でもやっぱすごい思うのは、できないことをできるようにしていくっていう、やっぱ健常者に近づけていくっていう価値観。
まあ今の特別支援教育ちょっと多いと思うんですけど、それよりもやっぱりすでにできてること、すでに面白いよねってところを伸ばしていくっていうところに価値筋というか、
可能性は絶対にあって、そっちがもっともっと推進されていくべきであるっていうのは、その通りだとすごい思います。
Joi Ito's Podcast前回に引き続き、ヘラルボニーの松田崇弥さんをお迎えしています。
ヘラルボニーは最近お忙し。密着ドキュメンタリーに登場したり、雑誌フォーブスの表紙を飾ったり、パリに現地法人を開設して海外進出を果たしたり、
そして障害のある作家を発掘するアワードを開催したりと、クリエイターの可能性を広げる挑戦を次々と行っています。
2025年以降、どんな活動を予定しているのか伺ってみました。
次どういう方向に向かっていってるの?海外展開をして、今度アワードをやって、世界中のいろんなアーティストを発掘していって、どこに行くと成功したって感じになるの?
そうですね。私もその、メゾンブランドの一員になりたいって思ってると、最近は思われるんですけど、LVMHさんといっぱいいろいろ始まったから。実は全然そうではなくて、正直キティちゃんぐらいになりたいです。感覚として言うと。
やっぱキティちゃんも毎年メゾンブランドとのコラボもあれば、100円ショップになってありますよね。
本当にやっぱりいろんな人、可愛いっていう価値観で、みんな仲良くの世界観を世界中に広げてますよね。なんか、やっぱああなるためには、ちゃんとすごいよなっていうドカーンっていう事例を作らないと、
今突然多分、いろんなところにバーッとライセンシングしちゃうと、もうそういうブランドになってしまうなっていう。
その成功ってどういう、例えばどんな感じの成功なんですか?プロジェクトとして。
めっちゃ遠いところで言うと、例えば何だろうな、ヘラルボニースイミングスクールって言われたら、ここは障害がある人もない人も当たり前に行けるスイミングスクールなんだとか。
でも今ホテルとかバスとかあるけども、あれはデザインのラッピングだよね。今はその中身もインクルーシブになってて、そういう意味?
そうなりたいってことです。今はもう純粋にバスとかも、別にそんなインクルーシブなバスだからやってますではなく、シンプルに電車もやってますけど、そういうわけじゃないです。ただ、将来的にはもっとそういう。
なんかデートの時に、わざわざ兄貴の障害なんてしないって言ってたけども、それってまだ革命が起きてないからなような気がしていて、
うちの子も自閉症で、自閉症しかしない変顔するんだけどすごく可愛くて、わかってくれたら絶対可愛いと思うし、彼女とプールとか一昨日かなんか行って、すごい変顔しなかったら変なことしてて、すごく楽しくてワイワイやってるんだけども、
なんかそれがこう、みんなにもわかってもらいたいぐらい楽しいわけで、やっぱり日本ってこう排除して見えないようにしてるから、みんなわかんなくて違和感を感じてるけども、
その面白さを今、デザインのとこから持っていってるけど、もっと根っこのとこも持ち込めるんじゃないかなという感じ。
おっしゃる通りです。まさに、やっぱり今はアートっていう領域を通じて非常にカジュアルな出会いを作ってるけど、もっとなんだろう、それこそうちの兄貴もなんか、車とかもなんか閉めるとき、ダンダンダンダンダンダンって閉めるんで、
ここはトヨタのチェック工場かっていうぐらいの感じですし、なんかね、ダンダンダンダンダンダンダンって20秒ぐらいですよ。そういうのとかも、母親からすると多分なんか、ファミリーレストランはいけるけど、レストランはいけないですよね。気使うから。
でもそういうのがなんか、面白いなこの人、なんでこんなとこで笑っちゃってんだろうとか、自分たちには持ってない価値観を持ってるのがもう事実なので、ああいうところがやっぱり、それこそAIとかが対等してるからこそ、AIでも読めない世界観っていうか、面白いんじゃないかなと思うんですけどね。
でもラジオ番組で、なんかそういうセンシビリティをみんなに少し。
そうそう、やりました。JWEBってラジオ番組で、1年間限定ですけど、番組持たせていただいたことがあって、その時に自分もやりたかったのが、やっぱり知的障害のある作家がゲストになるっていうことをやりたかったんですよね。
で彼ら彼女たちの、なんかそれこそさっきの、ダーダーダーでもいいんですけど、ずっと鼻歌が聞こえるでもいいし、そういうことを公共の電波に乗せていくっていうことを、一種のアート作品にも近いような感覚としてやりたいなっていうので、やった時に。
でもやっぱり想像以上に大変で、10分間のコーナー枠だったんでちっちゃい枠だったんですけど、でもやっぱりもう冒頭から藤田さんっていう大分の作家さんとかは、一切出ず、ずっとお手洗いに行ってみたいな。
で一人で私も、藤田さんはこんな作品を書いててとかって、独り語りするみたいな。まあでもね、ああいうのも面白いですよね。普通じゃありえないです。そういうのはどんどんね、やっていきたいですね。
そしてここからは、ニューロダイバーシティが実現した先の未来の話に。
松田さん、これまで行った様々な実験的取り組みから、そのヒントが見え隠れしているようなんです。そのあたりの話、少し聞いてみましょう。
5年前ぐらいもちょっと早すぎたなと思ったんですけど、吉本興行さんとコラボしたこともあって、すっごい面白かったんですよ。
アートのオークションイベントみたいなのを芸人さんたちとやるって言ったら、自聴課長っていうお笑い芸人のコウモトさんって人とか、ユリアンレトリーバーって人とか色々出てたんですけど、
なんか知的障害になる人は彼らが出てきた瞬間、真顔で誰ですかとかって聞いてて、結構普通だったらめちゃくちゃ予習するのに、予習ゼロで本当に知らないのは知らないっていうとか、
やっぱ空気を読めないのもむしろ才能になる瞬間とかあるなぁともすごい思いますね。
あるMITのAIのリサーチャーで、自分でもすごく自慢げに自分は自閉症だってよく言ってて、で、あんたたちは人が考えてることばっかり考えて、で、いろんな勝手に壁を作ってるんだって言って、で、事実は全く見えてないと。
で、私はもう空気読まないし人のこと考えないで、本当の事実をわかるしその事実を言えるので、僕らがいないとこういう科学技術は進まないっていう話と、
空気を読まないからバンバンバンバンって言っちゃってる。
空気を読むっていうことは勝手にない壁を作っちゃってるっていうことで、そこに行けない。で、この間一緒にうちの学校のアドバイザーやっていただけるネオリデバーシティスクールのダニエルマスケル、彼はメタフェイスブックのエンジニアで、
これ本当かどうかわからないけど彼は自閉症で、もう4次元でシステムがもうビジュアライズできるって言って、彼はもう全部こう見えちゃうんですって、何が起きてるのかって。
昔はソフトウェア書いてる人みんな自閉症だったので、もう想像できてプログラムガンガン書けたんだけども、プログラマーが足りなくなっちゃったので普通の人たちにプログラム書かせるために、誰でもプログラム書けるようにしたんだけども、
もうみんなダメなプログラムで、で俺の仕事は普通の人たちが書いたダメなプログラム直すのが僕の仕事でって言ってて、でもう自閉症の人しか本当はやっちゃダメなんだよみたいなこう意見とか、
でもちろんそのアーティストと同じで、ほとんどの自閉症の人は天才プログラマーじゃないけれども、本当の天才プログラマーってもう全然次元が違うところで動いていて、
だからそういう意味で言うと多分日本みたいな標準化された試験をパスしないと認められない、でそれ以外はもう肉体労働みたいなことさせられるようなシステムじゃなくて、
みんなの特徴を見つけて、この人はこうだよね、この人はああだよねっていう、そういうシステムって本当に起きると変わると思うし、なんとなく科学技術とかコンピュータープログラムっていうのはだいぶみんなわかってきたんだけども、
本当にアートがこれからできてくると他もどんどんいろんな特徴がその人の価値に出てくるんじゃないかなって気がするよね。
たしかにたしかに、でも本当に個別最適化された世界ってもっと出てくるといいですよね、やっぱりその企業の障害者雇用とかも、独立子会社を作ってみたいなのとか、障害があるけどものすごくやっぱり役員にいる人とかいないし、
でも今女性管理職比率、次は障害者管理職比率ですぐらいのことがまあ起きちゃったらね。
アメリカの当事者団体なんかは自閉症の人が役員にいない団体とはもう取引しないっていうぐらい。
え、どこがですか。
アメリカ。
すごいですね。
だからアメリカのたしかアウティズムアウェアネスネットワークとかなんかはそういうルールになってて、だからデザイナーにも自閉症の人がいないプロダクスはもうダメみたいな感じで、必ずカンブリ入れてるんですよ。
だから結構アメリカはもうこのダイバーシティの一環として自閉症入っていってて、そこはまだまだ日本ちょっと遅れてるよね。
でそのアーティストたちが今いろんな人いると思うんだけども、そういう人たちが会社の中に入ってくるとか、アートの提供以外も接触するっていうことって可能なのかな。
ありえると思います。まあ正直新規事業で考えてたりもしてますね、そこら辺に関しては。全然あると思いますね。
でもやっぱすごい思うのは、できないことをできるようにしていくっていうやっぱ健常者に近づけていくっていう価値観、まあ今の特別支援教育ちょっと多いと思うんですけど、それよりもやっぱり既にできてること、既に面白いよねってところを伸ばしていくっていうところに価値筋というか可能性は絶対にあって、
そっちがもっともっと推進されていくべきであるっていうのは、その通りだとすごい思いますね。でもやっぱり今に関して言うと、まだ創業5年とか6年なので、やっぱ親御さんからするとヘラルブニってちょっと魔法のように見えてる部分もちょっとあって、やっぱりでも息子の作品が評価されて。
家族とか変わるでしょ。 家族も変わりますよ、もう明確に変わります。やっぱり息子の落書きをありがとうございますみたいに最初言ってた人が、もう息子の絵を家中に飾るようになったりとか、やっぱりそれは同じ絵だとしても違う絵になるんですよ、親にとっては。
あとやっぱり初めて息子のお給料で焼肉を食べに行きましたとか、初任給みたいなものが感じましたみたいなね、そういう人生で一番おいしい焼肉でしたみたいなのとか、まあ本当にそういう声ってのは本当たくさんあって、もっと世界中で作っていけたらいいなと思ってますね。
ちょっと違うんですけど、インターネットの最初の頃に結構デザインやってて、ある引きこもりの人がなんかどっかネットで見つけて結構デザイナーでよかったので、うちの関連会社で仕事発注してたのに、でも彼も部屋から出ない、ただゲームやってる息子だったのが、突然何百万円振り込んだらなんか犯罪でも起こしたかってパニックして親が、いや実際に仕事してたんだっていう話になって、すごいびっくりして。
でもこの施設にいる方でも、ドーンってお金入ると人生変わっちゃうでしょ。その辺ちょっとなんか事例か何か説明してください。
やっぱり今はまだもう1000万プレイヤーみたいなぐらいな感じなので、 でもそれは今だとなんだ月1万何がしが普通なんですよね。
1万円ちょっとだった人たちが1000万いかないぐらいとかもらうような人もいれば、やっぱ確定申告する作家さんもどんどん出てきているんで、ただ将来的にやっぱりそれが息子をむしろ頼りにしてますとか、息子のお金がいろんな形で使われちゃってますとか、
その可能性もね本当にゼロじゃないと思っているんで、そこら辺のやっぱりことはそろそろ考えていかなきゃいけないなとは思ってはいますね。 でもそういう施設にいて全くもうそういう想像もしてない家族もいて、すごいびっくりする人たちもいるんじゃないですかね。
いますいます、その通りです。自分たちもやっぱりヘラルボニーが正しくてすごいんだって思ってるわけでは本当になくって、ヘラルボニーに入りたいとかね、そういう望んだ時に、かつやっぱりちゃんとアートとしての線引きとして、ちゃんとヘラルボニーと契約したいっていう風にうちのキュレーターも思った時に、みんなが実力通りに評価されるフェアなシステムではありたいなっていうことは思ってますね。
自分たちが正しいっては思ってないですし、これからやっぱり多分きっとなんで福祉に資本主義持ち込んでんだとかね、そういう意見も少なからずありますし、それはもうこれから増幅していくと思いますし、そういう意味ではね本当にいろんなものをむしろ飲み込みながら、でも自分たちがやってることは自分にとっては正しいことだと思ってるんで、そこを信じてやっていくかなと思ってますね。
交渉するときにフェアかどうかっていうのも誰が決めるかとかっていうのってそういうパターンでどうするんですか、こう相手が交渉できないときって。
全部第三者を立てるっていう契約です、契約上がもう本当に福祉施設を介して作家と契約してる場合、親御さんを介して作家と契約してる場合って、それはもう明確にやっぱり作家本人に、もう妨害なことをこっちがやろうと思えばやれちゃう話になっちゃうんで、それってやっぱありえない話なんで、そこは全部噛みますね、必ず。
そういうエージェントの仕事っていうのがいずれ出てくるのかな、例えば藤田伝三郎さんなんかはお茶道具を買うと必ずディーラーを通してるんだって、直接買わないで。
ディーラーがフェアな値段をつけてくれて、あとで揉めないっていうのがあって、やっぱりこのお道具屋さんの立場っていうのは、ただ買って売るんじゃなくて、必ず間に立ち会うっていう、あとその本物かどうかの確認とか、結構それもすごく面白いなと思って。
だからヘラルボニーがもしかするとそういうディーラーになる可能性もあるよね、あの子。 いいですね、確かに。いや、それは面白いですね。そうなんですよ、やっぱりようやく最近アートコレクターみたいな方々がヘラルボニーの作品を持っていただけるようになったりして、
それって今まで起きてなかったことなんですよね、この領域においてはなかなか。そういう意味では確かにその、いつかムーブメントみたいになったらね、そういうディーラー的に全部入って。
だからスペシャルディーズ系のアートの利給になる。 まあね、利給にね。それはいいですね。確かに。
で、今までのこう既存のシステムをぶっ壊しながら新しいセンシビリティを入れて、で何がいいかどのくらいの価値があるかっていうテストメイキングをするっていうのってすごく重要なポジションだと思うんですよね。 まあそうですね、価値としてはね。まあ本当にでもね、裏選挙もあって表選挙もあって演習流もあってみたいなね、そんな風になってたんですよ。
かつい松井のお母さんとお茶の先生として。 裏選挙なんですよね。なんか聞きました、この前アメリカでやられてるんですよね。
だってこの間茶碗も作ったよね。僕も買ったんだけど。 ありがとうございます。よかったら。
実は松田さん、ジョイさんにサプライズでプレゼントを用意してたみたい。 さて、一体どんなお茶碗なんでしょうか。
ジョイさんに買っていただきましたけれども、私としてもヘラルボニーとしてプレゼントとして持ってきましたので、ぜひもらってください。
この間ね、出てすぐ見に行ったので、奥さんと一緒に選ぼうと思って、その後で何日か行ったらほとんど売り切れてて、早かったよね、あれ。
やってみた感想としては、いいものから売れるんだなって思いました。シンプルにその値段としてもね。
そうなんですよ。朝日焼きっていう、まさに宇治、京都宇治の。 全部コラボなんですよね。
そうなんですよ。松林宝斎さんという先生と一緒にコラボレーションさせていただいたお道具になっておりましてですね。
今回実は、何だと思いますか? ああ、いいですね。
はい、今もう器に何か果物のような何か書いてますけど。 これも出てた?
出てたかな?出てたかな?はいはい、出てたかもしれません。途中でちょっと取り下げてプレゼントとして持ってきました。
ありがとうございます。素晴らしい。 これは何のタイトルだかわかりますか?いろんな果物が書いてて。
これ、何のタイトル? コデラユリコさんという京都の福祉施設の作家さんが絵付けしているものなんですが。
わかんないです。これ何ですか? これはパイナップル。
なるほど。いや、言えばよかった。パイナップルかなと思ったけど、間違ってるとあれが。なるほど。いいね。 そうなんですね。なんでパイナップルかっていうと、
実は今回そのアトリエヤッホーさんって福祉施設とご一緒して作ったんですけれども、今回その秋をテーマに書いてください。
秋。 なので実は結構作品の中にてんてんてんもみじみたいなものだったりとか、サンマみたいなのをテーマに書いてる作家さんとか、いろんな作家さんがいたんですけど、
なぜか秋全く関係ないパイナップルが描かれてたって。 でもなんかそのお茶って季節の道具って必要じゃない?シリーズで季節ごとにやったらいいんじゃないですか。
しかもあんまりわかりやすいのってよくないんですよ。だからこの間の藤田さんのポードキャストも言ってたんだけど、彼はやっぱりお道具を選ぶときに入ってすぐこういう意味ねって言われるのって絶対カッコ悪くて、
最後までわかんないのもカッコ悪くて、ちょうど最後のあ、なるほどってなるのがパーフェクトで、だからこの季節感も当たり前のもみじってちょっとダサかったりして、
なるほどね。なんでパイナップル描いてるんだろうってなって、話の中で実は絶対当たらないと思うけど、なんでパイナップルか。
でも多分彼女にはわかっていて、そのストーリーをなんかちゃんと引き出しといて、それが裏話になったりするとすごく楽しいんじゃないかなと思うんだよね。
いやいやいや、本当にそう思います。
面白いね。じゃあこれは秋に出して、なんでこれって言って、その裏話でどんどん出てくると楽しいですね。
そうですね。ただ裏話はなくて、本人もなかなかそれを流暢に説明するわけじゃないので、
書きたくて書いたのか、まあね、なんかわかんないんですけどね。