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2025-09-03 08:27

#33 水と油の二刀流!世界を混ぜる「界面活性剤」

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今回は界面活性剤の話をします。水と油、混ざらないはずの2つを取り持つ分子の働きを、身近な事例から工場で使う装置まで紹介します。

科学系ポッドキャストの日、共通テーマ「二刀流」に関する内容です。

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【参考資料】
・界面科学について https://www.kao.com/jp/kaonokao/openthekao/vol2/3/

・界面-界面活性剤の種類とはたらき- https://www.jstage.jst.go.jp/article/oleoscience/22/9/22_471/_pdf

・高速撹拌機による流動状態 https://www.mizuho-ind.co.jp/labo/about/flow-condition/

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プラントライフは、化学プラントの技術者である私かねまるが、化学と工場に関するトピックを、分かりやすく紹介する番組です。 毎週水曜日の朝に定期配信! LISTENで公開後、各種Podcastアプリにも配信されます。

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サマリー

このエピソードでは、界面活性剤の役割や特性が詳しく説明されており、水と油が結びつくメカニズムも解説されています。また、日常生活で見られる界面活性剤の具体例やその工業的利用についても触れられています。

界面活性剤の基本
どうも、かねまるです。 今回は、界面活性剤の話をします。
水と油、混ざらないはずの2つを取り持つ分子の働きを、身近な事例から工場で使う装置まで紹介していきます。
プラントライフは、化学プラントの技術者であるかねまるが、 化学や工場に関するトピックをわかりやすく紹介する番組です。
今回は、化学系ポッドキャストの日に参加しています。 化学系ポッドキャスト番組が共通テーマに沿って話す企画です。
今月の企画のホスト番組は、デンマークが世界一。 日本語と英語を交えながら、文化、価値観、サービスラーニングである開くでの学びを語り合うポッドキャストです。
そして共通テーマは二刀流。 二刀流といえば大谷さんですね。
そんな大谷さんに負けない水と油の二刀流、 海面化星座について話をします。
水と油という例えがあります。 通常は混ざり合わない水と油のように、性質の異なるもの同士がうまく調和しないことを表します。
なぜ水と油は混ざり合わないのでしょうか。 これには分子の構造が関係しています。
分子には電化と呼ばれるプラスとマイナスの偏りがあります。 磁石のようなイメージですね。
水分子はプラスの部分とマイナスの部分で偏りが大きい特徴があります。 極性分子と言ったりします。
反対に油分子というのはほとんど電化な偏りがありません。 油分子のあちこちでプラスとマイナスが平均化しているからです。
水が極性分子に対して油は非極性分子と言います。 水同士、油同士、同じ性質で集まります。
ですので水と油が出会ったとしても2つの集団の間に境目、 つまり界面ができて2層に分かれてしまいます。
ここで登場するのが今回の主役、界面活性剤です。 名前の通り境界である界面を活性化して混ざるようにします。
ここで界面活性剤の構造を見てみます。 一つの分子の中に水が好きな頭と
油が好きな尻尾の部分で分かれています。 水と油、両方に馴染む性質を持っているということです。
日常で使われる界面活性剤を3つ紹介します。 一つ目が食器用洗剤です。
油汚れを水だけで洗おうと思っても極性が異なるのでうまく洗い流せません。
まず、界面活性剤を含んだ洗剤で油汚れを包んで、 水と一緒に洗い流すことできれいになります。
2つ目がクレンジングです。 化粧品には油系の成分が多く含まれています。
ですので水だけでは落ちにくい性質があります。 汗や水で崩れない化粧品というのをよく聞きますよね。
その言葉通り水だけでは簡単に落とせません。 界面活性剤を含んだクレンジングで綺麗に洗い流します。
3つ目がマヨネーズです。 オスと油と卵黄で作ることができます。
オスと油だけだと2層に分離してしまうところ、 卵黄に含まれるレシチンという界面活性剤のおかげで綺麗に混ざっているんです。
マヨネーズの見た目って白く濁っていますよね。 界面活性剤を使って水と油のように本来混じり合わないものを混ぜ合わせると牛乳のように白濁します。
ですのでこの混ざり合う現象を乳化と呼びます。 界面活性剤にも力を発揮できる条件があります。
工業的な乳化方法
例えば濃度です。 界面活性剤には臨界ミセル濃度、CMCと呼ばれる濃度の色位置があります。
この色位置を超える濃度になると界面活性剤が油をしっかり包み込んでくれるようになります。
ですのでもったいないからといって決められた量よりも少なく洗濯洗剤を入れても綺麗になりません。
ちょっと悲しいですね。 もう一つが水質です。
旅行先のホテルのシャワーの水が香水だと泡立ちが悪くなるとよく言われますね。
あれは水の中のミネラルが界面活性剤の働きを奪ってしまうからなんです。 ミネラルはカルシウムイオンやマグネシウムイオンを指します。
界面活性剤がミネラルと結合することで水と馴染む側の機能が落ちてしまいます。
大谷さんのような完璧な二刀流ではなくなってしまうんです。 最後に工業的な乳化の方法を紹介します。
乳化するためにはまず水と油を激しくかき混ぜて油の細かい粒子を水中に分散させないといけません。
そうすると水と油の界面に界面活性剤が入り込んで油の微粒子がくっつくのを防いでくれます。
水と油を激しくかき混ぜるための装置があります。 それがホモミキサーです。
高速回転するプロペラのような羽を使って思いっきりかき混ぜます。 概要欄のリンクからかき混ぜている動画を見てみてください。
想像以上に強く混ぜているので驚くと思います。 もう一つの乳化装置としてホモジナイザーというものがあります。
どちらも似たような構造はしているんですけれども、ホモミキサーが思いっきりかき混ぜるのに対してホモジナイザーは油粒子を細かく切ることで均一に分散させる装置です。
主にはこの2種類の機構がうまく使い分けられています。 ホモジナイザーという名前、個人的にかっこよくて好きなんですよね。
皆さんもちょっとした雑学として誰かに紹介してみてください。 今回はここまでです。
プラントライフでは化学や工場に関するトピックを扱っています。 毎週水曜日の朝6時に定期配信していますので、
通勤時間や朝の準備などにお聞きください。 番組へのお便りは概要欄にあるお便りフォームから投稿ください。
プラント技術に関する専門的な内容はゲムファクというブログで解説しています。 最後にこのプラントライフがいいなと思っていただけたら番組のフォローや各ポッドキャスターアプリから評価をお願いします。
Xで発信していただける場合はハッシュタグプラントライフをつけてください。 それではお聞きいただきありがとうございました。
08:27

コメント

今回も分かりやすくて化学に親しみが持てる内容でした! そしてお便りした冒頭の部分、回を重ねるごとにカイゼンが見られている!すばらしい!ステキ!うれしい!!!

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