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2024-06-05 11:49

#18 「N-3期」から始める上場準備 -前編-

▼概要

上場準備に必要な事項をシード・アーリー期からざっくり理解しておくことで、事業へ集中しやすくなります。「コーポレートガバナンス」「会計処理」「内部統制」3つの領域で解説します。


▼トピック

・上場準備を始めるタイミングは、N-3期(上場の3期前)から

・監査法人のショートレビューを受け、上場に向けた課題を洗い出す

・上場準備で取り組むべき3つの領域

①コーポレートガバナンス:取締役会の実効性、社外取締役の役割など

②会計処理:経理の日々の業務、会計ルールの整備など

③内部統制:業務フロー、承認プロセスの設計など


▼『スタートアップ税務AtoZ』番組概要

税理士・公認会計士であり、『NFTの会計税務』著者であるスタートアップ会計の畠山謙人が、会計業務の基礎知識から、業界特化の税務対応まで幅広いノウハウを発信する番組です。シード・アーリーのスタートアップ経営者へ正しい知識を届けることで、Exitに向けた正しいファイナンスの土台づくりを支援します。


▼スタートアップ税務AtoZへのお便り(ご感想やトークテーマのリクエストなどお待ちしております!)

https://forms.gle/tsJdnqJTcZcUYFUe8


▼制作

・出演者:⁠⁠⁠⁠⁠畠山謙人⁠⁠⁠⁠⁠(税理士・公認会計士) @kandmybike

・MC、企画制作:⁠⁠⁠⁠⁠稲荷田和也⁠⁠⁠⁠⁠(StartPods) @oinariiisan

・編集、アドバイザリー:⁠⁠⁠⁠⁠KON⁠⁠⁠⁠⁠(knock'x Media) @konteer10

サマリー

畠山さんは、公認会計士・税理士として、上場準備について述べています。通常、上場準備はN-3期から始められ、具体的な課題として、コーポレートガバナンス、会計処理、内部統制の不足が挙げられます。取締役会では、人員のアサインが行き届いていない場合や、議事録が不足していたり役割が不明瞭だったりするなどの問題が生じることがあります。

上場準備の基礎知識
スタートアップ税務AtoZ、スタートアップフレンドリーな 税理士・公認会計士の畠山さんへ。
税務会計に関する素朴な疑問、企業家目線で今気になる話題を投げかけることで、
企業前後のファイナンスの土台作りを支援する番組です。
MCはJobTalesの稲荷田が務めます。畠山さん、よろしくお願いします。
公認会計士・税理士の畠山です。よろしくお願いします。
畠山さん、今日は上場準備について教えていただければと思っております。
私、今もスタートアップの企業家さんとたくさんお付き合いしている中で、
やっぱりどの方も上場は意識されているなというところと、
その中で畠山さんも今回、上場準備は実はリスナーさんからいただいたリクエストというところなんですよね。
そうですね。ありがたいことにご希望いただきまして決まりましたね。
今回、上場準備の中でもタイトルといたしましては、
N-3期から始める上場準備というところで、
上場準備と言いますと、N-いくつという形で、
Nが上場期として、そこから何期目、何期マイナスかというところで表現することが多いです。
そうですね。
今回はN-3期というのは畠山さんから設定いただいたんですけれども、
大体この上場準備というのはN-3期から始めていくものということでしょうか。
上場準備の課題
そうですね。Nが申請、上場したいという期で、
そのマイナス1とマイナス2で監査法人から会計とか会社のチェックをしてもらって、
監査報告書を2期いただかないといけないということになっていて、
それを始める一つ前がN-3ってなるんですけれども、
その時にまず監査法人からショートレビューというような事前の課題とか、
会計監査の契約をしてもらうためのマイルストーンみたいな、
こういう体制を作っていかないと会計監査を受けられないみたいなような課題を洗い出してもらうのを
ショートレビューというんですけれども、
それがN-2の期中の場合も決算期次第であると思うんですけど、
大体イメージN-3ぐらいから始めようと思う一つ前の年度から監査法人をいろいろ探してとか、
実際中身を見ていただくっていうのは始めるようなイメージなので、
そこでN-3っていう風な逆算で決まってくるイメージかなと思ってます。
なるほど、その2期分の報告書が必要でショートレビューが2期分必要なので、
その2期分から始められるようにマイナス3から動き出さなきゃいけないということなんですね。
そうですね、現状のゴールから見た時の課題感とかをまず見て、
プロジェクトが始まるみたいなイメージですね。
今これN-3っていうと会社によって全然定義いろいろ違いそうだなということを聞いてて思ったりもするんですけれども、
大体これよくベンチャースタートアップだとエクイティ調達してるとシリーズいくつAなのかBなのかCなのかみたいにありますけど、
N-3って大体シリーズでいくとどれぐらいが多いんでしょうかね。
そうですね、シリーズって言い方とNって言い方が2つあるのであれですよね。
イメージはシリーズCかDぐらいでNマイナス上場準備を見据えてる感じが始まるかなと思うので、
言い方変えますとシリーズCとかDぐらいには結構具体的なエグジットの時期が設定された資本政策とか、
それに基づく時価総額を投資家さんに対してプレゼンしてるようなタイミングで言えるんじゃないかなというふうに思います。
いくと今回N-3でいくとそれもシリーズCぐらいには動き始めるみたいなイメージなんですかね。
そうですね、シリーズも後ろの方でEぐらいまでやるんですかね、最近。
あんまり最近シリーズDとかEとかPRタイムスで見ない気もしてて、なんとなくですけど。
それありますね、あんまりシリーズを表記しないプレスリリースとかよく見る気がします。
なので、実際シリーズどのくらいまでやるのかが最近最後の方がわからないんですけど、
Cぐらいには明らかにIPO意識が始まってて、上場するためのスケジュールも見えてきてると思うんですよね。
イメージだったものが実際に具体的に説明できるようなロードマップ引けるまでになってきてると思うので、
Cぐらいかなと思います、N-3とか、もしかしたらN-2とか。
分かりました、ありがとうございます。上場準備に実際N-3から入ろうとしたときに、
実際にどういう課題があるあるとしてあるのかみたいなところも今回聞いていきたいんですけれども、そのあたり教えていただけますか。
これを考えるにあたりまして、実際にショートレビューを監査法人から受けたときにもらうようなレポートが手元にあったんで、
そこを実際に見て項目を考えてみたんですけれども、大枠としては3つありまして、
1つは横文字なんですけど、コーポレートガバナンス。これが足りてないと言われるような部類が1つですね。
2つ目が会計処理の話で、実際の今の日々の経理だったり決算書に不足してる会計のルールがありますというような部類のものが2つ目。
3つ目が内部統制と言われるものが、まだ会社に存在しなかったりだとか不足部分があるよというような指摘がある部類のものですね。
なるほど。1個目がコーポレートガバナンス、2つ目が会計処理、3つ目が内部統制ですね。
初歩的な質問で恐縮なんですけど、コーポレートガバナンスと内部統制って具体的にどういう差分があるんでしょうか。
差分ですね。コーポレートガバナンスは会議の合議体のことであったりだとか、組織図みたいなものかなと思ってます。
内部統制は組織図に現れるものでなくて、会社のルールとか規定とか、流れるフローは組織図でも読み解くことはできるんだけれども、
もう少し具体的な実際の普段の業務設計だったりだとか、その情報を上げていくフローですね。
あと、承認がどのように行われているとか、実務寄りのもののイメージですね。
なるほど。ちょっと理解が進んできました。
この辺りは1個1個また触れていく中で、より詳しいところが分かっていくかなと思いますので、
早速なんですけど、一番最初のコーポレートガバナンスが、これは不足しているって話がありましたけれども、
具体的にはどういう観点が足りなかったりすることが多いですかね。
そうですね。例えば、取締役会というものが会社にあるんですけれども、
定期的に取締役会の介護されていないだとか、議事録を残すことができていないとか、
あと非常勤の取締役の方もいらっしゃる場合だと、そういう方の取締役会への参加だったりだとか、
その会議で実効性のある発言とかアクションが議事録上で確認ができないので、
この取締役の方はどういう役割をいただきをされているんですかとか、
そういう取締役会のことが1つあります。
取締役会の課題
これは取締役会で、そもそも人がアサインができていないって話もあれば、
アサインして参加はしているんだけれども、議事録が足りないとか役割が不明瞭だったりとか、
そういったところですね。
そうですね。取締役、会社法に照らしたときの人数が不足しているというのもあり得ると思いますし、
取締役さんはいらっしゃるんだけれども、会議がされている実態がないとか、
あとは上場に向かっていく場合だと、やっぱりそれを書類として残していくようなことも求められるので、
その議事録がないとか、そういう形式面の刺激などが考えられます。
こういったのって、この1から3まで上げていただいて全部に当てはまるかもしれないですけど、
このN-2期になって足りないってなったら、そこから遡るとかで間に合うものなんですかね。
それともあらかじめやれてないと、どんどん上場というのは後ろ倒しになっていっちゃうものなんですかね。
そうですね。ショートレビューでいただく課題の潰し込むためのスケジュールなども具体的に考えてみたときに、
イメージされている2年後、3年後に間に合うかとか、コーポレートガバナンスでいうと組織図というふうに申し上げたんですけど、
人材配置が足りてないみたいなことだから、付属しているその人材を連れてこれるかっていうのも、もし難しいのであれば後ろになっていかざるを得ないと思うんですよね。
取締役、社外取締役とか監査の方々が含まれるのかなと思いますけど、きっとそんなには簡単には採用できなかったりもするんじゃないかなと。
キーマンとかは。
上場への影響と対応策
ですよね。と思うとそこのラグも発生して、こういうの積み重ねでやっぱり上場ってどんどん後ろ倒しになっていっちゃったりするんですかね。
そうですね。なので他の言い方をすると、ショートレビューというようなことを受けるような機会に、実際の現在の現在地ですね。
はい。
課題のその種類とか課題の数とかをそれで知って、実際に上場するためのスケジュールが明確に作れるようになるとも言えるかなって思います。
なるほど。この辺りは本当に今からできることは何なのかみたいなこともちょっと後ほどポテキャストでも扱いたいなというふうに聞いてて思いましたし。
1から3ですね。コーポレートガバナンスの不足、会計処理、内部統制と3つ挙げていただきましたけれども、ちょっと難しい内容でもあるので、一旦今回はコーポレートガバナンス不足までで一旦切らせていただいて、
次の回で会計処理と内部統制と扱わせていただいて、その後にできることは何なのかみたいな話とかも触れられたらいいなと思いますので、一旦今回はここまでとさせていただきますと。
なので全体像といたしましては、徐々に際しては2期分の報告書がショートレビューで必要になってくるので、N-3から監査だったり証券会社だったりどこを探していく必要があると。
具体的にはシリーズCぐらいにはそういった動きっていうのは具体的に始まっていかないと間に合わないのではなかろうかという話もいただきましたと。
今回コーポレートガバナンス扱ってきましたので、次回以降会計処理と内部統制について触れていけたらなというふうに思っております。畑山さんありがとうございます。
ありがとうございました。
この番組はスタートアップ会計の畑山さんとJobTailsの稲荷田がお送りいたしました。
トークテーマのリクエストやご感想、畑山さんへのご相談は概要欄のお便りフォームか畑山さんのXメッセージ欄までお気軽にお寄せください。
今回もリスナーさんからのテーマいただきましたけれども、やっぱり嬉しいですし積極的に扱っていきたいなと今後とも思っています。
そうですね。ぜひぜひお願いしますというところですね。
コメント、フィードバック嬉しいですね。
そして番組のフォローだったり、たくさんご協力いただけますととっても喜びます。
それではまた次回の配信でお会いいたしましょう。ありがとうございました。
ありがとうございました。
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