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2022-03-31 51:37

Ep20. 自家現像・プリントのすゝめ(林 弘樹)

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映画監督の林 弘樹さんをお招きして、使用しているフィルムカメラ、現像・プリントの醍醐味、暗室をつくる計画、ひとり時間を有意義に過ごす方法などについてお聞きしました。
収録した3月28日は、林さんが代表を務める「ものがたり法人FireWorks」の20周年記念日でした。

林 弘樹(はやし ひろき)さんのプロフィール・SNSなど
1974年生まれ、さいたま市出身、大学卒業後、助監督として黒沢清、北野武監督等の元で働く。28才の時に、映画「らくだ銀座」にて監督デビュー。国際映連・A級世界十大映画祭にも招待され、評価をうける。
全国各地で、今まで数十万人の人を巻き込み、日経地域情報化大賞、地域づくり総務大臣賞受賞。2016年公開の映画『惑う 〜After The Rain〜』は、時代の流れと共に失われながらも満たされていく「家」の物語を、女性たちを中心に描く。

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イチゴカメラは、カメラ・写真が好きな一神 友郎(Tomoo Ichigami)がお届けするカメラ雑談プログラム。フィルムカメラから最新デジタルカメラの話題、写真表現についてなど、幅広く興味の赴くままに話します。同じ趣味を持つ方々とコミュニケーションとりつつ、その愉しさ、奥深さを共有していければと考えております。

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00:04
林監督、ご無沙汰しております。
はい、ちょうど1年ぐらいの、1年ぶりぐらいですかね。
去年の3月ぐらいでしたもんね、来ていただいたのが。
そうですね。雪はなかったですもんね。
そうですね、3月後半になってくると、雪はもうないですね。
今年結構降りましたけどね。
そう、ちょうど1年前は、僕が金沢に行く機会が。
金沢に行くときに、このイチガミさんという人に会ってみたいなと思って連絡させてもらって、押しかけたっていう。
はい、光栄です。ありがとうございます。
その時も、フィルムカメラの話をたくさんさせていただきましたけど。
その後も、TwitterとかInstagram、Facebook拝見してると、フィルムでたくさん撮られてて。
なんかいろんな賞を受賞してるイメージがあるんですけど。
結構でも、フィルム始められたのもここ数年なんですよね。
ちょうど2年ぐらいですかね。
コロナで緊急事態宣言が出る前ぐらい、あんまり見動きが取れなくなった頃に、フィルム写真を始めたっていう。
コロナでいろいろ大変な思いをされてる方もいると思うんですけど、僕は本当に写真との出会いっていうのは、とても大きい出来事でしたね。
作品も捉えてますし、自家建造までされてるということで。
そうですね。本当はそこまで全くやるつもりなかったんですけど、本当にたまたまコロナで家にいることが多くなって、
家の仕入れの整理とか、暮らしを整えていかないと家に長くいるんで、
そしたら父親の片身のフィルムのカメラが何台か出てきて、
それを久々に磨いてみて、ニコンのニューFM2っていうベーシックなやつですけど、
それを押した瞬間に、その心地良さと何か心に波紋を投げかけたような響くものがあったんですよね。
ちょっと撮ってみたいなと。
ちょうど映画もなかなか撮れない時期だったので、
そういえば映画って昔写真って言ってたよなと。
映画が撮れない時期だったら35ミリの写真を撮るっていうのは面白いんじゃないかなと思って身の回りを撮り始めた。
それが本当にきっかけですもんね。
映画撮られてた最初の頃ってフィルムだったりとかはしたんですか?
03:02
そうですね。僕は学生時代は8ミリとか16ミリのフィルムの映画を作っていて、僕のちょうどデビュー作もフィルムで。
ああ、そうですか。
ずっと、監督デビューする前もフィルムの作品の助監督やってましたし、ずっとフィルムでしたよね。
しばらくデジタルのハイビジョンで撮れるっていう、シネアルタっていうカメラがジョージ・ルーカスとか使ってるって聞いて、それを借りて映画撮ったりとかはしてましたけど、やっぱりフィルムに戻ってきましたね。
また映画もフィルムで撮るようになってたんで。
へー、なるほど。
なんかこうフィルム好きなんですよね。
結構ね、いまだにフィルムで撮ってる監督結構いますよね。
例えば大作でもクリストファー・ノーラン監督とかね。
へー、なるほど。
フィルム、カメラ、写真の方は昔はそんなやってなかったっていう感じなんですか?
写真は本当やってないんですよね。写るんですで撮るぐらいで。
あとは父が母の日本舞踊の発表会とかで撮ってたのを見ていて、父が目がちょっと悪くなってきたんで、新しくオートフォーカスのカメラを買って、ちょっとヒロキ撮ってみろよと。
っていうんでちょっと撮ったぐらいで、自分から写真を撮ってたっていう記憶があんまないんですよね。
本当だから写真としてはまだ初心者ホヤホヤなんで、一上さんにはいろいろ教えていただきたいと思います。
僕もYouTube始めてからぐらいですからね、結構ガッツリやるようになったの。だから2018年、19年ぐらいからなんで。
そんなにあれなんですよね。
一応フィルムカメラも使ってはいた。時々数年に一度使うみたいな感じで使ってはいたって感じですね。
ちなみに一上さんは2018年ぐらいはなんでYouTubeきっかけだとはいえ、こんなにフィルムとかカメラとかっていうのにフォーカス当ててこんなに熱心にやってるんですか?
本当YouTubeが最初はきっかけで、もともとVlog的な日々のログをYouTubeで発信してくってやってたんですけど、
そういえばNikonのF3って僕持ってたなと思って思い出して、たまたまこれも一つのネタということで一個動画を出してみようと思って、
久しぶりに使いました動画みたいなのを出したら結構よく見られて、あんまりそれまでカメラの前に自分が立って話すってことをほとんどしてなくて、
06:10
それをやり始めたら割と聞いてくれる人がいるっていう実感があったんで、それが嬉しくてやったっていうところも大きいです。
なるほど。写真やってる人って結構見てくれたり発信したりとかっていう人も多いですもんね。
そうですね。反応なかったらやめてたかもしれないですね。
そしたら今日もないってことですよね。
そうですね。フィルム続けてないかもしれない。
デジタルと違う絵が出るというか、なんというか絵なんですよ。ピクチャーというか。その感じがすごいのめり込んでいって、
フィルムもいろんな種類があって、違うフィルム使えば全然違う絵が出てきたりとか、どんどん楽しいなと思ってのめり込んでいった感じですね。
結構僕は途方にくれましたけどね。フィルムの種類もたくさんあって、わからないことだらけで。
最初そうなりがちですよね。
しかも周りにもはや誰も教えてくれる人がいないっていう。
ネットで調べて、YouTube見て、フィルムの装填方法とか調べたりとか。
その延長線上でいちがみさんにもぶつかったっていう。
僕のNikon F3でフィルムの装填方法を解説してる動画が結構ロングランでよく見られてて、いまだにあの動画の質問とかコメント来たりしますね。
僕もちょうどF3をいただくことがあって、もしかしたらそれでかもしれないですね。最初いちがみさんの何を見たか覚えてないんですけど。
たくさんカメラを譲ってもらったんですよね。
そうなんですよね。
最初そうやって父親のカメラをテストと称して撮ってたんですけど、
撮ってるだけだと写真って形になるじゃないですか、プリントとか。
やっぱり人に晒されないとダメだな、いいのか悪いのか。
なんで自分がこれを撮ってるのか、なんでこれはシャッターを切らなかったのかみたいなものって意外と自分で認識してなかったんで、
それが果たしてどんな意味を成してどんな風に人に届くんだろうっていうことで、
毎日SNSで写真を毎日1枚ずつ上げていこうってやってたら、
結構いろんな人たちからフィルムカメラが眠ってるんで、ぜひ使ってあげてくださいって言うので、
09:05
今まで7台くらい譲っていただきました。
カメラも譲っていただければ、いろんなストロボだったり、いろんなアクセサリーだったりとか、
去年は引き延ばし機とか、暗室用品一式あるから、大きい車で撮りにおいでって言って大阪まで撮りに行ったりとか。
埼玉から大阪まで。
そうですね。大阪の写真家の方に、今の時代それだけ真面目に、しかも真面目にコツコツとやっていい写真撮ってるみたいだから、
写真やるんだったら、ちゃんと暗室現像、そしてプリントまでやった方がいいんじゃないって言われて、
結構そこまで行くと沼だなと思ったんですけど、じわじわともうすでにその時には使ってたっていう。
メインで使われてるカメラは今は何になるんですか?
今メインですか。やっぱ一番撮りたいなっていう心、写真烈が湧き上がってくるのは中盤なんですよね。
中盤カメラで、一番はやっぱハッセルブランド500CMですかね。
一枚撮るたびに、魂が震える感じが。たまらないですね。
中盤はその後、ノーライコードとマミアの645と、マミアのRZ67プロフェッショナルと、
あと富士の中盤のやつもあるんですよね。すごいやつ。
でも一番使うのは、アートペンタックス67ですね。
バケペンも持ってます。
それも譲ってもらっては結構あるんですよね。
譲ってもらうときにすごい広角と望遠で標準がなかったりとか、
何かが欠けてたりはするんで、
ペンタックス67も105mmはあるけど、もうちょっと長い玉が欲しいなとか、
そういうのはカメラ屋さん見てる中で、出会っちゃったらそこで手に少しずつ増えてる感じですね。
12:04
これだけでも、中盤だけでもマウントの数が多いからレンズ揃えようと思ったら大変ですね。
そうなんですね。でも結構レンズもいただいていて、
しかも皆さんすごく大切にされてたのか、ほとんど状態が良かったっていうのもありますよね。
たぶんそれを一個一個オーバーホールしてってなったら、やってないかもしれないですけど。
その中でもハッセルをメインでお使いということで、レンズはハッセルだと何を使われてるんですか?
ハッセルはやっぱりプラナー80mm。
標準的なやつですね。
標準のやつですね。
あとマクロプラナー120mmもありますね。
いいですね。この2本あればもう強いですね。
そうなんですけど、ディスタゴンも欲しいなみたいな。
広角寄りの?
広角が、はい。標準も40mmぐらいなんで、結構近くでも撮れるんですけど、
子供の囲碁やってる姿とか撮るときに狭いところに入ってくるときにどうしても入りきらなくて、
ディスタゴンって言いながら撮ってます。
でもまだ買ってないですけどね。
お子さんの囲碁の写真が本当に素敵で。
ありがとうございます。
賞もとられてましたよね?
そうですね。いくつか賞もいただいて。
毎日SNSにあげるのと、目に入ったフォトコンテストっていっぱいあるじゃないですか。
そういうのを毎月1個ずつ出していくっていうのもやってたんで、
今まで12、3個ぐらいフォトコンテスト出させてもらって、
8つ賞を。
すごい打率ですね。
ちょっとした賞金とか、
あとはプリンターとかですね。
上竹さんのYouTubeの賞も受賞されてましたもんね。
そうなんですよ。それも本当に奇跡的に1位いただいたんですよね。
すごくいい写真だねって。
あれも囲碁の写真でしたっけ?
あれも囲碁の写真ですね。
あれはマミヤの645で撮ったやつで、
15:02
645のレンズは若干曇りがちなんですけど、
良い味の良い色が出るんですよね、レンズが。
そうか、中盤それだけ持たれてるといいですね。
645ってオートフォーカスついてないやつですか?
ついてないやつですね。
調べたら645スーパーってやつみたいなんですけど。
なるほど。
最初僕バケペン買うときも、
マミヤだよな、645のオートフォーカスついてるやつ。
あれもすごいかっこいいですよね。
すごい迷ったんですよね。
ただやっぱりもともと68番のフジフィルムの中盤使ってたんで、
圧倒的な描写力は645では得られないかなと思って、
バケペンにしたんですけど、
ただちょっとバケペンその後も不調が続いてたりとか、
もう治ったんですけど、
やっぱり重いっていうところで、
なかなか持ち出す頻度増えなかったんで、
なかなか難しいパランスが。
僕バケペンで撮った写真は、
カラーで一番今まででいい写真撮れるのは、
大概バケペンですね。
バケペンのスーパータクマは結構いいレンズなんだなって、
すごく言うことはある。
もちろんそんなに頻繁に持ち歩けないんですけど、
ここぞの時はやっぱり出動してますね。
ここぞの時ってどういう時ですか?
こうやって撮ってると、
仕事でやってる感じは趣味なんですけど、
いろんな人から大事な時に撮ってほしい、
起こしてほしいって結構頼まれることもあってですね。
そういう人たちの大事な節目の時に、
例えば家族写真で、
おばあちゃんが50年以上続けてきた戦闘の中で家族で撮りたいとか、
あとは家族の、
今何気なく写真とか撮っちゃってるけど、
ちゃんと記録に残していきたい、
そういう時に定期的に撮ってくれませんか?っていう。
そういう時に勝負、
バチッと決めたい時は67、バケペンいいですね。
それはもうここぞという時ですね。
そうなんです。
でもバケペンもだいたいウエストレベルのファインダーつけて、
18:02
通常でもいいんですけど、
どうしても上から見るのが好きなんですよね。
映画もそうだし。
上から覗いてた方がしっくりくるんで、
だから多分ハッセルとローラー、小さいっていうのもあるんですけど。
RZ-67も上から覗くタイプですもんね。
そうですそうです。
RZ-67もシャッターが痺れる感じなんですよね。
バチンってなるやつですよね。
しかもものすごいファインダーの解像度がいいんですよ。
ファインダー覗くだけで心が現れてくる感じ。
子供たちとかに覗かせてあげるとみんな感動して飛び跳ねちゃうくらい感動ですよね。
映画みたいっていう。
そうですよね。
僕もそう思ってフジフィルムの中盤がレンジファインダーだったんで、
それをバケペンにすればファインダー覗くだけで幸せな気持ちになれると思って。
ただウエストレベルだと水平撮るのめちゃめちゃ難しくないですか?
慣れるとその方がいいですね。
そうですか。
最初はダメだったんですけど体につけてやると、
体で動かすと全然違和感ないですね。
なるほど。
どうしても構えると撮るぞっていう感じのオーラが出ちゃうんで、
ウエストレベルだと本当にいい瞬間に出会える感じがするんですよ。
気配が消していけるというか。
視線が下向いてるから圧迫感が減るとかそういう感じですかね。
街中で撮っててもウエストレベルだとみんなすごく温かい感じですね。
そうじゃなくて今なんか嫌な顔される方もいるじゃないですか。
でもそこもコミュニケーションのきっかけではあるんですけどね。
写真やってるから知らない人とも話せるとかっていうのもあるし。
もともと僕は映画でどんどん映画に参加してもらうということで
コミュニケーションを取るのは慣れてるんで、
ある意味、撮るぞっていうオーラを出すと相手も入って構えさせる能力は持ってるんですよね。
いいですね。
21:00
フィルムは何を使っているとかってあるんですか?
フィルムはいろいろ使ってみたんですが、
今はやっぱり一番夢中になってるのは黒白フィルムなんですよね。
黒白のイルフォード応援したいなと思って、
イルフォードのHP5かFP4ですね。
室内で撮るときはFP4だと感度的に増加すればいいんですけど、
あれなんでHP5。
それが位相感度どれだけなんですか?
400ですね。
最初はトラX使ってたんですよ。
トラXがいいっていうのをネットでいっぱいずっと語られてきたのを見て、
でもトラXも高くなってきて質も落ちてきてる。
昔みたいなコントラストが得られないみたいな話もチラホラ出てたんで、
だったら無理してトラXじゃなくても意外と安いんですよね、イルフォードを。
なので今は白黒だと大体その2つがメインですね。
もう直現像前提なんですか?
直現像前提ですね。
コストの面でも直現像して直プリントすればっていう腹もあるんで、
白黒がメインで、カラーはずっと富士の業務用100を使ってたんですけど、
それがもう終わっちゃったんで、あんまり撮らなくなってしまったっていう。
ただリバーサルポジで撮りたくなるときは、
何でしたっけ?
ベルビアとかプロビアとか。
プロビアですね。
のリバーサルのやつあるじゃないですか。
100かな?
100ですね、100F。
あれは結構ハマると素晴らしい色が撮れるんで、
正確に露出合わせるって撮れればの条件付きですけどね。
ポジでハマったときの気持ちよさは最高ですよね。
最高ですね。
ずっと眺めてられますよね、あれは。
なかなかデジタルで撮って後でああいう風にしようと思っても、
結構難しいんじゃないかなと思うぐらいのレベルですからね。
それが6,7番とかだと特にいいですよね。
24:03
それを光当てて見てるだけで幸せですね。
わかります。
中盤のデジタルとか富士の出てるやつとかも多少気になったりはするけど、
でも言ってもセンサーサイズフルサイズよりちょっと大きいぐらいだから、
6,7番とかの感動までは至らんのだろうなと、
昨年見たら思っちゃって、なかなかいけないんですけどね。
圧倒的な気がしますね、やっぱ。
大盤とかもっとすごいんでしょうけど。
そうですよね。なんでしょうね、あの感動はね。
6,45も結構ですよ、なかなかですよ。
そうですか。
僕6,45の場合も古いジャバらしきのやつとかしか使ったことないから、
あんまり明るいレンズとかを使ってこなかったからっていうのもあるかもしれないですね。
そうですか。引き伸ばし、プリントまでされてるってことですよね。
はい。本当は去年始める予定がなかなか勇気が湧かなくてですね、
満を持して今年の1月から、
そんな最近でしたっけ?
1月から暗室プリントコースというところを学びに行って、
一応プリントは学んでます。
ネガゲンゾーまではもう1年以上前からやってました。
なるほど。ご自宅の近くにそういう教室があったんですか?
最初はそれを教えてくれそうな人が近くの公民館とか、
写真サークルとか色々探して、2つほど入ってみたんですよ。
したらやっぱりたくさんいるんですけど、誰もフィルムやってる人がいなくて。
そこの先生に、いやもしかしたらこういうのあるよって教えてもらったのが、
四ツ谷山頂目にある現代写真研究所というところがあって、
いくつかコースがあるんですけど、僕は暗室を学ぶところに行ってます。
東京まで行ってるってことですか?
そうです。
なるほど。どのくらいのペースで通ってるんですか?
2週間に1回で半年間くらいですね。
ってことは今まさに通ってる途中ってことですか?
まさに通ってまして、今4回目くらいですね。
いいですね。
最高ですね。
本当に暗室やっちゃうと、日常生活とか仕事に支障来たすっていうのは完全にわかりますよね。
27:13
だからそれをちょっと恐れてたんですけど、やってみたら、もっと深みまで到達してみようと。
キングダムの境界的に言うと、もっと呼吸を深く潜ってみようぐらいの、そんな気持ちになりましたね。
合理的に考えたら、写真とか、ましてやフィルムでっていう趣味は合わないじゃないですか。
効率よく、お金もかけず、適度に楽しむぐらいだったら、写真やる意味もないのかなと思ってたときには、やるんだったらちゃんとやりたいなっていう。
思えた自分に拍手みたいな。
暗室っての現像とプリントを学ばれてるってことですか。
そうです。
これはモノクロですか、カラーも?
そこはモノクロ限定なんですけど、カラーも聞きたければ、先生はずっといるんでカラーも聞けると。
僕が大阪の友人からいただいた、先輩の写真家からいただいた引き伸ばし機はカラーもできるやつなんですよね。
これがまた困ったことに。
だからそうですね、年内目標でカラーのプリントまでいっちゃおうかなと。
なるほど。ちょっと具体的に何が楽しくて最高なんですか。
いくつかあるんですけど、フィルムカメラで撮るときの良さって、まず撮るときの感動もあるんですけど、
やたらに撮らないから、その場面と出会えたっていうところでまず一つ感動があるじゃないですか。
そこで撮ったっていうのが現像して上がってきたときに、ネガとかデータ化したときに、
もうこんなの撮ったんだっけみたいな、そのときの完璧に覚えてないじゃないですか。ちょっとタイムラグがあるんで。
そこで2度目の感動との再会があるんですけど、これをもう1回プリントしていくプロセスにおいて、
それをまた暗闇で光を因果子に焼き付けて、現像液、停止液、定着ってやってくるときに、
30:09
それがふわーっと浮かび上がってくるときに、またそこが蘇ってくるんですよね。
3度目の感動というか、それは何でしょうね。また今までより格別な感動があるんですよね。
しかも没頭できる。やっぱ没頭できるっていうことが本当に幸せだなと思いますし。
そうすると、これを今度飾って展示したいなとか、また湧いてくるんですよね。
なんでしょうね。暗い中で、ちょっとずつ光を当てる量を、光と闇の世界に自分も同化していく感覚。
広告ですよ、いちがみさん。
めちゃめちゃ気持ちよさそうに話されますね。楽しくなりますね。
こういうのを話せる仲間が周りにいないんで、いちがみさんが話せるのが嬉しいです。
僕、ラジオをやってる目的も本当そんな感じで、
僕はたまたま博明さんとか近くに話せる友人がいるから助かってるけど、
そうでない人はきっとこういう雑談、他の人たちの雑談聞いてるだけでも多少は
暇つぶしになったりとかするんじゃないかなっていうのがラジオをやってる目的だったりしますね。
そういえばね、博明さんのことはいちがみさんのラジオで知って、写真集2冊買わせていただきました。
博明さんもワールド、世界観を持ってる人ですね。
そう、だからああいう方がコツコツ取ったものをちゃんと形にしていくっていうのはどんなものなのかなっていう純粋に興味があってですね。
そうなんです。僕全然アウトプット、YouTubeとSNSぐらいなんで。
言ってましたよね、なんか。
なんかもう少し広げていきたいなと思いつつ。
でもちゃんと楽奏までしてるじゃないですか、いちがみさん。
そうですね、自分用に。
せいぜい事務所に来てくれた人に見せるぐらい感じですね。
プリントって僕あんまり数枚楽奏して、その時はカメラの北村さんとか、あるいはフジフィルムのサービス使ってプリントしてもらったんですけど、
ご自身でやられた時って、そういうのと遜色ないぐらいの品質はあるんですよね、きっと。
33:03
そういうものとは比べられないぐらい良いものですよね。
自分で吸いた紙みたいな感じですよね。
ああ、なるほど。愛着とかも。
しかも、本当に良いかどうかはまだ技術が伴ってないんでわかんないんですけど、
でも結構先生もサポートしてくれるんで、多分そこそこ良くなってるんですけど。
なんでしょうね、生のプリントって感動しますよね。
私がまだ全然原造とプリントの知識がない中での質問なんですけど、
まず原造でネガとかフォーチュリー、ネガにしますっていう時に、ネガにするゴールは一つなんですか?
私の今の印象だと、ネガっていうのは決まったゴールがあってそこを目指す。
で、プリントはネガを元に明暗差をどれだけつけるか調整可能みたいなイメージを持ってるんですけど。
これはですね、プリントしやすいネガっていうのがあるってことにやっぱり気づきましたね。
ネガも正解は全く一つじゃないんですよね。
ただネガはそれのプリントのベースとなるんで、ベースとなるものが、
例えばあんまりダイナミックレンジが狭いとか、可能性のポテンシャルが狭められてるものだとプリントであんまりやりようがないっていう場合はあるんですよね。
だから結構、僕も最初は業者に頼んで、もちろんネガも撮影終わったら出して、ネガにしてもらうのとデータ化までは頼んでたんですけど、
それでやってるものよりは多分、自分で現像した方が全然いいものにはなるっていう先生も言ってましたね。
なんか僕自身もそんな感じはしますね。
プリントまでやると、プリントしやすいネガを作ろうっていう意識でもなりますし、そもそもプリントの時のイメージで撮影をしようってやっぱりなりますもんね。
なんとなくそうなるだろうなっていうイメージはありますね。
そうするとやっぱり世界の見え方が変わるんで、聞こえる音も変わってくるような感じですね。
ちょうどこの前の週末の土曜日、モノクロの写真店みたいなものをちょっと、それこそ博明さんたちと見に行って、
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モノクロ写真でこそ映える作品の数々を見てきたんです。
どんな作品ですか?
私の印象に残っているのは、海に浮かぶボートを撮った写真とかで、海が水平線に向かっていくにつれてだんだん明るくなっていて、手前がちょっと暗くて、
黒と白、0%と100%があって、そのグラデーションが繊細に表現されているような感じがして、きれいだなと思いました。
グラデーションとか気になっちゃうと大変ですよね。でも本当に写真にはまりますよね。
写真家の仲間は結構昔からたくさんいたんですね。
仕事柄、いろいろそういう人とコラボレーションすることも多かったんですけど、
僕が写真を始めたら、生のプリントを見に古典とかに行った方がいいよとか、いろんな写真集を紹介してくれたりとか、
写真集ではあんまり感動まではしてないんですよね。すごいなーとかっていうぐらいで、
やっぱり本当に古典とかに行った時に、特に伊豆健郎さんっていう素晴らしい写真家の方がいらっしゃるんですけど、
その人の生のプリントを見た時に、なんでしょうね、なんてこの貴重なものを見てしまったんだろうっていうぐらい素晴らしかったんですよね。
伊豆さんは結構世界的にも写真もそうですけど、プリントとしても定評が高い方で、
ニューヨークにいらっしゃって、結構カンボジアの写真とか有名で、僕はよく教科書とかにも載ってましたけど、
撮られてる写真自体も、誰がどんな心持ちで撮ったらこういう眼差しを向けて撮れるんだろうって思うものをそのまま引き込むようなプリントが目の前に広がってる感じなんですよね。
ぜひ見てほしいですね。
はい、今ちょっとググってちらちらと見てますけど、生で見たいですね、確かに。
生で見ると、やっぱりデータで、モニターで見てもダメだと思うんですね。
よし、じゃあ僕もちょっとまずは暗室づくりを。
暗室づくり。
ちょうどこの引っ越してきた事務所に流しの部屋があって、小さい部屋があって。
完璧じゃないですか。
39:01
一応窓あるんですけど、そこを塞いで暗室にしようかなと。
いいですね。
お風呂場とかでやってたりとかするんですか?
今は作業は台所、キッチンでやって、乾かすのはお風呂場でやってるんですけど、
一応今年暗室作ることにしました。
専用に。
自宅をリフォームしてってことですか?
そうですそうです。
もうやるならとことんやろう。
妻もいいんじゃない?もうやるならやった方がいいよって。
いいですね。
すごい。どういうことですか?
まず窓のない部屋で。
窓はあってもいいんですけど、遮蔽できれば。
流しがあって、機材とか置けるようなスペースがあるっていう。
そうですね。
理想は完全に暗室部分と、そこからカーテン出たら明るくて作業できるスペースっていう。
両方あるといいなって今言ってる暗室の教室を見て思いました。
そっかそっかそっか。
すごい参考になりましたね。
僕小さい頃、うちの父親が新聞記者だったんで。
なるほど。
司局に住んでたんですね、新聞記者の。
司局1階が働くとこ、2階が住居みたいなところで。
1階に行けば暗室があったりしたんです。
なんて。
だから暗室がどんな雰囲気とか匂いとかはなんとなく覚えてます。
サラブレットですね。
写真界のサラブレットじゃないですか。
5の写真とかっていうのはもう、作品撮りをしてるっていう感覚はやっぱりあるんですか?
作品、あのー、なんかね、まだ結局、
でも今年に入ってプリントを学び始めて、作品を作ってみたいなって気になっていましたね。
なんか今まではずっとカメラテスト。
テストするカメラとレンズも多すぎて、テストに時間がかかったっていうのもありますし、
なんかあとは、僕って何かやるときに、例えば、文章を書くんだったら文体を手に入れたいって、
自分なりの文体ってどんなものなのかなってあるじゃないですか。
それと同じようなものを、写真の自分なりの文体みたいなものを、
掴みたいなと思って、機材をテストするとともに、
何ですかね、試行錯誤してた感があるんですよね。
42:01
なんかこう、自分は何を見て何を見てないんだろうっていうのに、
結構ぶち当たるんですよね。
フィルムを見るときに、自分は何を見て何を見てないんだろうっていうのに、
結構ぶち当たるんですよね。
フィルムって選んで撮ってるじゃないですか。
バシャバシャバシャバシャ撮るわけじゃなくて、
でもなんでこれ撮ったんだろうとかね。
なんで他のは撮れないんだろうとかっていうものの違いですよね。
自分自身にそこの興味を向けるっていうものとともに、
そういった思考が影響してるわけで、
もう一つ対象物、モチーフとしての撮る対象は、
僕は人間が好きなんですけど、人物写真。
その人物の心の中に目にフォーカスを合わせるみたいな、
何を考えているんだろうっていうのを、
僕はずっと感じ取りながらシャッターが切れるのを待つみたいな感じなんですよね。
それに一番意誤をやってる人ってすごくいいんですよ。
ずっと考えてるじゃないですか。
ずっと考えたのはその人の前にいて、
その考えてる人を見てていい状況って他にあんまりないじゃないですか。
意誤か正義か。
考えてる人に僕は実は興味があったんですけど、
まさにそのうってつけな、
しかもそこに確実な正解っていうものが、
特に意誤の場合はない中で、
でも思考って目に見えない、
目に見えないものっていうものが何か立ち上がってくるものに迫りたいなと思って、
僕は写真撮ってるんですよね。
なぜかというと映画を撮るときにはどうしても映画ってこう、
写真だと一枚でもね、
一枚の写真で永遠を感じさせたりってことはあるとは思うんですけど、
映画ってどうしてもカットの積み重ねでシーンができて、
シーンの積み重ねで映画一本ストーリーができるんで、
その中で描かれてるものは基本的に行動なんですよね。
思考してることとか、曖昧なものじゃなくて、
すべては脚本も撮影も行動しか撮れないっていう、
縛りが映画でずっと長くあったんで、
写真だったらその行動は逆に撮れないじゃないですか。
動いてるような雰囲気を持ってる写真は撮れたとしても、
45:03
動き自体は撮れないんで、初めて僕は興味を持っていた、
その人が考えていることみたいなところに向き合える写真としては、
僕はいいんですよね。
それはバシャバシャ撮らなきゃそこにたどり着ける感じでもないじゃないですか。
まさにこう、フィルムっていろいろ儀式というか、
プロセスの諸差があると思うんですけど、
諸差を相手の思考のプロセスと合っていったときに撮れるみたいな、
そういうものを一つ入り口となったのは、
イゴの写真なんで、
イゴをやってる子どもたちが本当に毎日頑張ってやって、
その周りにはたくさんの子どもたちと大人たちと、
大人の子とかプロ騎士もたくさん友達もいるんで、
そういったものは、
自分の分体ってものが、
どういうものが撮れるのかっていうのは感じれてきたんで、
作り品作りに挑戦してみたいなって気持ちですね。
本当に一人で没頭してできるっていうのが、
毎日何百人っていう人と会ってきたこの20年近くだったんで、
一人で文章を書いたり写真撮ったり、
現像したりプリントしたりっていう時間が、
なんと心地よいかっていう。
意外と僕、あと本読んでたりも好きなんで、
意外と引きこもりタイプなんだよなっていう、
思い出しました。
暗室プリントとか写真を撮ったりする時間と、
本を読むっていうのも、仕事が忙しくなってくると
よく本読めないって言う人多いじゃないですか。
逆に僕は本を読むほうが大事だと思ってるんで、
本を読む時間に合わせて生活設計、仕事のサイクルを
全部がうまくいったっていう経験があって、
だから本を読む時間と暗室プリントをする時間
っていうものを軸に仕事と暮らしを営んでいきたいなと。
そういうふうにみんなに、
まずそれを宣言したのがイチゴカメラが世界初ですけど、
これをいろんな知り合いに
伝播していくと、そういう人なんだって
48:03
それに合わせて仕事を送れるようになったりもするんで。
そうすると世界が変わってくるというか。
僕の理想系ですね。
僕もここ半年くらい、自分の過ごしている時間を
ちゃんと小刻みにレコーディングしていってまして、
自分のために使った時間、休憩した時間って。
いつもこの事務所に10時間くらいはいることが多いので、
それをちゃんとレコーディングしていこうと。
その中で半年くらい続けて分かったのは、
僕は平均して6時間以上仕事をしたらパフォーマンス落ちる。
週に10時間以上は自分のための時間を確保しないとダメとか、
自分のための時間ってことで、読書とか明確には割り当ててはないんですけど、
このポッドキャストする時間であったり、本読む時間とかっていう
曖昧な感じで自分のための時間としてカウントしてましたけど、
自分のための時間をもう少し細かくしていってもいいかなと思いました。
本当それは非合理に生きるっていうことなんですけどね。
合理性で生きていくと周りの合理性に引っ張られちゃうんですよね、どうしても。
引き寄せ合う。
でも非合理に生きていると、行きたいところに行ったら仕事が生まれるとか、
会いたい人と会うことが仕事になったりとか、
それこそ自分を磨くっていうことは何かに役に立つってことで仕事があったりとか、
本来そういうことのほうが健全だなっていう感覚はこの10年くらいやってて思うんですよね。
それにまたさらに大きく暗室っていうのが入るんですけど、
逆にそれをまたしたら、それをまた届けに行ったりとか、
誰かにそれを送ったりとか、
それによってまた可能性が広がってくるなっていうワクワク感もあるんですよね。
こうやって新たに時間の設計とこれからの在り方を
このイチゴカメラで宣伝できたら僕としても本当に幸せですし、
ちょうどその日がうちの会社の設立20周年になったっていうこともあって、
そういうご縁だったのかなといちがみさんとは思います。
ありがとうございます。
僕イチゴカメラやってるもう一つの理由として、
こういうつながりをちょっと太くするっていう、
ちょっと知り合いた方とのつながりをちょっとでも太くするみたいな気になりもあるので。
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子どもたちにも今日は1時からイチゴカメラっていうラジオに出るんですけど、
イチゴラジオいいな、美味しそうみたいな。
分かってないです。
言ってましたから。
ありがとうございます。
また定期的にぜひ情報交換させてもらえたら嬉しいです。
ぜひよろしくお願いします。ありがとうございます。
はい、林監督でした。ありがとうございました。
ありがとうございました。
51:37

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