そもそも技術士試験って結構ハードなんですよね。 一次試験と二次試験に分かれています。
一次試験はいわゆるペーパーテスト。 マークシートで大きく3種類の問題に答えていきます。
一つが専門的な科目。 私は科学部門を受けましたので、科学に関する専門的な内容、
有機化学とか無機化学、高分子化学、 そして科学プロセスという工業的な話も入っています。
問題の2つ目が基礎科目ですね。 基本的な工学知識を問われています。
力学とか情報とか、 あとは科学とか材料、環境エネルギー、数学なんかも出てきます。
そして3つ目が適正科目です。 技術士法の理解とか、PL法の理解とか、
知財の話、 ハラスメントの話、SDGs、
そういった技術者の倫理観に関する問題が出題されます。 こうした大きく3つに分かれた問題を回答して、それぞれの合格ラインに達すれば、
技術士一次試験に通ります。 この一次試験自体は3、4割ぐらいの方が合格するので、
特段難しい部類には入らないと思います。 問題は二次試験です。
二次試験には筆記試験と口頭試験があります。 筆記を受ければ口頭が待ってます。
今回私は筆記試験を受けてダメだったんですよね。 大体1割ぐらいの方が合格すると言われています。
二次試験がなかなかハードルが高いんですよね。 筆記試験は論文を書きます。
大きく4つです。 問題によって1800字の論文が2つ、
1200字の論文が1つ、 600字の論文が1つです。
どんな問題が出るか、 科学部門の私の受験した科目を例に紹介します。
例えば、地球温暖化対策のために二酸化炭素を利用するCCSという技術があります。
そのCCSを実現するための課題を挙げて、 その課題をどうやって解決するか述べて、
課題は解決したものの他にもこんなリスクがありますよというものを提示したり、
最後に技術者倫理とか持続可能性の観点でどういったことに注意したらいいかということを問われました。
この問題に対する論文を2時間1800文字で書かないといけません。
皆さんが思う資格試験と全く違うんじゃないですかね。
マークシートだったらこんなこと絶対ありません。 1つ1つ論文を読んで採点するので、だからこそ7月に受けて11月に結果が出るんですよね。
この問題は科学部門の方みんなが受けます。 実は科学部門の中でも有機化学とか無機化学、高分子化学、
科学プロセスという4つで分かれています。 私は科学プロセスのもっと工業的な分野に受験していますので、
そこの科学プロセスのところはさらに詳しく問題を回答しなければいけません。
科学プロセスを受験する人用の問題を1個紹介します。 最近は科学製品でも形とか色とか異物とか
そういった品質に関する基準が厳しくなってきています。 昔は代表して何個か抜き取って検査するだけでよかったんですけど、
だんだんと全て検査しなさいとお客さんから言われる場合もあります。 そんな莫大なお金がかかりかねない状況に対して
科学の製品を製造するプロセスを見てどんな品質に対する課題があるか、 そしてその課題を解決するための技術的な方法はあるのか、
最後にその業務を進めるときに関係者とどういった調整をすればいいのか ということを1200字で書かないといけません。
だいたい1時間ちょっとぐらいで書かないといけないやつですね。 今例に挙げた問題もゆっくり考えたら解けると思うんですよ。
もちろん100%正しい答えはないですよ。 でもゆっくり考えて、なんなら生成愛と一緒に考えて
そういったことがやっぱり試験中はできません。 限られた時間で手書きで論文をなんとか書き切らないといけないんです。
問題の内容を聞いていただいてわかる通り、 単純に技術者としての知識を求めているわけじゃないんですよね。
目の前にある正解のない課題に対して自分がどう考えてどのように進めるのか、 そしてその内容が論理的に破綻していないか、
倫理的に正しいのか、 社会をちゃんと見て考えているのか
そういったことを問われています。 試験に落ちてはいますが、こうしたことを1年間考え続けて自分なりにアウトプットを進めてきました。
たぶん今の仕事だと少し回り道かもしれないんですけど、 将来的にすごく資産になることだったと思っています。
そんないい試験だったら何回も受けたらいいじゃんって言われるかもしれないんですけど、 そういうことじゃないんですよね。
受かるまでやるとここからは合格に向けた勉強になりそうなんです。 というのも技術試験の論文ってちょっと型があるんですよね。
だいたい問題の出され方っていうのが決まっていて、人によっては回答内容を丸暗記して、 試験問題に合わせて回答を微調整するということも聞きます。
技術者としてどう成長していくかというところは1年間の勉強で理解してきたつもりです。
あとは実務とか、その他情報発信でもそうなんですけど、 こうした場面でどう発揮していくか考える方が有意義かなと思います。
そもそも試験勉強自体が相当時間かかるので、もういいかなーっていうのも感じています。
ちょっと不思議なエコシステムが出来上がっている状況で、 ここに入りたいと思わない限りは無理して取らなくてもいいかなとは思ったりしています。
もしくは仮に取れていたとしたら、 技術士としてこういう働き方があるってことを示せると良かったですね。
そんな未来が来るのか来ないのか私にもわかりません。 最後に皆さんも資格試験を受験すると思いますけど、
資格の意義っていうのを一緒に考えたいと思います。 実は資格にはそれ自体に効果があるものとないものがあります。
一番わかりやすいのは弁護士とか税理士とか、 その資格を持っていないと絶対できない仕事があるとき、業務独占資格と言ったりします。
これはわかりやすいですし、何か手に触をつけて仕事をしていこうと思ったら重要な資格になります。
そもそもそれがないと仕事ができないわけですからね。 そして私のような工場勤務だと設置義務資格というのが重要になってきます。
何か事業を行うときにこの資格を持っている人を最低1人以上置かないといけないような そんな場合があります。
工場に限らず衛生管理者という資格もその一つです。 その他にも公害防止管理者とか
危険物取扱い者とか こうした資格は持っていると仕事で有利になります。
反対に個人で仕事を受け負っていこうと思うときはあまり効果がないかもしれないですね。 知識としては十分役に立ちます。
業務独占資格と設置義務資格 そしてもう一つあるのが
名称独占資格です。 これが技術士なんですよね。
少し前に話をしました。 技術士って名乗れるのは
国に認められて登録した人だけなんです。 名称を独占しているから名称独占資格
技術士にならないとできない仕事というのはありません。 そして世の中にある資格のほとんどが今挙げた3つ以外の資格です。
新しい仕事ができるわけでもなくて 必ず資格保有者がいないといけないわけでもなくて
唯一名前を名乗れるわけでもない資格ということになります。 こうした資格の名前で検索をかけると
サジェストに意味ないみたいな文字が出てきます。 SNSでもよく議論になりますよね。
私も資格試験自体は体系的に学ぶにはすごく良いものだと思っています。 ただ
時間もお金も使いますので何のために受けるかというのを定期的に確認するようにしてみてください。
特に資格試験だと法律を覚えるようなことがあります。 受かるために法律を丸暗記するというのは間違いではないんですけど
その作業って目的にあっていますか? 場合によっては受験はしなくて公式の参考書を読むだけでもいいんじゃないでしょうか。
何かをやるときにとりあえず資格という風潮は若干あるのかなと思います。 受けた試験に落ちてしまって
これだけ頑張ったんだからと気がついたら何かの目的とは反して資格試験に合格することが目的に変わってたりする場合もあります。
皆さんには資格試験を受ける目的を考えてもらいたいというのと 投下した時間やお金を無視して意思決定をしてほしい
ということをお伝えしたいです 二つ目はサンクコットの話ですね