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こんにちは。創業期のスタートアップ投資に特化したベンチャーキャプチャル、ANRIの代表、さまたANRIです。
この番組では、毎回様々な企業家をゲストにお呼びし、企業家を突き動かす熱について深く掘り下げていきます。
今回のゲストは、ポリリオンゲーム、Dr.STONE、アイシールド21など様々なヒット作を生み出されました、漫画家の稲垣理一郎様にお越しいただきました。
漫画家の稲垣理一郎さん、今日はよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
では、早速なのですが、理一郎さんのこれまでの経歴、これって経歴を公開にしているとかではない?
全然ないです。
もともと僕、漫画は全部自分で一人で絵まで描いてたんですけど、ある時、絵うまいやついっぱいいるなと思って、
絵を描かなくてもいいじゃんって、叶わないなって思って原作者に転向したっていう感じですね。
これ、肩書きとしては、漫画原作者っていうのが正しいんですか?
だいぶ長いこと、漫画家兼漫画原作者ってちょっと名残惜しくやってたんですけど、最近はもうその漫画家兼は取っ払って、漫画原作者ですって言ってます。
今までどんなキャリアというか、どんな人生なんですか?
全部僕の人生ですか?
僕の話聞いて面白いかわからないんですけど、もともともう漫画家になろうって決めて、高校卒業して地元のデザイン会社みたいなとこに入ったりとかして、そこ潰れちゃったんですよ。
どうしようかなってフラフラしてたら、実家の親にいい加減にしろって怒られて、渋々フロムAを見たら、ホイチョイプロダクションってことですか?
私は好きに連れてって昔撮ってたとこなんですけれども、そこが普通にフロムAに人材募集ってかけてて、これだって思って。
それって社員の募集したってことですか?
アルバイト契約ですけれども、取材スタッフと作画スタッフで募集してたんですよ。
僕は一応作画スタッフのほうで応募したんですけど、やっぱりそういう有名なとこをフロムAに普通に載せるんだみたいな感じで、
乗っけて、こういうのって応募どれくらい来るんですか?って通った後聞いたら、毎回400人くらい来るって言ってて、よく俺通ったなって。
確かに。
運が良かった、いろいろあったらしいですよ、学校の近い人がいたりとか。
そういう運がいろいろあって、ホイチョイでいろいろ勉強させていただいているうちに、自分で独立してっていう感じで原作者になった感じですね。
へー。
もともとスピリッツっていうところで漫画も描いてたんですよ。
いた当時のスピリッツの編集長に、君は漫画ちゃんと描けてるけどキャラクターが弱すぎるから、そこをちゃんとしなさいって言われて、
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その頃僕全然、本当駆け出しも駆け出しですよ、ぺいぺいだったので、言われても、何それ?って思って、またキャラキャラとか、また資本主義の奴隷どもがみたいな思い出して、
うることしかこいつらは考えてない、アートをわかってないみたいな、そんな若者だったんだろうと。
なるほど、いいですね。エッジが立ってますね。
でも言われたらやらなきゃチャンスなくなっちゃいますから、キャラクターって言われるのどうしたらいいんだって思ったら、
週刊少年ジャンプが、あそこキャラキャラうるさく言ってんなって思って、
そしたらジャンプにちょっと食い込んで、そこのキャラのノウハウを盗んだら、これ僕いけんちゃうかって思って、
その頃ジャンプの賞募集をやっていたので、ちょっと応募してみたら担当がついたので、これでノウハウ盗んだろうと思ったら、
いつの間にかジャンプで連載が始まってしまって、そっちに僕は入ってしまったって感じですね。
いつの間にか始まってしまってのヒット感じゃないですけどね。
ありがとうございます。
すごいな。ちなみにですね、僕これポッドキャスト始めて、実はずっと起業家にフォーカスして取材させてもらっていて、
今回初起業家ではない人。
一応僕会社は持ってますよ。
でも僕の中からすごい起業家っぽい。
なるほど。
聞いてる方もスタートアップの方、起業家の方が多いんで、結構学びになること多そうだなと思って、
声掛けさせてもらって。
ありがとうございます。
僕から聞きたいことがあまりにもありすぎて。
では今回質問募集したので、それをいろいろ聞いていきたいなと思ってます。
ちなみにさっきもちょっとお話ししたんですけど、僕今回2週間でアイシールドとドクターストーン全巻。
ありがとうございます。全64巻。
何時間くらいかかるんだろ、それ読んだら。
これね、結構睡眠時間とかいろいろ削って、でも面白いから。
ありがとうございます。
ちなみにテンションをいかに高めるかっていうので、さっきドクターストーンの最後を読み終わったんですよ。
ありがとうございます。27巻です。
一番最後を読み終わって、だからもう盛り上がっちゃってるんですよ、自分の中で。
それは光栄でございます。
ソソるぜって言いたくなっちゃってるんですよ。
いやあれはね、本当に面白い。特に後半、本当に後半面白いなと思って。結構ネタバレも含めていいんですよね。
もちろん。
本当に面白い。なんかその、こういうラストで終わるんだっていうのと、あと終わったと思ったらもう1巻続けるっていう、あのステップ含めて最高でした。
書いてる方としては、途中で敵がいなくなるんですよ、あれ。
確かに。
ラストのラストのホワイマンっていう敵はずっと存在してるんですけれども、いわゆる人間同士の戦うのって、途中の、ちょっと何巻か忘れちゃったんですけど23。
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結構そうですね、確かに。
23ぐらいでもう終了してて。
終わっちゃいますね。
その先ってホワイマンに会うまでずっと開発パートなんですよ。
確かに。
かつ、もうどんどんどんどん文明度が上がってきているので、まあ早いんですよね、要は。
作るものも早いし、作らなきゃいけないものももう右肩上がりでガーッと増えてくるんで、まあ連載中もこれどうしたもんかと。
こっからの作るクラフトって丁寧に書いても面白くないし。
確かに。
かつ、すごいスピードで進んでいくから、これどうしようかなって話してて、結局逆だろうと。
人間の文明って本当に右肩上がりですごい勢いで曲線描いて、後半の方上がっていくわけですから、それと同じ感覚を味合わせればいいんじゃないかってなって。
ああ、なるほどね。
もう超速なんですよ、後半は。
ああ、確かに。
だから読んでて、すごいじっくり作ってたと思ったら、最後ものすごい速さでいろんなものができていくっていう風に感じてもらえたら、それはそれでいいなって思って。
ああ、でも面白いですね。僕らって技術のイノベーションに関わる仕事をしてるんで、やっぱり今でも真剣に投資先で核融合とか、
あとはこのオフィスにもいたんですけど、iPS細胞で人間の卵子をゼロから作る技術とか、
生命倫理とか人間の技術にタッチするものいっぱい触ってるんですよね。
そうするとやっぱり、特に生成系AIとか、速すぎて多分加速のスピードがこういう風に上がってるじゃないですか。
そうですよね。なんかここ10年ぐらいで、なんか偉い文明また右肩上がりのスピードが上がってるなというか。
すごいですよ。生成系AIの今の進化って、ほんと数字で伸びてるんですよね。
で、主要なプレイヤーがやっぱり3,4個走っていて、それに時々それを掠めとって誰か出てくるみたいなのが出てきて、
ほんと1週間に1回次のものが出てきてるので、ウェブの情報が追いつかない。
追いつかないですね。
多分一番初めチャットGPTがGPT-3とか出したときのものってあまりテレビで見てられない。
でもそれって1年ちょっと前なんですよ。みたいな。
ちょい前ですよね。
そう、キュッて速くなる瞬間を確かにそう思うと、あれってそれを表現できてる気がする。
はいはい。
面白い。あ、そうそう。で、僕ね、いろいろ聞きたいことが多すぎるんですけど、
たくさんの人たちに面白いと思われるものを作るっていうのをどういうふうに考えて作ってるのかなっていう。
例えば僕らは起業家たくさん投資させてもらって、やっぱりいろんな会社があるんですけど、
2Cのもの、たくさんの人が使うものとかたくさんの中に熱狂するものを作ってる人たちって結構いっぱいいるんですよね。
っていうと、漫画って結構最強のコンテンツにしっかりなって思ってるし、
それでまあ、今3戦3勝してる感じがするんですよ。僕から見ると。
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うーん、まあそれたぶきどき最近言われるんですけど、
3打数3アンダーのやつより20打数5アンダーのやつの方が偉いんですよ。やっぱり。
へえ。
だから結局、どんな新人でも運が良ければね、野球とかでも最初の3打席ヒットはあり得るわけじゃない。
確率的には。僕はたまたま自分がそれになっただけだとは思ってて、
まあそうは言ってもね、僕にも自信はあるので、ちょっと打率高い打者に見えるでしょっていうふうには言いたいですけど、
3ポイントもうまくいってるのはこれは本当に運もあるし、何より作画家さんとね、やっぱりいい方と組めたっていうことが僕は大きいと思ってて。
で、保険貼っとかないと、次こけたと悲惨なんで。
それはね。
いつかなりますから。
僕漫画大好きなので、めちゃめちゃ当てた漫画家さんの次で3巻で打ち切れないのみたいなのを。
まあまあよくありますね。
いっぱいピックして見てて、でもめちゃめちゃ面白いんですよね。めちゃめちゃ面白いけど、本当に外してる。
で、企業家のプロダクトも結構そうで、これ明らかにすごい可能性秘めてるなと思うけど、早すぎる。時代が早すぎたりとか、やっぱその交渉すぎるみたいなもの。
ハイコンテキストすぎるとかで受けないみたいなのをいっぱい見るんで、気合い入れすぎるのも難しいんだなみたいな。
あとどうやっても、ある種ランダムウォークする部分があるというか、確率の問題なとこは僕避けられないと思ってて。
ていうかもう本当に、もしそんなことはない100%のものはあるって言うんだったら、全部そこに投資すればいいわけじゃないですか。
そんなことわかるな。
俺まさに全くスタートアップと同じなんですよ。
わかるわけないんですよね、そんなの。
だから一つ成功の秘訣みたいなのがあるとすれば、ほんと打席立ちまくる。ダメだと思ったらすぐピポッとするっていう。それぐらいしかないような気は震わしてますね。
客観的にリイチロウさんが自分っていう漫画原作者を見たときに、なんで比較的良い作品が出せてるんだと思います?
もちろんさっき言った運もありますけど、再現性があるっていうふうに仮定するのであればですよ。あるのであれば、割と理屈で考えてるとこはあるとは思いますね。
感覚で、センスでバーってやってる人ってめちゃくちゃ強いんですけど、それがちょっとずれたときにどうにもならなくなるんですよ。
僕のケースでいうと、アイシールドが幸いヒットしまして、それから僕7年サボってたんですよね。ずっと。
なるほど。
7年アイシールドやって、7年ニートの時代があったんです。
すごい。
で、奥さんにいい加減にしろって言われて、次のドクターストーン描いたんですけど。
ドクターストーン始めるときに、そうは言ってもあれはアイシールド当てたんやでと。なんとかなるやろと。俺には腕があるみたいな思いも当時はあったんですよ。
で、1話目が乗って、ジャンプって人気すぐ分かるんですよ。で、1話目が乗って人気パーンとあって、ほら見ろみたいな。ほらもう昔とった金塚よみたいな。
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で、2話目3話目ぐらいまでもパンパンと人気が来て、これまた軌道に乗っちゃったじゃん俺みたいに思ってたら、4話目か5話目ぐらいで、ちょっとあれ?っていう風に数字が推移しまして。
悪くはなかったんですけど、あれ?ここもっと来るんじゃないの?みたいな。で、しばらく人気が要はトップ時に慣れなくて、あれ?これなんかおかしくない?っていう。
この数字だったら1位とか2位とか取るはずなのにみたいな。
僕の中でも感覚があって、そこでちょっと担当編集呼び出して、これ僕がずれてますって。
僕の感覚ではもっと数字取れるんで、取れてないってことはこの7年間で僕が置いてかれたんですっていう話をして、あらゆるデータを洗い流して、そして検証し直して新しい作り方に作り変えて、
でも僕としてもそんな自信ないので、これめちゃくちゃ数字取るはずの回ですって出して、でもこれがもし人気取れなかったらやっぱり狂ってるので、もう1回やりましょう。もう1回検証しましょうって言ったらその回が人気バーンって取ったので、
よかったっていう。そういう微調整みたいなものを理屈でやると、感覚がずれてたとしても取り返しがつくんですよね。それをしないタイプの人は多分微調整が難しいんじゃないかなって。
結構だから自分の作品を冷静に見る、メタ認知してる自分もいるんですね。
そうですね、どっちかっていうと僕は二人がかりで作ってるので、作画の先生と一緒に作ってて、やっぱり原作作画ってどう作画の先生が検証されても、作画の方が主役なんですよ。
僕はあくまでもその後ろで、プロデュース業って言ったらちょっと引きすぎなんですけど、その歌う、脚本屋で歌う作画の先生をいかに盛り上げるかっていう裏方の仕事だと僕は原作は思っているので、
数字出なかったら、なんだ俺の腕がとかじゃなくて、何よりもこの先生の魅力はこんなもんじゃないから、もっとなんとかしないとっていうバイアスが働くので、どうしても理屈ですごい客観視して考えるっていう風にはなりがちだと思います原作者は。
ちなみに今ざっと用意していただいた台本をすべて無視して、ひたすら個別の作品を掘るっていう、完全に自分の趣味に向かってるんですけど。どうしても気になるんですけど。ちなみにこれって、さっきのドクターストーンのちょっと方向性がおかしいなってチューニングしてるのってどれくらいの時?5日朝が出た時?
前後くらいですね。ちょっと内部データの話でもあるんで、あんま細かいことが言えないんですけど、僕としてはその日あたりでバンと撮るはずだった回があるんですよ。あるんですけど、あんま撮らなかったです。そこが。右肩上がりになるはずが、右肩下がりになった。別に人気なくなったわけじゃないですよ。なくなったわけじゃないんですけど、あれ、ジョーのジョーだと思ってたら、ジョーの下みたいな。あれいつの間にかチューのジョーみたいな。
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そういうのでちょっとやっぱり違うなってなるわけです。
これで漫画って違うって思った時に、作品って基本的に5話分くらい先走ってます?
そうですね。3話。ジャンプはかなりタイトなんで。3話先くらい。
3話だと、一旦それ作品止めるというか、書き直すってことですか?
いや、書き直しはしないです。もう作画の先生もここに入ってますし。
だから3話のその先から戻すっていう。
そういうことです。そこからしか調整できない。
でもそういう意味では1ヶ月くらいでいわゆるスタートアップでいくフィードバックループというか。
フィードバックがぐるぐる回るんですか?
そういう感じですね。
結構スタートアップですね。
まさにそうですね。すぐピボットするっていうのも総例ですよね。
例えばアイシールド21だと、最初アメフトが通じるかわからなかったんですよ。
まあそれはありますね。間違いなくありますよね。
過去になかったんでヒットとかが。
フトウォルタカとかあったんですけど、いわゆるアニメ化するような大ヒット作品とかがなかったので、
いつでもアメフトからスポットできるようにしてたんです。
アイシールドの仮面かぶせて匿名ヒーローものみたいにして、アメフトやってダメだったら、
これは最初からそういうことじゃなくて、これはいろんな部活に助っ人に行くものだよみたいな感じで。
アイシールド21って言ってるだけで、アメフトって言ってないですよ。
フトウォルタカ すごい。それは一応持ってるんですか?ピボット案というか。
持ってます。最初から。僕の場合は持ってました。
フトウォルタカ すごい。
ドクターストームもそうですね。科学を見せるっていうのはあったはあったんですけど、
サバイバルものの方にも行けるようにしてたんです。最初から。
フトウォルタカ まさに漫画のサバイバルって漫画なんですか?
はいはい。そんな漫画です。
フトウォルタカ ああいう方向。
漫画って言っちゃうとサバイバルに勝てないので。
フトウォルタカ まあ確かに。
サイザー先生の偉大な作品に勝てないので。
フトウォルタカ あれは大名作ですからね。確かに。
そうじゃなくて、僕としては科学に行きたかったけど、一応サバイバル豆知識みたいな方にも行けるようにはしてたんですね。
で、試しに科学の会をポンって作ってみたら、人気がポンって上がったので、これは大丈夫。科学大丈夫。
アイシールドもそうですね。初めてアメフトの試合やった時の結果で決めようと思ってたら、
人気がポンって上昇したので、これはアメフトいけるってなって。
面白い。
フトウォルタカ 特にジャンプの漫画はリターンが早いし、アンケートの改善性が高いので、それをやってる人は多いですね。
すごい。思ってた以上にスタートアップっぽく回るんですね。
フトウォルタカ そうですね。有名な遊戯王で、最初は色んなゲームをやってたのに。
闇のゲームをやってたのに。
フトウォルタカ カードゲームで人気がポンって上がって、これはカードゲームだって。
確かにな。そのライブ感がめちゃめちゃ面白いんですよね。
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フトウォルタカ 漫画って作るコスト安いので、映画とかに比べると。毎回毎回ミニマムプロダクトをやってるようなものなんですよね。
フトウォルタカ それで試して、ユーザーの反応を見て、良かったらそこ行くし、良くなかったらそこも切り捨てるみたいな感じですね。
だからそれこそアイシールドじゃないけど、走りながらいくつかラインが見えて、こっちだって言って走るみたいなのをやってるわけですよね。
フトウォルタカ そうですね。
面白い。
フトウォルタカ あとはキャラクターでそれをやりますよね。
フトウォルタカ いろんなキャラ出してみて、人気のあるキャラ、人気ないキャラっていうのがなんとなく見えてくるので、人気あるキャラはこれはもううまくこいつで回していこうみたいな。
確かにな。
フトウォルタカ ただ難しいのが、特にキャラクターの場合はそうなんですけど、いくら人気ある人気ないとか数字のこと言っても、自分が好きじゃないキャラは描けないんですよ。
まあそうですよね。
フトウォルタカ 結局仕事とかもそうだと思うんですよ。企業とかも。どれだけこれが儲かりそうとか思ってても、その仕事をやりたくないなってみんなが思っちゃったら、やっぱ走れないので。
そうですね。確かに。僕らはもう投資とかで、僕らも投資のメンバーは僕以外にいるので、やっぱ基本的に偏愛って言ってて、どうしてもそれが好きなんでしょっていう。
フトウォルタカ で、投資の仕事ってすごい面白くて、ロジカルに話したくなっちゃうんですよね。うちも賢いメンバーなので、ロジカルに話したがるので、教えの愛を話してくれと。これがなぜ熱いのかだけを言ってくれと。
それを聞きたいと。
フトウォルタカ ロジック的に破綻してるものは、あなた達が開けてこないのはわかってるから、何が異常値なんですかと。なので僕らもスタートアップで行くと、例えば僕らのノットワホテルっていうホテルのスタートアップとか投資したりとか、もうどう見ても合理性がないんですよね。パッと見ると。
フトウォルタカ 僕らコロナ禍のど真ん中で、クルーザーが中でコロナが流行って、第1回目のロックダウンした時にホテルの会社に投資をしたので。
タイミングがまたそこ。
フトウォルタカ もう誰も投資できない時に6億円投資してるので、僕は直感があって、これ絶対に欲しがる人がいると思って投資してすごい上手くいったりとか。
フトウォルタカ 誰も理解できないかもしれないけど、この企業家と私は見えてますみたいなものを偏っていかないと逆に普通のものができるというか。ユーザーアンケートとかもあまりにも見すぎると何もできなくなっちゃうんですかね。
漫画の場合は僕はアンケートは見れば見るほどいい派ですね。ただ見るけどそれによってどう振り回されるかっていうのはそこはジャッジの分かれるところだと思いますね。
フトウォルタカ 例えばですけど、その時人気が出なくても後でバンって人気が出たりすることってあるんですよ。それは数字だけでは分からないので。
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なるほど。
フトウォルタカ あと編集部とか特にジャンプのイメージって数字だけ見て数字出てこなければ容赦なく切るみたいなイメージあると思うんですけど。
ありますねそのイメージ。
フトウォルタカ ジャンプの内部の話とかあんまり言っていいのか分からないんですけど、話聞いてると割とそうでもないんですよあれ。もちろん最後は説得材料として数字使うみたいですけど。そうでもなくて、この作品は絶対いけるからみたいなことで、今は良くないけどみたいなところで意外と人の思いで動いてたりするので。
ちなみに僕らベンチャーキャピタルっていう組織がいかに企業家っていうクリエイティブな人たちを捕まえるのぶしな集団で回るかっていう研究したことがあって、結構細かく週刊少年ジャンプ編集部の設計とガバナンスの仕組みを研究したことがあります。
でもあそこめちゃくちゃですよ。
ただ僕らもいろいろヒアリングさせてもらってると、やっぱその偉大な作品の編集を引き継いだやつっていうのはさらに偉くなくて、やっぱ初めに見出した人が偉いってあるじゃないですか。あれ同じなんですよ。
この企業家を全然みんなに注文被ってないときに見出したやつが偉いっていうところとか、やっぱ誰に権限があって、一番センスが良い奴は誰なんだっけみたいなとか、社内でどういう人がリスペクトされる評価される組織なのかとか、細かく聞いていくと結構似てるんですよ。
僕ら結構いろんな組織、僕らお寿司屋さんとかすごい強いお寿司屋さんとか、スポーツとかいろいろ研究するんですけど、週刊少年ジャンプ編集部が一番目指す形に似てるんですよ。
でも僕あそこの編集部行ったとき、結構びっくりしたこともあって、そんないい加減なんかってびっくりしたことあるんですけど、キャラキャラ行ってきたりとか、ノウハウがどうとか、それこそ入るまではね、僕努力、友情、勝利とかいうスローガンでやってるのかと思ってましたから、そんなの全然ないらしいですけど。
なんかそういうノウハウ本みたいなのがあって、秘伝で編集部内で共有されてるとか、なんかどういう形かは知らないですけど、少なくともノウハウの共有はされてんだと思ってたんですよ。聞いたらなんもないって言ってて、もう本当に都邸制度じゃないですけど、盗んだり覚えたりっていうので。
逆にそれが結構参考になるんですよ。あれっていうのはもうカルチャー伝承に近くて、どんな仕事がかっこいいのかっていうのを多分誰かが誰かに見せて、それを誰かが講伝してるみたいなもので、これが門外不出というか独自のカルチャーを作ってて、これがかっこいい仕事なんだな、俺たちのっていうのが、言語化されてないからパクれないんですよね。みたいなのを、うん、なるほどなーとか思えたら。
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いやでも面白いですよ。やっぱり才能を取り扱う仕事なんで、僕らも。やっぱ漫画の編集部も才能を取り扱う仕事なので。で、スタンスも結構踏み込むタイプの人から踏み込まないタイプの人までいたりするから、あれは結構いい。僕ちなみに踏み込まないタイプの投資家なので。
そうなんですよね。
もうなんか授業はよくわかんないから。心の平穏だけ、心の平穏だけずっと見てる。心の平穏が今ちょっと危なそうだなみたいな。プライベートで困ってることとか聞くとか。
でもそこも含めて、編集部と本当に似てるかもしれないですよね。出版社の漫画の編集者と似てるかもしれないです。結局投資業なんですよ。あれってもはや。特に最近はもうその傾向がめちゃくちゃ強いんですけど、昔は出版社っていうのは書店の棚とかを持っていたので、そこでの流通の強みがあったんですけど。
今はもうほとんど電子になってきてますから、そうなると個人でもできちゃうわけじゃないですか。じゃあその出版社の強みがどこにあるかっていうと、投資業なんですよね出版社って。原稿料とかって今はもう投資金になっていて。お金なくて漫画書くのってさすがに大変なので、生活を支えるスタッフを雇うために出資してもらう。それが原稿料という風に形が変わりつつありますね。
その代わり出版社は何にもらうかっていうと、10年間の独占販売権みたいなのをもらうわけですよ。それが売れたお金に対して何パーが出版社、何パーセントがプレイヤーという風に取っていくので、これかなり似てますよ。
確かに。もう完全にギャラリーと同じ設計になってるんでしょうね。そうですね。スタートの部分を支える代わりに、制作費を出してあげる代わりに、もし当たったときは上がりをガッポリちょうだいねっていうことですよ。
全く同じ投資の仕事をしてるんで、近いですね。この人はどこかで辻褄を合わせるというか、どこかで僕らが期待させたもの以上のものを生むだろうという期待。特に僕らは投資の中でもシード投資と言われる一番始める部分をやってるんで、だいたい物ができてないわけですよ。
だいたい作家さんがあって、こういうものを作りたいですって言って、ざっとしたものだけをもらった段階で、これはいけますねっていう感じ。この企業の方に投資する方が偉いなって言うと変なんですけど、優しいなって思うのは、まあ全額基本的にお金出すわけじゃないですか。ケースにもよるでしょうけれども、1000万だか2000万だかわからないですけど出しといて、もらう株って15%とか20%とかですよね。
そうですね。
あの、優しいですかね。だって出版社って、あれ確かに最初出資してくれますけど、単行本の売上で僕らもらえるのは10%ですからね。
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確かに。
90%は出版社が持っていくとは言わないですよ。製作費がありますから。でもほとんど持っていくわけじゃないですか。
そこそこ持ってきますね。
そこそこ持ってきます。
これは構造がどこかでまた変わっていったりとかしていくんだろうなって思いますけどね。
スタートアップの場合は、それが意思決定の権利とセットになっているので、それを投資側が取りすぎるとモチベーションとかコントロールができなくなってくる。
なんか自分の作品自分で全然決められないみたいなのって面白くなくなってくるじゃないですか。そうすると結局人間のモチベーションでやっぱり作品と同じように動いていくので、モチベーションを奪うと全員ルーズだよねっていうのがあったりする。
電子の印税とかも今は各社まちまちどころか結構低めに抑えられてますけど、これがもっと競争原理が働いて15%から60%70%までまちまちみたいな風になってくると作家にとっては嬉しいとは思うんですけどね。
僕はそっち側に行くし、それこそリチロウさんみたいに実績がある人っていうのはもっと有利になってくる。企業家もそうなんですよ。全然条件が違ったりするので。
それはやっぱり僕らも、この人は今までにいつも言ってるんですよね、何回か成功した企業家に例えば乗ったことで初めに6億円出資してるので、それはやっぱり今まで仕事で関係してきたステークホルダーたちにちゃんと筋を通して試合戦してきたかっていうのをちゃんと確認して、じゃあこの人だったら大きい金額をかけても多分自分でわかってるから、この期待の意味がわかってるから、じゃあ大丈夫だねっていう。
全然どうすれば責任を果たせるかわからないまま、たくさんお金くださいって人もいっぱいいるんですけど、それは別にちょっと段階を追っていこうねみたいな。
あまりに面白くてですね、この漫画の話を聞くだけで今回が終わった。
次回に改めていろいろ聞いていこうかなと思ってます。
ということで第7回目は漫画家の稲垣理一郎様にお越しいただきました。
今回は稲垣さんのルーツとこれまでの話を詳しく伺いましたが、次回は事前にリスナーさんからいただいた質問等に答えていただきつつ、稲垣さんのこれからのお話を伺っていきたいと思います。
そして番組ではメッセージを募集しています。
またアンリでは企業相談や資金調達の相談を受け付けています。
こちらも番組概要欄にフォームのリンクがありますのでそちらからお送りください。
それからXなどSNSでもぜひ感想をつぶやいてください。
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ハッシュタグはハッシュハートに火をつけろでお願いします。
それでは次回もお楽しみに。
圧倒的な未来を作るのは君だ。
ハートに火をつけろ。