健斗蕎麦
先に健斗蕎麦というものがどういったものかを先に言っておきますね
いっぱいずつ盛り切り
給仕もおかわりもない
普通の今の蕎麦だね
そう今の定食屋さんとか蕎麦屋さんとか
どんぶり物屋さんとかで当たり前じゃないですかこれ
これね外食においてる一人前だけを提供するっていう元祖がこれなんです
そうなんだ
そうなんですよそれまでほら振る舞いだから
うわーって出てきてお借り自由でその借りちょっと高いよみたいな文化から
もう全部お一人様状になるわけですよ
で振る舞いもてなしからもう単一の商品化っていう商品経済みたいになってくわけですね
これが一気に流行したのが漢文連観と言われてて1660年代ぐらいだって言われてるんですよ
漢文連観1660年
ぐらいのことだろうっていうふうに言われてるんですね
これ何が原因でこんなことが起きたかっていうとこの約10年前1651年
明暦の大火があるんですよ
明暦の大火
江戸期始まって一番最初の大火ですよ
江戸中が火に包まれて江戸城天守閣も焼け落ちて
これ何回か前に出てきた星名正之がねここでビンマンを振るって
江戸の復興に尽力したみたいなあれですよ
あああったね
この時に日本全国から職人さんたちがわーって集まって
一人暮らしの男性がくそほど増えるんですね
あああったねその時代ね
それがまさに明暦の大火の後の復興期なんですよ
ああそうなんだ
そうだね上流階級でもない庶民でしかも農家の家を継げなかった次男坊とかね
職人の弟子だけど一人立ちして江戸で一旗あげてやるぜみたいな人たちが
わーっと集まってくるじゃないですか
どんどん出せみたいな一人前じゃんってそんなまともな仕事やってんじゃねえみたいな話になるわけですよ
まあそうね確かに復興期に作法もくそもないというか
もう一人前っつ出してくんないと困るんですよ
まあ復興に追われてますからね
でお金もあるわけじゃないし
そうだね
勇者なこと言ってらんないとということで一杯盛り切りそばっていうのが出てきて
これが盛りそばの語源なんですよ
ああそうなんだ
だからどっかでもうすでに話しましたけど
ざるそばと盛りそばを別物のように話してますけど
盛りそばっていうのは言葉の意味からすると
このけんどんそば一人前ずつ盛り切りだよっていうのが盛りそばって意味なんですよ
ああそういう意味ね
かけそばも盛りそば天ぷらそばも盛りそば
ちょっとバグりそうだけどさ
まあ一人前という意味で使うのだったらそういうことね
そういうことですよ
で一応ねこのけんどんという言葉の語源とかね
あと表記売れとかがいっぱいあって面白いんですけど
漢字で書くと全部で文献上見られるのは4種類
4種類
でパソコンでけんどんって打って変換できるのは2つかな
ああそうなんだ
このけんどんっていうのが2つあって
最終的によく使われるようになったのは
けんやくのけんにうどんのどんっていうね
ほー
うん字を書く方当の等の字でもあるんだけど
これがよく使われるようになる
でもう一つで変換されるのが
なんかねけちでどんよくなっていう意味のけんどんが出てくるんですよ
ああまあどちらにせよ割とけんやく系の節約的なイメージなんだね
そうえっとねどんよくなっていう字が使われてる方のけんどんはね
そのままここ時点で引くとけちで欲深く無慈悲
思いやりがなく不愛想
まんまだね って書いてある
ああ だからそれまでほら
天守がね給仕をしてくれておかわりも出してくれたわけじゃないですか
そういう愛想はないよっていう感じでしょうね
ああ表現の意味としてはね
ちなみにこれがつっけんどんと同じ意味ですね
つっけんどんって言うじゃないですか
あいつは愛想がなくてつっけんどんのやつだ
つっけんどん あそこ知らないか
わかんない そういう言葉あるんですよ
つんけんしてるみたいな
つんけんしてるっていうか
ぶっきらぼうとか愛想がない
あんまり丁寧じゃないみたいな
つっけんどんってことはあるんだな
ちょっと冷淡でね
つっけんどんって言葉があるんですよ
これジェネレーションギャップかな
俺昭和生まれで別に普通に聞いてたけどな
そうね
俺あんま読まないからね
ああそうか
平成生まれですし一応
平成生まれですからね
日常会話でよく使われてた気がするんだけどな
ちょっと記憶にないかな
まあ一説によるとね
このケチで不愛想だとか
思いやりがないっていうところから
けんどんそばと呼ばれたっていう説があります
一つはね
もう一つはこれまた出た
誘惑から来るっていう説ね
誘惑からここまで来るの
はいけんどんのけんの字が
けんかのけんの
へんが口へんなんですけどけんかのけんの字はね
女へんでにかえて
けんって読むんですよ
かまびすしいっていうものですけどね
かまびすしい
まあまあ騒がしいとかねやかましいとかそういった意味ですよ
ああそうなんだ
でどんの字はにぶいっていう字ね
かまびすしくしてにぶいっていう
うるさいわりににぶいぞっていう意味なんですよ
めっちゃめんどくさい人だね
うんこれはねけんどんじょろう
というのが江戸期にいたそうです
へえ
これはね吉原とかねああいうところの
誘惑において
あげに呼べるジョロウさんっていうのは
一番格上が太夫
で次が孔子っていう人がいて
でその次の下のランクに
ツボネジョロウっていうのがあるんですね
はいはいはい
でここまでのランクはあげ屋に呼び出して
遊ぶことができますよっていうことになってですね
ああそうなんだ
これのさらに一つ下のランク
それ以外の最下級がけんどんじょろう
へえけんどんじょろう
はい
これはねもともとけんどんそばから来てるんじゃないか
っていう人とけんどんじょろうが
先でけんどんそばになったんじゃないかっていう説と
両方あるんですけど
けんどんじょろうはかまびすしくして
ツボネジョロウよりはるかに
おとりにぶく見える
逆引きの声がかまびすしい
そして格安である
逆引きの声がね
はい
あいそばですよってそばーって打っていて
しかも格安で打ってると
だいぶなんか表現としては
悪口に聞こえてる
だけどほらよだかそばとか言っちゃってるからさ
確かにね
その辺のつながりもあったのかなーっていう推測はありますけどね
はいはいはい
これ1687年に
江戸貨の子というね
江戸の街のことを描写した
今で言うガイドブックみたいなやつかな
ハイジンの
気候化線量という人が書いてるんですけど
けんどん屋
っていうのは違う漢字でけんどん屋ってのが書いてあって
けんどん屋とは
うどんそばを格安で
モリキーで売る店のことだと
けんどん屋というふうに
説明をしています
これと並びの項目でねけんどんさげじゅう
っていうのが書いてあってですね
けんどんさげじゅう
はいさげじゅうっていうのはこれ略語で
さげじゅうばこの意味ですね
さげじゅうばこ
さげっていうのは手下げの下げですよ
あーはいはいはい
重箱の手下げですよ言ってみたら
出前です
あ出前ねはいはいはい
これ後にけんどんばこつって
昭和までけんどんばこって呼ばれてるんですよ
あそんな最近まで
出前箱のことけんどんって呼ぶんですよ
へーそうなの
そうなんですよ
今でも古いところだと使ってる人いるらしいですよね
あそうなんだ
そういう出前のパターンもあるよ
っていうのが書いてあります
でもう一つ並びであるのが食けんどん
食けんどん
これはね麺じゃなくて食い物のけんどん
なんですよ
食い物のけんどん
あー確かにけんどん
あれけんどんがそばと
結びついてるね
もともとねそういういっぱい盛り切りのそばで
おかわりもなくてバイソンだけど
安いよっていうので売り出したじゃないですか
それいいね
みんなおひとりさましようにしたら便利じゃん