことがよくあるんですね。
ファンもサポーターもこれ結局同じなんですよ。スポーツを見て応援してる人楽しんでる人ってことなんですが、どちらかというと日本っていうのはファン、ヨーロッパのサッカーは逆にこれサポーターってわけですよね。
同じスタジアムで見てる人をなぜ日本でファンというのか、なぜヨーロッパでサポーターというのか、これも個人的な考えではあるんですが、日本っていうのはスポーツを見て楽しむのが一番なんですよ。楽しむ。
一方でサポーターっていうのは英語の意味と同じで、要はサポートする人。サッカーを見て楽しむのもそうなんだけど、一方でそのクラブに対してきちんとサポートをする。
その中の責任を持つっていうような言葉の違いにもすごく日本とヨーロッパのスポーツ文化の違いが現れてるんじゃないのかなというふうに思うところもありますので、そういった言葉一つ一つ見てもやっぱり日本のスポーツ文化とヨーロッパのスポーツ文化は違うんだなっていうのをしみじみ感じるところはありますね。
確かにヨーロッパのサポーターというのは、ただ観戦して応援するだけではなくて、クラブの経営にも関与したりとか、そんなお話もよく聞きますよね。
いろいろ口出したりとか、先週のドイツの仕組みでいうと、半数以上は地域のスポーツが持たなきゃいけないとかですね。
あとは有名なところで言うとFCバルセロナの訴訟制度っていうのは、いわゆる16万人の会員で会長選挙をするとかですね。
こんなのは多分日本では全くありえなくて、ただそのぐらい地域の人たちがある種責任を持ってクラブを支える、だからサポーター。
日本の場合どちらかというと企業や自治体がスポーツを提供してくれて、僕らがそれを参加して楽しむ、だからファン、FUNのファン、楽しむっていう意味なのかなって個人的には思っているところはありますね。
Jリーグもサポーターと呼んでいますけれども、これはヨーロッパの現状に近づいているのかいないのか、この辺の感覚どうでしょう。
外見というか雰囲気はすごく似ていると思います。かなり雰囲気づくりという部分に関してはすごくヨーロッパのサポーターに近いですし、逆に日本独自のサポーターの仕組みだったりとかあると思うんですが、
09:09
やっぱりどうしても違うのは、例えばドイツなんかと比べてしまうと、そこにどれだけクラブに対する発言権がサポーター側、地域側にあるか。
これは日本は当然全くないので、ヨーロッパの場合はそこに対してクラブに対する何らかの発言権がある。
どちらかというとヨーロッパのサポーターは自分ごととしてクラブを考えるわけです。だって自分が一票を投じる、一言を言う権利。
日本のサポーターが時々暴走するのは、僕は思うに結局ストレスの吐け口がどこにもない。
要はこんだけ応援してるんだけど、でも言ったって社長変わんないじゃない。監督変わんないじゃない。
俺たちの言ってること何も聞いてくれないじゃないっていうのが、もしかしたら悪い方向で暴走しちゃってるっていうのが日本サポーターにもあるのかなっていうところがあるので、そこがやっぱりヨーロッパと日本の大きな違いじゃないかなと思いますね。
なるほど。本当にJリーグの歴史も30年ですが、近づきつつはあるというような感覚でしょうかね。
ファンではなくサポーターで支えるという感覚が必要なんですね。
ありがとうございました。今週はスポーツと地域の関係性についてお聞きしました。
安塚さんどうもありがとうございました。
ありがとうございました。
常田幸永がお送りしているビルダップローカル、本日はここまでとなります。
次回も安塚さんにより詳しくお聞きしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
番組の感想は各媒体のコメント欄か、Xでハッシュタグビルダップローカル、アルファベットでBUILDUPLOCALでよろしくお願いします。
本日のゲストは東洋大学健康スポーツ科学部健康スポーツ科学科講師の安塚哲さんでした。
安塚さんありがとうございました。
ありがとうございました。
お相手はビルダップローカル、番組ナビゲーターの常田幸永でした。それではまた。