長詩吟じる際の注意点
詩吟の魅力を発信する、詩吟チャンネル
おはようございます。こんばんは。詩吟チャンネルのheyheyです。
このチャンネルは、詩吟歴20年以上の私、heyheyによる、詩吟というとてもマイナーな日本の伝統芸能の魅力や吟じ方について、
分かりやすくザックバラにお話ししていくチャンネルです。
皆さんいかがお過ごしでしょうか。
昨日は日曜日だったんですけど、気温は下がりつつもめっちゃ天気が良くてですね、家族で出かけました。
いろいろお出かけができて楽しかったんですけれども、子どもが生まれる前はですね、
こういう10月の下旬に、長野の小室のワイナリーで、そこを初めて行った時にはそれほどにめっちゃいい秋晴れの日でですね、
しかも山の中で広場があって、ステージがあって、そこで僕たちはゴスペロを歌ってたんですけれども、
降りてきたらですね、ワイン飲み放題だからみんなやんややんやしながら騒いでるんですよ。
ワイン飲みながらいろんなお酒のつまみを食べたりして、他の人のイベントを楽しみながら、
奥さんともその時は一緒にいたんだろうな、言いましたね。
やったし、ゴスペロを歌ったし、飲んだし、ほとんど最高な印象があってですね、
また子供がもう少し落ち着いたら、行っても大丈夫な感じになったら、またそういう天気の良い日にですね、
即断即決で行ってみたいなとか、そういうことを思い出した日でした。
本当に良い天気でしたね。
吉祀峠の戦い
ということで、今日本題の方に移りたいと思うんですけれども、
今日はですね、長い詩、長詩ですね。
立詩よりも長い長詩を吟じる時に気をつけていることというテーマでお話ししたいと思います。
立詩も詩吟を始めたばかりの方は、
5音ゼク、7音ゼクを吟じるだけで大変ですし、
僕も最後まで吟じきれないっていうのもいくらでもありました。
ただですね、だんだんと慣れてきて、立詩も吟じれるようになってくると。
そうなるとですね、今度は長詩が課題として出されてくるわけです。
この長詩、吟じることなかなかないですし、大会で吟じることはないんですけれども、
発表会とかでたまにあるかなぐらいのところです。
とはいえやはり長詩も結構世の中にはたくさんあってですね、
これが吟じ切れたら嬉しい。
単純に自分一人でちょっとした映画を感じ取ったような、そんな感覚になります。
僕がよく吟じているし、教わったし、長く練習してきたものは、
サッサとモフサーが作った吉祀峠の戦い。
西南戦争の激しい戦争の中に戦いが2つあったんですけど、
そのうちの1つが吉祀峠の戦いだったんですね。
これは立詩よりもさらにもうひと回り長いんですね。
だからゼックが3つ分ある形になります。
これをよく吟じていたんですけれども、
これも吟じ切れるようになるまでにめちゃくちゃ時間かかりましたね。
着手した時はまだ中学生、高校生とかで全然段位としては早かったんですけど、
そこから数えたらどれくらいだろう。
3年から5年くらいかかったような気がしなくもないです。
改めて吟じ切れるようになった今の視点から、
このような調子、特に力強かったり激しかったりするんですけど、
こういう激しいものをどうやったら吟じ切れるようになるのか、
普段私が意識していることをお話ししていくという内容になります。
吟じるテクニック
まず1つ目は、
1つ目は腹7分目から8分目くらいの力加減で吟じています。
最初からゼックの気分で腹9分目、10分目くらいでやっていると、
持たないですね。
だから最初からちょっと気持ち下げた形で、
体力を温存しながらやっているというのが正直なところですね。
知らないうちは最初からフルスロットルで、
しかも吉祀峠の戦いは最初から転句みたいなのが来るんですね。
君、水よ!という風にガーンと来るんで、
ついついやりがちなんですけれども、
これをやると最後はもうカスカスになってしまうということです。
なのでもう最初から最後を意識しながら、
腹7分目、8分目くらいでキープするという、
そういうところが1つ目のポイントですね。
そして2つ目。
2つ目は息継ぎができるところはちゃんとやる。
息継ぎ、吸って溜めるをより気をつけているというところです。
長いのでですね、
喉の体力がどんどん削られていきます。
呼吸も浅くなっていくんですね。
呼吸が浅くなると溜めができなくなってきて、
溜めができなくなると喉への負担がかかってきて、
最後は垂れてくるという手順が進んでいくんですね。
なのでそうならないために、
ちゃんとまず吸う、そして溜める。
で、喉に負担のかからないように、
鍛錬を意識して発声方法を気をつけるという。
これをですね、ちゃんと息が吸えるところは、
しっかりしっかり吸って溜めて吸って溜めて、
っていうのをだいぶ気をつけています。
本当そこらへんを雑にするとですね、
あっという間に声が出なくなるので、
この吸って溜めるというのを気をつけているというのが2つ目のポイントですね。
そして3つ目。
3つ目は1音目の丁寧さも重要視しているという話です。
これ2つ目の話につながるんですけれども、
吸って溜めて、この1音目の発声ですね、
ここを急に喉に引っ掛けたように、
ああーとかってやるともうダメになってしまうんで、
ここをですね、丁寧にやらないと、
ちゃんと腹式の発声にいかないんですね。
これは油断すると。
こういう腹式の発声は一度できたら自動でできるようなものではなくて、
意識して意識してを続けないといけない。
これは指紋も長いから、最後までそういうことを意識し続けないといけない。
これは結局どういうことかというと、
呼吸の方も意識するし、1音目の発声も気をつけないといけない。
必然的に1音目の扱いがですね、一言目と言いますか、
それがすごく丁寧にやらざるを得ないんですね。
君水矢の木とかですね、
とっこつの戸とかですね、
空を増してーとか、
そうそうとかですね、
こういう1音目をだいぶ気をつけていかないと、
ちゃんとお腹使ってるなーっていうのを感じながら、
1音目を出していかないとすぐに喉がやられてしまうというところになります。
4つ目ですね。
本当の一番の聞かせどころはどこかを決めるということです。
長いんでですね、
希少転結の転句でここだという風に言えたらいいんですけれど、
結構いろんな場所があるんですよ。
盛り上がりもですね、小盛り上がりと中盛り上がりと大盛り上がりがあるわけなんですけど、
別に僕の造語なんですが。
あるんで、
じゃあ本当に一番盛り上がらせたいところはどこなのか。
そこにちゃんと行くように設計していかないとですね、
なんとなくここ盛り上がりだからじゃあ思いっきり盛り上がろう。
で、次もまた来たな。もう一回盛り上がろう。
じゃあもう一回やろうっていう風にやってると、
一番盛り上がりたいところがですね、
もう体力切れになってしまうわけです。
だからこの中で盛り上がりたいところはいくつかあるけれども、
本当に一番のところはどこかな。
その2番目はどこかなみたいな。
いろんな考え方をして、
強いところを設計していくと。
そこが設計できればですね、
じゃあその手前は弱くするとかっていう風に、
緩急強弱のバランスが取りやすくなってきます。
吉祀峠の戦いはですね、
後で詩文はちゃんとYouTubeの方に示すんですけれども、
一番最後から1個手前の列ですね、
ここが僕は一番頑張ってますね。
一番盛り上がり。
高校音が一瞬入るところ。
ここがカスカスになってくると、
吟じるためのテクニック
もう残念だなっていう風になります。
でも今までそれがしないうちはですね、
君水矢からですね、
全力でやっていたと。
じゃあ本当に強いところはどこなんだいと。
僕自身も吟じるときに体力が持たないし、
聴いている人にとっても、
どこをメインで聴けばいいか分からないってことになるんですね。
というところが4つ目、
一番聴かせたいところ、
強く見せたいところを決めるということです。
あと最後5つ目ですね。
5つ目は、これで最後かな。
テンポ良くいくということです。
これに尽きるかなと思いますね。
呼吸は大事なんですけれども、
呼吸をたっぷりしないところはですね、
ちゃんとテンポ良くすぐつなげていく。
場合によっては呼吸行き継ぎもほぼせずに、
ダラダラといくと。
それぐらいのテンポ感でいかないとですね、
ゼックを2分でやるような心持ちで調子をやっているとですね、
本当に持たないです。
なので、僕の場合はニック3足的な感覚で、
あっという間にですね、
たんたん、たんたんたたんと、
一言でつなげれる文章としてつながっていそうなところは、
極力つなげたりテンポ良くして、
結構巻きでいくという感じです。
8割7割の力かつ巻きでいくことによって、
最後まで何とか吟じれるかなという、
そういう感じです。
本当に大ベテランの先生とかはですね、
いやいや、そんなところまではせずにですね、
ちゃんと丁寧にやってますよという方もいらっしゃると思うんですけれども、
僕レベルであればですね、
そこまでの余裕がないので、
こんな感じで何とかツギハギをしながら頑張っていると。
ただだんだん吟じているうちにですね、
楽しくなってきて、
これは吟じ切ってやるぞという気力が湧いてきて、
最後頑張れるというところもあったりするんですね。
普通のゼックをやるのとはまた違う楽しみがあります。
ということで5つお話ししてみました。
調子チャレンジすることはなかなかにないと思うんですけれども、
ぜひ自分でですね、
吉祗峠の戦い
こういうことは学ばずともそれっぽい形でやってみてもいいですし、
場合によっては僕に音源を送ってもらえれば、
微妙に若干訂正とか、
添削とかできるかなと思います。
ということで、
後半ですね。
実際に今日のサッサともふさ作、
吉祀峠を吟じていきたいと思います。
ではまず詩文を読んでいきますね。
長いです。
吉祀峠の戦い、サッサともふさ。
黄泉水や吉祀の剣は城よりも剣なり、
突っこつ空を増して道走行。
煙は込む高瀬河辺の水、
風は巻く山の丈豊穣の旗。
一朝敬意を伝えて笑って相待てば、
たちまち聞く戦軍万馬の声。
硝煙雲となり霊雨となる、
壮志の一鳴光芒よりも辛し。
督寒の声は巨砲にわして響き、
山は叫び谷は吠え剣魂轟く。
豊勢頼るところ生成静かなり、
一輪の光月陣営を照らす。
ではどういった内容かですね。
君は知っているだろうか。
吉治峠の瞬間差は城壁を上るよりも困難だということ。
崖は霧立ち道は険しい。
高瀬川から上る霧に視界も定かではなく、
山の丈の峰の風が旗指し者を吹き上げる。
ひとたび敵衆が伝わり笑って相対すれば、
たちまち戦軍万馬の敵が押し寄せてくる。
硝煙は雲のように立ち、
銃弾は雨のように降り注ぐ。
勇壮な兵士の生命は鳥の羽よりも軽い。
敵陣に突入の時の声が宝星と共に山に叫び、
谷に吠え天地を轟かせて響く。
やがて宝星は絶え、松の梢を渡る。
風を共静寂な中を一輪の高高たる月が陣営を照らし出すのである。
この最初の激しさ、盛り上がりから一番最後の静けさがですね、
このコントラストが本当に素晴らしいなと思います。
だんだん鼻詰まってきたんですけど、
頑張って臨時で終わっていきます。
吉祀峠の戦い。
さっさともふさ。
君水谷。
吉祀の剣は白よりも剣なり。
とっこつ空を増して道そこ。
煙は高瀬下辺の水。
風は巻く山の滝。
宝錠の旗一丁剣を伝えて。
笑ってあいまてばたちまち聞く。
千軍万馬の声。
硝煙雲となり。
玉雨となる草死の一鳴。
雲よりも明るし。
とっかんの声は氷にわして響き。
山は叫び谷は吠え。
剣魂とどろく。
高瀬頼るところ。
小聖静かなり。
一輪の光月。
神明を照らす。
とっかんの声は氷にわして響き。
とっかんの声は氷にわして響き。
シギンのミルクを発信するシギンチャンネルどうもありがとうございましたバイバイ