第百七話『志をつなぐということ』-【広島篇】児童文学者 鈴木三重吉-
2017-09-16 13:52

第百七話『志をつなぐということ』-【広島篇】児童文学者 鈴木三重吉-

日本児童文学の父と呼ばれる、鈴木三重吉(すずき・みえきち)は、広島市に生まれました。
生誕の場所には現在、大手家電量販店の本店が建っていますが、三重吉への敬意を表し、壁面にここが生誕の地であるというプレートが飾られています。
さらに原爆ドームの近くには、彼の文学碑があり、彫像の左肩には、小さな鳥がのっています。
『赤い鳥』は、彼が後半生の魂を込めた文学史に残る児童文学雑誌。
彼は、夢の翼を持った赤い鳥、すなわち、若き才能のある作家たちを大切にしました。
芥川龍之介の『蜘蛛の糸』、有島武郎の『一房の葡萄』、新美南吉の『ごんぎつね』も、三重吉の『赤い鳥』がなかったら、この世に生まれてはいなかったでしょう。
自分自身も小説を書き、名作を産みだしたにもかかわらず、ある時期に筆を折り、後進の発掘に全てを賭けた鈴木三重吉。
彼は、世の中とうまく相対することができず、心を病み、身体を壊すことを繰り返しました。
彼の作品にはこんな一節があります。
「どんな人でも孤独を感じる。孤独と必死で闘おうとする執念を持ち続けることこそ、生きる意味を感じさせる。そこに、生きることの喜びを感じるのだろう」。
立ち上がっては倒れ、倒れては立ち上がり続けた孤高の作家。
虚無と絶望の淵にあった彼を激励し、鼓舞したのが、文豪、夏目漱石でした。
三重吉は、漱石がいなかったら、自分はこの世に生きてはいないと思いました。
だからこそ、彼にはやらねばならぬ人生の一大事業があったのです。
児童文学者、鈴木三重吉が、人生でつかんだ明日へのyes!とは?

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