第百六十二話『哀しみと向き合う強さ』-【愛知篇】童話作家 新美南吉-
2018-10-06 14:39

第百六十二話『哀しみと向き合う強さ』-【愛知篇】童話作家 新美南吉-

愛知県半田市の矢勝川周辺には、9月下旬から10月上旬にかけて彼岸花が咲きほこります。
半田市で生まれ育った童話作家・新美南吉は、名作『ごんぎつね』の中でこう書いています。
「ひがん花が赤い布のように咲きつづいている」

今年、生誕105年、没後75年を迎える新美は、矢勝川沿いを散歩するのが大好きだったといいます。
わずか30年ほどの人生で、彼は数多くの童話、童謡、詩や短歌を残しました。
特に『ごんぎつね』『狐』『手袋を買いに』のキツネ三部作は、時代を越えて、ひとの心にしみわたり、たくさんのひとに読み継がれています。
彼の作品の何がそこまで、人々を惹きつけるのでしょうか。
新美南吉は、「かなしい」という二つの漢字を組み合わせた「悲哀」を大切にしました。
彼の15歳のときの日記には、すでにその決意が書かれています。
「やはり、ストーリィには、悲哀がなくてはならない。悲哀は、愛にかわる。けれどその愛は、芸術に関係あるかどうか。よし関係はなくてもよい。俺は、悲哀、即ち愛を含めるストーリィをかこう」
彼は幼少期に、親の愛を知らずに育ちました。
だからこそ、彼が書き続けたのは、母と子の絆、そして、愛するがゆえの哀しさでした。
哀しいというのが、人生の基本である。
だからこそ、ひとはお互いをいたわり合い、助け合い、つながって生きていく。
そんなメッセージは、今の時代こそ必要なのかもしれません。
夭折(ようせつ)の童話作家・新美南吉が人生でつかんだ、明日へのyes!とは?

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