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2024-06-12 15:38

#19 「N-3期」から始める上場準備 -後編-

▼概要

スタートアップが上場準備を進めるにあたり、N-3期から対応すべきポイントについて解説します。ショートレビューに必要な観点として、コーポレートガバナンスの不足、会計処理、内部統制の3点に焦点を当てました。


▼トピック

・収益認識基準:売上げの計上方法を実態に即して見直す必要性

・税効果会計と減損会計:会計上の利益と税務上の所得のズレを調整する処理

・販売プロセスにおける内部統制:営業から売上計上までのルール化と実態の適切性確認


▼『スタートアップ税務AtoZ』番組概要

税理士・公認会計士であり、『NFTの会計税務』著者であるスタートアップ会計の畠山謙人が、会計業務の基礎知識から、業界特化の税務対応まで幅広いノウハウを発信する番組です。シード・アーリーのスタートアップ経営者へ正しい知識を届けることで、Exitに向けた正しいファイナンスの土台づくりを支援します。


▼スタートアップ税務AtoZへのお便り(ご感想やトークテーマのリクエストなどお待ちしております!)

https://forms.gle/tsJdnqJTcZcUYFUe8


▼制作

・出演者:⁠⁠⁠⁠⁠畠山謙人⁠⁠⁠⁠⁠(税理士・公認会計士) @kandmybike

・MC、企画制作:⁠⁠⁠⁠⁠稲荷田和也⁠⁠⁠⁠⁠(StartPods) @oinariiisan

・編集、アドバイザリー:⁠⁠⁠⁠⁠KON⁠⁠⁠⁠⁠(knock'x Media) @konteer10

サマリー

公認会計士・税理士の畠山さんとの対談で、N-3期から始める上場準備について話し合われています。具体的な課題として、コーポレート・ガバナンスの不足、会計処理、内部統制が挙げられています。固定資産の誤価についての説明、会計処理のお話、内部統制についての説明が行われています。

00:01
スタートアップ税務AtoZ、スタートアップフレンドリーな 税理士・公認会計士の畠山さんへ、
税務会計に関する素朴な疑問、企業家目線で今、気になる話題を 投げかけることで、企業前後のファイナンスの土台作りを支援する番組です。
MCはJobTalesの稲荷田が務めます。畠山さん、よろしくお願いします。
公認会計士・税理士の畠山です。よろしくお願いします。
上場準備の課題
本日のテーマは、前回に引き続き、N-3期から始める上場準備、 こちらは扱っていきたいと思っております。
前回、全体像をお話しさせていただきまして、 簡単に振り返させていただきますと、
上場に際してショートレビューで2期分の報告書なども必要ですので、 N-3期から具体的に準備を仕込んでいく必要があるという話がございまして、
よくある課題といたしましては、3つ挙げていただきました。
1つ目がコーポレート・ガバナンスの不足、 2つ目が会計処理、3つ目が内部統制というところで、
前回、コーポレート・ガバナンス具体的にはどんなことが足りないのかと お話しさせていただきまして、
組織図・会議体の設計が甘かったり、特に組織のところでいけば、 取締役会が人数が足りていなかったり、役割が不明瞭だったり、
そういったところはよくあるというところをいただきました。
本日は残りの会計処理と内部統制と、 その辺り扱っていきたいと思っております。
早速では畑山さん、会計処理、これは 畑山さんはまさに得意分野かなと思われますけれども、
具体的にはどんな課題とかがあっているんでしょうか。
よくあるのが、会計基準でいうと、収益認識基準を適用しましょうというのが書かれると思います。
売り上げの形状の仕方の話です。
収益認識基準というのは、これは会社ごとに定めるものなんですか?
それともある程度のフォーマットみたいなものがあるんですかね。
会社さんの売り上げの上げ方、ビジネスの体系だったり、
昇流に応じて会社さんごとで細かく分類はしていくんですけれども、
その収益認識基準っていうのは、始まってどのくらいかな、
5年ぐらいは経ってるんで、ある程度何々業種の方はこういう売り上げのパターンがあって、
その時はこういうふうに対応していくみたいなのは、型ができてきてると思うので、
それは大手の監査法人であれば、全部の上場企業が対応してきているので、今までですね。
なので、内部ではある程度型があって、まずは自分たちで考えてそれを当ててくださいと言われてしまうと思うんですけれども、
具体的な相談ができるまで、理解とかレベル感がなってきたら、ソリューションは持ってると思います。監査法人の中に。
もうフレームワークというか、一定培ってきたものもあって照らし合わせることはできる。
内部統制に関する課題
特に差数だとか、割とフォーマットがありそうなところだと明確にありそうですね、この辺りは。
これは例えばどういう項目になってくるんですかね。
そういう営業利益とかあるあるとか、そういった話ってことですか。もっと細かいんですかね。
売り上げを認識して計上していく部分なので、
その時計算書で言うとほぼほぼ売り上げ高の部分にスポットライトが当たっていて、
一番最初、税理士さんしか関与してないようなタイミング、その確定申告だけを考えていた初期の時代は、
多分だいたい現金主義で売り上げを計上すると思うんですよ。
通帳に入金されたタイミングで、これは売り上げだなっていうようなことですね。
例えば、5月の働きに対して6月の頭で請求書を出して、6月の末で通帳に入金してくると思うんですけれども、
現金主義だと、6月の末の日付で計上する、6月の売り上げになるみたいなところから始まると思うんですよ、やり方が。
その後発生主義の方が望ましいっていう話になってきて、
5月の働きなので、それは5月の売り上げとして計上するのが発生的に正しいっていう風な。
請求書を発行することが確定したタイミング、発行することは6月の頭ぐらいに実際はやるんですけれども、
その請求書の売り上げはその前の5月の末に確定したものだから、
売り上げを計上する日付自体は5月だっていう風にやっていくのが発生主義の売り上げですね。
発生主義はこれいわゆる売りかけ金みたいなそういう概念と同じで捉えて大丈夫ですか?
そうですね、確かに現金主義は入金済みの売り上げを計上するから売りかけ金は出てこないですね、確かに。
発生主義で売りかけ金が登場してきますね。
じゃあもしもずっと現金主義でやってきていたのであれば、めちゃくちゃ遡りまくって発生主義で計算し直すみたいな作業が必要になってきちゃう。
そうですね、確かに売り上げの形状が遅れていくので、直さないといけなくて、
さらに収益認識基準でいくと発生主義の世界なんですけれども、
提供する業務内容をちゃんと実態通りにもう一度見直そうというようなもので、
売り上げを100万円請求しているような時に、
売り上げの内容、業務内容が3つとか4つとかある場合に、
提供する内容を実態ベースで考え直すんですね。
どういう働きをその相手方さんにした上での100万円かっていうのを考え直して、
それを売り上げの打ち明けが明らかになって、
その請求できる100万円もそれぞれ配分することができた時には、
全部の業務が完了して今までは請求書を発行してたんだけれども、
それぞれの業務が終わったタイミングで、かつ請求する権利を持ってるんであれば、
その都度売り上げとして認識して請求していかなければいけないっていう、
もうちょっとビジネスを理解して実態に即して売り上げ認識していこうよっていうのが
収益認識基準で、難しくなるわけですね、今までよりは。
めちゃくちゃ難しそうですし、大変そうですね。
だってこれ例えば3つ分類があったとしたら、3回請求して3回入金してもらって、
会計業務も全部発生してってことですよね。
そうですね。
めっちゃ大変ですね、これは。
で、契約書も多分巻き直してきてるんだと思います。
その収益認識基準が始まったときに大騒ぎしたので上場企業が。
そうなんですね、さっき確かに5年前って話ありましたね。
逆に5年とかなんですね、ずっとあるもんではなかったんですか。
新しいですね、はい。
でもその収益認識基準っていう会計処理の中でいただきましたけれども、
基本的にはもうこの収益認識基準が一番課題になりやすいって感じですか。
他にもあったりするんですか。
そうですね、あと会計でいくと、
税効果会計とか。
税効果会計。
減損会計とか会計士が好きなのが。
確定申告ではそんなこと考えなくていいんで、
多分それができていないから定番で指摘される。
そうですね、定番だと思います、指摘事項の。
税効果何でしたっけ。
税効果会計ですね。
税効果会計、税効果会計は何者ですか。
税効果会計はちょっと説明が簡単には難しいんですけど、
法人税は所得に対してざっくり30%なんですね、日本で。
だけど法人税法の世界で会計上で収入と費用として処理をしてきた部分に対して、
調整しないといけないものがあるんですね。
税の世界では収入として認めてなかったりだとか、
費用として認めてない差分があるんですよ、会計と税務の世界で。
ずれがあって、それを調整した後で税額が出てくるんですけれども、
そうすると会計上の税前利益と法人税の計算をした上での法人税の額が3割で対応してこないんですね。
ずれるんですね。
ずれます。そのずれを会計上で入れるんですよ。それが税効果会計です。
ざっくり理解できたので十分かなという気がします。ありがとうございます。
誰得だっていうようなジャンルですね。
確かにニッチですね。でもなんか知っておくだけでも少し楽になる気がするのでありがとうございます。
一旦そこの2つぐらいですかね。
あとそうですね、減損会計。
減損まだあるんですね。
ITスタートアップとかSaaSをやっている会社さんは固定資産を持たないので、
持つとしたら入居されているオフィスの内装とかですね、
結構おしゃれに作る内装部分は固定資産になっているのと、
あと自社開発してきたサービス提供のための開発費部分をソフトウェアっていう風な感じで固定資産継続していれば、
だいたいそれらが固定資産のジャンルというかそういうものを計上している可能性があるんですけれども、
減損会計っていうのはその固定資産が今いくらだっていう風に決算書で載ってるんですけれども、
それはあの減価消却を行った上での残っている価値を母価って言うんですが、母価で計上されてるんですが、
それがちゃんと将来回収できるかどうかを照らし合わせて、もし無価値だっていう風に判定できるんであればゼロ円だよねみたいなのが減損会計で、
資産に固定資産載ってるんだけれども、これらはゼロ円にするのが正しいから、
全部特別損失で費用化して落としなさいっていう感じですね、減損しないといけなくなると。
結構一通りの固定資産を精査して、これいくらいくらで毎年計上してるけど、いやこれもはやゼロ円じゃないかっていう指摘が入り、
その場合は特別損失で計上するってことなんですね。
そうですね、今までは減価消却のペースでしか価値を落とせてなかったんですけれども、
会社の今後の3年とか5年の事業計画を見た上で、どれだけキャッシュフローを稼ぐことができるかということを算定して、
固定資産の誤価
それが今の固定資産の誤化よりも低いんであれば、え、回収できんやんみたいな、っていうのが減損会計ですね、ざっくり言うと。
反映されてないですね、価値がみたいな言って。
という会計基準があります。何のこっちゃっていうことなんですけど。
いや本当に何のこっちゃでしたね。でも一個一個紐解いていくとすごく難しいわけではない気がして、
ただちょっと1回聞いて忘れちゃいそうですけれども、何回か聞かなきゃなっていう気はしますけれども。
3つ目、今2つ目として会計処理のお話いただきましたけれど、3つ目、内部統制が最後残ってまして、こちら教えていただけますでしょうか。
例えば、営業を行って会計上で売上計上するまでの流れを、内部統制用語で販売プロセスって言ったりするんですが、
まず営業の方がお客さんを探す新規の営業の開拓をされるような時に、
まず一番最初商談から始まるんですけれども、その後必ず会社の決められたフローで契約を結ぶかっていうところからスタートするんですね。
まずちゃんと決められたフォーマットで契約書が結ばれて、それを営業部の上長が全部目を通して承認してるかみたいなのが内部統制ですね。
やっぱりそういうルールがなければ、いろんなやり方が生じちゃうわけですよ。
ある担当者とある担当者は違う感じで契約を結んだり結ばなかったり、契約なしで入金だけしてくれる話でも話しつけるとか、いろいろあると思うんですよ。
上長の承認というルールがあっても、上長以外のアカウントで承認ができてしまったりだとか、上長の方もただ何も確認せずボタンをクリックして承認を済ませてるだけとか、
紙にハンコを押すことになってるんだけど、そのハンコは引き出しに鍵がかかってなくて誰でも押せるとか、いろいろあり得ると思うんですよね。
ありますね。今お話をお伺いしてて、私の稲荷田も一社目メガベンチャーで、未上場のタイミングから上場になる、営業としてまさに担当していたので、
このあたりは承認の権限ってかなり細かく決まっていて、エスカレーションの一覧表みたいなのがすごい分量であって、なんでこんな細かいんだろうって現場目線で思っていましたし、
あと承認においても、確かその時は均等だった記憶なんですけれども、営業管理とかそういうのはセルスポースとか使ってるのに、
こっちの権限とかは均等とか使ってて、これもなんかややこしいなとか思ったんですけど、これもまさに内部統制の一環だったんですね。
そうなんです。
今いただいたのが販売プロセスでしたが、ここはこれだけで一旦大丈夫ですかね、まだ他にありますか?
けど、内部統制そういう分野の話ですね。
売上げの形状までいきますと、営業部の方が作ってきてくれた仕事や売上げに対して、その後請求書を発行して売上げに会計で計上されるっていうその仕事も全部内部統制で、
全部がそれぞれの担当の方がまず仕事をされた上で、それが正しくできてるかっていうその冗長の方の確認が欲しいわけじゃないですか。
それをちゃんとルールが存在してて、そのルールの通りできてるかっていうことと、あとただやってるだけではなくて、それがちゃんと実態を伴った適切なものになってるかっていうのが内部統制って感じですね。
これもなかなか対応時間かかりそうですね。
スタートアップ基本カオスだと思うんで、ルールがないからカオスだと思うんですよね。いろんなやり方が存在してるとか、だから適事項はたくさんあると思います。
ありがとうございます。上場って本当に大変なんだなっていうのが一番出てくる感想ですね。
締め付ける感じのことが多いと思いますね。学校に入るとか優等生になるみたいな感じですかね。
そうですね。ちょっとこれ知ってたら上場を簡単に上場するとか言いたくないなとか思っちゃいそうですけど、とはいえいろんな方がやっぱり目指すのは上場でオードな手段だと思ってますし、
これはなんかやっぱり事前に知っておくっていうのはすごく価値があるかなと思ったので、聞いてくださった方には良いナレッジが届けられたかなと思いますし、
加えて次回ですね、実際にこれに向けてどういう対応ができるのかみたいな話もしていきたいなと思いますので、
今回はここまでとさせていただきまして、2回にわたってL-3期から始める上場準備と前面講編で、
主にはショートレビューに際して必要なコーポレートガバナンスの不足だったり、会計処理だったり、内部統制だったり、その3つを細かに解説いただきました。
この番組はスタートアップ会計の畑山さんとジョブテールズの稲荷田がお送りいたしました。
読手間のリクエストやご感想、畑山さんへのご相談は概要欄に記載のお便りフォームか畑山さんのXメッセンジャーまでお気軽にお寄せください。
ぜひ番組のフォローだったり拡散にもご協力いただけますと幸いでございます。
それではまた最後、何ができるかというところもお伝えしていきますので、次の配信でお会いいたしましょう。ありがとうございました。
ありがとうございました。
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