ハートに火をつけろ!
こんにちは、創業期のスタートアップ投資に特化したベンチャーキャピタル、ANRIの代表、佐又安里です。
この番組では、毎回様々な起業家精神を持った方をゲストに呼びし、その人を突き起こす熱について深く掘り下げ、熱くためになる話をお届けしています。
今回のゲストは漫画家の魚豊さんにお越しいただきました。
本日は魚豊さんに、これから挑戦したいことや野望などについて、目掘り歯掘り聞いてみたいと思います。
魚豊さん、よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
はい。
いきなりなんですけど、全然関係ないこと聞いていいですか?
はい、全然、もちろんもちろん。
もうね、聞きたいことに溢れすぎちゃって。
いや、嬉しいです。
魚豊さんの作品って、僕、情熱とか、いろんな産業の情熱を持っている人に聞いているんですけど、
描く陸上、地動説、マルチ、インボーロンみたいなものに対して、異常な情熱とか狂気的なものを持った人を描くじゃないですか。
あれはなんていうのですか?
いや、なんか、自分が何かを表現するってなった時に、強度あるものを作りたいと。
強度って何かっていうと、ユニバーサルというか、誰が見ても、これそうだな、真実だなって思える心理みたいな、そういうものを調達するのが作家の一個のすごさだなと思うので、
そうなった時に、じゃあ、お金持ってたら楽しいよねみたいなことは、お金持ってない人には通用しないセリフじゃないですか。
で、なると、じゃあ、空が青いだけで楽しいよねとか、息吸えるだけで嬉しいよねみたいなことになると、
じゃあ、目を見えない方とかもいるわけで、そういう人たちは楽しくないのみたいな。
みんなを巻き込めるセリフにしたい。みんなに届く普遍的なセリフにしたいってなった時に、一番重要になるのが、
セリフの正当性というか、ここまでいけば、それを疑いようのないものでしょうっていう根拠付けみたいなものが、まずすごい自分は作品とかセリフにおいて大事だと思ってですね。
そこまでいったものは、逆に言うと、3000年前からのセリフが届くというか、めっちゃ鮮度そのまんまで真理あるやんみたいな。
本当にインターセラーみたいな話。時空めっちゃ超えてるなみたいな。このセリフだけ、この真理だけは、めっちゃ鮮度そのままでいけるというか、
その社会状況とか文化状況とか権利空間みたいなものは、今から見ると古びてたりするのに、倫理とか真理だけは、これ今もそうだなって言えるものが、全然違う文化圏にそのままの鮮度で届くっていう。
これはやっぱこういうことやれるのって、本当にこの劣化のしなさは、世界のあらゆるものの中で真理とかが一番あると思ってる。
それを承諾する、そこに触れるっていうのが作家の仕事だと思ってるんで。作家だけが次元を超えると僕は勝手に思ってるんですけど。
で、ってなった時に、自分の言ってることに何に正当性があるのっていうのを、それに賭けたいと。それに賭けたいっていう熱量を持ちたいってなった時に、
その熱量って裏返した時に、それって正当性ないんじゃないのとか、世界を悪くするんじゃないのってことが、常にやってくる反応としてあり得て、
やっぱりその突き詰めていくと何かに欠けるっていう行為は、やっぱりそういう何かこう間違った方向にドライブしちゃうみたいなこと。
その時代のコンセンサスとは間違った方向に行くことっていうのと、表裏っていうかもうそのものみたいなものだと思うんで、
やっぱりそこまでのもの、そういうぐらいの熱量っていうものを考えた時に、絶対にそれ付随する問題として、でもそれおかしいんじゃないみたいなものがやってくるっていう。
だからその両面は、熱くなるのっていいよねってそれだけじゃないというか、そこに付随するいろいろなものがあって、その上でみたいな。
そういうものを描きたいから常にそういうものが付随してくるんだと思います。
これ生きてて、そういう何かこれは1000年耐えそうな、耐えられそうな、2000年耐えられそうな普遍的な何かものがあるなみたいなのをずっと見てるんですか?
いやだからもう証明された1000年前のものとか200年前のものとかを読むのがすごい好きなんで。
ちなみに僕どうしても話したいのがもう一個だけあって。
僕太田さんと多分あの時3時間くらいお話聞いててめちゃめちゃ記憶に残ってるのは、ワンピースがいかに偉大かっていう話じゃないですか。
ちょっとそれ語ってもらっていいですか?
ワンピースはやっぱり今すごい売れててポピュラーな作品ってなってるんですけど。
その100年後とか300年後からしたら、一人の単一作が単一のタイトルをこんだけ長い時間、長いストーリーで連載したってやっぱり歴史上ないんですよね。
だからこれ100%歴史に残る、作家誌に残る、文学誌に残る作品なことはもう確定してるというか。
もうこれ以降多分ない。
アウトサイドアートになっちゃうんですね。
そういうのってすごく地下空間で誰にも見せずにすごいマニアが作り続けてるみたいなことはあり得るんですけど。
それがかつ市場にめっちゃ評価されてるみたいな。
で、未だに続けてる20年間くらい。
それはやっぱりもうあり得ないことで、今の研究者が昔の千夜一夜を超研究するみたいな感じで、
すごい膨大な作品ということで、100年後とか300年後の研究者たちが文学史の一個の偉大な金字塔としていろんなものを研究するんだろう。
その時の例えば連載というシステムが成立してた社会空間とか、その中でこの作品ワンピースはなんでこういう展開になってるのかとか、
そういうことを分析しているこの媒体になってるなっていうのはすごい思います。
300年後に東大文学部とかのキャンパスがあって、ワンピース学会が開かれてるってことが。
学会はあるんじゃないですか。
ワンピース学会まで行くかわかんないですけどね。
研究者はいるだろうけど、学会が形成されるくらいの人数が研究してるかは、でもするかもな。
だからすごいユニークなのは、例えばディケンズ学会とか、バルサック学会とか、19世紀イギリス文学学会とか。
作品数があって立体的に見えてくるみたいなことがあるんですけど、ワンピースは別に、お題一応はワンピースしかないんですよ。
ここがまた得意なところで、これをまたどう将来の研究者が判断して、どういう歴史づけしていくかということはあると思いますけど、
逆に300年後の高校生とかは、何百巻もあるワンピースを多分読めないと思うんですよね。
今の僕たちがかつての超膨大な文学作品を読めないように。
お金は無料に開放されてたとしても、時間は多分それには割かない。
300年後のメディアの面白いTikTokみたいなやつを見るんだろうなと思いますけど、
逆に言うと本当にマニアの研究者がめっちゃ調べるっていうことが起きるだろうなと思います。
これはもう確定で多分歴史上起きると思う。
単一作者20年続いている1億部読まれているがあまりに特殊で、これは人類史上もう起きない。
これはやっぱりこういうものを作れるインフラとか自体がサスティナブルじゃないんで、
本当にある時期の日本、ベビーブーム、バブルとかスマホがないとか、
いろんなものが重なった時に成立できた作品だと思うんで、
今後このぐらい訴求してこのぐらい長く続けるってことはないと僕は思っています。
僕この話だけで6時間話せると思う。
あまりに確かに特殊。
めっちゃ不思議な。
それはそこにいろんなものが詰まっているというか、
現代っていうものの欲望とかある意味での限界とかそういうものがいろいろ詰まっているのがやっぱりすごいワンピースは面白いなと思います。
確かに。
この話が一番ヒットで、僕この話20人ぐらい話してます。
本当ですか?
好きすぎる。
確かに僕らが勉強している教科書に載ったものも大ヒット作ですよね。
でも別に読んでないわけで。
ってなった時に研究者は研究し続けてるわけで。
だからそれこそディケンズとか当時の批評家からしたら結構評価低いんですよ。
でも今の人たちはめっちゃ偉大な作家として研究してるわけで。
やっぱそこは全然今売れてるから、今は別に研究してる人はいないわけじゃないですか。
だからといって将来研究されないわけでは全然ないっていう。
むしろいろんなことを考えて、あれ以外に研究するものを100年後に生まれたら僕はあんまり考えない。
一番身の本当にヤバい芸術運動だと思うんで。
ただ逆に言うとめっちゃアバンギャルドな芸術活動ではあるというか。
全然一般的な、それこそネトフリがやってるリミテッドシリーズとかの方が、
全然物語に沿った作り方をしてるわけじゃないですか。
最初から全4話で作り込んで、感性と高めて、これぐらいのマーケティングでこれぐらいの返りがあるみたいな。
そっちの方が逆にめっちゃ合理的で、全然合理性のない続けに続けるっていう、
めっちゃアバンギャルドをやってるのが、
しかもそれがアバンギャルドだと思われてなくて一番ポップだと思われてる。
この反転がめちゃくちゃすごいなと思います。
漫画を文学評論家みたいに語るっていうフォーマットだけで番組を作ると思う。
それは嬉しいですけど、それはもう専門家の方がいっぱいいるから。
これは特殊ですよ。面白い、なるほどな。
だから僕その話を持ってから改めてONE PIECEを引き続き読み始めましたね。
噛み締めますよ。だからやっぱり偉大な歴史の一端に今。
おそらく生きてる間に終わるまでをリアルタイムで見れる。
ケンスとか漫画オタクなんで、例えば呪術回戦のピークの時期は、
これは習慣で読むべきであると。
これをリアルタイムで読むという意味がいつか出るから、
これはリアルタイムで読むべきですって言ってて、
多分今のONE PIECEが彼はリアルタイムで読んで、
そのタイミングのソーシャルとかと一緒に体感したらいいべきだっていう論者。
そうだと思いますね。だから紐づきすぎてて文学を研究する人は、
絶対にめちゃくちゃおいしい要素がありすぎるというか、
どっから研究してもいいのか。
当時の世相とこの作品が出るタイミングとかを照らし合わせながら、
このタイミングでなんでこれが衝撃的だったのかとかを、
文化背景とかと。
やっぱりジャンプのアンケートシステムとある時期から
ツイッターができることとか、絶対関わってる。
あとアニメ化することでアニメの産業が盛り上がってきてることとか、
手塚治虫さんもつなげてとか、絶対いけます。
この話の時にめちゃめちゃ喋る音がしますね。
僕は本当に将来に生まれてたら、
謎の大衆運動っていうか、
なんでこんなこと起きちゃったんだろうって。
てなると思いますよ。
なるほどね。
やっぱりスマホ以前とかもやっぱりすごいと思う。
面白い。
もうね、この話聞いていくと一生終わんないので、
もう切ります。
あまりに面白いんで。
これ尾本さん、今漫画3本書かれました。
アニメとかも出ていく状態で、これから何したいんですか?
そうですよね。
全然作家として面白い作品を作り続けたいっていうのは1個すごいあるんですけど、
ただもう1個、漫画家ってあらゆるメディアとかの中でものすごく個人的に作れるものなんですよね。
最小人数も本当に編集さんだけですし、
2人でめっちゃ作れるっていうのが漫画の良さでもあるんですけど、
それは何回か経験させてもらったんで、
そして漫画で1億部いきたいという欲望が自分の中に全然ないんで。
ワンピース声はない。
全然全然。
全くそういう欲望がないんですよね、野望が。
だから逆に何かやったことない集団で何かを作るみたいなことはすごくやってみたいなと思いますね、方向性としては。
まず集団の話を掘る前に、もともとスタートして売れたいだったじゃないですか。
その売れたいの感情はある意味地で1回満たせた。
そうですね。
あれぐらい売れたらもう10万。
10万部いきたいっていうのがあったんで、それをもう運がよく超えさせてもらえたんで、
逆に言うと地が売れてもらえたタイミングでは、
自分の中のキャッパの低さに気づいたというか、これでめっちゃ満足なんだみたいな。
たぶんこれでも1千万部いくでみたいな。
何千万部いくでっていう野心がある人もいるだろうけど、
自分は全然マラソンをしたいって思わなかったんで、
でもそうなった時に何のために書いてるんだろうみたいなことが2年前とか1年前は結構考えてたんですけど、
でもやっぱり今はもうちょっと違うこと?
集団で何か作る。
これ集団って何ですか?
これがまた未来の話の親子さん。
やりたいことあるんですけど、あんまりガッツリ言うとあれかなっていうので。
選ばれないように。
ただ何かをこう、漫画に関わることで集団で、
そこまでやれたら本当に理想だなっていうのは、
システム的な発明みたいなことなんかできたらいいなと思うんですけど、
ただそれをやる前に作家としてもやっぱりもっと一発の作家にならなきゃと思うので、
あと何作品かはちゃんとなんか自分の中では納得して、
かつ皆様にも読んでいただけるある程度の部数が出るっていうものをやれたら、
その次の挑戦をしてみようと思いますね。
逆に生涯漫画家を突き通して何作描けるかとか何個出しとっていうモチベーションはそんなにない?
ないですね。それは今の段階ではあんまりないですね。
言ってもやっぱりユースカルチャーだと思うんで、漫画って。
自分の作家性と市場がバランスが合ってるっていうのが、
ある程度の美味しい期間があって、それを過ぎるとなかなか難しくなるだろうなと思う。
今、おいくつでしたっけ?
今、28です。
ユースカルチャー年の旬は今の年齢からそんなに長くないだろう?
今がむしろ一番先頭に立っていると思います。
今やっと一番合ってる。自分の作家性と大衆性が一番油が乗ってると。
僕に対してじゃなくて、一般的な作家に対しては28歳くらいから一番乗ってくるだろうなと思います。
そこからでも長くはないっていうのが僕の認識。
なるほど。面白い。
30年も持たないっていうのが僕の認識です。
なるほどね。
でもそれで満足するのも何本か出せたとすると、一旦作家は終了?
漫画を自分で考えて絵まで描くっていうのは、そこまで今はやりたくなったらやろうかなと思いますけど、
そのチャンスがあれば。
だけど、ずっと作り続ける。
職人タイプじゃないんで、職人さんタイプの作家さんは本当にすごいというか、
いくらでも描けるし、まださらなる高みを。
同じ壺100回作っても101回目まだ納得できないみたいなことあると思うんですけど、
自分は全然能力もないし、思考性もないので、そっちには向かわないだろうなと思います。今のところ。
そっちに向かわないってどうするんですか?
本当にそうなんですよね。
考えてることあるんですけど、あんまり実行する前に言っちゃうと、自分の美学的にどうなってるか。
確かに。
でもそれをやろうって決めた瞬間に、自分の人生がめっちゃクリアになったんで、
じゃあこういうことしちゃいけないのかとか、こういう人と会ったほうがいいなとか。
でも今、自分ってめちゃくちゃ協調性とか社会性がない人間なんで、
人との協力が多分、今までしたことないし、部活にも入ったことないし。
部活引きずりますね。
そこ最小単位だと思うんですよ。人格形成において先輩がいないとか先生がいないとか、
本当に誰の上下関係もなかったんで、
そうなった時に20くらいまで漫画家の後輩みたいな人ができて初めて後輩っていう存在だったんで、
21くらいまで後輩もいなかったし、逆に先輩もいなかったんですよね。
確かに縦横関係、特に縦関係が発生するのって部活がある意味一番ステップかもしれないですね。
そうですよね。バイトと会社みたいなことだと思う。あとサークルとか。
全部なかったんで。
なるほど。
だから本当に友達しかいないみたいな感じだったんで、
その中で、自分も多分そういう社会性ないし、
例えばじゃあこの人こっちやってくれたらいいんだけど、あんまりやってくれないなみたいな人を
バイトで起こったこととか別にないし、思ったこともないし、
でもなんか自分が集団でやるってなった時に、
これこっちやってみたいな、多分指示しなきゃいけない時がきて、
その時に言い方とかを間違えるとめっちゃハラセメントになっちゃうし、
その人の可能性をスポイルしちゃったりもするしっていう時に、
めっちゃお聞きしたいのは企業家の方も、
そういうめっちゃ小群奮闘というか、
めっちゃワンマンでやるぜみたいな人もいっぱいいると思うんですけど、
その人が会社という組織を作っていく時に、
人間関係で重要なことってあります?
まあでも殴んない?
いろんな人がいるので、
いわゆるマネジメントが上手な転生の社員の人もいれば、
向いてない人もいるので、
スタートから全部は求めないんですけど、
殴んない?
苦手な人はPMに任せるとか、別の人持ってくるとかそういうことなんですか?
そうですね。あとは学ぶ意欲があるかというか、
僕は絶望的に向いてないタイプだと思ってまして、
僕は人に厳しく、自分に厳しくストイックなので、
僕は自分が独立する前に、デッチを報告中に、
その企業家のカンファレンスとかの、
大きいカンファレンスのスタッフとかいらしてもらったんですけど、
僕がカンファレンスのリーダー、スタッフのリーダーであると、
軍隊になっちゃうんですよ。
軍隊ってどういうことかというと、
集合時間の5分前に全員揃ってて、ピタッてしてるんですよ。
そういうタイプ。異常に厳しい。
それのフィードバックされた時に、
みんな大変だと思うよって言われて、すごい反省して、
なるべくヘラヘラしてるようにして、
自分は非常にストイックな人間なので、
疲れると機嫌が悪くなるので、帰る。
なるほどね。
疲れた状態を人に見せないようにする。
だいたい5時くらいになると消える。
お酒もなるべくメンバーと飲まないようにするとか、
自分の本来的なめちゃめちゃ怖い人で、
体も大きいし、怖いところを出さない。
なるべくヘラヘラしてるぐらいが、
ちょうどバランスとれてるチーム組織作りだねってのと、
怒り方とかも気をつけるというか。
一応自分の中でこうやった方がいいんじゃないかと伝える。
あとは本当にムカナ人はいるので、
ムカナ人とかは側近だけ頑張れればいい。
直接噴射しないというか。
多分ソンさんとかミカナさんとかヤナイさんとか偉大な刑事の方は、
ダイレクトレポートはみんな燃え尽きてしまうので、
相当タフな人かメンタル不死身の人しか最後残れない。
だから大きい組織になればなるほど、
象徴としては向いてる。
イカロスみたいな状態なので、
灰色に近づくと溶けるみたいな。
なるほどね。
いろんな人がいますね。
だから僕らの年だけでも、
社員数が増えれば増えるほど輝けるタイプの制射とかもいます。
スタートは本当にヤバいな。
殴らなきゃやめられないみたいな。
現代はないですけど、