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この話は、今から6年ほど前になるんですけれども、
私が先輩にドライブに連れて行ってもらった時の話なんですけれども、
その先輩というのが、一人で心霊スポットに行ったりとかっていう、
そのくらいのこともする人なんですけど、
その日は夜のドライブでして、地元にある心霊スポットに行こうということになりまして、
私はすごく心霊興味あったんですけど、すごく怖がりということもあって、
その場所というのが花岡墓地っていう、地元じゃ結構有名な墓地なんですけど、
昔、中国人の方を1000人近く連れてきて強制労働という形でひどい行いをして、
400人近くの方が亡くなったという歴史がある墓地なんですけれども、
その墓地に行くまでに山の上にあるんですけど、道を登っていかなければいけなくて、
ゆっくりその先輩を怖がらせるみたいな感じで、ゆっくり進んでいって向かってたんですけど、
慰霊碑が真横にあって、その横を通った時に、ラーっていう声が聞こえてきたんですね。
あまりにも自然に聞こえてきたので、
最初は先輩が何か言ったんだろうっていうふうに思ってたんですけど、
先輩からお前今何か言ったっていうふうに言われまして、
私は当然言ってなかったので、いやいや先輩でしょみたいな感じの話をしてまして、
ん?なんかおかしいなって思いまして、その墓地をぐるーっと一周して戻ってきて、
近くのコンビニに寄ったんですけど、
本当にさっきの言ってない?みたいな話をして、いや本当に僕も言ってないですっていうことで、
うわこれ怖いな、聞こえちゃったねみたいな話をしてまして、
ただ、日本語ではなかったというか、そのラーっていう単語だけでは何を言ってるかわからなかったので、
その先輩が中国人の人がこういうことがあったから、もしかして中国語なんじゃないかっていうふうに言ってくれまして、
中国語でラーっていう単語を調べると、引っ張るっていう意味だったんですね。
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ラーメンだったりとかでラーっていう単語にはちょっと聞き覚えがあったので、
それで引っ張るっていうことを聞いて、すごくゾッとしたというか、すごい怖い思いをしてという話です。
リスナー名、MAXさんの体験談をお聞きいただきました。
心霊スポットに行って、奇妙な声を聞いたというもので、体験としてはさほど珍しくはありません。
しかし、この話が希少なのが、そこで体験された会議そのものが、その場所でかつて起きた悲惨な出来事に直結している点です。
お話の中で出てきた事件とは、現在では花岡事件と呼ばれているものです。
MAXさんも語られていた通り、終戦も間近に迫った1945年6月30日、当時秋田県の花岡町にあった花岡鉱山において、
強制連行の上、過酷な環境で重労働を強いられていた中国人800人余りが一斉放棄した一件を指します。
放棄後、周辺の山などに逃げ延びた人たちのほとんどは逮捕され、
拷問を受けた末に113人が死亡、それ以前に強制労働で命を落とした者なども含めると、
986人中418人もの人々が犠牲になったのだそうです。
MAXさんは、その慰霊碑にはどういった背景があるのかはある程度知っていたとのことで、
だからこそ、その時に聞いた言葉が中国語ではないかと推測しました。
聞こえた声はラーといったとのことで、中国語で引っ張るとか、引っ張って動かすという意味があります。
そこで考えられるのは、その声はかつてそこで働かされていた人たちのその当時の掛け声なのではないかということです。
花岡鉱山に強制連行された中国人たちが従事させられたのは、花岡川と大森川の改修工事だったそうです。
その作業中に、このラーという言葉が引け、引っ張れという意味で何度も発せられていたとしても何ら不思議ではありません。
このような過酷な作業現場では、作業中に頻繁に発せられた声や音が、その作業が終わった後でも聞こえてくるという話が数多くあります。
日本は戦後、著しい経済発展を遂げましたが、その裏では鉱山採掘やダム建設などの大事業が盛んに行われていました。
そのような現場では、死と隣り合わせの中、多くの人たちが重労働に身を投じたのです。
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どの現場でも事故は起き、大勢が犠牲となりました。
そして現在でも、その場所では大勢の人が呼び合う掛け声や鶴橋などの工具を振るう音などが聞こえるという話が全国的に聞かれるのです。
マックスさんが聞いたのも、そこで行われていた作業の際の掛け声だったと考えることもできます。
ただし、ここで一つ忘れてはならないのは、花岡鉱山の作業員たちは中国から強制的に連れて来られ、無理やりそこで働かされていた人たちだったということです。
現場は過酷だったと言います。作業員は食べ物も十分に与えられず不衛生な場所に押し込められ、1日に10時間から12時間も休みなく働かされました。
少しでも休もうものなら監視員からの激しい暴力が待っています。しかもその労働に対する対価は支払われることはなかったのです。
そこが戦後の巨大建造物建設の現場とは違うところです。ダム建設現場や鉱山などで働いた人たちには、その他の職業に就いた人以上の多額の賃金が支払われました。
だからこそ、大変だろうが危険だろうが、作業員は自ら遺産でその職に就いたのです。
しかし、花岡鉱山は違います。彼らは異国の地に無理やり連れて来られ、強制労働を強いられたのです。
喜びもやりがいもなく、恐怖で支配され命がけの作業に身を委ねた人たちが仲間が次々に命を落としていく中で反乱を起こしました。その結果、また大勢が死んだのです。
マックスさんが聞いた声は、絶望の中で果てた彼らの恨みの声だったのかもしれません。マックスさんのこの体験談からは、悪化の一途をたどる現在の日中関係や日韓関係の端緒の一端を垣間見ることができるような気がします。
この花岡事件では、1995年に、生存者や犠牲者の遺族が劣悪な労働環境を強いた超本人である現鹿島建設株式会社を提訴し、右よ曲折を経て2000年にようやく和解が成立しました。
和解が成立しようとも、このような悲惨な出来事があった事実がなかったことにはなりません。彼らが受けた理不尽でむごい仕打ちと、彼らの辛い過去を消し去ることなどできないのです。
私たち日本人が、自ら犯した過ちを決して忘れることのないように、慰霊碑と共に彼らは叫び続けるのかもしれません。それは、自戒を促し、平和を祈求する声なのです。
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