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それでは、今回は方丈記を読んでまいります。 方丈記、予もの長命の随筆です。
平安時代に起きた様々な事件を元に描かれている部分が特徴的です。 さて今回はその序盤の方ですね序盤の方から非常に短い部分ですが引用したいと思います。
引用はこちら、門川 ソフィア文庫 Beginner's Classics 日本の古典から
定本は使っております。 では、お読みいたします。
われ、ものの心を知れりしより、 よそじあまりの春秋を送れる間に
世の不思議を見ること、やや度々になりむ。 簡単に訳しておきましょう。
われ、私は、ものの心を知れりしより。 ものの心が分かるようになってから
つまり、分別がつくようになってから。 どういうところでしょうかね。
よそじあまりの春秋を送れる間に。 よそじあまりですから、よそじというのは40年ですね。
20歳のこと20歳と言いますよね。 また30代未曽事と言いますので、こちらよそじというのは40年を表します。
よそじあまりですから40年以上ってことですね。 の春秋を送れる間に、春秋というのは春秋と書いて春秋でございます。
40年以上の歳月を送っているうちに、 世の不思議を見ること、世の中の不思議というものを見ることは、やや度々になりむ。
やや度々になりむ。 何度も何度もそういった不思議というものに繰り返し接してきた、体験してきたということですね。
この世の不思議というものがどういうものなのかというところですよね。 この40年とありますけれども
今これがそうですね、だいぶ これを書かれたのはだいぶ後のことなんです。晩年になりますね。
鴨野長明58歳の時と言われております。 そしてこの
58歳の鴨野長明が
どんなことをこの10代後半の頃からですね。 よそじあまりですから10代後半の頃から
58から40年引くわけですからね。 10代後半から一体どのようなことに接してきたか。そこでこの
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法上記の内容に触れていくわけですが、法上記では前半で大きく五大事件というものについて扱われています。
五大事件というのは、安原の大火、大火つまり大火事ですね。 そして地霜の辻風、辻風。そして洋和の起勤、起勤ですね。
そして原略の大地震、地震です。 そして福原戦闘というものもそれに
加わります。戦闘、都を移したということですね。 これらのものが非常に人間に対して
都の人たちに対してネガティブな影響を与えた、そのことについて書かれているということです。
どうやら安原の大火というのは、鴨の長命23歳の時、 そして26歳で地霜の辻風、福原戦とも同じ時期のようです。
そして27歳の時には洋和の起勤、31歳の時には原略の大地震ということですね。
ですので、この書いている57歳から比べますと、 58歳の時から比べますと、それより20年、20、30年前の話ではあるんですね。
ただそのことを、この晩年になって綴っているということもまた面白いところですよね。 ですのでこれはリアルタイムにその当時のことを移したというよりは、ある種の回想録なんですね。
ただ回想録にしてはものすごく生々しく、当時の様々な被害だとか困っている人たちの様子が描かれているんですね。
もしかしたら何かしら記録に残していたのかもしれませんし、逆に何かしら記憶を洗ったのかもしれませんね。
ただそこはわかりませんけれども、いずれにせよ非常に精密に細密に当時のことを記録したものというような印象を受ける作品なんです。
このような部分につながるイントロダクションとしての部分でございました。