約1兆円という大きなリスクを伴いながら昭和電工が日立化成を買収した話をしています。
【参考資料】
- レゾナック沿革 https://www.resonac.com/jp/corporate/history.html
- レゾナック社名由来 https://www.resonac.com/jp/corporate/name-change.html
- クラサスケミカル沿革 https://www.crasus.co.jp/corporate/corporate.html
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プラントライフは、化学プラントの技術者である私かねまるが、化学と工場に関するトピックを、分かりやすく紹介する番組です。 毎週水曜日の朝に定期配信! LISTENで公開後、各種Podcastアプリにも配信されます。
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サマリー
レゾナックという新しい社名は、昭和電工の伝統を受け継ぎながら、先端材料分野に焦点を当てた企業の誕生を象徴しています。彼らは、化学業界の激しい競争に対抗するため、従来の基礎化学品から機能性化学品へと戦略をシフトしています。
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どうも、かねまるです。
プラントライフは、化学プラントの技術者が、
化学や工場に関するトピックを分かりやすく紹介する番組です。
今回は、化学メーカーの東ハイゴーの話をします。
そのきっかけは、ひろひろしさんからのお便りです。
こんな内容をいただきました。
鉄工会社の東ハイゴーの歴史は、個人的に面白いです。
取り上げてほしいですが、鉄工会社だけじゃなくて、
東ハイゴーで面白い歴史のある業界など知りたいです。
括弧がついて、東ハイゴーによる商品の取得に困っている、とのことです。
東ハイゴーすると、商品のラインナップが変わったり、
商品名が変わったり、
あとは廃止になったりとか、困りごとが私も想像できます。
あと、取引がある会社さんだと、会社名変更にいろんな手続きありますよね。
鉄工業界以外も、日本製鉄のUSスチール買収とか、ホットな話題がありますけれども、
今回は私の科学の知識を用いて、科学業界の東ハイゴーの話をしたいと思います。
科学業界も鉄工に負けず劣らずといいますか、凄まじいくっつき合いが起きています。
その背景というのは、グローバルの競争に勝つためとか、サプライチェーンの強化というのがあるんですけど、
レゾナックの誕生と背景
その中で一個、レゾナックという会社の例を挙げたいと思います。
皆さんはレゾナックという社名をお聞きしたことがあるでしょうか。
昭和電工というとわかるかもしれないですね。
これは昭和電工という老舗メーカーが、最近東ハイゴーして改名した名前なんです。
昭和電工というのは、1939年に日本電気工業と昭和肥料という2社が合併して誕生した会社です。
その昭和電工が、令和の時代にもう1回大きな統合を行いました。
さかのぼること2019年末。
昭和電工は北地化製を買収しました。
北地化製は北地製作所系の会社です。
その買収金額は約8.8億ドル。
日本円に換算すると約1兆円近くになります。
その背景というのは、北地製作所が北地化製の売却を検討し始めたことです。
約1兆円という大きなリスクを伴う買収金額ではあったんですけど、
北地化製は例えばリチウムイオン電池材料とか半導体材料という強みを持つ会社でした。
この買収で昭和電工は先端材料分野を一気に強化するという考えに至ったわけです。
2020年に北地化製の社名を昭和電工マテリアルズに変更しました。
昭和電工の連結子会社という形ですね。
そこから2023年1月に昭和電工と昭和電工マテリアルズが正式に合併しました。
新しい社名がレゾナックです。
昭和の時代から続いた昭和電工という社名が消えて、新しいブランドが生まれました。
これは日本の科学の業界でも話題になりました。
ちなみに社名のレゾナック、どんな意味でしょうか。
共鳴するとか響き渡るを意味するレゾネートとケミストリーを組み合わせてます。
科学の力で世の中に共鳴を起こすという思いが込められているそうです。
この名前最初見た時に私はケミストリー入ってるけどCだけなんやって思っちゃったんですよね。
ユニークで前向きな名前かなと思います。
機能性化学品への移行
こうしたレゾナック誕生の背景には国内外の激しい競争環境にあります。
半導体ですとか電池材料といった先端分野は開発の競争が司列になっています。
研究開発や投資の規模を拡大するためにはやっぱり企業の統合というのが効果を発揮します。
規模が大きくなるっていうのはとても重要なことです。
昭和電工が日立火星を取り込んだのもそうしたスケールメリットを求めての決断でした。
さらに注目したいのは統合後の事業再編です。
レゾナックは伝統的な石油化学部門を統合後に一部分社化して切り離しました。
クラサスケミカルという会社を設立してレゾナックの石油化学部門の事業を切り離しました。
これが何を意味するかというと、これまで国内事業を支えていた基礎化学品、つまり石油化学品という事業を切り出して
高負荷価値の電子材料とか先端素材材料に経営資源を集中しようとしているんです。
これってかなり大きい決断で、昔の大黒柱を手放してでも新しい分野にかけるっていう覚悟が感じられます。
その決断に至った背景がありまして、その分かりやすい指標がエチレンプラントの稼働率です。
エチレンというのは石油化学の起点になる基礎材料になってまして、
この稼働率が悪いと川下まで需要が弱い、つまりは化学産業が全体的に下振れているというサインになります。
実際のところ、石油化学工業協会の資料を見ていると、エチレンプラント稼働率がいいときは90%に対して、
最近は90%以下になることが状態化していて、最近だと80%を下回って70%台で推移するような状態になっています。
かなり異常な状態になっています。
こういう状態になると、化学で戦うというのはかなり厳しくなってきて、
レゾナックは汎用品の価格で戦う市場ではなくて、製品の機能で戦う、つまりは機能性化学品で戦っていくということを目指しています。
昭和から令和にかけて生まれ変わった化学メーカー、レゾナックの今後に期待してください。
今回はレゾナックを例に、灯灰合の話をしました。
本当は三菱ケミカルの話もしたかったんですけど、ちょっと今週時間取れなかったんで、またどこかで檻を見て話をしたいと思います。
灯灰合で商品が手に入りにくくなるっていうのは、利用者にとって悩ましいところですよね。
とは言っても、新しく生まれ変わった企業がどんな技術革新を起こすかっていうところも面白いところです。
前向きな面にもぜひ注目してみてください。
そして最後に、いつもプラントライフをお聞きいただき本当にありがとうございます。
この回が公開される11月30日で、配信1周年を迎えました。
1周年に伴う皆さんからのお便り、本当にありがとうございます。
次回は記念放送を予定していますので、ぜひお聞きください。
今回はここまでです。
プラントライフでは、化学や工場に関するトピックを扱っています。
毎週水曜日と日曜日の朝6時に定期配信しています。
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ちょっと短めの配信でしたけど、細く長く続けていきたいと思います。
今回もお聞きいただきありがとうございました。
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