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2021-04-01 23:09

デザインの良い・悪いとは

デザイナー 山下一樹(ヤマシタカズキ)がリスナーの皆さんからお寄せ頂いたテーマをもとにお話します。ハウツーや手先のノウハウばかりではない、デザインのまわりにあるお話。今回のテーマは「デザインの良い・悪いを判断できるようになるには?」
ご質問、ご意見はこちらからどうぞ。https://forms.gle/bDmZ9Yo9MfyQzjiN6
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デザインのまわり、デザイナーの山下一樹です。このポッドキャストでは、私がデザインの仕事をしながら感じたこと、思ったこと、デザインのまわりにあるお話をお届けしています。
そして、今日も僕の話をうまく噛み砕いて進行してくれているこの方も、
アシスタントの奥佐野です。コミュニティや企画運営をしながら、デザインも立ち触っています。
今日もよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
早速、リスナーさんからメッセージいただいているので、ご紹介します。
今日は、KJさんからのメッセージです。
デザインの良い・悪いを判断できるのを養うために、心分けると良いことはありますか?というメッセージを今日いただいております。
メッセージありがとうございます。
ありがとうございます。
結構、難しい質問来たように、私は感じちゃいましたけど。
とても難しいです。
逆に教えてほしいんだけどね。
何が良くて何が悪いのか。
そうそう。
良い・悪いとは何であるかじゃなくて、判断できるのかしら?
まずは、デザインってすごく大きいので、商業デザインについてっていうのを前提に行こうかなと思います。
商業デザインとのほかって何が一体あるんでしょうか?
対極になるのがアートデザインかなと思うんですけど、商業デザインって結構やっぱり広くて、
物を売るためだったりとか、販売促進につながるようなことを目的にしたデザインですよね。
なるほど、なるほど。
ではその販売促進だったり、いわゆるビジネス的なニュアンスを含むデザインっていう意味での良し悪しというところを
今日話していければという感じかな?
そうですね。
冒頭に言ってくれてたように、やっぱり何が良いか悪いかを決めないと始まらないなと思って。
例えばじゃあ草野さんが、これはすごい良いデザインだと思う瞬間ってどんな時なのかな?
えーなんだろう。
なんか思わず見入っちゃったりした時とかかな。
なんかこう、例えばSNSとかを見てたとして、さーって行った時に、お!って思ってクリックして中身見て、
で、中もなんか違うなってパッて離脱しないで、ずっとそのあーなるほどって読み込んでっちゃうみたいなものとかだといいもの。
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なんか目について惹かれるものみたいなのが良いデザインだと感じるかな。
気になっちゃったことね。
そうだね、そうだね。
なんか山下さん的にはこうだっていうものはあるんですか?
僕が仕事をする中で分かりやすいようにデザインをしようっていつも当然思っていることがあって、
伝えるものっていうのが情報の受け手側のせいにしてはいけないなといつも思ってて。
情報をキャッチしたが見た顔の人がどう思うか。
人によってバラバラなっちゃいけないよねっていうようなこと?
そうですね。
アートとこの商業デザインの違いを僕は結構意識していて、
このアートって発信側と受け手側の妥協だと僕はずっと思ってて、
妥協点を探るっていうのかな。
発信者側もこの辺だみたいな方を当たりをつけて表現して、
受け手側ももしかしたらこうかもしれないよねっていう2者の妥協点で成立するものが僕はアートだと思ってて。
それと同じような感覚でやっぱり商業デザインって進んじゃったらまずいなっていうのがあって。
だから伝えたいものがやっぱり100%伝えきる。
多くの人がほぼ同じような解釈ができるのが商業デザインの基本かなとは思っている。
なるほど。
すごい極端な例で言っちゃえば、
例えば100円の商品です。
100円だと伝わるということとかだったりするよね、きっとね。
コンセプトとかになるともう少し解釈をしっかり伝えていくとかがあるけど、
この商品が持っている情報のことをきちんとストレートに見た人が分かるっていうのが良いデザインじゃないかということ。
そうですね。
なるほどな。
でもあれか、商品のホームページとか見たときに探し回らなくていいっていうのはじゃあ良いデザインかもしれない。
そうですね。
ってなると今のが、何だろう、その商品が持っている情報がちゃんと全ての人に伝わります。
しかも分かりやすい。
特に困らずに欲しい情報をたどり着けます。
っていうことが良いデザインだとしたときに、
それを判断できる目を養うっていうのはどういうことなんだろう。
一つは、その部分ってビジュアルではなかなか難しいところもあるので、
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商業デザインに欠かせないのは言葉が必ず関わっていて、
そのイベントだったり商品だったり何でもいいけども、
それを表すのって言葉なんで、言葉選びが一つかなと思う。
ちょっと回りくどい言い方してるとか、かっこいい言い方してるとかだったら分かりにくいよね。
ちゃんと伝わってくるかどうかみたいな。
人によって判断がばらけちゃうような言葉じゃないかどうかとかかな。
そうですね。答えになってんのかな。
どうだろう。何が良いか悪いかみたいな話になっちゃってるかも。
そうか。
目を養うと思う。
でも結局はそういうふうに、このサイトはいいなとか、
このサイトは見にくいなとか、
そういうふうに思った時に何でなんだろうっていうふうに、
見るぐらいしか養うっていう意味では手段としてないのかな。
うん、そうやね。毎回言ってる通り、思うってことやね。
うん、そうだね。
自分の中でも見てて、これいいなとか悪いなとかっていうのは自分の基準で判断してって、
いいと思った時は何がいいんだろうっていうのはやっぱり半数してるし、
逆もそうで、何がダメなのかなっていうふうに考えるよね。
日頃からその癖をつけて物を見るっていうのは大事かもしれない。
思うってことを毎回聞いてるけど、意識するっていうことなのかな。
そうやね。
ちなみに、自分の感覚になっちゃうじゃない。
うん。
このサイトいいとか悪いとかってどうしたって。
うん。
その感覚っていうのは、世の中的に見てさ、
みんな良いと思ってるか、みんな悪いと思ってるかとかで不安になっちゃうと思うよね。
うん。
以前良いと思ってたものを何年後かの自分が見た時に、
あ、なんで自分これ良いと思ってたん?って思ったこととかってあったりする?
あ、する。
あ、するんだ。
うん。
あ、どうかな、しないかな。
どうしよう。
っていうのが、私は結構あって。
あ、そうだね。
でもそれはほら、自分が成長してきたからいいことだと思ってるんだけど、
そうなると、またいつか自分がどう思うか分からないなって思うと、
なんかほら、今の段階のこの良い悪いをさ、
世の中に判断として出していいものかどうかって悩むなって思っちゃうね。
うんうんうん。
だけどもし、山下さんでもそういうことがあるってなったら、
まあしょうがないかって思えるかなと思う。
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うん、まああるんだろうと思うし、逆にあってもいいし、
で、変わらずいいなと思うものも当然あるしね。
うんうん。
で、それってやっぱり自分の中の基準って少しずつ微調整されていくものだし、
経験によってそれって変わっていくべきものなので、
その時、自分がいいと思ったものが違うタイミングで、
あんまりかなって思うこともあるし、
そこで、だからなんで前はそう思ったんかなって考えたらいいよね、また。
うん、なるほどね。
全員が100点満点っていう話は多分ないよね。
うん。
だから本当は、仕事の中で何かこうデザインをするプロジェクトがスタートした時に、
やっぱりその作る前に全員で関わるもの全員で、
何がいいかの悪いかって決めとくっていうのが大事かもしれないね。
ああ、なるほど。
こういうものを今回のプロジェクトでは良しとしていますよとか、こういうのはちょっと違うよねとか。
うん。
それがよく言葉で言語化されると、デザインのセオリーにもなるし、
デザインガイドにもなるし、
でもそれを書こうとするとね、なんかポエムっぽくなる傾向もあって、
どういうこと?
なんかその、太くあれ強くあれみたいな、キャッチーなものを書きがちで、
それって何なの?みたいな、わからなかったりするからね、逆に。
そこはちょっと注意したいところでもあるし。
でもあれだね、一緒に働いてるチームでもいいし、
何て言ったらいいのかな、
デザインの中でも気が合う合わないとかってあるような気がするんだけど、
そういう人たちと一緒にこのデザインいいよねとか、
これちょっとこういうところがいけてないよねとか、
そういう話をするだけでも結構養われていくような気がする。
うん、それでいいと思うけどな。
長生きするデザイン作るほうがいいかなとは思う。
なるほど。
長生きしているデザインを見ることも養うことになるかもね。
最近やたらとロゴマークとか、ロゴタイプのデザインをリニューアルしましたみたいなのが結構あって、
経済が不況になった時って結構顕著に出てきたりしてて、
あるいは会社の業績が不安定な時とかって、
よくリブランディングって言ってデザイン変えたりとかしがちなんだけど、
そういうのも大事やけど、ずっと残っているもののほうがやっぱり力強いし、
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いつか作り直すみたいな感じで作るよりかは、
その時の渾身を出すっていうのがいいと思うよね。
この間どこだっけ?
ロゴをリブランディングするって公募したいけど結局買えなかったっていう例は。
あれどこやったっけ?
ソニーかな。
ソニーのロゴか。
でもコンペしたからその人たちに賞金は払いつつも、
やっぱり元のロゴでいきますみたいな。
あれはあれでなんかすごい面白いなって。
そうよね。
いいよね、そういうのは。やっぱ強いよね、そういうほうが。
やっぱりしっくりくるのはこれでしたって、
再認識したっていう意味ではすごくいいプロセスだったんだろうなと、
勝手に想像するけれども。
言いたかったことがそれやん。
良い事例がありましたね。
ソニーさんに救われたわ。
昔プレゼンしたときによくおネタにするんだけど、
これ言っていいんかな?
日本の2大航空会社ってあるでしょ?
ANAさんとJALさん。
で、あの2社はすごくデザインっていう面では
割と僕の中では対局に見えてて、
ANAさんはロゴがほとんど変わってないね、実は。
で、JALさんは割と変わってる。
そうなんだ。
ロゴ変遷とかで見たら出てくるんだけど。
だから見方を変えればANAさんっていうのは
太くてどっしりとした強いデザインだったし、
逆にJALさんっていうのは
時代の流れに沿ってデザインしてきましたっていう風にも見て取れるし。
これがどっちが良いか悪いかっていうのはちょっと難しい。
判断できないし。
面白いな。
確かにこういうライバル会社2個に比べて
どっちがどうなってるかなとか面白いかもしれない。
あとはこれは割と言葉の抽象的な話にはなってくるんだけど、
良いデザインっていう時に
あんまり僕心の中で良いとか悪いとかっていう風に思ったことはあんまなくて、
どっちかというと綺麗なデザインっていう風にしてて、
綺麗かどうかっていう感じで吉橋を見てるところがある。
綺麗かどうか。
それは見た目的な美しさの話?
いや、この綺麗にすべて集約されてるんやけども、
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日本語のこの綺麗っていうのって割とたくさんの意味があって、
その綺麗な仕事するねって言うやんよく。
だからそれはその、なんていうのかな、その人の所作とかもあるし、
出来上がったものもそうだし、
全部のことを表せる一つの言葉なのに、綺麗な仕事っていうのは。
だから良いデザイン、悪いデザインとかっていう前に、
このデザインは綺麗なとか、綺麗な仕事をしてるとか、
そういう判断を結構してることがあるかな、思い返せば。
良いとか悪いっていうのは、なんて言ったらいいんだろう、
正しさみたいなものがすごく強いけど、
綺麗かどうかって、ちょっと心がけっぽい。
美しくあろうとするみたいな話なのかな。
なんかこう、あえてね、恋に美しくするっていうわけではなくて、
綺麗な仕事っていう、あるやん。
分かるよ、分かるけどさ、ほらさっきの理解を利き手に委ねてしまうかなと思って。
なるべくそこを言語化していきたいなと思っているの。
一つはやっぱりきちんとするっていうかな。
見た目のアウトプット、例えばホームページとかそうなんでも、
見た目が良かったらいいっていうところに執着してしまうと、
物足りなさを感じるような、なんか。
綺麗というものを、ただの美しさとして捉えられてしまうと、だいぶ違うよなっていう。
これなんか、ひらがなで書いてあるやんか。
分かる、分かるよ。
それはさ、なんか結構、なんやったらそのデザインの、
今日アウトプットしなければならないデザインの話だけじゃないよね、きっとこれって。
うんうん。
なんか全てのことに通じてるっていう話でしょ、きっと。
そうそうそう。
例えばクライアントさんとのやり取りの話であったりとか、もしかしたら仕事する作業環境のことかもしれないし。
うんうん。
なんかそういう、なんだろうね、でも綺麗になっちゃうよね。
なんか綺麗に仕事をしようとか、なんか綺麗なものを作り上げようっていうものだよね。
難しいね、でもね。
心意気やね。
うん、あり方の話の気持ち。
しかもデザインのその良い悪いみたいな話って、その一長一短じゃないじゃない。
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うんうん。
やっぱりいろんなものを見て、なんか積み重ねてその目を養っていったりとかしてる。
本当に養うって本当にそういうことだと思うんだけど、話だから。
じゃあそもそも自分の、なんていうのかな、仕事に対する姿勢なのか、生活の仕方なのか。
うん。
なんかそういったようなこと自体って、そもそもどうだったみたいなところから地道に作り上げられているのかもしれないね。
結構壮大な感じよね。
やばい、確かに。
壮大だって言っちゃった。
でもそうやと思うねんな、なんか締め切りに追われて、こうLPデザインをさ、もう2日でやらないといけないみたいな状態でデザインしたもの、多分良くないよね、それって。
うーん。
まあすごい人はいるけどさ。
確かに、でも追い込みってね、力を発揮するタイプの人もいるから、一概には言えないけど、まあ少なくとも真下さんの考えるデザインの周りっていうことで言うと、結構そういうところも考えながらやってるよ、みたいな話なんだね。
そうですね。
でもこの今日質問された方も、まあ良い悪いはなんとなく持ってはると思うし、やっぱその基準を磨いていくことしかないと思うね。
そうだね。
自分の良いっていう基準。
プロジェクトによってはそれが変わったりするけども、別にそこに合わせる必要もなくて、みんなで共有して分かち合っていきながら、自分の基準っていうのをちゃんと伝えて作っていったらいいかなと思う。
そうですね。
それ伝えないまま作品だけバーンと出して、やっぱりわからないもんね、その作った糸が。
うん。
商業デザインってやっぱ説明しないと伝わらないし、そのデザインの意図とか。
その後伝え方にセンスが出てくるかどうかみたいな話はあるような気もするけど。
その伝え方とかはまた別の話できそうだし。
そうだね。
でも良い悪いって難しいね。誰にとって良いのかってあるもんね。
そうやね。
自分にとっての良さとクライアントさんにとっての良さとお客さんにとっての良さって近かったりするから。
途中途中山下さんが言ってたみたいに、チームと話してっていうことを結構何回か話に出てきた気がするけど。
そこはまさにこの良い悪いのところをすり合わせるってことが何より大事な気もするね。
最初にも言ったけど、アートとはやっぱり違うので、
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みんなが思っている良い悪いの妥協点を探るのはちょっと書業デザインではなしで、
やっぱりこう自分がこう思うから私はこれがいいと思っているっていう相互理解しながら、
チーム内の良い悪いっていうのをブラッシュアップしていきたいね。
だから妥協点っていうのはみんながこう思っていることからの中間点ってイメージだよね。
だけど今良いものっていうのはチームが思っているものをどう世の中に出せるかっていうようなことだよね。
だってさ、私はこっちがいいと思うんだけどなって思いながら違うものを作るの嫌じゃん。
それはあんまり妥協しないで、
それはやっぱりさっき言った伝えていくっていうところも大事だし、
相手がどういうふうに思っているかっていうのを汲み取る力もやっぱりデザイナーには必要だし、
作る過程においてはそういうところが大事になってくるなと思う。
はい、じゃあ今日はこんなところで終わりましょうか。
はい、じゃあ最後にですね、このポッドキャストではリスナーの皆さんからのデザインに関する質問や意見を募集しております。
Spotify、Apple Podcast、Google Podcastで配信している番組の概要欄に質問フォームがありますので、そちらからお寄せください。
そろそろ新しい質問もまたポコポコ入ってくると嬉しいですね。
そうですね。
ぜひお待ちしております。
それでは今日もご視聴いただきありがとうございました。
ありがとうございました。ではまた。
23:09

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