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2025-12-16 28:34

#040 実は共通部分が多い?スタートアップとNPOそれぞれの社会課題への向き合い方【ゲスト:クロスフィールズ代表 - 小沼大地さん】

今回のゲストは前回に引き続き、

「新公益連盟」共同代表で、「NPO法人クロスフィールズ」代表理事の小沼大地さん。

小沼さんが共同代表を務める「新公益連盟」とはどんな団体なのか、

今後小沼さんが挑戦していきたいこと、NPOとスタートアップはどう違うのかをお聞きします。


●エピソード詳細

・「新公益連盟」とは

・業界団体として目指していること

・NPOだからできること

・NPOと株式会社の違い

・行政に対したときのNPOの強み

・ソーシャルセクターのインセンティブとは

・これからのソーシャルセクターの役割

・個人としてこれから挑戦したいこと


●Forbes Japan 12月号「ソーシャルR&D」対談

https://forbesjapan.com/articles/detail/83812


●ゲスト紹介

小沼 大地 https://x.com/daichi0715?s=20

青年海外協力隊として中東シリアで活動した後、マッキンゼー・アンド・カンパニーにて勤務。2011年5月、ビジネスパーソンが新興国で社会課題解決にあたる「留職」を展開するNPO法人クロスフィールズを創業。2011年に世界経済フォーラム(ダボス会議)のGlobal Shaperに選出、2016年にハーバード・ビジネス・レビュー「未来をつくるU-40経営者20人」に選出される。著書に『働く意義の見つけ方―仕事を「志事」にする流儀』(ダイヤモンド社)がある。2024年より新公益連盟の共同代表も務める。2児の父で、少年野球チームのコーチや小学校のPTA役員など地域活動にも積極的に取り組む。


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サマリー

今回のエピソードでは、新公益連盟とNPO法人クロスフィールズの小沼大地さんを迎え、NPOとスタートアップの違いや、社会課題へのアプローチについて深く掘り下げています。特に、スタートアップが解決できない領域におけるNPOの役割が語られています。スタートアップとNPOには、共通する社会課題へのアプローチがある一方で、インセンティブ構造の違いも存在します。NPOは、課題解決に向けた深い向き合いを通じて、地域での人々の助け合いを促進することに注力しています。また、スタートアップとNPOが直面する社会課題には多くの共通点があり、それぞれが地域貢献やウェルビーングに向けたアプローチを模索しています。小沼さんは、ソーシャルキャピタリストとしての生活を通じて、地域コミュニティの強化や新しい幸福の在り方を追求する重要性について語っています。

新公益連盟の紹介
こんにちは。創業期のスタートアップ投資に特化したペンチャーキャピタル、ANRIの代表、さまたANRIです。
この番組では、毎回様々な企業家精神を持った方をゲストの呼びし、その人を突き起こす熱について、深く掘り下げ、熱くためになるお話をお届けしています。
今回のゲストは、新公益連盟共同代表で、NPO法人クロスフィールズ代表理事の小沼大地さんにお越しいただきました。
本日は小沼さんに、小沼さんが代表を務める新公益連盟って何だという話ですとか、今後小沼さんが個人としても組織としても挑戦されたいこと、
あとは今NPOって何が起きていて、NPOとスタートアップって何が違うんだろうみたいなことをお伺いできればなと思っております。
小沼さん、今日もよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
ということで、まずはずっと代表なのに、前回何も触れなかった新公益連盟っていう、より謎の団体。
そうですね。
多分スタートアップの方から見れば、まだクロスフィールズは具体的に何をしているかってのはあったんで、新公益連盟って何だろうっていう、何者なんだっていうのを教えてください。
そうですね。2017年にNPOの経営者たち10人ぐらいで、これからNPOをもっと盛り上げていこうぜっていうことで作られた有志の勉強会みたいなところだったところが、
だんだん発展していって業界団体的になっていこうっていうことでだんだんと形作られていた組織で、すごくかっこよく言ってしまえばNPO版の経済同友会とか経団連とかそういうような組織を標榜しているというところで、
現在でいうと200数団体が加盟をした、日本ではかなり大きなNPOの業界団体の一つになっているという形です。
NPOの業界団体ってものがそもそもいくつかある。
いくつかある?
少なくとも僕が知っている限りで、NPO的なもので言うと3、4個あるし、業界ごとに例えば教育という分野だったり、防災という分野だったり、いろいろあったりしている連絡会議みたいなものがたくさんある。
その中で新公益連盟っていう団体の特徴は何なんですか?
比較的若い世代が、今若いと言っているのかわからないものの、大体2005年、10年くらいに創業した世代以降の人たちが一緒になって作ったというところがあるので、創業メンバーも大体40代くらいの方々が僕も含めてあって、
若い世代のNPOが一緒になって経済界とどう連携していこうだとか、政策定義はどのように行っていこうだとか、あとはやっぱりお互いに学び合おうよ、ネットワークを作っていこうよということで集まっているという、そういった目的でやっている組織ですね。
NPOとスタートアップの違い
NPOとしての産業セクターっていうのはあまりこだわらず?
そうですね、何か子供に特化しているとかそういうことではなくて、NPO、中には株式会社もあったりもしていて、その社会課題を解決するということを第一の目的として掲げている組織。
確かに、新興駅連盟っていうのでNPO協会ではないから、NPOじゃなくても入れる?
そう、新しいパブリックなものを担おうというような、そういうような思いを持っている人たちであれば、どうぞという形ですね。
大地はいつから代表やっているんですか?
そうですね、フローレンスの駒崎裕樹さんという方がこの団体も最初立ち上げ北京人として始めたというところがあって、
僕も当時駒崎さんは僕からすると大先輩でロールモデルの一人だというふうに思っている方だったので声をかけてもらって、
実は最初から法人設立のタイミングから理事をやらせてもらっていて、なので2017からだからもう8年とかやっていると。
子さんですね。
完全に子さん。なのでもう次の代に譲らないといけないなというぐらいなタイミングではあるぐらいな感じですね。
なるほど。代表をやっているのが?
今共同代表をやっているのが、りーひょんしぎというラーニングフォーオールという教育の分野で全国で活動しているNPOの代表と僕の2名が今共同という形で代表をやっているという、そんな感じですね。
共同代表制になったのが?
昨年の10月、2024年の10月に前任の白井智子さんから引き継いで、そのタイミングで3人の共同代表になり、いろいろあり今2名でやっているという形ですね。
なるほど。業界団体って何目指してるんですか?
難しいですね。なぜ自分はこの仕事をしているのか。僕はNPOというものが好きでやっているんですけど、僕の目線でいうと今NPOというものの存在意義がすごく問われているかなというふうに思っていて、
改めてNPOというものは各団体が集まったNPOという存在が社会の中にどういう役割を果たしていくべきかということをみんなで考えるべきタイミングなんじゃないかなというふうに思っていて、そこを考えてみんなで議論していった結果、各団体の方向性がちょっとずつ変わっていき、社会のニーズによりアジャストするような活動に変わっていくというところをやっていくと。
最初にもちょっと言ったんですけど、NPOの代表ってみんな現場現場でそれぞれの現場に向き合っているけど、実は社会全体の動きっていうところからは疎い場合もあったりもしていて、なので社会全体こういうふうに変わっているよっていうことで、そうかっていうことで各団体の動きが変わっていくだとか、これは結構大きな動きなんじゃないかなと思っている。
すごいイノセントな問いから、スタートアップとの対比とかを皆さんに伝えていければいいかなと思うんですけど、じゃあそういう全部の課題スタートアップでやればいいじゃんって言われたときに、スタートアップじゃできなくてNPOだからできるんだよっていうのを説明してほしいんですけど。
この問いが一番皆さんわかりやすいかなと思ってて、全部スタートアップでやればよくない?っていうスタートアップずっといた人は結構持ちがちだなって、別に他しかないんで。でもじゃあNPOでしかできないこともあるんだよっていうのを是非NPOの業界団体のトップの人として。
そうですね、これはスタートアップ経営者の方とこの議論になると勝率だいたい5割ぐらいな感じなんで。勝ってくれよ。
勝率上げるような話をしたいみたいなと思っているんですけど、ただ最終的に市場を信じ続ける人はそれはそれと一つの価値観かなと僕は思うものの、僕からするとやっぱりスタートアップだけで解けない課題っていうのはあるんじゃないかなというふうに思っています。
それは特に経済合理性が厳しく低い領域でスタートアップがタッチできないような領域。例えば子どもの貧困も一つかもしれないし、難民問題もそうかもしれないし、紛争の課題だとかそうかもしれないし、そういったスタートアップがビジネスモデルを持って戦えない領域っていうところ。
あとはその旧世紀で上がってきたニーズで短期でニーズがなくなってしまうような、震災だとかある種のインシデントみたいなものがあったときに誰かが大量に犠牲になっているような状況が起きたときに、こういったところにビジネスっていうものは非常に、もちろんビジネスのパワフルさは知っているもののビジネスだけでは解決できないところがあって、ここに誰かが寄付をしてまずそこで緊急的な対応していこうということだったり、
マネタイズはできないかもしれないけれども、寄付の力を使って早速長くそこのサポートしていくみたいなことっていうのは領域として残り続けるというふうに僕は思っているというのが一つですね。
NPOのインセンティブ
解説をちょっとスタートアップの方向けにすると、スタートアップというのは成長性と永続性という二つの約束をしているという話です。
スタートアップ基本的には、創業初期は年間に100から200%、上場をした場合も年間20%以上成長し続けるというのがベーシックな約束です。
その成長性をディスカンチキャッシュフローで前借りして、この成長するから今この価値をするよねっていうので高い価値を見越して価値が上がっていくだろうから、じゃあそれの成長を見越してその株を高く買おうとか、誰かが株を買おうとしてくれるのがスタートアップです。
ここには成長性とずっとそのビジネスが残り続けるのであろうという永続性の二つが担保していかなきゃいけないので、これが私たちスタートアップの産業がやっていることです。
この二つを身代わりにして大量のお金とか才能を召喚しているのがスタートアップっていうカードゲームのデッキですね。
それに対してソーシャルセクターっていうのは、例えば年間20%以上とかではなくて、例えばこれ解決しきったら終わっちゃうかもしれないっていう課題。
例えばホームレスの問題とか難民の問題みたいな話ですとか、あとは今大地が言ったみたいに震災とか、例えばノートで震災がありましたって言ったら、これの復興って話は突然出てきました。
突然出てきたし、一生懸命頑張れば3年ぐらいである程度まで収束するかもしれないっていう課題に対して、じゃあ誰がどういうふうにするのかっていうのがNPOが得意としている話ということかな。
そうですね。あとさらにもう少しベーシックなところで言うと、やっぱりNPOと株式会社の違いで言うと、株式会社は当然ながら投資家から、あるいは株主から資金調達を投資という形でするわけなんだけれども、
NPOはそれはできなくて、逆にできるのは寄付という形だったり民間の助成だとかっていう形で、資本主義の世界ではできない資金の集め方のバラエティを持っているっていうのがNPOの強さというふうに思っていて、そこを使っていると。
一方で、その課題じゃあ国がやるべきだろうっていう話になると返します。
国との対比で言うと、一つは公平性、平等性というものに対してNPOが強い。民間であるNPOなので、例えばある地域に何かのサービスをやろうと思うと、国はいろんな議論を重ねた上で平等にやらなければならないと。
NPOは、例えばアンリーがあの地域の人助けてくれって言われたら、我々はあの地域の人たちだけ助けることができる。ここには一定の恣意性があって平等性は無視できる。そして迅速性が担保できる。これが行政に対した時の強みだというふうに言われている。
なので、常にNPOの方がいいってことではなくて、常に株式会社よりもNPOがいい、常に行政よりもNPOがいいってことは全くなくて、ただシチュエーションだとか、イシューによってはNPOの力が相対的に優位に立つってことは明確にあるなっていうのが今の話だったかなと思います。
非営利であるが、私的であるっていうのがNPOっていうカテゴリーですね。
民間であり、非営利であるっていうこと。あとはもう一個はフォーマルな組織でもあるっていうこと。この3つがNPOの要件っていう形だと思います。
これ私もかれこれ7年ぐらいソーシャルセクターの皆さんに関わってしまって、やっと最近感覚的に分かってきたので、スタートアップの人から聞くと、まだるっこしくない?とか、そんなので人が頑張るインセンティブってなくない?みたいな話になりがちなんですけれど、ここで働く人のインセンティブって何なんですかね。
スタートアップってやっぱり金銭インセンティブっていうのがめちゃめちゃ綺麗に整えてきて、これはアメリカが作った仕組みですけど、被って仕組みとストックオプションっていう仕組みで、全員頑張ったらみんなお金が入るかもしれないっていうインセンティブを綺麗に整えてきたんですけど、ソーシャルセクターで働く人のインセンティブとかってどうなってるんですか?
やっぱり課題に深く向き合いたいという思考性が強い人だとかがNPOを選ぶのではないかなと思っているところがあって、ちょっとさっきの話に戻ってしまうかもしれないんだけど、この間アメリカに行ったときに孤独孤立の課題に取り組むスタートアップとNPOを同時に見てきたんですよ。
面白い。
この対比がすごく面白くて、株式会社の方は保険会社と組んで、孤独孤立の課題が解決されるとこれぐらい保険料の支払いが減るんだっていうマトリックスを持っていて、それをもとに保険会社からスポンサー収入を得ていったんですね。
それでめちゃくちゃ資金貯末して、今シリーズBで結構な金額を集めてどんどん全米展開しているってところがあったんですよ。その時の意思決定を聞いてみたときに、どういうふうに顧客を選んでますかって言ったら、なるべくデルタが出る人と。
なるほど。
あの人にサービスを提供すると改善が見込める人にとにかく集中しています。NPOに同じ問いをしてみたんですよ。一番困ってる人っていうふうになるんですよ。
なるほど。
スタートアップとNPOの違い
今のは同じような課題に当事者同士がやっているんだけれども、資本主義に救われる人たちっていうものは、そのビジネスモデルにはまる人は救われていく。これは僕は否定はしなくて、どんどんやっていったらいいんじゃないかなと思うものの、それでむしろ救われない人がそのビジネスモデルの中で取り残されてしまうっていう構想が必ず出てきていて、それに向き合えるっていうのがNPOだっていうところがあるので、
同じ課題を見ていても意思決定の中でどちらを向くのかがやっぱり株式会社とNPOで分かれていて、インセンティブで言うとこのときにNPOの人たちって前者の問いに疑問を持ってしまう人がNPO的な人なんじゃないかと。
より自分たちが稼げるところで課題かけずガンガン行こうぜっていう人はスタートアップ的なある意味での試行性でインパクトそのままでかくなるからさと。ちょっと待ってよとこのモデルで行くとこの人たち困っちゃうじゃないか、それを捨ておくのは自分は許せないっていう人がNPOで働くことに受属感を感じる人なんじゃないかなっていうふうに思っていて、この辺りが人としての特性として割と結構あるなっていう気がしてますね。
それ言われるとスタートアップ金が欲しいだけでやってるように。
でも最近ね、例えば僕仲の良いメラハルカとか水野君とかがインパクトスタートアップ協会を立ち上げて、素晴らしいと思っていて、やっぱりインパクトを出しながらスタートアップやっていくとか、そういう動きが世の中で出てきていて、そこの人たちが別に金儲けだけやりたいというわけじゃなくてむしろ社会問題解決すると。
そのインパクトを出すんだったらむしろ資本の能力をしっかり使っていこうぜっていう、それはもうその通りだなと思う。
ただやっぱりいろんなソーシャルの中にも流派があってっていうのだけの中で、より課題に深く向き合っていきたい、行き続けたい人はNPOに来るのかなっていう気がしてますね。
インセンティブって人を集めたりとか楽しく働き続けるためのエンジンでしかないと思っていて、そのエンジン乗せてどんな道を走るかだと思ってるんですよね。
それぞれみんながやりたいエンジンをすればいいと思っていて、僕から見るとソーシャルセクターは単一の社会課題に向き合い続けるということが一番強みだなといつも思ってますかね。
スタートアップ、僕300社投資してたくさん見てるけど、やっぱりシンプルな社会課題に向き合い続けるのって結構難しい。
それは先ほど言っていた成長性と永続性っていう2つの約束をして私は特殊召喚してるので、スタートアップっていう乗り物を。
この乗り物に乗り続ける限り単一の社会課題に向き合うのって結構バランスが難しい。
なぜかというと成長性と永続性を確保するためにちょっとずつ自分のテーマを動かしてるんですよね、若干。
動かし続けないとやっぱり解決していっちゃうので。
あとは今年の20%成長と来年の20%成長は成長する額が違うんですよ。
どんどん自分でハードルを上げていってしまうので、どんどん大きいハードルをするためによりテーマが広くなっていくんですよね。
広くなっていくことを経営者的にはよりたくさん捉えてると思うんだけど、働いてる人からするとぼやけてるように見える。
ってことも起こる。ってのがスタートアップで起こること。これ良い悪いじゃなくてそういうことじゃないかなと思っている。
その解決の仕方が良ければスタートアップをやれば良いし、どっちも別に万能ではないんですよね。
それぞれの人がそれぞれの課題を解決時にこれが向いてるなってのと、これはこのモデルには向いてないなって。
これも結果的におそらく非営利でやった方が良かったなっていう通し先も過去にはあったりとか、
一方でこのソーシャルセクターのこの部分はさすがに株式会社に切り出してあげないとそろそろ不成功が出そうなっていうところもある。
地域連携の重要性
収益性すごい取れちゃう時期もあるから。
とかはもっとこれみんなでそのモデルの得意不得意を見極めながら組み替えていった方が良いかもな。
社会のバランス全体として今の話をもう少しメタで捉えた時にも、世の中のリソースがどこに行ってるかっていう時に、
多分いろんな課題をこれは営利で行こう、これは非営利で行こうっていうのを判断して最適化していくのが社会全体としてはすごく大事で、
今あまりにも多くのリソースがスタートアップとかの側に返済して召喚されまくってしまっているっていう状況があると思うので、
どうやってここをソーシャル側に向けていくのかっていうのは、僕の業界団体の代表としての非常に大きな挑戦という課題だと思います。
まさにまさに。人間の情熱を持って働く人たちがどこの産業に向かうのかっていう、
このリソース分配っていうのは僕の中での人生の最大に近い興味関心なんですけれど、
もともと日本っていうのは伝統的に大企業と、あとは一部の官僚とか政治家にすごい強いインセンティブがあったものが、
この10年でどんどんスタートアップに流れていくんですけれど、これだけで何でも解決できるわけではないので、
改めて社会のリソースがどこに向かうべきか、アロケーションの話っていうのは、もっといろんなマルチステークホルダーの中で議論されるべきだし、
それをより若い人とか、次のキャリアを考える人たちにみんな伝えていくべきだなっていうのが、
最近そういうのばっか考えてる。
僕はもちろんスタートアップというセクターに14,15年くらいさせてもらって、
このセクターがなんとなく日陰産業から少しずつ大きくなっていくのを見る一方で、
この産業だけが伸びていくことで、少なくともこの国がどんどん豊かになって、
何でも解決できるというわけではないっていうのは出てこない。
もちろん解決できるものも逆にあるっていうのは結構シャープに見えてきて、
こっからここのレンジは解決できるけど、ここのレンジは完全に手つかずだから、
でも手つかずだけどスタートアップだけが人材吸収しているんだっけとかは結構思う。
働く人にとってもスタートアップに行けば何でもできるっていう期待って結構10年前くらいは大きかったんですけど、
当たり前だけどそんなわけはない。どんな産業も魔法の産業はないので、
給与とかやりがいとか自分のサステナビリティとバランス取りながら、
自分とって一番いい仕事やりたいことっていうのがみんながもっと見つかりやすくなるといいなっていうのが、
最近そのことばっか考えてまして。
いやでも今の逆の立場でいうと、15年間ソーシャルセクターとかに身を置いていると、
15年前ものすごく優秀なタレントが社会起業家、ソーシャルアントレプレーナーっていう形で起業してガンガン入ってきていったっていうところから、
今そこがどんどんスタートアップにあるいはこちらから言うと取られていって、
っていう側を見てしまったっていう自分としては、
めちゃくちゃ別にスタートアップに対応的と思ってるわけでは全くないものの、
じくじくなる思いはあって、やっぱりとはいえ一方でじゃあ僕がこの後の未来に対して絶望的かというと、
社会に対しては悲観的ではあるんだけども、絶対に社会がこれからこれだけ課題が絶対に本質するっていう中で、
ソーシャルセクターの役目が来ないはずがないので、
絶対にここは使命を持ってソーシャルセクターっていうものを読んで何とかするっていうことに対しては、
めちゃくちゃ希望と自分としての使命感ってものを強く持っているって意味においては、
でも結果出さなきゃいけないなってすげえ思ってるんですけどね。
いいですね。
でもなんか僕がソーシャルセクターってワードが結構好きなのは、
法人格の名前で呼ばないこと。
NPO、株式会社とかじゃないじゃないですか。
ソーシャルセクターっていう担う役割の人たちでいろんな法人格があったりとか、
先ほどちょっと話しましたけど、子ども食堂っていうのは団体じゃないんですよね。
団体をやってるところもあるものの、多くがいわゆる任意団体といわれる、
法人格は何も持たないでやっている人々の集まりでしかないというところ。
そういう人たちが地域にたくさん同時多発的に出てきて、
その人たちが地域の中で地域の一つの課題になることをちゃんと拾い続けている。
おそらくそこで、よくNPOに出てくる孤独孤立のテーマとか、
子どもの貧困のテーマとか、虐待とか、
いろんなものの種になりそうなものを実はこの中でくるくる五条で解決しているっていうのが、
結構未来あるモデルだと思うんですよね。
いやもうまさに、今NPOの仲間たちと議論しているところも、
これからのソーシャルセクターの役割みたいなところでいったときに、
地域の中で人々が助け合ったりするエネルギーっていうものを、
いかに使ってもらうような三角の場を作るのが大事だと思う。
なので、課題解決のプロであることよりももしかすると、
社会三角を促すことのプロとしてNPOというものが認知されていった方が、
世の中に対して与えるインパクトってあるんじゃないかと。
そんな議論をしていたりすると。
確かに。
僕はソーシャルセクターの進行歴例目の合宿のときに、
AIとは何なのかっていう解説をしたんですけど、
簡単に言うと、
白物家電みたいな話ですって話をしてるんですよ。
便利だなって話はあるんですけど、
10年後、20年後を振り返ると、
白物家電が何をもたらしたかっていうと、
専業主婦っていうものの、
旅家時間創出なんですよね。
家事って大変なんですよ。
子供が多かった時代の家事っていうのは、
洗濯と掃除とかにとんでもない時間が使われていて、
そこに専業の人を置くしかなかったっていう時代の中で、
専業主婦っていうものが生まれていくんですが、
これが圧倒的に時間が浮いていくんですよね。
浮いていくと、
それで働こうっていう世界観が生まれたりとかすると。
これと同じ革命が今AIに起こっていて、
ホワイトからの労働はかなり削られていく傾向になるときに、
おそらく10年後くらい、
この旅家時間的なものを何で満たしたかっていう、
さっきから話したけど、
ソーシャルキャプチャー的なものがどんどん生まれてくるんですよ。
特に日本は高齢化していきますので、
高齢化していく中で、
旅家時間をたくさん持った人が出てきて、
ここが何に向かうのかっていう、
壮大なリソース再分配の話を日本はこれからするわけですよ。
まさにそこだと思っていて、
以前からマンリーとずっとやっているのは、
NPOを働く場としてちゃんとしていこう。
じゃないという、
ソーシャル社会に人が流れないという仮説だったんだけど、
それは一定あっているんだけど、
もう一個の仮説を最近持っていて、
それは100%本業で働く人の場っていうところは、
もちろんそこはそれで頑張らなきゃいけないんだけれども、
それよりもいろんな人たちが、
旅家時間をこれからAIとかDXとか、
いろいろと進むことによってできてくる。
この時間を社会に振り向けるっていうときのチャンネルとして、
NPOが機能していくっていう形でやっていけると、
我々は多くのリソースをグッと取れることができる。
リソースと情熱ですね。
そこに生き甲斐を生み出すことを、
生き甲斐を生み出してもらう。
情熱を持ったリソースをたくさん作れる。
これはね、
結構地域のいろんな未来を一気に解決することになるし、
暇な人は結構つらいですからね。
暇とは何かって思うんですけど、
やっぱり社会と接続されていることの幸せってあると思うんですよね。
やっぱり社会と接続されなくなっていくんですよ。
定年とかになったりとかして。
そこの人が接続される場所を作ってあげると、
全員ハッピー。
そこにリソース、労働力も生まれるし、
そこに生き甲斐も生まれるので。
っていうもののグランドデザインをするとかは、
ソーシャルセクターが結構得意だと思う。
実はクロスフィリズも今新しい事業で立ち上げようとしているのは、
大企業の5、60代の人が退職と共に孤立化していくのを防ぐために、
セカンドキャリアを地域の中でやっていくための、
もう一回地域にオンボーディングしていくサポートをやっていこうとしていて、
プロボノとか、子供食堂とか、
スタートアップとNPOの共通点
いろんなものがあるんだよってことを伝え、
それがかっこいいんだっていう風に見ている。
いうのが結構大事なんじゃないかなと思っていて。
そういうことも含めて、いかにシニアだとか、
地域でまだ眠っている、
そしてそれを活用するというよりは、
本人たちからしたら、
それによって幸せを得たいという時間なので、
それをお金に簡単にするんじゃなくて、
地域に本当に貢献して、
幸せ、ウェルビーングな方に使おうぜっていうのを、
何とかしていきたいっていう。
面白い。
これを全員NPOでやっていくからって聞きたいので、
NPOはだから、
事業規模を大きくするっていうこととか、
従業員数を増やしていくってことというよりは、
活動人口を増やしていくってことにフォーカスしていくと、
KPIとしては正しいんじゃないかなと思っていて。
それは良いKPIですね。
ボランティアとかも含む、
どれだけの人たちを社会に連れ出すことができたのかっていうことを
各団体がKPI化していくと、
ものすごい社会の変革につながっていくんじゃないかなって。
こういったこととかをやっていけたら面白いなと思います。
ソーシャルキャピタリストとしての挑戦
面白い。団体の代表っぽい。
業界団体の代表っぽい。
そういうことをリブランディングしていきたいのですよ。
ありがとうございます。
最後に、
金間さん、
個人として、
これから挑戦したいこととか、
どんな未来を作りたいかとか、
個人として何かありますか?
そうですね。
僕自身がソーシャルキャピタルみたいなものを
最大に持っているような個人になっていきたい
みたいな感じが結構あって。
自らソーシャルキャピタリストとして生きている人生を
自分がNPOで働きながら、
ソーシャルキャピタリストで働きながら、
こういう生き方で生きるんだっていうものを
体現していくっていうのは結構大事なことかなと思っていて。
それはやっぱり自利品でやるんじゃなくて、
ちゃんと幸せな家庭を築き、
子どもに対する教育投資もしっかりしていくし、
本当に楽しいことに時間を使っているっていう風に
生きていくって結構大事かなと思っていて。
最近、土日は全部少年野球チームの監督をやってるんですけど。
野球の監督、全力でやってますね。
そうです。
これは完全に自分として地域の人と人との繋がりっていうものが
どれだけ現行だと作れるのかの実証実験を自分の中でやってるんですけど。
なるほど。
それの働き方がめちゃくちゃしんどいわけよ。
ここを変えていけば、
地域の少年野球チームよくなるだとかってことを、
そこで自分も発明できるかもしれないし、
地域への関わり方とかそういったものをデザインし直すっていうことで、
よりいろんな人たちがソーシャルキャリアの築きやすい世界を作っていくっていうのが
自分も結構人生をかけてやりたいなと。
そんな深いテーマが、土日の野球監督に。
いや、あるのよ。
これが自分の中でシリアで見てきた人々の豊かさみたいなものを
教えてもらった自分の現在というか。
そこにね、
最近ね、回帰してきてるのよ。
なるほどね。いいね。
そんな深い理由で監督士だ。
ただ野球好きなおっちゃんなわけでもない。
そういう側面はもちろんあるんだけど、
自分が好きなことだから楽しいんで。
なるほどね。
確かに地域だよね。
典型的な地域のコミュニティだもんね。
そう。
あそこをやっぱり変えていかないと、
地域がどんどん弱っていっちゃって、
日本社会全体が良くないっていう風になるんで。
そこをテクノロジーの力も使ったりだとか、
ソーシャルセクターがこれまで培ってきた技を使って、
どういう風に日本というこのね、
最も成熟した世界に関わってる国から、
新しい幸せの在り方とか、
生き方みたいなものをデザインし直せるか、
みたいなところが結構勝負だと思っていて。
なるほど。
それをね、やっていきたいですね。
一切お金が動かなそうな話なんですけど。
いや、いいですね。
だからこそ面白いと思うからね。
だからこそ面白いですね。
ありがとうございます。
ということで、第40回は小沼さんにお越しいただきました。
非常にどんな話になるかなと思ったら、
地域コミュニティとかね、
ソーシャルキャピターの話になったんで。
スタートアップの人から聞くと、
あんまり聞き慣れないワードかもしれないんですけど、
これからの日本の未来にとっては、
めちゃめちゃ面白いテーマだったなと思いました。
小沼さんいかがでしたか?
いやでも、楽しいですね。
あとやっぱりアンリーが解説してくれることによって、
伝わる部分っていうのがちょっとあるし、
自分ももっと言葉を磨かなきゃいけないなというふうに改めて思いました。
やっぱり産業のリボルビングドアになり続けないといけないですね。
そうね、そうね。
そして番組では皆さんの感想や質問をお待ちしています。
XなどSNSでは、
ハッシュハートに火をつけろをつけて投稿してください。
投稿はすべて読ませてもらっています。
皆さんいつもありがとうございます。
またアンリーでは企業相談や資金調達の相談を受け付けています。
番組概要欄にリンクがありますので、
そちらからお送りください。
それでは次回もお楽しみに。
圧倒的な未来をつくるのは君だ。
ハートに火をつけろ。
28:34

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