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フェスティナ連邸、この放送はSWCコミュニティメンバーのnomaがお送りしております。
はい、ということで、今日のテーマは、「君たちはどう生きるかをどう見るか?」というテーマでお話をしてみたいなと思います。
少し前にマスコットさんがスタイフ配信の方で、宮崎駿作品から学んだ3つのことという配信をされていました。
それすごい興味深くて、僕には全くない視点で気づきを話されていたので、
その配信ね、もしまだ聞いてないという方は、ぜひマスコットさんの配信先に聞いてみてください。
そのマスコットさんの配信のコメント欄を見た時に、まだ見てないんですよねっていう方が何人かいらっしゃったので、
であればこれから見る人に向けて、この作品ってどういうふうに見るといいのかみたいな話を、
僕なりの視点でちょっと話してみようかなというふうに思いました。
もちろんネタバレなしで話すので、その辺はご安心いただければなというふうに思います。
まずこの君たちはどう生きるかっていう作品なんですけど、前提としてすごい賛否が分かれている作品なんですね。
めちゃくちゃ面白かったっていう人がいれば、全然面白くなかったっていう人がいて、
結構真っ二つに分かれてるんですね。大体どっちかになる感想としては。そんな感じなんですね。
これに対してまず、なぜつまらないと感じてしまうのかっていうところ、僕なりのちょっと考えを話してみようかなと思うんですけど、
つまらないと感じる理由は、端的に言ってしまえば意味がわからないからですね。
本当に物語を単体で見たときに、本当に意味がわからないことは間違いないです。
それは本当その通りなんですね。だからそれが多分つまらなくなってしまう要因だっていうのはとてもよくわかります。
じゃあなんで意味がわからないのかっていうことですよね。
この意味がわからないのにはもう明確な理由があって、それはメタファーの解釈が無限にあるからなんですよ。
メタファーっていうのは簡単に言ってしまえば、その表面上の言葉の意味だけじゃなくて、その隠された別な意味があるよっていう、そういうものですね。
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例えば僕スタイフー配信で以前紹介したものだと、スピッツの愛の言葉っていう曲の中で君の目に映る海っていう詩を紹介したんですけど、
この君の目に映る海っていう言葉をそのまま海っていう風に捉えることもできるんですけど、
ここを涙っていう風に解釈したり、もしくは感動みたいな風に解釈したりすることもできるんですね。
これがメタファーっていう感覚ですね。
で、この君たちはどう生きるかに登場してくるいろんなものっていうのは、そのメタファーが何なのかっていうのが非常にわかりづらいんですね。
言ってみれば正解がないんですよ。
これはきっとこのメタファーなんじゃないかみたいなことって、結構多くの映画作品だとだいたい正解に近いものがあるんですよね。
きっとこれはこれのことを言ってるんだろうなっていうのがあるんですけど、この作品においてはその正解が全くわからないし、
おそらく宮崎駿監督自身もわかってないんじゃないかなっていう風に思ってます。
おそらくすごくぼんやりとした状態で投げて、それを受け取ってくれる人がどういう風に解釈するかっていうのを楽しむための作品のように思っています。
だから君たちはどう生きるかっていうタイトルなんじゃないかなっていう感じなんですよね。
だからそこらへんのメタファーの解釈がうまくイメージできない人にとってはつまらなくなってしまうのかなっていう感じですね。
やっぱりその意味を一個一個自分で定義するしかないんで、めっちゃ疲れるんですよ。そもそも見るのが。
だから正解みたいなものを探そうとしながら見ちゃうとすごいつまらなくなっちゃうと思いますね。正解がないから。
そういう性質があってつまらないって感じちゃうんじゃないかなって思います。
じゃあ逆に楽しめる人はどんな人なのかっていうと、これは多分僕の中では自分の中にテーマを持ってる人なんじゃないかなっていうふうに思います。
自分の中に何か大きなテーマを持ってる人っていうのは一つの世界が出来上がってるっていうイメージなんですよね。自分の中に。
で、それがこう君たちはどう生きるかっていう作品と結びついた時にすごくいろいろなことが繋がって、
あ、これはあれを指してるんだなみたいなことが自分の中でどんどん湧き上がってくるんですよね。
それが繋がっていくとめちゃくちゃ面白いみたいな。
てか自分のことを言ってる作品じゃんみたいな感じに見えるんですよ。
まあいわゆる鏡みたいな作品なんですね。この君たちはどう生きるかっていう作品は。
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自分の中に持ってるテーマが色濃く映し出される。それがメタファーとして解釈できるように映る。そんな印象です。
っていうのがまあ一つ楽しめる人の一つのパターン。でもう一つのパターンがあって、それは宮崎駿っていう人のコンテキストをよく知ってる人。
こういう人も楽しめると思います。
あのこの作品結構見方によってはその宮崎駿監督の歴史、過去の作品とかいろんなものがこう色濃く映し出されてるよねっていう風な見方もできるんですよ。
だからその辺のコンテキストを知ってるとそういう見方ができて面白いっていう人もいますね。
だいたいその2パターンかなと思いますね。自分の中にすごいテーマを持ってる人。
もしくは宮崎駿っていう人のコンテキストをよく知ってる人。この両者はこの映画をめちゃくちゃ楽しめるなっていうふうに思います。
SWCの人たちっていうのは結構自分の中にテーマを持ってる人っていうのが多い印象があるので、きっと好きって思う人は多いんじゃないかなっていうような僕の予想ですね。
そういう作品、本当に鏡みたいな作品で。
最近の言葉で言うと、アウラが反射してくる作品ですね。
自分の中にあるアウラ、文脈みたいなものが色濃く反射してくる。そんな作品だと思って見てもらえると楽しめるんじゃないかなっていうふうに思います。
でまぁ内容のこと触れないんでもう一つ切り口として、僕が結構参考になったよって話をすると主題歌の米津玄師さんの地球儀っていう曲があるんですけど、
このね地球儀っていうモチーフが僕の中ではすごいこの作品に対するイメージとしてすごくねマッチしたんですよね。
なんか抱いてた、なんかその丸い感じとかなんかそういうのがすごいそうだなっていうイメージ同じイメージを持ってたので、
この主題歌の地球儀っていうのを合わせて繋げて聴いたときにすごいいろんな発見があるなっていうふうに思いました。
でこの地球儀の中でね、ここからちょっと僕の個人的な話をしていくんですけど、地球儀の中ですごい好きな歌詞があって、
えっとねそれがなんだっけかなちょっと一旦検索していいですか。間違ってたらあれなんで。米津玄師地球儀。
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地球儀の中の一節で、「ああ小さな自分の正しい願いから始まるもの。一つ寂しさを抱え僕は道を曲がる。」っていう一節があるんですね。
ここがね個人的にはすごい好きで、「小さな自分の正しい願いから始まるもの。一つ寂しさを抱え僕は道を曲がる。」
でこの詩っていうのは米津玄師さんのインタビュー、僕聞いたんですけど、その時に宮沢賢治の春と白っていう詩集の中の
小岩井農場っていう詩からインスピレーションを受けてるっていう話を聞いていて、それをまた文脈として持ってるとよりこのアウラを纏う一節なんですけど、ここがねすごい好きなんですよね。
一応参考までに、宮沢賢治の詩の中のインスピレーションを受けたと言っていた場所もせっかくなんで読み上げてみたいなというふうに思います。はいじゃあ読みます。
もしも正しい願いに燃えて、自分と人と万象と一緒に至上福祉に至ろうとする。それをある宗教情操とするならば、その願いから砕け又は疲れ、自分とそれから経ったもう一つの魂と、完全そして永久にどこまでも一緒に行こうとする。この変態を恋愛という。
という詩ですね。とてつもない詩ですよね。読んでても読むたびに思いますもんね。とてつもない詩だなっていう。
ここが凝縮されたのがさっきの四年三の詩ですね。その願いから砕け、砕けた願いがあるんですよね。砕けた願いがあって、四年三の詩で言うと小さな自分の正しい願いから始まるもの。
だから元々はあったんですよね。そのピュアな純粋な願いっていうものがあったんだけど、やっぱりその純粋な願いを抱えたまま真っ直ぐ生きるのはやっぱり難しいんですね。
どっかでその願いが砕けて道を曲がらなくちゃいけない時が来るっていう。
この四年三の詩の中ですごくいいのが、その時に一つ寂しさを抱えっていうところなんですよね。
僕はこの抱えたこの一つの寂しさみたいなものが、なんだろう、創作の原点になる感情なのかなっていうふうに捉えていて、すごく重要な深いところに必要な寂しさなんだろうなっていうふうに感じるんですよね。
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で、それにちょっと合わせてさっきの恋愛農場の一節の詩の中で、もう一つね、この宮沢賢治っていう人がその寂しさについて言っている箇所があって、ここもすごくいい詩なのでちょっと読み上げてみたいと思います。
もう決して寂しくはない。何遍寂しいと言ったとこで、また寂しくなるのは決まっている。けれどもこれはこれでいいのだ。すべて寂しさと悲傷等を抱いて、人は透明な軌道を進む。
っていう詩なんですね。これですよね。もう寂しさはもうね、なくならないのであると。だからすべての寂しさは、悲傷等を抱いて、透明な軌道を進むんだよということですよね。この透明な軌道っていう表現がめちゃくちゃ好きですね。
言ってみれば先の見えない道みたいなものだと思うんですけど、この米津さんの詩でいうとその道を曲がった先ですよね。そこは本当にもう先がわからなくて透明な軌道なんだけど、そこを歩く支えになる、杖になるのがそこで抱えた寂しさなんじゃないかなっていうふうに思うというところですね。
ここのワビサビ、非常に素晴らしいですよね。この辺とかもね、僕の中ではその映画に結構リンクするところがあって、非常にこの曲がこの映画を紐解くヒントになったなっていうふうに思います。
はい、ということで結構長くしゃべっちゃいましたね。結構サクッと終わらせるつもりだったのが結構長くしゃべっちゃったんですけど、ぜひねこれから見るよっていう方の参考になれば嬉しいです。ということで最後まで聞いていただきありがとうございました。
野間でした。スロスロスロース。