2024-03-07 20:28

EP.139 大正製薬から新しく薬局で発売される内臓脂肪減少薬『アライ』について解説します。

元動画:
https://www.youtube.com/watch?v=03VSIkZ2m6U
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はい、こんにちは。今回なんですけれども、最近ですね、インスタのメッセージとかで、大正製薬から新しく販売される内臓脂肪減少薬アライについて、三木屋先生解説してくださいというリクエストがものすごく多いので、今日はですね、この内臓脂肪減少薬アライについて解説させていただきたいと思うんですけれど、
これ、一般名オーリスタットというもので、4月8日から薬局で買えるようになるわけなんですけど、ただ、これはですね、対面で薬剤師さんのチェックを受ける要指導医薬品なので、誰でも簡単に買えるお薬ではないんですけど、
医者の処方箋なしで薬局で買えるということなので、かなりハードルは低いわけですね。買うためのハードルは。このお薬、前にもちょろっとお話しさせてもらったことあるんですよ。もう1年以上前かな。
だけど今回ね、4月8日に販売が迫って、かなりテレビとかマスコミでも報道されてるんで、改めてこのお薬についてお話しさせていただこうと思うんですけど、これはですね、実は僕このお薬、結構たくさん処方してたんですよ。
一般名オーリスタットっていうのは、ゼニカルっていう名前で、また別の会社から販売されてたんですよね。ゼニカルはね、ロッシュっていう製薬会社から販売されてたんだけど、一応タカスクリニックもね、肥満の治療とかそういう内服治療とかもやってますんで処方してました。
なので、このオーリスタットに関しては結構詳しいです。患者さんにもたくさん処方して、患者さんがね、どのような経過だったのか、痩せたのかとか副作用はどうなのかっていうのもね、詳しいのでね、解説させていただこうと思うんですけど、結論から言いますと、このお薬はですね、ちゃんと服用すればですね、痩せます。
世の中には怪しい痩せ薬とか痩せサプリってあるじゃないですか、まあその漢方薬で内臓脂肪を落とすとかもあるんですけど、それなりの効果はあると思うんだけど、劇的な効果はなかったりとかするわけですよね。あるいは痩せるサプリとか、なんかそういうものもいっぱい売られてるんだけど、劇的な効果がないっていうものもね、結構多いんです。
劇的な効果のある痩せ薬っていうのもあります。最近だとね、やっぱり一番多いのはGLP-1作動薬ですよね。内服とか注射とかあるんですけど、これがですね、肥満の治療としては第一選択になっているっていうことが多いですね。
なんですけど、今回はこのアライ、オールスタットが販売開始になったわけなんですけれど、これは薬理作用は腸の中で脂肪を分解する酵素、リパーゼの活性を抑えるっていうこういう作用があるんです。
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となると脂っこいものをたくさん食べても、通常だったらリパーゼによって食べた脂が分解されて、それが腸から吸収されてエネルギーになったり、体脂肪になったりとかするわけなんですけど、このリパーゼの活性を抑えるので脂肪が分解されないんですね。
分解されないと腸から吸収されないと、そのまま便から出るっていう形になります。
ただし、摂取した脂肪が全部便から出るっていうわけじゃなくて、大体25%ぐらいの脂肪が便から出るんじゃないかと、大体そんな感じで言われています。
これは油の種類とか取る量とかにもよるんですけど、25%ぐらいが効果があるんじゃないかって言われています。
基本的に1日3回内服します。食事中あるいは食後に飲むという形になりますね。
そうするとその時に摂取した脂肪が吸収されにくくなるっていう形です。
値段は90カプセル30日分で8,800円税込みでございます。
なので1ヶ月8,800円なんで、そこそこの値段になりますね。
1日あたり300円ぐらいになりますね。
基本的に肥満の人とか太る人って、自分で努力してダイエットしろよっていう話なんだけど、みんながみんなそれやれるわけじゃないんですよね。
世の中には自分の意思でダイエットができる人とできない人っていうのがいるわけですね。
なのでこのお薬はできない人向けですね。
でもできないからといってね、それを放置すると肥満になって生活習慣病になってそれが悪化して糖尿病、動脈効果、それによって心臓とか脳の方に問題が起きてね、医療費がどんどん増えるので、
今回こういう形でね、処方箋なしで薬局で買えるお薬が出たっていうのは今後の日本の財政にとっても僕はプラスだと思います。
そのことも後でお話ししようと思うんですけど。
で、この1本目オーリスタットなんですけど、これねグラクソスミスクラインでアリっていう名前でお薬出てたんですよね。
海外だとアリって言うんですけど、日本だとアライって呼んだりとかしますよね。
それが今回対象製薬から販売されましたよと。
それ以外にもオーリスタットといえばロシュっていう製薬会社のゼニカルっていうのも有名なわけで、ゼニカルの処方経験は僕たくさんありますね。
確実に脂肪の吸収を抑えるんで、それなりに効果は出ます。
副作用としましては、使用性ビタミンの吸収阻害っていうのがありますね。
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使用性ビタミンというのはビタミンA、D、E、Kとかベータカロテンとか、こういう脂肪に溶けるビタミンなので、便と一緒に吸収されないで出ちゃうっていうことがあるんですね。
なのでアメリカだとオーリスタットを処方するときに補助的にビタミン剤の内服、マルチビタミンとかそういったものの服用を進めるっていう方針になっていて、これはFDAも支持していることでございます。
あとは脳には作用しないんですよね。
GLP-1作用薬、今メジャーになっている薬っていうのは食欲を落とすっていう効果があるんですけど、
オーリスタットは食欲を起こすんじゃなくて腸の中のリパーゼに働いてリパーゼを阻害して吸収を阻害するっていうものでございますよと。
だから食欲を抑えることはないので、普通にいっぱい食べちゃうんでしょうね。肥満になる人だからね。
食べた、いっぱい食べるんだけど、その吸収、脂肪の吸収を抑えるよっていうものです。
じゃあこれが世の中に広まるとどうなるかなんですけど、僕はこれは医療費削減になると思います。
そのために国が許可したんだと思います。
やっぱり生活習慣病がどんどん悪化して医療費が膨らむっていうのを予防するわけであって、
本来生活習慣病ってさ、自分が不節制なせいでなっちゃうっていう人が大部分なんですよ。
それは中には脂質代謝異常とか特別な病気持ってて、そういう病気になるっていう人もいらっしゃいますけど、
大部分の人は努力すれば生活習慣病にならなくて、それによって医療費を抑えるってことができるんですよね。
新型糖尿病なんて大部分の人は努力すれば予防できるんだけど、
結局不節制でお酒も飲んでいっぱい食べて肥満になって、血管もボロボロになって病気になって、
長く入院したりとか手術したりとか内服治療で通ったりっていうので医療費が膨らんじゃってるっていうのがあるので、
日本国民みんなが健康になるっていうのはこれすごくいいことだと思うんですよ。
中には必ずコメント欄で、そんなに日本人みんなが健康になったら長生きになって寿命が伸びて社会保障費が逆に増えるだろうと。
その場合寿命が長くなれば年金の支給額は必ず増えますよね。
だけど僕は医療費がそれ以上に下がってトータルで見れば社会保障費が減ると思うんですよ僕は。
っていうのは健康寿命を伸ばすっていう効果は必ずあります。糖尿病にもならない。
そうすれば透析する人も少なくなるし、心臓とか脳の病気になったりそれで手術したり、
内服治療する人、お医者さんに通うっていう人も少なくなるわけです。
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仮に寿命が多少伸びても、寿命伸びることはそもそも悪いことじゃないですからね。
健康寿命を伸ばすっていうことはできると思います。
例えばエリザベス女王ってお亡くなりになられたんだけれど、亡くなられる直前まで公務をされてたんですよね。
普通に歩いて自分でご飯食べて仕事もしていて、ちょっと体調崩されてそのままお亡くなりになったんですけど、
その亡くなる直前まで働いて元気でいて、介護とか特別受けずに自分のことほとんど自分でできたんですよね。
これこそがやっぱり理想だと思うんですよ。
やっぱり不健康な寿命が伸びて、不健康な時間が長いんですよね、日本人って。
特に寝たきり老人って言われてる方とか、ずっと介護を受けてる方とか、ずっと糖尿されてる方とか、
それはやむを得ず病気になって糖尿されてる方っていうのもいるんだけれど、
やっぱり生活習慣病がもとで、不節制がもとで病気になって、ずっと体の調子が悪くなって糖尿病になって動けなくなってっていう方もたくさんいるわけなので、
なるべく不健康な寿命、糖尿、入院、介護とかが必要じゃなくて、
お亡くなりになる直前までピンピンして歩いてて、誰の力も借りずに一人で生きててるっていう状態の高齢者が増えるっていうのが、
僕、これ理想だと思います。
そうすれば、医療費も削減できて、介護のですね、介護士さんとかも非常に不足している中、
日本全体がうまく回るんではないかなって僕は思っております。
で、じゃあこのアライっていうお薬、多くの人に使われるかっていうと、僕個人の意見としてはね、あんまり使われないんじゃないかなって思うんですよね。
まず一つこれ、処方というかその薬局で買うまでのハードルが結構高いですよね。
まずね、服用の条件として18歳以上、まあこれ当然だと思うんですけど、
あとは男性は腹位が85センチ以上、女性は90センチ以上、食事の改善や運動に取り組んでいると。
なおかつ糖尿病や高血圧など肥満に関連する疾患を持つ人は対象外という条件があるのと、
あと購入する手順としては、事前に腹位とか体重、生活習慣の改善状況を1ヶ月間記録する必要があるんですね。
なおかつ店頭で薬剤師さんから記録のチェックとか服薬指導を受けてようやくお薬を買うことができるという結構ハードルが高いんですよね。
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なので、あんまり使う人いないんじゃないかな、結局不節制で肥満になる人ってここまでなかなかやれないんじゃないかなと思うんですよね。
だって結局自分が食べちゃうからになるわけじゃないですか。
これだけ体重とかチェックして改善状況とか、あと食事の改善とか運動に取り組んでいる人っていうのが条件なんだけど、
そもそもそれがちゃんとできる人だったら、お薬必要なくて自分の努力で痩せられるんですよね。
だからちょっと条件が矛盾してるんじゃないかなと。
言葉悪いんだけど、この薬が必要になる人って自分で努力できないちょっとダメな人なんですよね。
だから結構条件が厳しいかなと。
ただ条件を厳しくしないと逆にダメなんですよ。
っていうのは最近は特に女性の方なんかは痩せすぎの人が多いでしょ。
韓国のK-POPアイドルとかに憧れて、みんなあの人たちって背が高くて元々スタイルがいい人が
過酷なダイエットとトレーニングと整形と、あとふくらはぎにボトックス打ったりとかしてガリガリに細くなって、
みんなああいうふうになりたいって思っちゃうじゃないですか。日本人の女性も。
だけどやっぱりそうやってね、医学的に見ると不健康なくらい痩せてる人とかも多いわけなので、
160センチで40キロあるとデブーとか言う人だっているじゃないですか。
あとは多いのは接触障害の方ですよね。
自分のボディーイメージを正確に捉えることができなくて、自分は太ってる太ってるデブだって思い込んでてですね、過酷なダイエットして体重がもう30キロとかになって、
骨と皮だけになっててももっと痩せたいっていう人が一定数いるわけですね。
精神的な問題でそういう風になっちゃうんですけど、そういう人なんかがお薬飲みたいとかになった場合、
この条件があればそれを出すってことができないわけなので、やっぱり条件を厳しくするってことはすごく大事です。
僕、この薬があんまり広まらないんじゃないかなって思う最大の要因はですね、副作用で便から油が漏れるっていうことなんですよ。
これね、僕がゼニカル出してた患者さん、多くの人がみんな言うんですけど、
まず普通にトイレでうんこするとき、うんちするときにバスッって言うんですよ。うんちが出るときに。
その時に油にまみれたベトベトの便がバーッと便器に散らばるんですよ。
そうすると便器がですね、ベタベタについて、流してもそれが残ってて、便器の裏とかにもそれが貼り付いてて、掃除が大変だと。
あとは、普段この薬飲んでおならをするとですね、普通おならって気体だけ出すじゃないですか、ガスだけバスッって。
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気体だけ出して、そうしたら別にパンツ汚れないんですけど、洗いとかね、ゼニカル飲んでおならすると、バスッとおならした時に黄色い液体の油まみれのおならがバーッと出るんですよね。
そうすると、普通にいつもの感覚で外でおならすると、パンツが真っ黄色になるんですよね。
うん、で、それ結構辛いんですよね。普通に会社行ったりしてね、職場で誰にもね、感じ取られないように、聞かれないようにスッって音を出さないようにおならして、もうパンツの中がビャーッとなる。
人気のいないところでおならしたろーってバスッってやっても、パンツが真っ黄色。これね、結構厳しいんですよね。で、匂いとかもブワーッと出たりして、なんだこの匂いがあって、職場ですごい気まずくになってね、それがトラウマになってもう飲めませんっていう人結構多いっす。
で、女性でこれ起きたらやっぱりトラウマになるでしょ。職場で男性も女性もいっぱいいるとこでさ、お腹が緩くなってさ、おならしたらさ、パンツ真っ黄色で、うわーっとなんか異臭漂って、なんか空気が悪くなってさ、これはね、さすがに厳しいですよね。
ちなみにこれね、便秘の人がこの薬飲むと便秘が治るっていうメリットも、メリットって言っていいのかわかんないんだけど、意外にこれ便秘の人が使うと便が出て便秘が治るっていう、そういう声も聞きましたね。
という感じでね、この薬使う場合は生理用のナプキンをパンツに敷いたりとか、おむつして普通に行動しないといけないわけで、これが結構重荷になるんですよね。
テレビでね、この間やってたんだけど、そういう副作用があるから、そうするとこの薬を飲んでると自然に脂っこいものを食べなくなるようになるんですよとか言ってたんですけど、そもそも脂っこいものを食べないようにして、ゼニカル飲むぐらいだったら、オールスタート、洗い飲むぐらいだったら、洗い飲まなくて良くなるわけですよね。
多少は脂を取るから吸収阻害するから、だから大抵このおならバス、パンツ、マッキー系をやっちゃって気まずくなってそれがトラウマになると、もうこの薬飲まなくなりますね。
前にも話したんだけど、僕の知り合いで形成医科の大先輩の大先生がいるんですけど、その先生が100キロぐらいの肥満体で、その先生も脂っこいものとかカツ丼とかそういうの大好きだったんで、ゼニカル飲んでたんですよ。
そうしたらその先生が家に高級の100万円ぐらいの巨大なキングサイズかクイーンサイズのベッド、一人で寝るためのベッドがあって、夜寝てる間におならしてたんですって普通に今まで通りバスバスと。
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そうしたら朝起きたら布団めくったらシーツが黄色になってて、やばいって思ってシーツ剥がしたらベッドの下の方まで黄色い液体が染み込んで匂いも取れなくて、100万円のクイーンサイズのベッドがパーになったっていうね。
この話聞いてからこれは結構厳しいなって思いましたね。
っていう感じなので、ただ効果は確実にありますんで、特に脂っこいもの好きな人にとってはめちゃくちゃ効果があります。
揚げ物、カツ丼とか、マックのポテトとかさ、ポテトチップスとかね、天ぷらとかさ、そういうのが好きな人にとっては結構大きな効果がありますけど、脂っこいものを食べた分だけ便から脂が出て副作用も結構出ますよっていう感じですよね。
なので結局挫折する人が多いですね。
ちなみにこの薬個人輸入でも買えちゃうんですよね。実はわざわざ薬局で買わなくてもね、っていうのもあるわけなんですけれど。
なので僕の予想だと、そのうち僕は予想だとGLP-1作動薬の内服薬が薬局で買えるようになるんじゃないかなって思いますね。
GLP-1作動薬の方が便から脂が出るとかお腹から脂が出るとかなくて、食欲を落とすっていうものなので、それも本当に肥満の人には結構効果あります。
これ痩せてる人に出すのは僕は良くないと思いますけれど、本当の肥満の人にはこれ出すのはありかなって思いますし、
食欲が落ちて気持ち悪くなるとかそういうのはあるんですけど、そういう作用によって食べる量を抑えるっていうのがありますので、これはこれでありかなと思います。
GLP-1作動薬、注射と内服があるんですけど、そのうちこれが薬局で買えるようになるんじゃないかなっていうことを予想しております。
その時はこれ、結構多くの人、多くの肥満で自分で痩せることができない人は利用することになるんじゃないかなって思います。
っていうのが私の意見です。
ご視聴ありがとうございました。
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