詩吟の「渡り」の解説
詩吟の魅力を発信する、詩吟チャンネル
おはようございます。こんばんは。詩吟チャンネルのheyheyです。
このチャンネルは、詩吟歴20年以上の私、heyheyによる、詩吟というとてもマイナーな日本の伝統芸能の魅力や吟じ方について、
わかりやすくザックバラにお話ししていくチャンネルです。
皆さんいかがお過ごしでしょうか?
通常配信だと、まあ結構久しぶりな感じになるんですけど、
まあ今のところは体調は崩さずに、睡眠時間もなんとかキープしながら引き続き活動を頑張っているところでございます。
今娘は2歳7ヶ月になってですね、最近人の前に立って歌って踊るようになり始めましたね。
奥さんのご実家に行ってですね、台の高いところあるんですけど、
そこで何々歌ってアンパンマン歌ってとかって僕がそうだとかって歌ったらですね、
なんか一緒に適当な振付で歌って踊り始めたんですね。
これはかわいそうと思ってね、完全に親バカな感じになっております。
これからが楽しみだなというところですね。
ではでは、今日の本題に行きたいと思うんですけども、
今日はですね、渡りについて解説して、
それの対策、完璧な対策ではないんですけれども、
できる範囲でですね、お話ししていきたいと思います。
渡りという言葉ご存知でしょうか。
漢字でひらがなで渡りなんですけれど、
どうだろう、漢字だと川を渡るとかの渡るですね、
三次に土ですよね、渡りとかだと思うんですが、
これはどういうものかというと、
言葉が間延びしているように聞こえるときに、
これは渡りになってますね、原点みたいな。
そんな形で、大会にはもちろんよりますけれども、
原点される対象になりやすいものになっております。
言字で見た方がやっぱりわかりやすいですね。
渡りがない状態であれば、
こんな感じになるんですけれども、
これが渡りがある場合は、
この微妙な違い、わかりますかね。
なんとなく後者の方が幼い感じがするように思いませんかね。
具体的に言うと、言葉に母音が強調されている、
母音がしっかり存在してしまっている状態というのが渡りになります。
クニ、クニやぶれてであれば、
クニって言うべきところなんですけど、
クの後にウが強調されていて、
クニ、クニ、クニ、やぶれてもですね、
やぶれて、やぶれて、
この母音がですね、
全部しっかりと存在感を放っているような状態。
これが渡りになります。
こういうふうに全部渡りになっていたら、
これはわかりやすいんですけれども、
取り立てで大会の場合はやはり、
この一部だけですね、
一部だけ、ちょっとここ渡りになっているなとか、
そんな形で原点されることが多いので、
本当に僕も未だに指摘されています。
つい先日の試吟の稽古行ってきたんですけど、
いっぱい言われましたね。
だから僕もそんな対して人に言えるところではないので、
皆さんともある意味同じ目線でですね、
解説していこうかなと思います。
渡りがなぜ駄目なのかというとですね、
幼く聞こえるというのもありますし、
詩吟というのは詩と吟なんですね。
詩を吟ずる。
詩文があってそれに設定をつけて表現をしていくというものになるので、
まず詩文は詩文として丁寧に正確に読む必要があります。
ただこれが渡りになっているというのはですね、
ある意味このメロディーが混ざってしまっているのは、
本来は詩だけでやるのが美徳とされているのに、
メロディーが混ざってしまっているのが、
うまく切り分けられてないよねという、
そういう本質的な悪さがあります。
詩と吟をちゃんと分ける必要があるんですね。
じゃあ具体的にどういう風にやっていけば良いのかなんですけれども、
一番ベースになるのは素読になりますね。
やっぱり素直にその詩文を読むことになります。
国破れて惨があり。
これをだんだんとゆっくりやって、ゆっくり読んでいくと良いですね。
国破れて、国破れて惨があり。
国破れて惨があり。
国破れて惨が。
という風になっていきます。
そうなった場合に、ゆっくりやるからといってですね、
国破れて、国破れてという風には、
多分子供以外はそうならないはずなんですね。
むしろそうならないように、ゆっくりした素読というものをやっていって、
そこに吟に変えていくというのが、
僕の中では一番しっくりくるかなと思っています。
そしてもちろん意識的にですね、
この母音を消すというのも大事なんですが、
よく注意されるのはですね、
せんとかせいとかかんとかですね。
こういう、このんとか、一息で2つの言葉が
ひとまとめになっているような言葉があると思いますね。
さんがありのさんですね。
しろはるにしてそうもくふかし。
ときに感じてはのかんとかですね。
こういうところ。
さんがのところもさんがさんがという風に
このあを強調するのはやっぱりおかしいので、
ここらへんはより意識的に詰めていくというところが大事になります。
さんがさんがという風に、
この2つの言葉が1つになっているところは縮めていく。
これも結構よく指摘されるところになります。
あとはそうですね、やれることとしたら、
言葉を粒で考えるというのも僕はありかなと思っています。
くにやぶれても、くという大きな言葉の粒があって、
にという大きな言葉の粒があって、
その大きな言葉の粒をボンボンボンと置いていくと。
一気にのんべんだらりとバーッとつながっているような形ではなくて、
大きな粒が連なっているだけですね。
どんどんどんどんどん。
くにやぶれてやぶれて
さんがさんが
という風にだんだんやっていくという意識が、
僕が今実践しているところになります。
あとは先生に細かく指摘してもらうとかね。
私ここちょっと丁寧にやりすぎているような渡りになってないですかね、みたいな。
そんな形で聞けたらもう100点なんじゃないかなと。
生徒としては100点なんじゃないかなと思います。
いや本当にですね、いまだに僕指摘されますね。
特に最近指摘が増えてきたような気がします。
他を意識するとか、一層丁寧にやろうとした場合に、
この渡りが出てきてしまうんですよね。
丁寧に。僕丁寧にやっているだけなんです。
だからやっぱり本当に真面目にゆっくり丁寧にやろうとしている人ほど、
渡りで逆に指摘されることが増えていって、
あれ今までは評価されていたのに、
なんかうまく評価されなくなってきたわという方は、
渡りが原因である可能性が十分にあるかなと思います。
李博の「春夜落城に笛を聞く」
ということで渡りだけについてですね、
ここまで特化した説明、
多分させてもらうことなかなかないと思うので、
参考になりましたならば幸いです。
よし、では後半一ついきたいと思います。
今日吟じるのはですね、もう春、
春というかもうそろそろ初夏になりそうなんですが、
春といえばですね、やっぱりこのおしゃれな曲が一番思い浮かびます。
李博が作りました。
春夜落城に笛を聞く。ですね。
では詩文から読んでいきましょう。
あ、でも今日ちょっと時間ないな。
詩文だけ読んで通釈はあえて読まないでいいかなと思います。
うん、本当に詩文の意味だけで伝わるかなと思いますので。
他が家の玉敵か暗に声を飛ばす。
惨じて春風に入りて落城に満つ。
この夜曲中雪流を聞く。
何人か公園の城を起こさざらむ。
もう言葉に、銀にしなくてもすでにめちゃくちゃ美しいしおしゃれというところです。
では春の夜を歌ったこちらを吟じたいと思います。
春夜落城に笛を聞く。
李博。
他が家の玉敵か暗に声を飛ばす。
惨じて春風に入りて落城に満つ。
これは渡りの回でやるべきじゃなかったですね。
多分いろいろ渡ってる気がしますね。
渡ってるって長くつかないと思うんですけど。
優しくて滑らかで柔らかな感じ。
これとこの渡らないようにするのは非常に難しいですね。
ということで詩文によっても難しさが全然違ってくるよというところも知っていただけたらいいかなと思います。
エピソードの締め
では明日は限定効果アドバイスになるので通常配信は明後日かなと思います。
ではでは詩吟のミルクを発信する詩吟チャンネルどうもありがとうございました。
バイバイ。