第百十八話『独自のスタイルを貫く』-【鹿児島篇】画家 東郷青児-
2017-12-02 13:58

第百十八話『独自のスタイルを貫く』-【鹿児島篇】画家 東郷青児-

鹿児島県出身の画家、東郷青児(とうごう・せいじ)は、今年、生誕120周年を迎えました。
柔らかい曲線と独特の色使いで描かれた美人画は、オリジナリティにあふれ、ひと目見ただけで、それが東郷青児の作品であることがわかります。
彼は、わかりやすさを大切にしました。
夢見るように目を閉じる女性の絵は、本や雑誌の表紙を飾り、包装紙や喫茶店のマッチにまで採用され、「この絵は、芸術なのか?」と揶揄されたこともありました。
それでも彼は、独自のスタイルを貫き、生涯、確立した作風がブレることはありませんでした。
二科会のドンとして君臨、「帝王」の異名をとる一方で、数々の女性とのスキャンダルは新聞を賑わせました。
特に有名なのが、作家・宇野千代との情事。
宇野は、東郷から聞いた話をもとに『色ざんげ』という小説を書きました。
そんな浮世の出来事を全く感じさせない、静謐で純粋な、彼の作品。
それはまるで、深い深い海の底に光る石のように、見るひとの心に沈黙の感動を呼び起こします。
懐かしい記憶のような、胸の奥のうずき。
鹿児島藩士の名家に生まれ、幼少時代から並外れた才能を持ち、ひとめを惹く端麗な容姿まで手に入れた、稀代の画家。
手に余るものを持ちながら、彼はそれらを投げ捨て、画壇の道に進み、誰もやったことのない画風に挑戦しました。
批評は常に、芸術と通俗の間で揺れ、そのどちらからもバッシングを受けたのです。
それでも、彼は自分のスタイルを曲げませんでした。
独自の画風を貫き続けた画家・東郷青児が、人生でつかんだ明日へのyes!とは?

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