2025-11-10 14:36

重谷 理沙 (株)ゼンリン プロダクトソリューション事業本部 

「ゼンリンが変える!地理空間情報で実現するDigital Twin」


戦後まもなく創業されたゼンリン。建物1軒1軒を調べつくして、地理空間情報を提供するその基本事業を軸に、住宅地図から始まりカーナビ、GIS、自動運転・ドローン向け高精度地図まで発展しています。2024年に17年ぶりの社長交代を行い、「地図素材提供会社から地理空間情報サービス会社へ」の変革を推進し、地図を構成する数千の要素(地物)を活用したデジタルツインの基盤構築を目指します。Z軸を含む3D情報の精度強化、変化検知によるリアルタイム更新、AIやドローンとの連携などを進め、社会実装型の地理空間情報基盤を構築中。そんなゼンリンの展望を語って頂きました。

サマリー

ゼンリンの重谷さんは、会社の歴史やプロダクトの進化について話し、高度地理空間情報や自動運転に関わる技術の重要性を明らかにしています。また、ドローンと地図情報の関係にも触れ、将来の地図の進化についての展望を共有しています。重谷理沙氏は、自動運転における地図情報の重要性やデジタルツインの構築について語り、特に競争社会の中での連携と情報の役割を強調しています。

ゼンリンの歴史と会社紹介
Location Weekly Japanです。今日は、ゼンリンの重谷さんにお越しいただきました。
重谷さん、よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
会社紹介と自己紹介をお願いします。
ありがとうございます。株式会社ゼンリンプロダクトソリューション事業本部の重谷と申します。
本日はよろしくお願いいたします。
まず、弊社についてです。ゼンリンといえば、昔ながらの住宅地図とナビの会社なんじゃないのと思われている方々も多いんじゃないかなと思いますが、
今日はそうじゃないよというところをお伝えできればと思います。おかげさまで弊社は、今年で創業77年を迎えることができております。
現在、福岡県の北九州市と東京の日本社政をとっておりまして、全国で見ますとおよそ70の営業と調査の拠点というものを構えております。
従業員としては単体で2400名ほどで、調査系、整備系、本社及び事業系が3分しているイメージです。
また、特に同じ業界の皆様となると、ご存知の方もいらっしゃるかなと思いますが、今年の4月から17年ぶりにKトップが交代いたしました。
新たに竹川というものが新社長として弊社を率いていく、新体制のもとを動き出した本年度となっております。
はい、ありがとうございます。77年なんですね。
そうなんです。戦後すぐですね、創業した会社になっておりまして。
なるほど。何かその創業理由みたいなのって語られていることってあったりするんですか?
そうですね。ちょっとその弊社のプロダクトのヒストリーと現在地みたいなところをここから簡単にご紹介させていただければと思います。
弊社の歩みを語る上で外せないものはやはり創業以来の宅名、建物名が一件一件載っている住宅地図になるんですけれども、
創業者が当初は観光雑誌の付録としてつけていた一件一件の宅名だったり建物名が載った真っ赤の地図というものがすごく反響があり、
価値があるというところでそこから事業としてやっていけるんじゃないかというところで始まったのが住宅地図庁の始まりになります。
観光雑誌だったので本当に大分県の別府市の始まりになっています。
そこの創業以来の住宅地図庁から1980年代に入りまして地図のデジタル化というものにめっちゃ早く取り組ませていただきまして、
そこから1990年代に入りまして弊社のもう一つの柱となりますカーナビ用の地図データの整備に取り掛かりました。
2000年以降は当然インターネットの世界となりますのでGISだったり配信系のサービスだったりというところでデータベースの提供にとどまらない自社製品の展開であったり、
近年ですと人が見る地図から機械が読む地図というところで自動運転やドローン用などの高精度の地図を展開しております。
現在はさらに精度とか鮮度を高めた高度地理空間情報として進化をさせており、このように全輪は時代の変化や技術の進化とともに地図情報の新たな価値を提供・提案してきましたし、今後もその姿勢というところは変わるところはありません。
冒頭におっしゃってた住宅地図やナビだけじゃないんだぞというのが高精度地理情報ですかね。
高度地理空間情報の進化
高度地理情報でしたっけ。
はい、高度地理空間情報と。
地理空間情報。
はい。
なるほど。
具体的に従来の地図とどういったところが違うみたいなのって説明いただけます?
本当に社長の交代がありまして掲げてるところでもあるんですけれども、地図の素材の会社、地図提供会社から地理空間情報サービス会社へ見学していこうというところを掲げておりまして、
具体的に何かと申し上げますと、単なる地図としてだけじゃなくて、実は地図を構成する要素というものがすごくたくさんございまして、弊社の中だと地物とか呼ばせていただいているんですけれども、
その構成要素の地物というものが分類だけで数千分類になるくらい情報というものは詰まってまして、そこを使って具体的にはデジタル追いみたいなところを構築して、世の中の役に立っていきたいなというところを今後考えているところです。
先ほど機械に読ませる地図っていうお話があったかなと思うんですけど、それがすごい細かい情報が詰まっているっていうのを、人間の視覚的にはそれを全部細かくされても困るところはあるけれども、それが機械だったりAIが読むっていう観点だと、全部ちゃんと咀嚼してくれるっていう、そんなイメージですか?
そうですね。緯度系度みたいな部分もより出展を増やして精度を高めたりですとか、そんなものをさせていただいているところです。
どうですかね、前林さんから見て、地図って先ほど遠隔を少しお話いただきましたけれども、この先、今までの77年間で進化してきた過程っていうのはあると思うんですけれども、生成AIが出てきて、地図情報も先ほどもありましたけれども、ドローンだったりとか、自動運転っていう時代にも確実になってくるじゃないですか。
そういった中で地図ってどう進化していくっていうのを、前林さんどう見ていらっしゃいますか?
そうですね。本当にこれからは、記者としてはデジタルツインの基盤になるようなものを作っていきたいなというふうに思っているんですけれども、今まで地図の情報って、限られた人がプロ的な使い方をする領域でもあったんですけれども、
その生成AIとか機械が逆に読み取ってくれるみたいなところで、より多くの方々に気軽にスマートに使っていただけるような世界観になっていくんじゃないかなというふうに思っております。
デジタルツインっておっしゃってるのは、例えばドローン観点でいうと、操作をこのパソコン上でワーってやりつつ、実際のドローンはその指示通りに動いていくとか、そういったイメージですか?
そうですね。おっしゃる通りで、今できているところみたいなところでお話させていただくと、ドローンがどこを飛ぶと安全なのかみたいな、どこを通っていいのかみたいなのを、XとYとZの中で空路を定めて、そこをドローンが飛んでいくみたいなところですとか、それと合わせて物流の情報とか、ここからここに届けるべきみたいなところだとか、より法律的な巡路ってどうなんだっけとか、
いろいろなところで情報が使われて、それがこの世界観としてはデジタルツインみたいな、勝手に運んでくれるじゃないですけど。
XとYは多分地図で感覚的にみんなわかるかなと思うんですけど、Zの地図もあるってことですか?
そうですね。それで申し上げると、やっぱり弊社今までちょっとZは一応あるけれども、高さ情報はあるけれども、まだまだ制度はこれからっていうところがございまして、今までは何でやっていたかというと、その建物の階数の情報っていうものは取得してきているので、2階建てだから掛けいくつで何メートルとか、10階建てだから掛けいくつで何メートルとか、そんなところは全国高さ情報を保有していたんですけれども、
Zの方向も制度を高めていくみたいなところでいくと、ある程度エリアを決めて、ここについてはきちんと整備していこうみたいなところをこれから取り組んでいくべきところですし、アライアンス先とかも含めながらやっていきたい、保管していきたい情報だなというふうに思っています。
自動運転と法整備の重要性
ちょっとこれ、以前私JAXAさんと話したときに上がった話でもあるんですけど、交通ルールみたいなのって、要は車を運転するごとに最初の交通ルールっていうのは制定されていて、運用何十年もされてきているっていうところはあると思うんですけど、空のルール、飛行機はあるってわかるんですけど、多分その高度、飛行機とドローンって多分違うと思うんですけれども、
そのドローンの区域における交通ルールみたいなところっていうのは、どんな感じになっていくっていうのは、前林さん観点でいうとどうなんですかね。
そうですね、おっしゃる通りで、やっぱり法整備とすごく関わる部分だと思っていて、ただ便利な社会になるためにはどういった法整備がいいんだろうか、みたいなところを我々の方からも提言と申しますか、要望出しをさせていただく部分になってますし、国としてもそこの法整備ってものは順番を得て進めているところになりますので、
それに合わせてですね、弊社としては社会実装に向けた貢献をしていくというところになっています。
自動運転の話も少し聞けると嬉しいんですが、自動運転、かなりもう精度は高くなってきていますし、さまざまな手法が今提案されて、実証事件等々もやられていると思います。
地図をベースにした自動運転なのか、それともカメラをベースにしてその場で車がそれを判断していくっていうような、そういった2パターンあるのかなと思うんですけれども、今現状、世の中に出ているものとして。
前林さん的にはどう見てらっしゃいますか。やっぱり高精度な地図が車を制御していくっていう形になっていくんですかね。
本当におっしゃられている通りで、実装方法としては大きく今2つを組み合わせている形になってまして、地図情報を読んで走らせる部分と、本当にセンサーで瞬時瞬時で判断して走らせている部分と、大きく2つあるんですけれども、やっぱりセンサーだけではなく、例えば霧の中でも走れるだとか、より負荷が少ないルートを選ぶとか、傾斜とかを含めてですね。
そんなところまで、より効率的だったり、より安全だったりっていうところでいくと、地図情報というものも引き続き必要なんじゃないかなと思うので、そういったところで弊社としては価値を出させていただいている部分になっています。
今霧っていう話で思い出しましたけど、そういえばゴルフ場で距離を測るレーダーあるんですけど、あれ霧の中だと使えないんですよね。
そうなんですね。
そうなんですよ。距離がわかんなくなっちゃうっていうのがあって、その時は地図を見て感覚でやるしかないなって。
それって自動運転に置き換えたときに、霧が出てるから走れませんじゃ済まないっていうのは確かにその通りだなと今お話伺ってて思いました。
特にやっぱり日本は結構最近ゲリラ豪雨だったり、あったりだとか、いろいろ気象条件とかもありますので。
そうですね。冒頭リアルタイム性っていうコメントあったかなと思うんですけれども、地図のリアルタイム性ってどういうことですか?
鮮度的なお話かなっていうふうに把握させていただきまして、ちょっと今弊社で取り組んでいるところは2つございます。
1点目が今までも都心部とかであれば1年に1回は必ずその現地現物を確認して調査するっていう過程を得ていたんですけれども、
これからはですね、もうちょっと変化情報をトリガーとして把握させていただいて、変わったところを集中的に整備しに行くだとか、
そんな形で我々の現地調査のやり方自体も変えていきたいなというふうに思っておりますし、もう1点がデジタルツインみたいなところにも関わってくるんですけれども、
弊社としてはその一番ベーシックな地理空間情報、地物としての情報が保有してるんですけれども、
そこで生まれる活動の情報だとか、意味情報だとか、そういうようなところはアライアンス先を含めて、
より今どう使われているのかみたいなところをデジタルツインの基盤として整備していくことができるといいなというふうに思っております。
ありがとうございます。17年ぶりに社長さん交代されたということで、先日私も武田さんご挨拶させていただきましたけど、若いですよね。
デジタルツインの展望
そうですね。よくおっしゃっていただきますね。
前林さんというと重鎮の方々、今年の行った方々がずーんと並んでるのかなと思ってたんですけど、
だいぶ思い切った若返りだったんですか?
そうですね。やっぱりこれまでは弊社は割と職人っぽい見方をされたりだとか、裏方っていう見方をされたりだとか、
そういったところでもあったんですけれども、もちろんそこのベーシックな部分は変わらないんですけれども、
活動のテーマに共に作る方の競争を掲げていたりだとか、あと変革だとか、
そういったいろいろキーワードを散りばめられて、今我々としても変わろうとイメージを図っている形です。
展示会等々でも前林の若い方をたくさんお見かけすることが多いので、
いろいろ空気が変わってきているのかなというのは、15年前ぐらいに僕は初めて前林さんと付き合いをやったんですけど、
最近だいぶ違うんだろうなと思って見てました。
ありがとうございます。
ありがとうございます。じゃあちょっと最後に今後の展望についてお話しいただけるとありがたいです。
ちょっと先ほども申し上げていたところなんですけれども、弊社としてはこれからデジタルツインを構築していきたいなと思っているところなんですけれども、
そこはやっぱり一社だけではなし得ず、競争社会において実現ができるものというふうに考えております。
その前提で我々は役割としては、これまでも担ってきたベーシックな部分をレイヤーとして提供していきまして、
そこに紐づける状態の情報だとか地の情報というものは、あらゆる先を含めて紐づけて連携して社会に提供していくことで、
真のデジタルツインの構築につながるというふうに思っております。
ですので、これからも仲良くというとあれなんですけれども、まさに前林という社名も前林友好という言葉から来ておりまして、
隣人と仲良くなければ地図づくりはできないというところから社名になっておりますが、
次世代の地理空間情報の構築にあたっても皆様と一緒に競争社会の中で実現することができればなと思っておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
ありがとうございます。今日は前林の尾谷さんにお話を伺いました。尾谷さんどうもありがとうございました。
ありがとうございました。
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