第百三十七話『偉くならない』-【東京篇②池袋】画家 熊谷守一-
2018-04-14 14:38

第百三十七話『偉くならない』-【東京篇②池袋】画家 熊谷守一-

もっと上を目指したい、もっとお金がほしい、もっとひとに認められたい。
何かに背中を押されるように、焦る毎日。人生は、もっと、もっとの連続です。
あなたは、そんな毎日に疑問を持ったことはありませんか?
負けたっていい、ダメでもいい、カッコ悪くても仕方ない。
そう弱音を吐きたくなったことは、ありませんか?
ここに、晩年の数十年、自宅の庭から一歩も外に出なかった画家がいます。
彼は、お金とは無縁。文化勲章も断りました。
彼の名は、熊谷守一(くまがい・もりかず)。
昨年没後40年を迎え、特別展が開催されるやいなや、再び脚光を浴びました。
山崎努主演で、彼の晩年の生活が映画になり、5月に公開されます。
東京・池袋にある「豊島区立熊谷守一美術館」。
晩年暮らした家があった場所に建てられました。
彼が住んでいた頃の池袋は、「池袋モンパルナス」と呼ばれ、若く貧しい画家たちが、アトリエ付きの安い部屋で創作に打ち込んでいました。
彼は、自分の家の庭が大好きでした。
来る日も来る日も庭だけを眺め続けたのです。
熊谷は、ある生徒に「先生、あの、どうしたらいい絵が画けますか?」と聞かれ、こう答えたといいます。
「自分を生かす、自然な絵を画けばいい。下品なひとは下品な絵を画きなさい。馬鹿なひとは馬鹿な絵を画きなさい。下手なひとは下手な絵を画きなさい。結局のところ、絵は、自分を出して自分を生かすしかないんですよ。自分にないものを、無理になんとかしようとしても、ねえ、キミ、ロクなことにはならないよ」
ひとにほめられることをいっさい願わず、貧乏なまま、有名になろうとも思わず、ただ己の庭だけを見つめ続けた画家、熊谷守一が人生でつかんだ明日へのyes!とは?

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