ここは、エビスのクリプトカフェ&バー。
先週に引き続き、建築家の隈研吾さんをお迎えしています。
隈さんの中で負けの建築の話をしていて、建築家がもっとハンブルーで、
でも勝っているような気がするんですけど、今の話聞きたいです。
地域の文化や気候、自然環境に根差した建築を目指し、自らの作品を負ける建築と呼ぶ隈研吾さん。
前回は、東洋的な思想について盛り上がっていましたが、どうやら今回はテクノロジーについて話をしているようです。
テクノロジーの方の話ちょっとしていいですか。
隈さん、最近AIとかBRとかそういうテクノロジーって、ちょっと話は聞いてるんですけど、どのくらい使っているんですか。
事務所の中では実は別に禁止していなくて、やりたいや使ったやつがあったら使っていいよって言って、
ミッドウェイジャーニーなんかは圧倒的に今までのプレゼンの方向って変わるわけですよ。
例えば海際の気持ちいいリゾート隈研吾っていう感じで、隈研吾出てくるわけ。
おーって言って出てきて、でもまあそれは何となく既視感はあるから、そのままは嫌だけど、
そのプレゼンの時にこういうオプションがありますよみたいな時に、そういうものをみんなどんどんクライアントに見せていってやっていくわけです。
クマさんの書いてるものにもやっぱり数学がどうやってアーキテクチャに影響してきたかっていうのはあるじゃないですか。
そしてそのコンピューテーショナルデザインのところも何世代かで導入されていて、
だからその延長なのか、今の生成ITのそういうプレゼンとかには使えると思うんですけども、
多分これからもうちょっとシンボリックな構造化されたAIが出てくると、数学、クマさんもそうですよね。
確かTRIGONOMETRYかなんかの勉強していろんな世までできなかった形とかをやったって、
そっちの方ではまだあんまりコンピューターは使ってないですか、AIは。
そっちの方はね、もうAIじゃなくて普通にその3Dソフトの延長でそういうのはどんどんどんな形でも作ってくれるから、
その部分がAIでどういうふうになるかっていうのはどうなるんですかね。
そうですね。一つは今の生成AIっていうのはどっちかっていうと本当に無能の夢みたいな感じなので、
本当なのかどうかわからないものいっぱい出てくると思うんですけども、
もうちょっときちっと構造を理解したモデルも出てきていて、
そうすると生成AI見てるやつを今度スキャンして、その構造をきちっとモデルを作って、
それが本当にあり得る物理学かどうか検証してそれをまた動かすっていうことができるので、
だから多分そのCADのソフトと生成AIを行ったり来たりするようなものだとか、
あとは今フォトショップとかではだいぶ出てきてるけど、
全部きちっとした構造なんだけども、ここの空白のところ埋めてくれとか、
だから多分ツールはすごく良くなってくると思うんですよね。
あとはこれとこれを合体するとどうなるかみたいなので、
だから多分短期的にはブレインストーミングだとか優秀な建築家とかそのアソシエットたちが、
生産性がすごく上がるツールはどんどん出てくると思うんですよね。
生産性はめちゃくちゃ高くなってますね。
もうその間埋めてくれみたいなやつをね、
圧倒的に今までだったらもう何ヶ月もかかるようなやつがもう数分で間埋めてくれるから、
それはね、そういうパラメトリックデザインって僕らが、
僕がちょうどコロンビアに行ってた頃にバーナルチューミーっていうのが、
一切紙使うなって言ってのが、チューミーが来たのが87年かな、コロンビアに来て。
それが建築の世界においては初めてペーパーレスが始まって、
パラメトリックデザインって言葉をみんな使い始めて、
で、でもその頃は技術的にはかなり幼稚なんだけど、
その後はもう技術的にはめちゃめちゃ簡単にすべてができるようになったので、
まあそのAIが来たからそれがまた違うレベルに行くっていうのが、
生成AIは明らかに違うレベルに行ってるんだけど、
そこのパラメトリックがなんか違うレベルに行くっていう実感が薄いんですよね。
そうですね。だから、もしかするとクリエイティブな表現を数学のモデルに落とし込むとか、
なんか構造化と構造されてないのが来たり来たりだとか、
あとは多分見積もりを出すとかね、プロジェクトのプランを作るとかっていうのは、
だんだん結構自動化が進んでくるんじゃないかな。
ただ最後は誰かがチェックしなきゃいけないっていうのは当分続くと思うんですよね。
ほとんどですよね。だからそこはね、その最後のチェックっていうのはやっぱり、
今だからうちの事務所全体だと400人ぐらいにいるわけですよ、世界で。
それで、でも最後のチェックは僕だけするっていうのが実は可能なんですよ、今だと。
だから昔は400人の事務所がいたらば、完全に縦割りにいろいろ分けてって、
設計一部とかなんかいて、そこをめちゃめちゃに分けないとチェックができなかったんだけど、
今は400人のものがいろいろスターディして送ってきても、
これはこの辺とか、この辺とかいうふうにチェックしてこういうふうにとかこういうふうにっていうと、
それがバーッともうすぐにまた形で戻ってきて、で構造設計のエンジニアの方もそのデータがすぐ行って、
それでこれ持ちますよ、持ちませんよというのが、
それが400人規模だとできるようになったっていうのは今の2024年だからできるようになったんで、
だからその世界の設計事務所の中で、
たぶんザ・ハディとも、だけどザ・ハディ400人ぐらい事務所規模と思ってるし、
ホスターなんかは1500人ぐらい、それをホスターがまだ見てるかどうかよくわかんないんだけど、
1500人ぐらいが一応アトリエ事務所で成立する。
なるほど。で、ちょっと変な質問していいですか、
うばさんの中で負けの建築の話をしてて、その建築家がこうもっとハンブルーでこう、
でもなんか勝ってるような気がするんだけど今の話聞いてると。
で、その400人ぐらいは、だからだいたい今その僕がコンペティターだなと思ってるようなザ・ハのとことか、
あとビークってデンマークのビークとか、彼はアメリカで常にやってる。
そうなんです、今一緒にブータンで新しい都市をやってて、僕もそこ助けてるんですけども、
今彼がマスタープラン。
あれビークの映画発表されてたやつがあったから。
一応マスタープランは彼で、たぶんそこのこれからいろんな他の人たちも入ってくるんですけども、
彼でも最近本当に結構話題になってますよね。
若いんですよね、まだ。
彼はね、彼はやっぱりある意味では一番中国的なところでも受けるやり方わかってて、
だからアメリカでも中国でも両方受け方がわかってる。
そうですね。
数少ない人間。
うまいですよね。
だからそのビークの事務所もたぶん僕と同じぐらいの規模。
そのぐらいで400人ぐらいの規模は、今バーッとネットのイメージが拡散したらばあっという間にいけるような規模なんだと僕は感じてるんですよね。
なるほど。
建築家はだからスタイルは変わるけどなくならないですよね、物を建ててる限りは。
だけどもっともっと他のレイヤーでもセンシビリティとか表現を設計できなきゃいけないですよね。
そうですよ。そこがね、やっぱりそのレイヤーがあんまり変わった感じがしないっていうのが僕は今建築家のすごい問題だと思っていて。
レイヤー変わったら変わるって何かなっていうと、僕はやっぱりパビリオン作るのが好きなんですよね。
パビリオンだとマテリアル選んできてそのマテリアルのアセンブリングのやり方とかジョイントのやり方とか全部含めて自分でコントロールできるから。
なるほど。
だから絵ができて何かにするっていうのじゃなくて、物が先にあって物から逆に絵ができるみたいなのがパビリオンできて、それこそ雑誌の世界、センリキの世界なんだと思うんだけど、それは別のレイヤー。
なるほどね。
自分にとっては明らかに別のレイヤーで、それをやってないと400人とただ良いとか悪いとかキャッチボールやってるだけだとすごい虚しさが出てくるんですよね。
なるほどね。パビリオンはリアリティで存在しないような尖ったものも作れちゃう。
熊さんはこれまで数多くのパビリオンを手掛けてきました。
その度に新たな素材や構造などに挑戦し、ここで得られた知見が後の大きな建造物にも活かされているといいます。
このパビリオン制作が熊さんの原動力の一つになっているわけですね。
熊さんの話してたのに今入ってましたけど、お茶室もそういう文脈もあるわけですよね。
お茶室はまさにそういうものだったから、だから千利休がお茶室で小さなものの中に濃縮してやったっていうのは、まさに僕がやろうとしているパビリオンと同じことをやってて。
中国はお茶はあってもお茶室はないわけですよ。
ないですよね。
だからあれは本当に不思議で、あそこまでお茶の葉っぱには来るし、いろいろ来る人たちが、パビリオンだけはセンスが全く欠如してるわけですよね。
だからあれはね、そこのところはそのレイヤーは日本人だけがもしかしたらすごく得意で持ち上げるレイヤーかもしれないな。