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#80 硫酸ジメチル事故から考える 化学物質の怖さとSDSの重要性
2026-04-01 14:30

#80 硫酸ジメチル事故から考える 化学物質の怖さとSDSの重要性

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先日、硫酸ジメチルに関する事故の報道がされました。個人的には結構驚きで、注目した点について話してみました。

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サマリー

本エピソードでは、化学プラント技術者のかねまる氏が、先日報道された硫酸ジメチルによる死亡事故について解説します。この事故は、関東化学の工場で発生し、作業主任者の選任漏れが疑われています。硫酸ジメチルは強力なメチル化剤であり、毒劇法上の劇物や特化則第2類物質に該当する危険な化学物質です。適切な保護具や排気設備の不備、そして何よりも経験の浅い作業員が適切な指導なしに作業を行ったことが、悲劇につながった可能性が指摘されています。特に、試薬メーカーである関東化学でこのような事故が起きたことへの驚きと、情報公開の遅れに対する疑問も呈されています。

番組の再開と今回のテーマ紹介
こんにちは、かねまるです。 プラントライフは、化学プラントの技術者が、化学を軸に、皆さんの視野を広げていく番組です。
まずは、1週間放送をお休みいたしました。 単純に忙しかったです。
その関係もあって、日曜日と水曜日、お休みさせてもらったんですけど、 今回から改めて、また頑張っていこうと思います。
さて、今回のテーマは、硫酸ジメチルの事故の話です。 知っていますか?
1週間ほど前に、私もSNS経由で知ったんですけど、 ちょっと驚きの内容だったので、紹介してみようと思います。
この事故については、有機化学を専門にしてた人が特に驚きやすいような内容ですので、
どういう点に注目したのか、私の視点でお話をしてみます。
硫酸ジメチル事故の概要
まず、どんな事故だったか、埼玉新聞の内容を紹介します。
かすかべ労働基準監督署が、3月18日、労働安全衛生法違反の疑いで、
関東科学とそこの取締役工場長の60代男性を埼玉知県に書類送件した、という内容です。
その書類送件の内容というのが、昨年2025年6月23日に、
関東科学の創価工場で硫酸じめチレを使った作業で、 作業主任者を選任してなかった疑い、ということみたいです。
作業主任者を選任していなかった疑いとは言っても、この事件は一人が亡くなっています。
その理由は、硫酸じめチルという化学物質の特徴にあるんですけど、
まずは、この作業自体が元々どんな作業で行われていたかというと、
硫酸じめチルを保護眼鏡や防毒マスクなし、ゴム手袋のみで作業していたみたいです。
そして、その作業が終わった日に、喉や目の痛みを訴えて、翌朝、救急搬送されています。
作業に当たったのが6月23日。
そこから7月5日に、急性呼吸不全で亡くなっています。
硫酸じめチルを眼鏡とかマスクなしで、手袋だけで作業したら、亡くなるかもしれないということなんです。
硫酸ジメチルの特徴と危険性
次は、硫酸じめチルの特徴を見てみましょう。
硫酸じめチルっていうのは、科学業界ではとても有名な強力なメチル化剤というものです。
科学構造の中にメチル基と呼ばれる部位をつけることができます。
メチルなので、炭素原子に水素原子が3つくっついているような形をしています。
CH3って言ったりしますけど、そのCH3がどこかの科学構造のところにくっつく。
それがメチル化剤です。
いろんな部位にメチル基をつけたいっていうのはよくある話で、
染料とか香料、農薬、医薬品など、さまざまな用途が考えられます。
中でも、硫酸じめチルっていうのは強力なメチル化剤と呼ばれるくらいなので、
他のものに比べてメチル基が導入しやすい特徴があります。
反応性がいいって言ったりするんですけど、それのおかげで危険性ももちろん高いんです。
結構、化学物質っていうのは便利なものほど危ないっていうのが特徴的ですね。
比較的身近な硫酸なんかも酸性が強くて便利な部分はあるんですけど、
ご想像の通り危険なものです。
硫酸じめチル自体は私は使ったことがないんですけど、
やっぱりこの事件を受けてXのコメント欄を見てると扱いたくないっていう話をよく見ました。
それほど取扱いに注意がいるものだということだっていうのは想像ができました。
法規制と必要な安全対策
硫酸じめチルの特徴を確認するのは、SDSを見るのが一番です。
化学物質の特徴がすべて書かれています。
そのSDSの15番に適応法令というものがありまして、
この化合物がどの法令に該当するかっていうのが分かるようになっています。
中でも注目したいのは毒物及び激物取締役法、
いわゆる毒撃と呼ばれるものの中の激物に該当します。
そして特定化学物質障害予防規則第2類物質、特化則というものの第2類物質に該当します。
今回報道では作業主任者が選任されてなかったっていうことだったんですけど、
おそらくこの特化則に対する作業主任者の選任がなされていなかったんだと思います。
第2類ということでかなり危ない部類の化学物質に該当してるんですけど、
それに伴って作業主任者を選任しないといけません。
その他にも作業している方が機体を吸い込まないように
局所排気装置、ドラフトみたいなものを設置しないといけなかったり、
扱うにあたって保護具を使用したり、健康診断をしたりということが必要になってきます。
硫酸自メチルの沸点が大体76℃となっておりまして、
比較的揮発しやすいような物質になっています。
だからこそ排気設備っていうのはすごく大事です。
機体を吸い込まないようにするための防毒マスクも必須になります。
硫酸ジメチルの有害性と暴露限界
この機体吸い込んだらどうなるかって言いますと、
それはSDSの有害性情報というところに書かれています。
細かい情報は一旦抜きますけど、
例えば、吸入すると非常に生命に危険と書かれています。
あとは目に当たると重篤な目の損傷とか、
遺伝性疾患の恐れがある疑い、
またおそらく発眼性があるというような記載もあります。
化学物質評価研究機構のハザード評価シートというものを見てみると、
硫酸ジメチルの毒性は非常に高く、
96ppmに10分間の暴露で死に至るという記載もありました。
96ppmは1立方メートルに対して500mg、
1m×1m×1mの空間の中に0.5gある程度の濃度です。
今回事件があったみたいに換気するような場所もなくて、
マスクもつけてなくて、
そんな状態で作業してたらすぐに達してしまう濃度、時間だと思います。
この化学物質の作業をゴム手袋のみでということだったので、
ある意味、丸腰で危険な物質を扱ってたということとみなしていいと思います。
本来であれば、そういう対策というのを作業主任者が指示してやらせないといけないんですけど、
その作業主任者も専任されていなかったということです。
事故の驚きポイント:試薬メーカーでの発生
この事故の一番の驚きポイントっていうのは会社なんです。
関東化学っていう会社は馴染みがないと思うんですけど、
化学系、特に有機化学とか製薬とかもそうですかね、
そういった研究をされている方だったらものすごく馴染みのある会社さんなんです。
関東化学っていうのは試薬メーカーになります。
試薬っていうのは、試すに薬と書いて試薬なんですけど、
その名の通り、化学実験で使うような時に少量販売されているような化学物質です。
何か実験をしたい時にこの化合物が欲しいなってなったら、
かなりマニアックなものまで販売されていることが多いです。
だから研究者は、一からその化合物を作るんじゃなくて、
試薬メーカーから買ってくることで、
純度の高い物質を楽に手に入れることができます。
だから試薬メーカーっていうのは山のような化学物質のラインナップを取り揃えていて、
なおかつそういう物質たちを綺麗に合成することに長けたような会社さんなんです。
だからこそ、その試薬メーカーで、
ありえないなーって思うような事故が起きているってところに驚きが隠せないんです。
皮肉なことに、硫酸ジメチュルっていうのは、
関東化学もラインナップとして取り揃えていて販売をしています。
取り扱った部署が違うかもしれないんですけど、
知らなかったというには、なかなか難しいような状況です。
亡くなったのは20代の男性社員ということで、
もしかすると、この化学物質自体の危険性っていうのは理解していなかったかもしれないです。
入社して日が浅かった可能性もあります。
この辺りは情報がないんで何もわかんないんですけど、
事故が起きやすい状況と注意喚起
やっぱり事故が起きやすい時っていうのは、
新しい人が入ってきて、なおかつその入ってきた人が専門的じゃない、
そういう時に事故が起きやすいです。
そして担当する部署が忙しくて、
十分に説明できる、一緒について教えてあげるとか、
そういうことができない時に一層事故が起きます。
今この放送を聞いている方で、
あんまり化学物質を扱うよって方はいらっしゃらないかもしれないんですけど、
もし何かのきっかけで仕事が変わって化学物質を扱うっていうことがあった時は、
まずSDSを見るっていうことだけでも覚えてください。
SDSにはその化学物質がどんな特徴を持っているかとか、
どんな法令に該当するものなのかということが書かれています。
そして最後は私の個人的な気持ちの話で、
発表時期と個人的な疑問
シーンは何もわからないんですけど、
埼玉新聞から報道がされたのが3月23日。
同じ日に関東化学も発表をしています。
それは数日前の3月18日に書類送件されましたよっていう発表でした。
それで実際に死亡事故が起きたのが、
2025年6月数ヶ月前の話でしたので、
なんか発表遅いなっていう感じはあります。
死亡事故が起きてから9ヶ月後に
労働基準監督署がいろいろやるっていうのも、
そんな時間かかるかなって気になったりはしました。
要はちゃんと報告してたのかなってうっすら思っているだけです。
まとめと番組告知
自分のことは自分で守れるように、
まずはSDSを見るっていうところを頭に置いておいてください。
今回はここまでです。
プラントライフでは化学や工場に関するトピックを扱っています。
配信は毎週水曜日と日曜日の朝6時。
時々配信が難しくなる、遅くなる時も出てくるかもしれません。
番組への質問やご感想は概要欄のお便りフォームからお待ちしています。
感想については、ぜひハッシュタグプラントライフをつけて、Xで発信してください。
それではお聞きいただきありがとうございました。
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