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デザインのまわり。 デザイナーの山下一樹です。このポッドキャストでは、私がデザインの仕事をしながら感じたこと、思ったこと、デザインのまわりにあるお話をお届けしています。
そして、僕の話をうまく噛み砕いて進行してくれているこの方も
アシスタントの草野です。コミュニティや企画運営をしながら、デザインも携わっています。
早速、今日もリスナーさんからメッセージをいただいているので、ご紹介します。
お願いします。
通りすがりのデザイナーさんからのメッセージです。山下さん、こんにちは。
はい、こんにちは。
IAまわりのスキル、情報設計などは、どこでどうやって学びましたか?
何をデザインするとしても必要なスキルだと思うのですが、最近のデザインスクールの講義内容を見ても
スケッチやティグムなど、デザインツールの使い方やビジュアルデザインについて教えるところが多いようで、
みんなどこで習得するかっこしたんだろうと疑問に思っています。
興味本位の質問ですが、お答えいただけると幸いです。
ということです。
メッセージありがとうございます。
ありがとうございます。
まずちょっと先に、IAって何やったっけ?
っていうところから聞きたいんだけど。
そうですね。
事前情報としてください。
IAは情報アーキテクチャー、インフォメーションアーキテクチャーの頭文字を取ったものです。
IAか。
多いねんな、二文字の英語系な。
AIとよく間違えられるんだけどね。
確かに、逆になっただけだからね。
そうそう。
アーキテクチャーってなんだ?情報アーキテクチャー。
日本語はいろんな本を見ると、日本語訳もあって、情報建築家、情報建築士っていう言い方が多くて、
アーキテクチャーって建築士っていう意味なのね。
これまた情報設計とか言いながら、インフォメーションデザインって言ってないところが域やなと思ってて。
確かに確かに。
ここに建築を持ち込んでくるかみたいな。
そうそうそう。
だから情報をどう組み立てて一つのものとして作り上げていくのかみたいなことかな。
そうですね。
そうですね、なるほど。
日本語をもうちょっと見てみたら、設計士と建築士があって、建物の建築の方。
よく見るとやっぱり設計士っていうのは間取りを考える人なんですよっていうのと、
建築っていうのはさらに周辺のことまで考えて、ビルをどう建てるかとか、
どういうコンセプトでこれを建てるのかみたいなところから問いかかる。
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建築士の仕事っていうふうに書いてるね。
なるほど。
ちょっとそのものだけじゃなくて、その周りの環境的なことだったりとか、
ちょっと幅広く見てるような感じなのかな。
そうだと思います。
じゃあそんなIA、情報アーキテクチャを、今回どこでどうやって学んだかっていうご質問なんですけど。
はい。
山下さんどうだったんでしょうか。
正直、どこでこうしましたとか、学校でこういう授業を受けましたっていうのはなくて、
やっぱり本を読むしかなかったかな。今でもそうかもしれないけれども。
そうなんだ。
まだまだやっぱりそのインフォメーションアーキテクチャ自体がすごく歴史の浅いもので、
97年ぐらい、1997年ぐらいから言葉として出てきたものだから、
体系で当てられた勉強するっていうようなものでもない気がする。
なるほどね。
ってなると、本とかを読んで僕は学んできましたっていうことかな。
そうなるよね、やっぱり。
ちなみに本が、この本が良かったよとかそういうのあったりするの?
お勧めしている本は、とりあえずニュアンスだけでもつかみたいっていう方にお勧めしているのが、
今日から始める情報設計っていう本があります。
今日から始める情報設計。
でもなんとなくとっつきやすそうな雰囲気の本ね。
そうですね。すぐ読めると思います。
で、もう一つが、これは有名かもしれないけれども、
オライリーが出している、その名も情報アーキテクチャっていう本があります。
そのまんまや。
僕らのデザイナー界隈では白クマ本って言われてて、
白クマほど想像するかわいいキャラクターじゃないんだけども。
リアルな白クマ。
リアルな白クマのイラストが表紙になっている本で、
これは98年に出てから何回か第4版かな、日本語は。
もうバイブルになっている本です。
これをまずお勧めすると分厚いし、ちょっととっつきにくさを感じるので、
初めてやる人は今日から始める情報設計を読んでからっていう感じにしてます。
なるほど。そっちを先に読んで、ちょっともうちょっと詳しくやりたいなと思えば、
白クマ本に今日出すと言いふさげっていう感じだね。
でも今日質問いただいた方は多分読んでるかもしれないね。有名すぎる。
確かにね。しかもそんなにだからめちゃめちゃいっぱいIA情報、アーキテクチャの本とか、
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そういうのはあんま出てない。
出てないと思う。
じゃあ余計にどうやって学んでいいか悩むところだね。
その2冊を読んじゃって、さらにって思ったら。
そうね。僕もスキルの成熟度が測れるものであれば、
もっと学びたいとは思っているんだけれども、
学ぶというか、やっぱり実践していく中での経験で積まれていくものかなと思ってて、情報設計って。
だから僕が今やってるのは自宅の仕事だから、プロジェクトごとに情報設計をしなくちゃいけないので、
そういう意味ではその実践をずっとやってる感じではある。
なるほどね。
なんかあれ、前回の時にデザインも練習方法みたいな話をしたような気がするんだけど、
本があって、要は座学的なものがあるじゃない。
で、実践って本番じゃない。
その前の実技的な練習方法みたいなのだったりするの?
そういう意味ではワークショップをやってることがあって、情報設計の。
ワークショップ。
今はちょっとなかなかリアルって難しいけれども、
勉強会という形で、その座学プラス実際に手を動かして情報設計をするみたいなワークショップを、
自分でも開催したことがあったので。
それはでもオンラインでもやってみたいね、また。
めっちゃ人気出たりしてね。だって学びたくても学べる場所ない。
そのワークショップでは差し支えなければどんなことをしてたの?
過去のワークショップでよくやってたのが、飲食のメニューを整理しましょうっていうのをやってて。
飲食といえば草野さんですけど、飲食の経験が終わりなんですよね。
確かに。
メニューを新商品出すたびにどんどん増やしちゃうパターンあるでしょ。
営業の紙がめっちゃある居酒屋さんとか結構あって、
あるね。
だから、メニュー化ってどんどん追加されていくものってなれば、
情報ってやっぱり運用していくものなので、追加されてもいいような形にしておかないといけないね、入れ物を。
すごく密接に関係してるよね、そこ。
面白い。メニューの話なんかめっちゃわかりやすいな。
じゃあ実際にそのワークショップの中で、このメニューがありますよねってなって、まず最初何するんですか。
まずそのメニューブックがあって、メニューのその内容、例えば焼肉だとカルビとかジョーカルビとかあるじゃない。
あれを全部かけ出していく。
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全部かけ出していく。
全部出してみる。
そうそうそう。並べるとすごく複雑なことがよくわかるよね。
数が多かったら本番と同じように、エクセルとかスプレッドシートにまとめていくんですけど、
メニューってやっぱり文字の大きさとかも大小あったり、写真があったりなかったりするでしょ。
するする。
それを一旦並べ替える。
なるほどなるほど。
メニューを書き出して、例えばカルビのところにオススメって書いてあったらそれも分解して、
カルビのところにオススメって書いてある、800円って書いてますとかそういう風に分けていく。
だからまずシンプルな状態に一旦全部戻してみるみたいな感じだから。
そうですね。
で、じゃあその次にそれを並べ替えるという作業なんですけども、並べ替えのやり方ってたくさんあるじゃないですか。
あるある。
例えば値段が安い順にしていくとか、食べてほしいサラダから先にやるとかさ。
おすすめからやるとかね。
そうそう。じゃあどういう風に並べ替えていこうっていう目標があるわけよね。
はいはい。
オススメから出していきたいのかとか、これは絶対食べてほしいねんとか。
うんうん。
その食べる順番?塩っけのものが浅い順からやっていこうとかさ。
うんうん。
それは一つ立てるんですよ、目標を。
うーん。
で、あとはそのルール通りに並べていくっていう。
なんかその目標を立てるところにも結構なんかそういうセンスなのかスキルなのかあるような気がするんだけど。
そうですね、これワークショップはそこまでやらないんですけど、
実際の現場だとどういう風に並べ替えたらいいんだろうっていう答えをやっぱり導かないといけないので、
そこはやっぱり調査をしたりとか、インタビューしてみたりとかする中で意味を作っていくっていうことをします。
うん。
本にも書いてあるけど、センスメイキングっていう作業なんですけど、それは。
センスメイキング?
うん。
意図を作る。
おー、なるほどね。
さっきの焼肉屋さんだったら、報道の焼肉メニューと同じようにした方が分かりやすいっていう意図があったとすれば、
それはやっぱり他のお店の焼肉屋さんのメニューを見てみて、ずれていないかどうかを比較すればいいし。
うんうんうん。
だからその意図を作るってところが多分この情報アーキテクチャの中で一番力を発揮するところだと思う。
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確かに。
情報を砕いて並列に直して並べ替える場ではある意味ちょっと作業的なところだけど、
機械的にできる。
思考とかその人の、この人に頼みたいな、みたいなことができるのってそこの意図の部分だっていうことだね。
うんうん。
とにかく分かりやすいものにしたいんだっていうようなメニューの作り方もあるし、
うんうん。
安便なく店長がお勧めしているものを食べてもらうための道筋を作るメニューにもできるよね。
うんうんうん。
逆になんか新しい焼肉屋とかになれば、なんかすごい奇抜なタイプで行っちゃうっていうのもありだったりとかね。
そうね、そうそうそう。
あとはその、並べ替えるとは言ったものの、その情報を追加したりとか消したりすることも大事で、
実際メニューとしてあったけど、どうなんだろう、これいらんのじゃないかなみたいなところ。
うん。
それもやっぱり大事かなと思います。
なんかメニューで考えちゃうと、削っていいの?みたいな気持ちになるけど、
結構なんか、企業のサイトとか見ると、これとこれだいたい一緒のことっていうのはこっちにいらないよね、みたいな話とかって結構あったりする気がする。
うんうんうん。そうそう。
うん。
で、それとデザインの話を一緒にしちゃうと、やっぱり成果物としていいものができないので、やっぱり情報設計するところは情報設計する段階で、
それらを行った後にデザインを落としていくっていう流れにするといいと思います。
うん、確かに。
私一緒にやっちゃいがちなんだよね。
うん。
情報設計しながらデザインしてるからおかしなことになったりして、後で全部やり直すみたいなことが。
時間がなかったらでもそうなっちゃうよね。
うん。
あと慣れてる情報だったらね、いつも作ってるイベントのチラシとかだったらある程度が分かってるからとかだったらできるけど、
初めてのものは確かにそうやって、初めてとか情報が大きいものとかだと、さっき言ってたみたいな書き出しとかそういうのがすごい大事になってくるんだろうな。
そうね。
メニュー、メニュー分かりやすいの?
うん、ワークショップで本当によくやってるやつ。
これからもやるかもしれないから、あんまりネタバレにするとあれだけど、
食べ物のカード100枚ぐらい用意してて、
例えば焼き鳥とか、ラーメンとかカレーとか、1枚1枚カードにそういうメニューが書いてあるよね。
うんうん。
それを並べ替えるだけとかね、そういうのもあって。
あ、へー。
そうやって自分が認識している情報のパターンで並べ替えるやん、やっぱり。
これは中華だなとか、これは野菜の名前がそのまま出てるなとか、トマトとかになってきたそうやんか。
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うんうんうん。
そこに桃っていうのを入れといて、
桃って聞いたら、果物の桃なんだけど、
横にネギマっていうカードもあったりすると、ネギマと桃を見た瞬間に焼き鳥になっちゃうよね。
確かに。
それって分類する中で混乱する要素になってて、
そういう混乱の元になるものを見つけるっていうのも、トレーニングの一つとしてやってたりする。
へー。
でもそういうワークショップをやりつつ、
情報ってこうやって取り扱っていくんだなとか、そういうのが分かれば一番いいかなと思って加工をやってました。
なるほどね。
でも自分でそういうことを開催していかないと、学ぶ場っていうのがなかなかないのが、
今日の質問でもあった通り、
IAってやっぱり、実践するためのものなのに学びが少ないっていうのはやっぱり、僕らの反省でもあるなと思うし。
もうちょっと発信していかないといけないなと思っています。
なるほど。
あれだね、結構学びたい人が企画しちゃうみたいなのもありなのかもしれない。
いいかもしれないね。
いるしね、情報設計やってる専門の人何人かいるし、やっぱり。
結構何が学びたいのって教える側が結構難しかったりとかもするから、
学びたい側がね、どうしたら自分はもうちょっと学んだと思えるかを考えてこういうことをやりたいんですけどみたいな感じとかでね、
講師呼んできてとかしたら一番いい、今のタイミングに適した学びの場がまたできるかもしれないね。
この質問でもあったように、デザインスクールの講義内容でスケッチとかフィグマのツールの使い方ってやっぱり体系化はしやすいし、
教えがいがあるんだけども、それを学んだところで、じゃあ次どうやってデザインに活かしていくかってところってなかなか難しいよね。
なんか料理学校はあるけども、こんだての立て方を教えてくれないみたいな、そんなに近いかな。
分かる。
本当にそういうことな気がするよね。
でも経験しかないと思うよね。
そうね。でもさっき言ってたメニューとかのやつも、一回試しに自分でやってみようみたいなことすると、
次からメニューの見方とか変わったり、こういう意図か、いけてるねみたいな感じのことが見えるようにできたりとかはしそうだよね。
そうですね。普段からやっぱりこれ分かりやすいなとか分かりにくいなって思うはずなので、前回も言ったように思うっていうのをまず起点にして、
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物事に展開していくと分かりやすいものがあったりするかもしれないし。
確かに。
この間言ってたなんか模写とかも良さそうなのかな。
情報設計とは違うのかな。
模写、前回はそのデザイン、UIデザインのスキルアップのためにっていうふうには言ってたけども、その後で自分が作ったものを見て、
自分だったらこういう配置にするなとかっていうのもいいかもしれないね。
なぜこれに違和感を感じたり、私だったらこっちに持ってくると思ったのかみたいなところが言語化とか練習すると。
もしクライアントさんと話すときとかの説明にもなるし、そういう練習とかもいいかもね。
そうね、それが本当に勉強になると思う。
質問に答えるところではちょっとあっさりしすぎたかもしれないけれども、
本を読むだけだったら誰でもできるもんな。
でも今のメニューのやつとか、本でやってみたらいいんじゃないの?
そうだね。
だから本を読むことはもちろんだし、今言ってたワークショップとかメニューだけじゃなくても、
じゃあこれを1回分解して自分なりに並べ替えてみようかみたいなことを実際やってみるみたいなことで学んでいくのが結構いいかもしれないねみたいな話だったのかなと思っています。
ありがとうございます、まとめてもらって。
あとは実践ができれば実践の中で試行錯誤しながら。
またそこで何か詰まったことあったらそれまた質問してくれたら嬉しいね。
そうですね。
そうするとまたこのデザインの周りも盛り上がっていくかもしれない。
まとめるの上手やな。
じゃあ今日はこんなところで終わりましょうか。
はい。
じゃあ最後に質問の募集ですけど、このポッドキャストではリスナーの皆さんからのデザインに関する質問や意見を募集しております。
スポーティファイ、アップルポッドキャスト、グーグルポッドキャストで配信している番組の概要欄に質問フォームがありますのでそちらからお寄せください。
あとはフォローかな。
フォローもぜひぜひしていただければと思います。
はい、よろしくお願いします。
はい、それでは今日もご視聴いただきありがとうございました。
ありがとうございました。ではまた。