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デザインのまわり。
デザイナーの山下一樹です。このポッドキャストでは、私がデザインの仕事をしながら感じたこと、思ったこと、デザインのまわりにあるお話をお届けしています。
そして今日も、僕の話をうまく噛み砕いて進行してくれているこの方も
アシスタントの草野です。コミュニティや企画運営をしながらデザインも携わっています。
今日もよろしくお願いします。
リスナーさんからのメッセージもありがたいことにいろいろといただくんですけども、最近UXデザインについてのご質問が出てきましたね。
出てきたね。
デザインのまわりを始めようと思ったときに、もうちょっとこのデザインの中核の部分の話よりかは
もうちょっとこう作る過程だったり、気持ちのところだったり、そういうものを話していくんだろうなとは思っていて
UXデザインはちょっと避けてたかもしれない。
でもそろそろ逃げられなくなってきたのではないでしょうか。
逃げてたわけじゃなくて質問をいただいたので。
答えていきたいよね。
そうですね。だいぶ後の方になってしまって申し訳なかったんですけど。
あれですかね、たぶんUXデザインの質問に答える前に、そもそもUXデザインとはみたいなことをちょっと一回挟んだほうがいいかなということで。
そうですね。
その会話を取りにしようかなというお話になっている感じですかね。
そうですね。
今回だから前編ということでUXデザインとはっていうテーマをちょっと話をして、
次回後編ということでUXデザインのご質問に答えていくという形ですね。
はい、それでいきます。
いきましょう。
UXデザインはよく名前は聞くんだけども、
私もあんまりしっくりこういうことだよねなんてとてもとてもわからないみたいな感じなんですけど。
でもあれ聞いたことあるっていうレベル。
聞いたことある。UI、UXみたいな。
ああ、出た。
やっぱりUIとセットになって色々聞いたことがあるってことかな。
一時期よくUIスラッシュUXみたいなものをすごくよく見てたなって思っていて。
UIはユーザーインターフェースでデザインの周りでもお話をしたことがあるかなと思うんですが。
そうですね。
UXはユーザーエクスペリエンス。
今日テーマがUXデザインってことなんですけども、そもそもUXって何ぞやっていうところかな。
言ってくれてた通りユーザーエクスペリエンス、ユーザー体験。
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実はちゃんと定義されててUXの定義みたいな感じで。
これちょっと読んでみますね。
UXとは製品・システムまたはサービスの利用および使用を想定したことにより生じる個人の知覚・反応。
知覚・反応。
なんか難しい。難しいな。
知覚・反応、どう感じるかってことだよね。
たぶん。
何かそのものを使って、ものとかサービスを使ったときに顧客がどう感じるのかってことがユーザーエクスペリエンスである。
これね、今ね、草野さんが顧客って言ったでしょ。
違うの?
個人のだから、ちょっと顧客とは違うよね。
個人の?
よくさ、顧客、顧客だったり顧客層とかいうときって、だいたいぼんやりとして20代のこういう女性のみたいな、そういうクラスターを想像するでしょ、顧客って言うと。
お客さんのイメージ。
これを買ってくれそうな人たちみたいな、そういう集団のイメージがあるんだけども、ユーザー体験とかユーザーエクスペリエンスって、
やっぱりユーザーってついてるので、一人が主役のお話になってくるんです。
一人の人。
それはそのとあるAさんという人がいて、この人がこの製品を使ったらどう感じるのか。
そうそうそうそう。
でもその人は別に顧客である必要がない?
顧客ってお客さんってことだよね。
もちろん製品とかシステムサービスって、当然お客様に提供して使ってもらったりするものだから、顧客は間違いではないんだけども、
ぼんやりとした顧客のイメージっていうよりかは、30代の女性のっていうよりかは、草野さん本人の老いたちとかを。
老いたち?
老いたちとか草野さんの今の状況とかをより考えた上で、じゃあその人どう思うんだろうっていうことを考えていくことになるかな。
それはいろんな人がいるじゃない?
私っていう人もいれば山下さんって人もいてとか、いろんな人の体験を全部考えてみるっていうことなの?
あくまでもその人だけでいい。
そういうのをユーザーのモデルとかって言うんやけども、今まではやっぱり20代女性、20代後半男性みたいなクラスターで考えてたものを、
それだといろんな人がいろんな感情を持ったりするので定めにくくなるよね。
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こういうことを考える人もいるかもしれないし、こういうことを考える人もいるかもしれないしみたいなってことかな。
そうそう。
それを一人に絞って考えてみる方が、より深いユーザー体験の設計としやすくなるっていうのが、UXデザインの中では言われていることかな。
今までは逆にクラスターみたいな塊としての考え方っていうのが一般的だったんだけれども、
UXっていう考え方や概念ってものが出てきてからは、そういう塊ではなくて、
一人の人っていうものにフォーカスをして、一体この人はどういう性格だからこう感じるかなみたいなところを考える方が、
より良いというよりは手法が新しく生まれたみたいな。
そうですね。製品とかシステムサービスを考える上では、そっちの方が考えやすくなりますよっていう話かな。
へー、じゃあ割と新しい感覚が出ました?UXデザインですっていうこと。
うん、そうだね。あとは社会的な背景も要素としてあって、
昔ってものを大量に作って売る。大量に作れば安くなるので売れやすくなるっていう時代がしばらく続いたよね。
その時はユーザーがどうこうっていうよりかは、人々が求める機能をつければ売れた。そういう時代だったよね。
例えばデジカメができた時なんていう画素数が1000万画素になりましたとか1500万画素になりましたってなると、
当然画素数が多いほど綺麗だからそれが欲しいってなるやん。そっちの方が綺麗に映るんだから。
そういう時代がしばらく続いた時に、今のはデジカメの例だったけど、
その製品が持つ力ってそこではないよねっていう話になって、
より限界の3000万画素になった時にどれを選ぶんだろうみたいなところって特別がつけにくくなったよね。
基本的な機能のところはもう飽和しきっちゃって、その後これはあなたに向けたものなんですよ。
例えばこういう女性とかってこういうシーンが多いからこの人のために使った製品ですとか、
そういう差別感みたいなのが必要になってきたっていう時に出てきたような考え方なのかもね。
そうですね。だから今まではなかったものを作れば売れてたっていうものが、
なんかものの時代って言われてたけど昔は。
ものの時代から今はそのものを使った時のこと、ことの時代に変わったっていうのが最近で、
じゃあそのことを考えるっていうのがユーザーエクスペリエンスを考えるってことにつながった。
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私今結構しっくりわかってきた感じがありますよ。
これはいつ頃から入ってきた概念なんだろう?
僕が初めて聞いたのは実は2010年ぐらいで、
もう10年ちょっと前。
まだサラリーマンやってた時に、ひたちさんのセミナーを聞いたのよね。
はいはい。
その時はカスタマーエクスペリエンスって言ってたので、
さっきの顧客。
顧客価値。
それが多分エクスペリエンスって聞いた初めてだったかな。
その次ぐらいにユーザーエクスペリエンスっていうのがあっていうのを聞こえだしたのかな。
なんかアップデートされたような感じなのかな。
10年ぐらい前から出かけ始めていた概念なんですね。
そうですね。
山下さんもそのぐらいからUXデザインっていうものを取り入れ始めた。
そうですね。
僕の本心としては、人はこのアプリを使って、
いいアプリだねとかって言ってもらいたいし、
昔ってシステムって、今でもそうかもしれないけど、
システムを使ってイライラするって嫌じゃない?やっぱり。
こっちが一生懸命作ってるのに。
使ってもらったらイライラするみたいな。やっぱり最悪なので。
どうやったらより良いシステムになるんだろう?より良いアプリになるんだろう?
っていうことをすごく模索してた時期があったよね。
その時にUXっていうものに出会って、
これを中心にシステムっていうのを設計していくのがいいんじゃないかと。
いうところで、それを専門的に勉強し始めたっていうのがきっかけかな。
なるほど。ちょうどその時に抱えた悩みとUXっていう考え方っていうのが
解決の糸口になりそうだっていうところで学びだしたってことですね。
今でこそソフトウェアとか作るときに、
より良いソフトウェアを作るための方法論っていうのは今結構たくさん出始めてるけど、
当時ってやっぱりなくて、全然違うマーケティングとかそういうところから
こういうUXとかっていうのは出てきたもんだから、
その概念とシステム開発っていうのをうまく取り入れたらどうなるんだろうっていうのが
その時の関心事だったのかな。
確かに。マーケティングっぽい感覚もあるよね、UXって。
アプリだけとか製品だけとかじゃなくて、周辺の売り場とかなのかもしれないしとか、
ダウンロードする前のホームページのところからとか、
そういう一連の感覚っていうのが感じるから、
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マーケティングとも近いような気がしますね。
そうですね。マーケティングでもやっぱり、
その周辺のところの設計って大事だと言われてて、
それは今でもずっと続いてる話だし、
ただマーケティングとUXって似てるようで、
僕は結構対極にあるものだと思ってて。
対極、方法。
マーケティングって物を売るためのもの、物を売るためのことか。
だから、ただUXって物を売るための手法じゃないよね、実は。
製品とかシステム、サービスを作っていくときに役立つものなので、
作ったものを売るときはマーケティングの力も発揮するかもしれない。
だからUXって売るときに何かするっていうものではなくて、
新しいサービスを始めるときとか、
あるいはサービスの改善を試みるときとかっていうのに、
UXっていうのは考えとして役立つ。
確かに確かに。
じゃあ例えば、既にリリースされているもの、
作られているものであっても、
もう一旦UXって物を考えましょうって言ったら、
こういうところでこういう風な不快感が出ちゃうんじゃない、
つまずきが出ちゃうんじゃないみたいなことを
見つけて改善していく、みたいな使い方もできるよね。
そうですね。
なるほどなるほど。
この辺りで草野さんの理解度っていうのはどの辺まで来たのかな。
なんか割としっくりは来ている。
今まで経緯としてたくさんのものを作ればよかった時代が終わっちゃって、
もうちょっと一人一人にフォーカスしたり、
あったりしたようなものっていうものをつける必要性が出てきた。
その中でそういう一人の人の体験っていうものを追っていくっていうことで、
新しいものを作れたり、もしくは改善ができたりっていう、
そういう概念みたいなものがあって、
そこを一連のことを考えれたりとか、
それを本当に実分に落とせるみたいな人がUXデザインができる人っていうことなのかなって思っている。
100点じゃないですか。
本当ですか、大丈夫かな。
いやいやみたいな、まだまだですよみたいなツッコミが。
いや言い出したらキリがないけど。
ざっくり言うとみたいなね。
そうだね、さっきのUXの定義よりはわかりやすいと思う。
やっぱり前半ちょっとね、一人の人がみたいなところがちょっとよくわからないなと思ってたんですけど。
これはね、やっぱり僕もねすごくそれがパッとこうわかったのって、
マーケティングとUXがこう違うんですよって言われたときにやっぱりすごくよくわかったかな。
確かに確かに。
私もマーケティングと近いものだと思っちゃってたから、でも聞いたら違うなっていうのは。
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そうなんですよ。
でもなんかマーケティングってやっぱり商品とかサービスとかすでにあるので、
じゃあこれをどの層に打っていくんだみたいなものを考えるものよね、ざっくり言うと。
だからどうしても20代女性のとか30代男性のこういう人に刺さる策みたいな、
そういうのがやっぱりマーケティングのイメージがあるんだけども、
例えば僕みたいな人とか41歳の男性で会社経営しててみたいなこう細かいパーソナリティまでを
一回出して、その人の一日の流れとかそういうのを想定しつつ、
じゃあその生活の中にサービスとかものを置いたときに、
それをその人がどうやって使ってどういう風にそういうのを感じるのかっていうのを
思い描いていくっていうのがUXなのかな。
それはもうこういう機能がいるよねとか、そういうことが見えてくるっていうことだよね。
そうですね。特にやっぱり大事にしたいのが利用状況っていうところで、
僕アプリを作る人間だからアプリの話をすると、乗り換え案内のアプリとかってよく使うでしょ。
うん、めっちゃ使います。
旅行行くから事前に調べとこうっていうときは割とゆったりとして使えるんだけども、
東京とか路線がややこしいときに、例えば寝過ごして逃してしまったとかのときに
もう一回検索するでしょ。そのときに結構UIってごちゃごちゃしてると
急いでるのにみたいなイライラが募ったりするでしょ。
そういう状況を考えた上でやっぱりサービスとか設計していかないといけないなというふうに思うし、
そのユーザーが使う利用状況とか文脈っていうけど、それによってサービスって見え方が全然違うから。
そういう使われるシーンとかそういうのを考えて、何が必要で、
何の情報はいるべきかいらないべきかとか、そういうことを考えられる人がUXデザイナー。
そうですね。
なるほどですね。結構私の中ではわかったのではないかと思いますけど。
どう?この考えはでも草野さんの身近で役に立つのかな?
ナチュラルにやっていた部分もあったような気もしているけども、
それを実際にちょっと一旦体験っていうものをこの人に絞って考えてみようかって実感を持ったことはなかったので、
一回やってみたいなみたいな感覚はあるかも。
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本当にそれは使えそうだね。
何となくやってたけど。
でもそれ結構みんな何となく考えられていると思うよ。
何となく考えられている人はUXちゃんと考えて実践していると思うし、
そこに体系であった理論とか手法はあるんだけども、
通常お客さんとかユーザーの立場になって想像して考えられる人っていうのはそういうのできていると思う。
でもやっぱり物を作ったりする仕事とかをしていると、
自分一人で作っているわけじゃないし、
やっぱり製造部門とか材料とかどうするとか、
会社のコストを考えないといけないとかいう場面が出てくるので、
UXだけ考えてできるものっていうのはやっぱり難しいかもしれないね、そういうところは。
今ちょうど山下さんが結構みんなの中にもちょっとあるみたいな話をしていて、
コミュニケーションとかそういうのもそうなんですけど、
もともとそれなりにみんなの中にちっちゃくはあるそういうスキルっていうので、
逆にそれを仕事、UXデザイナーですみたいなことに、
専門的になるにはどこからそうなるの?みたいなライン引きみたいなやつがあるような気がしていて、
それを仕事として受けるというのはどういうことなんだろうとか、
それがそのナチュラルにやってる人たちと、
そのデザイナー、UXデザイナーですって言ってる人たちの差分みたいなのは何なんだろう、
みたいなことがあるんだろうなって今聞いていて感じて、
そしてそれはきっと次のいただいているご質問につながる話なのでは?っていうことを思いました。
次回UXデザイナー、UXデザインってことについてきているご質問にお答えしていくという感じでしょうかね。
そうですね。
すっきりしました、私はとても。
よかったです。
ちょうどでもやってよかったなって思うのが、
人によって定義がばらつきがあるっていうのはあったんだけども、
それがあったせいか、やっぱりみんな若干引いてて、
UXっていう言葉を使って何かをするってことが、
UX単体ではやっぱり何もできないし、
自分の仕事の中に組み込んでいくようなものでもあるしで、
でもなんか、確かUXこうだったよねっていう本質に立ち返れた気がして、
よかったんじゃないかなって思うけど。
そうだね。
前UIの時もね、スキルじゃないの?みたいな話とかがあったと思うけど、
UXもこういうことを扱えるっていう一つのスキルみたいな話なのかもしれないね。
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そうですね。
はい。
じゃあ私も満足、山下さんも満足ということで、
今日はこんなところでしょうか。
はい。
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