複雑な構造がなくて電気的な機構も少ない特徴があります。 故障リスクが少なくてメンテナンスがしやすくなっています。
水を循環させておくだけで冷やせるような便利な装置です。 だいたい37度の水が32度になるような設計が多くて、5度程度温度が下げられます。
そんな便利なクーリングタワーはどこにあるのでしょうか。 化学プラントで使われる以外にも身近なところで見ることができます。
実はビルの屋上にもあります。 大きな室外機みたいな四角い箱が並んでいます。
上にはファンがついていたり、太いダクトのようなものがアルファベットのLを逆さまにしたような向きで伸びていたりする。
そんな見た目です。 箱型のクーリングタワーは空調用として使われていまして、ビルの熱を外に逃がしています。
そしてもう一つ有名なのは発電所です。 遠くに見えるくびれた巨大な塔があります。
てっぺんからはふわっと白い湯気が出ているようなもので、それがクーリングタワーです。 白いもくもくは煙ではなくて霧です。
寒い日に息が白く見えるのと同じ現象になっています。 上から暖かい水をシャワーで落として空気は下から取り込まれて、上昇気流で空気は上に上がっていきます。
下から自動的に空気が吸い込まれるのでファンを回すような動力も不要です。 運転費用が安かったり故障リスクが低くなります。
原子力発電所でもこのくびれた巨大な塔の構造が使われています。 こんな便利なクーリングタワーですけれども弱点があります。
それは湿度が高い日はあんまり冷えないことです。 水が気化することで冷える原理なので気化しなければ効果がありません。
大事なキーワードは湿気温度です。 熱中症とも関係がありますのでここから湿気温度というキーワードを意識して聞いてみてください。
この湿度の時にどれくらい温度が下げられるかを表した指標として湿気温度というものがあります。
湿った玉と書いて湿気です。 普段使う温度計に濡れた布を軽く巻いて風を当てると表示がスッと下がっていきます。
この下がった温度が湿気温度です。 ぜひやってみてもらいたいんですけれども乾いた空気を当てると布の水がよく乾くので温度が大きく下がります。
湿った空気を当てるとあまり乾かないので温度は少ししか下がりません。 水が気化する時に下げられる温度の行き止まりが湿気温度です。
つまりは蒸発で下げられる温度の行き止まりが湿気温度です。 どれだけ頑張っても湿気温度より下には基本的に温度は下げられません。
クーリングタワーを思いっきり使いたいのは夏ですけれども日本の夏は湿度が高いです。 湿気温度が上がってしまうので他の乾燥した国に比べてクーリングタワーの冷却能力は低くなってしまいます。
最初に身近な気化熱の例としてミストの話をしました。 例えば締め切った室内で霧を出し続けると最初は涼しくなるんですけれども
湿度がどんどん上がって水が気化できなくなるのでむしむししてきます。 湿気が困ると冷たさよりも不快感が活用になります。
このミストは湿気がたまらない屋外で使うからこそ大きな効果を発揮しているということです。 湿気が低い方が涼しいということは皆さんも体感していると思います。
それは湿気温度が低いからなんです。 気温が同じでもカラッとした日は湿気温度が低め
むしむしした日は湿気温度が高めです。 最近では暑さ指数という言葉をよく耳にするようになりました。
湿気呼吸温度、WBGTとも言ったりします。 これは熱中症予防を目的に気温と湿度と日差しの3要素を総合して表す暑さの指標です。
25以上28未満で軽快。 28以上31未満で厳重軽快。
31以上は危険を表します。 気温だけではなくて湿度や日差しの影響をまとめて捉えられる実態に即した指標です。
暑さ指数を算出するときに湿気具合を考慮する指標には湿気温度が使われています。 これからも暑い夏は続きます。
湿気温度という言葉はぜひ覚えて帰ってください。 2025年6月1日には職場の熱中症対策の強化として労働安全衛生規則が改正されています。
最近特に暑くなりましたよね。 私の周りでも熱中症の方が増えています。
気化熱や湿度の話を思い出しながら安全に夏を乗り越えましょう。 今回はここまでです。
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