2025-03-17 12:23

木村 智行(株)東京アセットソリューション 企画開発部長 兼 DX推進部長

不動産企画DXに位置情報データ導入が広げる可能性


2009年設立の株式会社東京アセットソリューション。「人から街、社会、そして未来へ」というビジョンのもと、不動産開発・運営など幅広く事業を展開しています。

不動産業界では、高齢化が進み、デジタル化の遅れが課題となっていますが、同社では位置情報をはじめとしたデータ活用、AI・クラウド技術の導入などに取り組んでいます。データを活用した物件調査などを行うことで、不動産企画のあり方自体を変えていきたい、その先に目指す“新しい不動産企画”についてのお話も伺いました。

サマリー

木村さんは、株式会社東京アセットソリューションでの役割や同社の事業内容を説明しています。特に、不動産業界におけるDXの現状や課題、また位置情報データの活用による開発の新たな可能性について詳しく話しています。木村智行さんは、位置情報データとビッグデータを活用して不動産企画を革新し、マーケットや都市の現実を変えていく可能性について語っています。また、生成AIや機械学習を取り入れることで、より客観的な開発計画を提示する意義を強調しています。

会社と役割の紹介
Location Weekly Japan です。今週は東京アセットソリューションの木村さんにお越しいただきました。木村さん、よろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
はい、じゃあ早速会社紹介と自己紹介をお願いします。
はい、私は株式会社東京アセットソリューションで DX推進部長を務めております木村と申します。
当社はですね、2009年の創業になりまして、総合不動産会社です。
人から町、社会、そして未来へというビジョンを掲げて事業展開をしております。
ディベロッパーとしてですね、賃貸マンションですとか、オフィスビル、ホテル、物流施設など幅広いアセットタイプの開発を行っております。
また既存の建物にアプローチをする不動産の再生ですとか、プロパティマネジメント、それから再生可能エネルギーの発電事業、あと国内のみならず海外も含めて事業展開をしております。
少し強み的なところをお話しさせていただきますと、不動産業界に馴染みのない方もお聞きいただいているという前提でお話ししますけれども、
総合ディベロッパーといいますと大手の財閥系の不動産会社というのが皆さん思い浮かぶのではないかなと思っております。
当社はですね、創業以来複雑な権利調整の実績というのを積み上げてきておりまして、再開発の措置を作るというところに強みを持っている会社になります。
大手のディベロッパーとはですね、当社が最初に仕入れまして、権利調整をした開発領域を提供させていただくというような形で、多くの取引をさせていただいているようなポジションになります。
不動産業界のDXと課題
先ほど権利調整ということを申し上げたんですけれども、少し掘り下げますと、不動産には様々な権利形態ですね。
具体的には、所有権以外に審査権ですとか、土地と建物で権利者が異なるような措置権、一つの建物を区分ごとに所有するというようないろんな形態がありまして、
それらを権利者の方々と調整していくことで、当社は流動化というふうに言っていたりしますけれども、扱いやすい不動産にして、それをより活用したりですとか、バリューを上げていくというようなことに強みを持っている会社になっております。
なるほど。なんか聞き慣れない言葉が多くて、ちょっといろいろ細かく教えていただければと思いますけど、木村さんはずっと不動産業界でやってこられた方なんですか?
そうですね。私は実はですね、資格的には一級建築士を持っていまして、もともとは設計ですとか、そこから派生する企画、あとは施工の管理ですとか、そういった開発の中でも特にものづくりをするところがキャリアとしては出どころになります。
DX推進部長でいらっしゃるので、不動産のDXってどんなことに取り組んでいらっしゃるんでしょうか?
少しですね、不動産業界のDXの現状の方からお話をさせていただくと、総務省がですね、労働力調査というものを出していまして、不動産業の就業者というのはですね、50代以上の方が60%を占めるという、結構衝撃的な数字だと思っているんですけれども、そういう状態です。
それだけ俗人的な経験が物多い業界だというふうにも思っています。
比較すると、情報通信業なんかは50代以上の方が25%ですとか、比較的年齢が高めの運輸業でも50%いかないというような形ですね。
不動産業というのはですね、大きく分けると、ビューズ開発管理というような3つの領域がありまして、当社はいずれも事業領域というふうにはしておりますけれども、中には情報の非対称性が価値を生んでいるというような側面もあるかなと思っていますので、DXによって情報がデジタル化してですね、アクセスが容易になる世界に移っていくということについて、カーブルが高いというような側面もあります。
ただ一方ですね、国内の人口減少ですとか、ご存知かもしれませんが、建築費が高騰しているということで、市場としては需要が減ってコストが上がるというような形になっておりまして、これまでの常識でビジネスを組み立てられない状況と、各社何とかしなくてはというような焦りを守っている部分もあるんではないかなと思っております。
こういった業界ですので、若い人材が集まりにくいですとか、入ってきても活躍が難しいというのが業界の高齢化ですとか、DXの遅れというところに拍車をかけているというような形ですね。
位置情報データの活用
当社はですね、そういった事業環境の中でもデジタル化ですとか、そういったテクノロジーの進化による変化というのは不可逆的だというふうに考えまして、私もともと先ほどご説明した建築の企画ですとか設計をやっていたんですけれども、早期にそういったデータをですね、活転換するということをやっていくべきだということで、DX推進をやっているという点と、今回こちらでお話をさせていただいているという形になります。
なんかよく一般的に聞くのはマンションの値段がんがん上がってるし、不動産業ってみんな儲かってていいねみたいな印象を世の中持ってるんじゃないかなと思うんですけど、先ほどの話だとそうでもないんですか?
過去の事例を見れば皆さんのご献身でも明らかかと思うんですが、不動産というのはバブルになりやすいというかですね、実体的な収益性を伴った価値の向上であればいいんですけれども、やはり取引だけが過剰に流動していくと価格だけ上がっていく。
それっていつか永続的ではないよねという認識はやはり皆さん持っていますので、本質的な価値をどうやって作っていかないといけないのかということについては安心が高いということかなとは思っています。
うーん、なるほど。そんな中で位置情報を活用していこうということを、今回NVMe Japanに加盟していただいてお届けされたのかなと思うんですけれども、具体的に位置情報データをこんなイメージで活用していこうと、そんなことがあればぜひ教えてください。
特に当社で想定をしているところで言うと、まずちょっと不動産業界というか開発がどういうふうに進むのかというところからお話をする必要があるのかなと思うんですが、まず物件を理解するためにはとりあえず現地を見るということがこれまで前提になっていました。
当然ですね、現地で得られる情報ですとか、現地でしか得られない情報というのは多いんですけれども、逆に見に行ったらそれで良しとされていた部分もあるのではないかなというふうに思っています。
例えば事例としてですね、都市部にある対象の不動産があって、そこで開発をしようというようなケースを考えたいと思うんですけれども、私は先ほど申し上げました通り開発物件の企画ですとか設計をやっていた経験もありまして、
そういった立場からその対象の不動産の価値を最大限に発揮するような開発計画は何かというようなことを考えるプロセスですね。
まず現地に行った時には、周囲の建物の状況ですとか、そのエリアの建物の用途ですとか、繁華性ですとか、どういった属性の方がいるのか、どこに人が集まっているのかということを体感としてインプットするんですね。
そこの周辺の賃料ですとか、話題の場所ですとか、社会のトレンドなどといったことを掛け合わせて開発するターゲットですとか、コンセプトというのを導いていきます。
開発計画のですね、コアになるコンセプトというのは、先ほどお話ししたような洞察ですとか分析に基づいて作っていくんですけれども、現地の体感というのはですね、定量的に表現することが非常に難しいものだと思っています。
開発プロジェクトというのは当社のようなデベロッパーだけではなくて、多くのステークホルダーがかかりますので、そういった方々から教科を得るということが必要になるんですけれども、先ほどのような定量的客観的に表現することが難しいという点からですね、そこに多くの手間と時間がかかるということがあります。
あと、我々のようなクリエイションをしていく立場の人間も、現地の体感というのは24時間365日にそこに張り込んでいるわけではありませんので、どうしても切り取られた情報になるというふうに考えています。
そこでですね、今回のこのLBME Japanさんに加盟させていただいたところにつながるんですけれども、位置情報データというものが、今申し上げたような課題に対応できるのではないかと考えてまして、
街中での人流ですとか、さらにそこから来た方なのか、どういった属性の方なのか、何の目的で来たのか、そういった情報を定量的に示してですね、事実に基づくペルソナを導くことができるのではないかなと思っています。
不動産企画の革新
それはこれまでのですね、独自的な洞察に基づく企画ですとか、多くのロールとともなって客観性を付与してきたような不動産企画の在り方、クリエイティビティというのを変えていく可能性があるんじゃないかと思っておりまして、私たちの事業というのはですね、こういったプロセスで空間を使ってそのデータを現実社会に実体化させるというふうに考えることもできるのではないかというふうに思っております。
以上が現時点で想定しているようなユースケースですね。
ありがとうございます。今までその観察というか洞察というかは、独自的という話だったんですけど、やっぱりなんかそういうプロみたいな人がいらっしゃって、この人が言うんだから間違いねえだろうみたいな、なんかそんな感じだったんですか?
そういった会社さんもあるとは思いますし、やはりその企画を推進する人間ですよね。ディベロッパーの中でもその開発の担当者がおりますけれども、そういった方たちが実際にどういう分析・洞察をして、それが社内に納得感のある説明がなされるかっていうようなところ次第ということもあったのかなとは思うんですね。
私、先週とある事柄について企画会議に出てたんですけれども、ふと会議室の中見渡したらみんなおっさんしかいなくてですね、こんなおっさんたちで考えてもおっさんが喜ぶものしか出てこないよなっていうところで、この企画会議ダメだっていうような結論でそこ終わっちゃったんですけど、なんかそんなイメージですかね。
そうですね。そうなってくると、やはりその不動産業界だけで、ディベロッパー業界だけで生徒されているものが作られていくですとか、どうしてもこれまであったようなこと、見たようなことがみんながそれが妥当だよねという結論になりがちで、それはやはり金の都市の多様性ですとか、不動産の価値を上げているのかというところは、私のような立場からすると疑問に思っていたというところではあります。
いや、面白いですね。ありがとうございます。なんか位置情報以外にもこういったデータを活用したみたいな事例ってあったりするんですか。
そうですね。やはり最初の方おっしゃっていたマーケットデータというのは、これまでオープンデータを皆さんやはり人力で取れる範囲からですね、いろんな賃料の想定をしたりですとか、そういったことで企画をしていたわけですけれども、
昨今は位置情報に限らずいろんなビッグデータが集められて、それを提供されている会社さんが増えていますので、そういった賃料も非常に広域であったり、詳細であったり、過去のデータを見れるようになったりとかですね、空出期間の想定があったりとかですね、
そういう精度が非常に上がるようなデータを扱うということができるようになっているということは起きてきているかなと思います。あとはそういったデータを使いながら、どうそのクリエイティブの部分をまたその独人性だけではなくてですね、変えていくかというところもありまして、
そういったデータとやはり相性がいいのは昨今話題になっている生成AIですとか、機械学習ですね、そういったところがあると思っていますので、これからそういったところも取り組もうというふうには考えています。
ありがとうございます。そしたら最後に今後の展望というか、こんな展開をしていきますみたいなことをぜひ教えてください。
途中でお話ししましたが、不動産開発というのは多くの人々の営みですとか経済活動、それから投資効果に対して影響を与えるものだというふうに考えておりまして、その様々なステークホルダーに新規性と客観性のある開発計画を提示することの重要性が高まっていると考えています。
当社はですね、位置情報データを組み込むことで不動産企画のあり方を変えていきたいと考えていまして、さらにその先には先ほど申し上げたAIを活用して様々なオルタナティブデータを企画プロセスに統合していくことで、
人の体感ですとか洞察では見えなかった事実をベースにした新しい不動産企画を目指していきたいなと考えています。
これは不動産開発という事業自体を変革して、新しいマーケットですとか都市という現実のものを作っていく可能性があるというふうに考えております。
ありがとうございます。力強い言葉というかデータ活用で不動産業界を変えていくということが滲み出て頼もしく思います。
ぜひいろいろ我々としてもご協力できればと思っています。
じゃあ今日は東京アセットソリューションの木村さんにお話伺いました。木村さんありがとうございました。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
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