こんにちは、かねまるです。プラントライフは、化学プラントの技術者が、化学を軸に、皆さんの視野を広げていく番組です。
今回は、リッスンさんの企画、冬のつながりっすん2026に合わせて、温泉の話をします。
あなたの冬の温まる話、待ってます。とのことで、冬といえば温泉ですよね。温まりますよね。
温まる気持ちになるのはもちろんなんですけど、私としては、温泉の設備って結構使うの大変だろうなーって思ってます。
そこで今回は、温泉を支える設備について、技術者の目線で話してみようと思います。
まずは温泉のことを知ってみましょう。 源泉かけ流しって聞くと、どんな状態を想像しますか?
新しいお湯がずっと入ってきて、浴槽から溢れているようなやつ、そんなイメージありますかね?
調べてみたら、旅館のサイトに解説がありました。 源泉かけ流しって言うと、常時浴槽の中に温泉を注ぎ続けて溢れさせている状態。
そして再利用はしてないみたいですね。 もっと言うと、源泉100%かけ流しっていうのもあるみたいで、水を加えたり
加熱したり、塩素消毒なども行わなかったら、源泉100%かけ流しになるみたいです。 こうした新しい温泉をどんどん使っていく方式が源泉かけ流しで、
それに対して、その温泉を循環して再利用するような方式が天然温泉って言うみたいです。 再利用するとやっぱり汚れてたりするんで、それをもう1回使えるようにするための設備が必要になるっていうことですね。
まずは温泉に関する設備がどんなものがあるか紹介します。 大きくは3つに分かれてまして、
温度を調節するもの、温泉をきれいにするもの、 温泉を運ぶもの
の3つです。 まず温度を調節するものは熱交換器。
エアコンにも入っています。 湧き出た温泉の温度は人肌に合ってないこともあります。
暑すぎたり冷たすぎたり そういう時に熱交換器を使って温めたり冷やしたりします。
皆さんがお風呂が暑い時ってどうしてますか? お風呂に水を入れて冷やしてませんか?
それも間違いではないんですけど、 温泉の場合、水を入れるとちょっと成分が薄まっちゃいますよね。
それは避けたいんです。 だから温泉と水が混ざらないような形で冷やす、
そういうことができるのが熱交換器です。 細かい構造は無視しますが、
金属を隔てて暖かいところから冷たいところに熱を伝わらせます。 そうやって冷やしたり温めたりするのが熱交換器です。
チョコレートを溶かす時って湯煎ってしますよね。 これも熱交換器の原理にあったような操作でして、
板チョコが入ったボウルをお湯につけて溶かしますよね。 そのボウルが熱交換器としての役割を果たしています。
チョコレートに直接お湯を入れたりしたら、ものすごく薄くまずくなっちゃいますもんね。 実際の温泉で使う熱交換器はもっと複雑な形をしています。
温泉の温度を整えるときに必要な設備はもう一つ。 ボイラーです。
温泉の温度が低いときにボイラーで火を焚いて、 温泉を温めます。
おそらく実際はボイラーで水を温めて蒸気にします。 その蒸気を使って熱交換器を経由して温泉を温めると思います。
なんでそんな回りくどいことをするかっていうのは後で話します。 そして温泉をきれいにする設備を今度は紹介します。
ろ過設備ですね。 温泉を何度も使う天然温泉の方式のときは、ろ過設備が大事になります。
機種とか紙とか、もしくはその他のゴミを取り除いてもう一度使えるようにしないといけません。
あとは新しく湧き出してきた温泉自体も汚れている可能性がありますので、 その場合はろ過設備が必要になります。
実は温泉を何度も使う場合っていうのは、厚労省でどれくらいのろ過能力が必要なのかっていうのが定められています。
1時間に浴槽のお湯が1回以上ろ過できる能力、 それが管理容量として定められています。
つまり、1時間あたり何リッターのお湯がろ過できるっていう能力ということですね。 ちょっと余裕を持たせて、一般的には1.5回から3回程度の能力にしているところが多いようです。
ろ過の方法にもいろいろあります。 基本的にはいろんなものに温泉を通過させることでろ過ができます。
砂に通したり、 軽相土っていう小さい穴が開いた石に通したり、
ホリエステルの不織布に通したり、 でもろ過だけだと求めている綺麗な部分にまでは到達しないんです。
対策をしたいのは主にレジオネラキンです。 サイズが0.5から2ミクロン。
すごく小さい汚れも取れる軽相土でも5ミクロンぐらいまでしか汚れを取れません。 レジオネラキンっていうのはもっとちっちゃいんですよね。
だから綺麗にするのはもちろんなんですけど、その他に塩素消毒をする消毒設備も必要になります。
そして最後、温泉を運ぶ設備を紹介します。 配管とポンプです。
ポンプは主に電気の力を使って水にエネルギーを与えます。 エネルギーを与えられた水は配管、
つまりはパイプを通って目的の場所に運ばれます。
温泉を取り出す場所から温泉を使う場所に運んだり、 使い終わった温泉をろ過する設備とか消毒する設備に運んだり、
綺麗になった温泉をもう一度浴槽に運んだり、 いろんな役割があります。
先ほど話した応力腐食割れっていうのが起きてしまって いずれどこかで壊れたりするっていうことがあり得ます。
だから温泉の設備ってどんな金属を使うのかなって思ってたらチタンでした。
過酷な腐食環境に対してチタンを使うっていうのは科学の現場でもあります。
もしくは比較的径の細い配管だと過強ポリエチレン管というものも使われているみたいです。
ポリエチレンは容器とかフィルムとかに使われている結構身近な材料なんですけど、これを過強ポリエチレンという形にして
科学的にすごく強い分子構造にしています。 そもそもポリエチレンっていう分子はすごく紐みたいに長い分子なんです。
その紐同士を短い鎖でつないで網目状の分子構造にしています。 この処理を科学的に過強と言うんです。
過強ポリエチレンになると強くて硬くて耐熱性のある材料に変わっていきます。 その他に塩素に強かったり
あとは内面がツルツルしているのでスケールがたまりにくいっていうメリットもあります。 白い塊ができにくいんですね。
こういうプラスチック材料を使った設備っていうのも増えてきてはいるんですけど、 やっぱり金属の方が強度はあります。
熱交換器みたいな大型でしっかりした設備っていうのは金属、 つまりチタンで作られているみたいです。
今回は温泉の話をしていました。 ただの水じゃなくていろいろ金属を腐食させたい、スケールを溜めて困らせたり、
温泉は設備を扱う人にとってはちょっと厄介なものっていうのは理解していただけたでしょうか。 私たちが浴槽であったかいなーって言える裏側っていうのは
地味だけどすごく大事な技術がいっぱい詰まっています。 もし温泉に今度行ったら
駆け流しなのかなとか、 ろ過してんのかなとか、
温泉の施設の中とか周りとかいろいろ見渡してみると、今回お話ししたものがどこかにあるかもしれません。
ふと思い出したら、ちょっと周りを見て考えてみてください。 最後に今回はつながりっすんという企画に参加していますので、この放送が配信される前日、
当日、翌日、 それぞれの参加番組さんを紹介して終わろうと思います。
まず前日、2026年2月3日は、 平吉の恒星日誌より心が温かくなる話。
そしてもう一つ、ご飯になるまでから2026立春の話。 そして私と同じ2月4日は、初めてアロマさんから温かくなる匂いというお話。
翌日2月5日は、ご当地ソングが好きすぎるから観光温泉都市箱根についての物語。 温泉が続きますね。
そしてもう一つ、チェーラージチャットポッドキャスト版から鍋の話でも。 以上の番組です。
そして最後にお知らせをさせてください。 この度、ノートにメンバーシップを開設しました。
名前はかねまるのここだけの話。 技術者として発信者として今いろいろ活動してるんですけど、
言いたいなとか残したいなって思ってても、 あんまりオープンにするわけにもいかないような話っていうのもやっぱりあります。
そういう時にメンバーシップの中で発信しようと思っています。 発信活動の途中の段階の試行錯誤のところとか、
技術者としてのリアルなキャリアの話とか、 私の正直な感想とか、いろいろ載せていこうと思っています。
もしよろしければ概要欄のリンクから入っていただけると嬉しいです。 今回はここまでです。
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