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2021-07-28 21:07

#22 私の家は自殺の名所【群馬の怪談】

夏の特別企画 "プロの怪談作家の方から買い取った怪談"第3回目のゲストは、怪談作家の戸神重明さん
『上毛鬼談 群魔』や「怪談標本箱」シリーズ等の実話怪談の書籍を数多く刊行する傍ら、地元群馬県高崎市を中心に怪談イベント「高崎怪談会」を主催、自らも出演して怪談を語られています
そして、今週から「100円で買い取った怪談話」は期間限定で週2回配信となります。最新話は水曜日と日曜日の18時更新となります。 番組をフォローしていただければ、最新話がアップされるとTOPページに表示されますので、是非番組フォローもお願いいたします。
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次に、怪談作家の宇都郎志方郎です。
この番組では、私が行っている怪談売買所で買い取った、世にも奇妙な体験をされた方のお話をお届けします。
夏の特別企画としてお送りしております、怪談作家から100円で買い取った怪談話。
今回ご出演いただくのは、戸上重明さんです。
戸上さんは、縄毛機団群馬や怪談標本箱シリーズ等の実話怪談の書籍を数多く観光されています。
また、地元群馬県高崎市を中心に、怪談イベント高崎怪談会を主催、自らも出演して怪談を語られています。
戸上さんが語る群馬県の実話怪談をお聞きください。
群馬県高崎市の市街地でバーを経営している40代の男性、アルファベットでJさんとしておきますが、彼は高崎市の中心街から少し離れた街に立つ、旧会建てのマンションに住んでいます。
いつも深夜に店を閉めて、後片付けや明日の準備をしてから車でマンションに帰ります。その日も午前1時半頃に帰ってきまして、マンションの敷地内にある駐車場に車を停めました。
このマンションなんですが、東側と西側に1台ずつエレベーターが設置されています。Jさんが住む部屋は東寄りの5階にあるので、東側のエレベーターを呼びました。少し待っていると扉が開く。
ところが、乗ろうとした途端、ものすごい速さで扉が閉まってきたんです。うわ、Jさんは思わず飛びのきました。閉まった扉がまたすぐに開く。で、またすぐに閉じる。開いたり閉じたり、開いたり閉じたり、それを何度も繰り返しているんです。
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故障か。危ないのでJさんは乗るのを諦めて廊下を移動し、西側のエレベーターを呼びました。そちらはいつもと変わらずに扉が開いて乗ることができました。
で、Jさんは無事に自分の部屋へ帰ったんですが、朝になりまして、午前10時頃、彼がゴミを出そうとしてね、西側のエレベーターまで行って、それに乗って1階へ降りました。
ゴミを出して戻ってきたんですが、この時、東側のエレベーターは扉が閉まっていました。もう開いたり閉じたりはしていないんです。どうやら正常な状態に戻ったらしい。
ああ、朝一番で管理人さんが気づいて、修理の業者を呼んで直してくれたんだろうな、とJさんは思いました。で、東側のエレベーターに乗ってみると、何も異常は起こらず、自分の部屋へ引き上げることができたそうです。
しかし、それから数時間後、このマンションは大騒ぎになりました。40代の男性が飛び降り自殺を図ったんです。その男性が落ちたのは、マンションの東側にある駐車場、よりによってJさんが車を停めている区画の隣でした。
そこにはたまたま車は停まっていなくて、男性はアスファルトの路面にもろに激突して即死したそうです。
ちょうど目撃した人たちもいたので大騒ぎになっていまして、Jさんも何事かと思って外に出てみたので、遺体が運び出される光景や警察の現場検証などを目撃することになりました。
その上、すぐ隣の区画で自殺が出たわけですから、警察から話を聞かれます。
それに、駐車場に血だまりができていたり、チョークで人の形が描かれているのも目の当たりにしたそうです。
かなり精神的にショックを受けたということです。
この自殺した男性は、このマンションの住人ではありませんでした。
高崎市民なんですけれども、何キロか離れた別の町に住んでいて、わざわざここにやってきて飛び降りたらしいんです。
免許証を持っていたのでわかったそうなんですが。
このマンションはちょっと古くて、オートロック式ではないので、住人以外の人でも廊下や階段までは自由に出入りができる。
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それでね、最上階付近から飛び降りたらしいんです。
それからおよそ1ヶ月後、その夜もJさんは夜中に仕事を終えまして、午前1時過ぎに車を運転してマンションへ帰ってきました。
東側のエレベーターを呼びますと、すぐに扉が開いたんですが、彼が乗る前にまた扉が閉まり始めました。
うわっ!思わず飛びのく。先日と同じで、一度扉が閉まって、また勘発を言えずに開く。
そして素早くまた閉じる。そんなことが何度も目の前で繰り返されました。
なんてこった、また故障キャー。このキャーというのは上州弁、群馬の方言で、故障火曜とか故障解とか、そういう意味ですね。
Jさんは西側のエレベーターに乗って自分の部屋へ帰りました。朝になると東側のエレベーターの扉も閉じて静かになっていました。
あ、また管理人さんがすぐに気づいて修理の業者を呼んで直してくれたんだろうなぁと、この時は思ったそうです。
でもね、後になってわかったそうなんですが、管理人さんはこのエレベーターの異変には実は気づいていなかった。修理の業者も来ていなかったそうなんです。
そして同じ日の午後、またもやこのマンションで飛び降り自殺が発生しました。
死亡したのは高崎市民ではない、もちろんこのマンションの住人でもない50代の男性でした。
群馬県民なんですけど、高崎からはわりと遠く離れた別の市からわざわざやってきて飛び降りたそうです。
そして落ちた場所もですね、前回と同じくJさんの車の隣。今回はそこに車が停まっていまして、自殺者はその屋根に落下しました。
強い衝撃を受けて車の屋根は大きくへこみ、フロントガラスが割れていたそうです。
このマンションは東西に長くてですね、他にも飛び降りることができる場所はいくらでもあるんです。
それがなぜか2階とも同じ場所に落ちているんです。これは奇妙なこととしか言いようがない。
そして前触れのようにね、東側のエレベーターが故障するということもJさんには不思議に思いました。
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これ偶然じゃないな。何か人間の理解を超えたことが起きているなと、気味悪く思い始めたそうなんです。
さらにおよそ2ヶ月後、またJさんが真夜中過ぎに仕事を終えて帰ってきまして、東側のエレベーターに乗りました。
この時、扉に異常はなかったそうです。ちゃんと乗れたんです。
だけど乗ってから急に線香の煙の匂いがしてきたそうです。
それが5階に着く頃にはかなり強く匂っていたので、おかしいな。こんな夜中に線香焚く家なんかあるのかな。
いや、これってもしかして、Jさんは嫌な予感を覚えました。
で、その嫌な予感が的中してしまったということなんです。
またしても同じ日、昼間になってですね、飛び降りが発生したんです。
3人目、今度は60代の男性でした。
これまでと同じ場所、Jさんの車の隣の区画に落下して即死しました。
やはりこのマンションの住人ではなかったんです。
特に今回の場合、群馬県民でさえなかった遠く離れた別の県からわざわざやってきて、このマンションから飛び降りたんです。
同じ場所に。警察も事件性を疑いまして、かなり念入りに調べたようなんですが、3軒とも遺書が発見されたり目撃者がいたりして、自殺として処理されました。
Jさんの車の隣に車を停めているマンションの住人は、この時仕事が休みで車に乗っていなかったんですよ。
そこに車を置いていたものですから、修理したばかりの車をまたしても破壊されました。
もう嫌だというので、その住人は駐車場を借りるのをやめまして、マンションの外にある別の駐車場を借りて、そこに車を停めるようになりました。
そのため、Jさんの車を停めている場所の隣は、今でもずっと開いているそうです。
マンションの住人はみんな事情を知っていますから、そこに車を停めたがらない。誰も借りないんだそうです。
そしてある日、Jさんが誤解の自分の部屋から何気なく駐車場の方を見下ろしたことがあったそうです。
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自分の車が見える。その隣の空いているスペースも見える。
そこに大きな黒い人影が立っているのが見えた。身長が2メートルもありそうな。
でも真っ黒で、人装とか服装はさっぱりわからない。そんな人影がこちらをどうも見上げているらしい。
手を開けて、上から下に下ろす。Jさんに向かって手招きをしているようなんですよ。
なんだあいつは!?とっさにびっくりして目をそらしました。
それから恐る恐るもう一度そちらを見下ろしてみたら、もう黒い人影はいなくなっていたそうです。
その後、時々黒い人影をJさんは見るようになったと言うんです。
あれは何なのか、気味が悪くて。でも気になるから、このマンションの土地について調べてみたそうなんですよ。
でも過去に戦場だったとか、殺人事件があったとかって言われはないらしいんです。
だからその黒い人影の正体が何なのかは未だにはっきりとはわからない。
ただ、あの人影が自殺者たちをあそこに呼んでるんじゃないかな、そういう存在なんじゃないかな。
あるいは自殺者の霊が凝り固まったものなのか、何なのかはっきりしたことはわからないそうです。
でもとにかく自分が車を止めている場所の隣にそういうものがいるわけですから。
そのうち自分も巻き込まれたらどうしようと思って、毎日非常に不安な日々を過ごしているという話です。
飛び降り自殺が頻発する建物というのはあるものです。しかしこれには理由があります。
死にたい、自殺したいと思うことを起死念慮と言いますが、それを持つ人は建物を見るとどの建物の上から飛び降りれば確実に死ねるだろうかと自然に考えてしまうそうです。
とするならば起死念慮を持つ人は身近で特に高い建物にはどうしても目が行ってしまうでしょう。
同じ建物で自殺が相次いだとしても不思議ではありません。
また自殺志願者がわざわざ遠方からやってくることについてもある程度は説明がつきます。
一度自殺があるとそれが新聞やニュースなどで報道されます。
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起死念慮を持つ人は確実に死ねる場所を探していますからそのような報道には敏感です。
誰かがそこから飛び降りて死んだという事実があればそこでなら自分もと考えるのです。
これは道路や踏切などでも同じことが言え
一度自殺の名称などという付のレッテルが貼られると
それだけで訪れる自殺志願者の数は増えるでしょう。
しかし今回戸上さんが語られた話では
同じ建物でも全く同じ箇所から飛び降りてほとんど同じ位置に落ちて亡くなったといいます。
これはどういうことなのでしょうか。
報道があったとしてもよほど特殊な事例でない限り
建物のどこから飛び降りたかといった細かい情報は得られないはずです。
これについては青木ヶ原の樹海の事例がヒントになりそうです。
青木ヶ原の樹海は富士山陸に広がる広大な森です。
ここは一度迷い込むと自力では抜け出すことができないという噂もあり
日本有数の自殺の名所として知られています。
ここではあまりに自殺者が多いため
警察によって定期的に自殺者のご遺体の一斉捜索が行われています。
そしてよく言われるのは遺体はだいたい同じ場所で見つかるのだそうです。
人は自ら命を断とうとする際は誰もが似たような場所を選ぶのかもしれません。
それを思うとこのマンションの毎回人が飛び降りる場所には
死を絶望する人の気を引く何かがあるのかもしれません。
それが建物の構造的なものなのか
それとも地上から手招きをする背の高い女のせいなのか
そこまではわかりませんが
ところでその背の高い女の存在ですが
それは一体何なのでしょうか。
階段を集めていてたまに聞く話に
本人は自殺など全く考えたこともないにもかかわらず
気がつくと自殺しようとしていたというものがあります。
ビルの屋上から飛び降りようとしたり
降りた遮断機をくぐり抜けて踏切に足を踏み入れようとしている
そのギリギリのところで我に返ってことなきを得る
あるいはその場にいた別の人に助けられる
そうやって一命を取り留めた人の話です。
人が自覚のないうちに自らの命を断とうとするのは
江戸時代には通り者とか通り悪魔と呼ばれる
あやかしの類に見入られたからだと考えられました。
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そのような妖怪が存在するとは思えませんが
理由のわからない自殺というのはあります。
もしも通り者が存在するとするならば
ひょっとしたら背の高い女の姿をしているのかもしれません。
さて厚生労働省の発表によると
令和2年の自殺した人の数は21,081人だったそうです。
約20年前の平成15年が34,427人だったことを考えると
大幅に減ったと言えるでしょう。
とはいえ2万人を超える人が毎年自殺しているというのは
多いことに変わりはありません。
自殺の原因は様々でしょう。
しかしどのような理由があろうとも
これほど多くの人が毎年自ら命を断っているのは
私たちの社会に大きな欠陥があると考えられます。
どんな事情があろうと
人が死を選ばなくても済む社会を構築していくことが重要だと思います。
最後に一つの動画を紹介したいと思います。
アメリカのケビンブリッグス巡査部長によるテッドの講演
生と自殺の間にかかる橋です。
ブリッグス巡査部長は長年にわたり
自殺の名所としても知られるゴールデンゲートブリッジで
多くの人に自殺を思い留まらせてきました。
そんな彼の経験が14分強の講演で語られます。
とても視差に富んだ内容です。
特に講演の終盤、ゴールデンゲートブリッジから実際に飛び降りて
生きて戻ってきた数少ない人が
口を揃えて何と言っているのかについて語られる箇所は
大変に興味深いものです。
それは、宙に身を投げ出した時、後悔したというのです。
まだ死にたくない、まだ生きていたいと。
怪談とは無関係ですが、多くの方に見ていただきたい動画です。
インターネットでテッド生と自殺の間にかかる橋字幕と検索すれば
日本語字幕付きのものを見ることができます。
さて、今月から100円で買い取った怪談話は期間限定で週2回の配信となります。
最新話は水曜日と日曜日の18時更新となります。
番組をフォローしていただければ最新話がアップされると
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この番組ではあなたが体験した怪談をオンラインで買い取りしています。
詳細は概要欄のリンクよりお待ちしています。
21:01
それではまた次回お会いしましょう。
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