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市ですおはようございます
このポッドキャストは僕が毎週お送りしているニュースレター
スティームニュースの音声版です
スティームニュースでは科学技術工学アート数学に関する話題をお届けしています
スティームニュースはスティームボート乗組員のご協力でお送りしています
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改めまして市ですこのエピソードは2022年の2月17日に収録しています
このエピソードではアメン神殿の塩が変えるかもしれないエネルギーの未来をテーマにお送りしていきます
今回もどうぞ楽しんでいってください
現在のリビアに古代ギリシャの都市キュレネがありました
都市国家として独立した後エジプトノプトレマイオス町そしてローマ帝国へと組み込まれていきます
シルフィウムという薬草の生産が主な産業だったようなんですけれども
シルフィウムは現存していません
記録によれば美薬として使われたとも否認薬として使われたともあります
もしそうだったとしたらキュレネに大変な利益をもたらしたんだと思います
シルフィウムは現在の大ウイ卿英語ではジャイアントフェンネルというんですがそれの一種ではなかったかと言われています
ただ確かなことはわかっていません
キュレネはローマ都市として再建された元ギリシャ都市ということで
綺麗な状態で残っているのでユネスコ世界遺産に登録されています
そんなキュレネを含む行政区をローマ帝国はクレタキュレナイカ族種としていました
この地はエジプトに近くエジプトの太陽神であるアメン
これはアンモンと呼んだりアンモンと呼んだりもするんですが
このエピソードの中ではアメンで統一したいと思います
アメンとローマの最高神であるユピテル
これを一緒に祀ったユピテルアメン神殿がありました
このユピテルアメン神殿でとれる塩、お塩ですね
このことをローマ人たちはサルアモニアクム
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これはアモンの地の塩という意味です
アモンの塩は我々が食卓に置く塩化ナトリウムではなく
現代の言葉で言えば塩化アンモニウムであったと古代ローマの博物学者プリニュースは語っています
現在ではこの塩化アンモニウムのような食塩でないものに関しては塩ではなく塩というふうに読むんですが
この古代ローマでは両方ともサル塩というふうに読んでいたようなので
このエピソードの中でも塩と呼んだり塩と呼んだり使い分けていこうと思っています
塩化アンモニウムは現在でも食品添加物として認められているんですね
フィンランドのサルミアッキというお菓子にも用いられているんですが
皆さんこれ召し上がったことありますかね
僕もフィンランドの方からお土産としてサルミアッキいただいたこともありますし
僕の大先輩がフィンランドで客員教授をされていて
日本に帰ってこれた時にフィンランドのお菓子をしてもらったことがあるんですが
いやーなんかね食の多様性というんですかね
つまりまずかったんですけどもそんなこともありました
まずいというと失礼になりますからね
口に合わないとなんて言うんでしょうね
とにかく世の中にいろんな食べ物があるんだなぁと思った瞬間でした
なんか落ち着いた出だしで始めようと思ったのにここだけ早口になってしまいました
あのペースを元に戻しますね
アメリカの鉱山エンジニアで第31代大統領にもなったハーバート・フーバーという方がいらっしゃるんですが
彼がですねユピテル・アメン神殿の使用円ですね
これただの円管ナトリウムではなかったかと彼自身の著書の中でコメントしているので
ひょっとしたらプリニュースが誤解をしていたのかもしれません
しかしプリニュースがアンモンの地の塩と呼んだことから
我々が現在アンモニアと呼ぶ物質の名前が決まったんですね
円管アンモニウムというのは塩素とアンモニアが結合した物質なんです
個人的なことで恐縮なんですが
僕の祖母、おばあちゃんですね
初夏だったんですけれども薬剤師の資格を持っていたんですね
アーティスト兼薬剤師というですね
一番危険な組み合わせで
どうもアーティスト仲間に勝手に薬を処方してたようなんですけれども
もうこうアカンやつですよね
そんなわけで自宅に僕が小さい頃住んでいた家には色々と薬品があったんですよ
僕が手を覗くところに置いてあったんですけれども
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理系の高校とか中学校とかで理科とかですかね
それから高校で理系進学したら実験の授業とかねあると思うんですけれども
薬剤が瓶に入っているのを匂い嗅いじゃダメってまず教わると思うんですね
どうしても匂い嗅ぐ必要がある時は瓶の蓋を開けて
鼻を近づけるんじゃなくて手で瓶の上を手で仰いで鼻に風を送って
匂い嗅ぎなさいっていう風にお作法を習うんですが
僕が小さかった頃なのでそういうお作法を知らなかったんですね
でアンモニア水の瓶があってラベルにアンモニアって書いてあったんですけども
どんな匂いするんだろうと思って直接匂いを嗅いだんですよ
いやもうね今でも思い出しますけれども
ものすごい刺激ですね悶絶しましたね
ひっくり返りましたね文字通り
あの瓶をひっくり返さずに蓋をしたあの頃の自分を褒めてあげたいぐらいです
そのぐらい強烈な匂いがしました死ぬほど臭いです
サルミアッキの日ではないです
簡単に言うとアンモニアの匂いってねあのおしっこの匂いなんですけれども
日本では法律で特定悪臭物質にも指定されています
このエピソードをね収録している前の週になるんですけれども
福井県にあの漂着した大王イカ巨大なイカを食べた男性の話題がニュースになっていました
大王イカの体内にねアンモニアを作っているのであの食べるとねだいぶアンモニア臭かったそうなんですね
またさすが日本人だなと思うな海のもの何でも食べてしまう ところなんですが大王イカはもともとはの食用にはされていません
それからまあサメ肉サメの肉ですねこちらもあのアンモニアをね体内で生成しちゃうので
通常は食べないまあ加工したりとかあるいはそのアンモニアをね 生成することでお肉自体は比較的長持ちするのでまあ内陸部の方ではね食べる
ことがあるそうなんですけれども 他のお肉が手に入るような地域ではサメ肉というのはまあ食べないということでやはり
猫のアンモニア臭というのは人間が嫌う 香りなんですね理由はですねおそらくですがあの動物性
タンパクって あの腐ると微生物が分解するとアンモニアを大抵
生成するんですよで腐ったものを食べないようにということでまあ人間がこのアンモニア 臭を嫌うようになったのかもしれないです
そんな大王イカを含むですねイカなんですけれども 巨大軸鎖区という太い神経が通ってるんですね
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でそのために 脳科学であるとか神経科学のモデル生物として
まあ大変に重宝されているわけですまあイカを使って神経であるとかそれから人間の脳の 研究なんかもまあ人間の脳ってねまあ分解するわけにもいかないですし
それからあの高級な動物になると非常に神経細胞というのが小さいので あの
研究対象としてはね扱いにくいんですがイカの場合 この巨大軸鎖区というですね
まああの脳細胞と同じ構造を持っているんですけれども非常に大きな細胞があるので 研究しやすいということで非常に重宝されているわけです
とりわけ高級食材としても名高いヤリイカ 美味しいですよねヤリイカというのが脳科学の研究に欠かせない存在なんですね
でそのヤリイカを 研究で使うからあの定期的に確保しないと
困るわけですよところがヤリイカっていうのはこの漁師さんが釣ってこないと手に入ら ないので困ってしまったわけですね
脳科学の第一人者だった松本源先生という方これ理科学研究所にいらっしゃった先生でも残念ながらなくなっている先生なんですけれども
彼がですね世界で初めてヤリイカを人工飼育することに成功したんですね 当時はヤリイカの人工飼育は不可能と言われていました
何だったら地球上でもっとも人工飼育が難しい生き物と言われていました 当時はイカが精神的なストレスを受けるから水槽の中では死んでしまうと言われていたん
ですね でその松本源先生はそうじゃないよと水槽中のアンモニア濃度が少しでも上昇するとそれが
原因でやり以下が死んでしまうんだということをまあ 仮説を立てられてですね
3年かけて水槽中のアンモニア濃度をコントロールすることに成功してやり以下の 飼育方法を確立しました
もうどんな装置を使ってもアンモニアが検出できないぐらいまでアンモニアの量を コントロールするということに成功されたんですね
動物行動学者でノーベル賞受賞者のコンラートローレンツという方がヤリイカの 人工飼育に成功したと日本人が成功した松本源先生が成功したという話を聞いて
信じられない今すぐ見せろと言ってですね 日本に飛んできたんですね
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でどうも現場に1週間ぐらいてようやく信じたそうなんですけれども 腰を抜かしたそうでこんなコメントを残されています
すべての水産生物の未来を変える まだねやり以下の養殖というのは採算に合わないそうなんですけれども
あのやり以下ってあの餌をね生きた餌を与えないと食べてくれないそうなので どうしてもまだあの養殖の採算は合わないそうなんですがそれでも松本源さんの発明したこのアンモニア除去技術ですね
水槽の中からアンモニア除去するという技術なんですが 他の海水魚の飼育であるとか養殖に使われているそうなんですね
農科学と養殖の移植のコラボというのがね 実現したということというかまぁ
養殖業にとってはついにできるようになったというね夢の技術であったそうなんですね そんなアンモニアですが今カーボンニュートラルの切り札としても注目をされています
日本政府は2050年までにカーボンニュートラルを目指すことを宣言しています カーボンニュートラルというのは二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量と
森林管理などによる吸収量をバランスさせて温室効果ガスの排出量を差し引き 0にするという意味ですまあ出ていった分を
回収することで +-0にしようという考え方ですね
もともと地中や地表にあった炭素カーボン成分を燃やすことでせっせと待機中に放出する ことが地球温暖化につながるということで
これまで放出しちゃった分は仕方ないとして今後はこの放出量と回収量を一緒にし ましょうというのが日本政府の目標これはもう世界的な目標になっています
石炭石油天然ガスのような地下資源はもちろんなんですが森林だってこう地表面に固定された 炭素成分ですからこれを燃やしてしまうと炭素の放出になります
日本だと江戸時代までこの森林ですね木というのがエネルギー源でしたからこれを燃やす ということは待機中にカーボン放出していたということになります
炭素というのはよく燃えるわけですねそれに保存しやすくてなおかつ全世界的な流通も もうすでに発達しているためになかなか炭素以外のエネルギー源を使おうということにはならないん
ですね 一方でこの炭素並みに
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交流通貿が整備されているものなんだろうと思うと実はこのアンモニアなんですね アンモニアも
保存しやすくて全世界的な流通網が発達しているんです アンモニアは地層を含むたべに
同じく地層主成分とする 肥料
火薬 染料の主要な原料になっています
まあ人間だっておざっぱに言えば酸素と水素と炭素と窒素の化合物ですから 窒素バクバク食べないと生きていけないわけですね
エネルギーとしての炭素も必要ですし 食べるための体を作るための窒素というものも必要になってくるわけです
ところがですね窒素はかつては小石という鉱石がほとんど唯一の供給源だったんですね 1906年
ドイツのフリッツハーバーとカールボッシュが水素と空気中の窒素からアンモニアを作り出す方法を発明しました
これをハーバーとボッシュの名前を取ってハーバーボシュ法と言います ハーバーとボッシュはそれぞれノーベル科学賞を受賞しています
このハーバーボシュ法なんですが水素さえどうにかして手に入れれば あとは空気から
空気の中の窒素からアンモニアを作る しかも無人像にアンモニアを作るということになりますから
肥料と火薬を作る方法として世界を一変させました まあ当時は空気から肥料を作る空気から火薬を作る方法としてもてはやされたわけですね
現在でもこの方法は使われています 膨大な肥料が作れることになったので
世界の食料問題これは大きく改善しました 植物というのはもともとはこう土の中の窒素成分を吸い上げることによって成長していたわけですね
ところが人類が農耕を始めたことによって 地表面の窒素成分というのはどんどん足りなくなっていったわけですね
日本でいうと江戸時代までどうしてたかというと都市部で人間の糞尿ですね アンモニアを含む窒素成分がたくさん含まれている糞尿をもう一度
畑に戻すことで植物を育てていたわけですね 植物というのは穀物ですね 穀物を育てていたわけですね
他にも家畜の糞であるとかそれからお魚 イワシなんかもですね畑に撒くことで
窒素成分を土に与えるということが日本では行われていたわけですね これはもう世界中同じことで表面の土、表土の窒素成分の流出ということには悩まされてきたわけです
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日本でも明治以降ですかねその都会化していくことで
人間の糞尿というのを下水に捨てることになってということは 長い目で見ると畑の中の窒素成分を海に捨てていることになりますから
植物が育たなくなっていくとそこに現れたこのハーバー墓主法で空気中の窒素を肥料にすることができるようになったので
食料の革命的な生産性の改善ということにつながったわけですね あと同じ方法で
火薬も作れるようになったということでこれは世界の紛争が長引く原因にもなったというふうに言われています
このハーバー墓主法で作られるのがアンモニアですね アンモニア化学式を書くとNH3となります
窒素原子Nが一つと水素原子Hが3つくっついています アンモニアには炭素Cが入っていないので
燃やしても二酸化炭素CO2が出ません つまりこれで温室効果ガス削減これぞカーボンニュートラルとなりそうなんですけれども
実際のところアンモニアっていうのは空気中で燃えないんですね 酸素濃度を上げるとか他の燃料と混ぜることでアンモニアを燃やすということもできるそうなんですが
アンモニア単体では通常空気中では燃焼しないんですね
一方ですね二酸化炭素を出さないというだけならもっといい燃料があるんです それはあの水素ガスです水素ガスはh2って書きます
こちらはですねアンモニアがNH3なのでもっと単純で水素原子Hが2つくっついているだけ ただし水素ガスは逆に燃えすぎるというかですね爆発するんですね
ドイツの飛行船ヒンデンブルク号というのが 空気中にね浮遊するために水素ガスを使っていたんですけれども
そのために大爆発を起こしています よかったらネットでヒンデンブルク号って検索してもらうともう爆発の
爆発した瞬間の写真というのが残っていますから見ることができると思います 水素ガスというのはこういうふうに運搬が非常に難しいんですね
一方でこのアンモニアというのは生産も流通も世界的に確立しているので アンモニアって元々は地層を流通させるために使われていた形態なんですけれども
実はですね先ほどアンモニアを合成する時にハーバーボシュ法の説明の時にどうにかして手に入れた水素と窒素空気中の窒素とくっつけますよとお話をさせていただきました
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そのどうにかして手に入れた水素をアンモニアとして流通させているというふうに考えると 実アンモニアというのは水素流通の方法手段でもあるということになるんですね
そしてこのアンモニアによる水素の流通が カーボンニュートラル社会の切り札になるかもしれないんです
ではその水素どうやって手に入れたかどうやって手に入れるかなんですけれども実は地球上で一番水素があるのどこかっていうと海なんです
海の中に水素溶けているわけじゃなくて水分子として存在するんですね水 h 2 o ですね h が2個と大が1個水素が2個と酸素が1個
つまり水を分解すると水素が取り出せる ところが水を分解するためにはエネルギーが必要
でこのエネルギーを例えば火力発電とかしちゃうと当然火力発電というのは
化石燃料石油石炭天然ガスを燃やすわけですから カーボン放出しちゃうわけですねだからこれは良くないとカーボンニュートラルならないということになるんです
が まああの
カーボン放出した 方法で手に入れた水はグレー水素と言って区別するんですねでそうじゃなくて
カーボン放出せずに 手に入れらしいそうこれをグリーン水素と呼びます
どういうふうにするか例えば 火力発電ではなくて太陽光発電であるとか水力発電であるとか風力発電とかで電気を
作って水を電気分解して海水を電気分解して水素を手に入れる これをプルー水素あるいはグリーン水素というふうに言います
ごめんなさいグリーン水素ですねブルー水素というのは火力発電で水素手に入れるんだ けれどもそのその時放出した
二酸化炭素を全部回収した場合はブルー水素というそうです 他にですね原子力発電こちらも
炭素を空気中に放出しないので有力な方法として考えられています こちらの場合はイエロー水素というふうに呼ぶんですね
大事なのはグレー水素ではなくてブルーかグリーンかイエローかとにかく co2を 放出しない方法で
水素を手に入れるそれをアンモニアにするそうすることで世界中にエネルギーを供給できる ようになるというお話なんですね
今回のエピソードはアメイ神殿の円アンモニアが 世界のエネルギー流通を変えるかもしれないというお話でした
というわけでまた次のエピソードでお会いしましょう 地でした
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どうもありがとうございました