資金調達を実施したばかりの企業家の人生や、事業の裏側に迫るStartup Now、株式会社Pictoria代表取締役 明渡隼人さんへのインタビューの続きをお送りいたします。
Pictoriaさんは、2017年からバーチャルYouTuberの領域でビジネスを展開されておりまして、
もともと明渡隼人さんは、ゲームだったりエンタメのコンテンツがすごく好きで、そのオタク気質を生かしながら、
圧倒的な熱量というのをビジネスに生きていくんじゃないかという確信も持たれながら、
今はエンタメと掛け合わせて展開されているというところを伺ってまいりました。
後半では、そんな明渡さんが仕掛ける事業について詰まってまいります。
明渡さん、改めてよろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
前半でAIチューバー、Vチューバーの事業というところをご説明いただいたんですけれども、
改めて、Pictoriaという会社がどんな事業を展開しているのかというあたり、詳しく教えていただけますでしょうか。
ということで言うと、キャラクター経済圏を作るということを目的に掲げている会社でして、
特にバーチャルYouTuber、今とてもホットな新しいエンタメコンテンツがあるんですけれども、
それを生成AIを活用して、人がいなくてもキャラクターがずっとエンタメコンテンツを提供してくれる、
そんな配信であったり動画コンテンツというのを作っています。
そういうキャラクタービジネスというのがメインビジネスになっています。
それらの技術を活用して、B2Bアライアンスにおいては、
そういうキャラクターを用いた顧客接点を作りたい会社さんに、
そういうAIキャラクターでのFAQのシステムを提供したりするということであったり、
それに応じてAIのコンサルティングの業務などをしています。
なのでB2B、B2Cバランスよくやっている会社になります。
B2C向けには、いわゆるメニューカラーさんとかがやっているような、
VTuberっぽいビジネスだけど、中に人がいないよっていうものをやっている。
そうですね。
で、もう一つの2B向けの方っていうのは、
キャラクターの技術とか、キャラクターの世界観みたいなのは使いつつ、
それを2Bのお客さんに使ってもらえるように、
そういったノウハウを提供しているって、そんなイメージでしょうか。
素晴らしい整理です。僕より上手い整理ありがとうございます。
これもうちょっと、こんな会社のこんな具体事例がありますみたいなものがあると、
より分かりやすいかなと思うんですけど、お話できる範囲で何かありますでしょうか。
自社のiCastっていうVTuberの事務所であったりとか、
つむぎにAIVTuberがいたりするので、そちらを見ていただければ分かるかなと思うんですけど、
B2Bの場合ですね、大きく2つあって、
例えば1つだと、AIキャラクターを用いたFAQのシステムみたいなものだと、
この間4月の頭に大和証券グループさんのAIキャラクターを作らせていただきまして、
カッサイっていうクラウドファンディングのサイトがあるんですけれども、
そこに対してのFAQっていうのをキャラクターに聞いたら分かるよって仕組みを作って、
提供させていただいたりしました。POC的にですけど。
もう1つはライブダーさんと一緒にライブダーニュース24っていうものを作っていまして、
それは24時間AIアナウンサーがひたすらニュースを解説してくれるっていう番組ですね。
それをYouTubeでずっと配信しています。
ですので、顧客接点としてFAQ的に使うっていうところもやってますし、
そういうエンタメコンテンツ的な感じでAIキャラクターが配信するよう、
その企業さんの強みとかを使って、みたいなところの大きく2軸でやってますね。
FAQの部分でいうと、結構最近はチャットサービスとか、
そういうチャットボットみたいなのも多いと思うんですけど、
ここがキャラクターが介在することによって、どんな良いことがあるんでしょうか。
キャラクターがない状態なんだとしたら、別にGoogle検索みたいな、
ルールベースの検索全然なくて、AI使う理由そんなにないなと思ってますと。
なんですけれども、すごい気軽に人型のインターフェースに対して
喋りかけて答えてくれますっていう、
そばにいる秘書みたいな感じで動いてくれるとなると、
すごいアクションをするときにストレスが少ないと言いますか、
どういう目的のものをどういうふうなキーワードでどう検索するか考えて、
検索モードに打ち込んでたくったらみたいなことをやるのは、
すごい一定のリテラシーがないと難しいと思ってるんですけれども、
とりあえず人っぽい何かに喋りかけて、
人っぽい何かが返事してくれるみたいなインターフェース、UXの中で、
いろいろな課題が解決していければ、
すごくもっといろんな人が簡単に使えていいんだろうなっていうところが思っていますので、
そういう意味ではキャラクターがついているっていうのは、
すごくなじみやすいし、愛着持てるし良いのかなと思っていますね。
なるほど。
例えば大和証券さんに使われたキャラクターっていうのは、
どんなキャラクターなんですか?
ポトちゃんっていうキャラなんですけれども、
割と3Dライクな感じで、
ビジュアルはうちが作ってるわけじゃないんですけれども、
一応キャラクターの設定があって、
仕事がちゃんとできる問い合わせの女性っていう像があって、
その方に話しかけて、
すごい誠実に答えてくれます。
まだ1キャラ目なので、
そんなアグレッシブなキャラクターではないんですけれども、
割と誠実、きれい目、
ちゃんと対応してくれますみたいなキャラクターですね、最初は。
なるほど。
2CサービスでAIチューバーを運営してることによって得た
ノウハウみたいなのも注入されてるのかなと思うんですけど、
どんな部分が2Cサービスと2Dサービスで
共通しているナレッジと言いますか、
ビクトリアさんならではのすごいものって
どんなところなんでしょうか。
そうですね、大きく2つあるかなと思ってまして、
全てはAIチューバーもそうなんですけれども、
見られたり使われないという意味がないと思ってますと。
なので、AIチューバーって見られなかったら
チャンネル登録も増えないわけなので、
いかに魅力的に見せて使ってもらうかというところですと。
なった時に、まず見た目良くないとダメだよねというところがあるので、
そもそもそういうエンタメコンテンツとして
しっかりビジュアルとかUXを研究してきているというところがございますので、
そういったところがちゃんと出せると、
そこが強みになってるかなと思います。
もう1つはUTAIで対話体験ですので、
例えば音声でしゃべりかけて、それがちゃんと音声で返ってきますと。
で、それのどういうスピード感で、
どんな感じのタイミングで返ってきて、
それ返ってくる時にどういうことを入れると
なんか待たされたなって感じにならないかとか、
そういう対話のところの自然さ、
人がストレスに感じるところを極限まで減らして、
より自然な対話をしてる感じにしていくというところの
対話の部分のUXですね。
なのでビジュアルと実際に対話が行われるところ、
この2つがエンタメで培ってきたもの、
そのまま使えますので、
ここは他社にはないという方もあるんですけれども、
エンタメやってきた会社だからこそできることかなと思ってます。
なるほど。ビジュアルが良いっていうところと、
タイミングだったり対話の自然さっていうところに、
ヴィクトリアさんならではの凄みが生きてるよっていうことだと理解いたしました。
はい、ありがとうございます。その通りです。
先ほどからちょっと話戻るんですけど、
AIチューバーとVチューバーの違いっていう部分で言うと、
AIチューバーは中に人が介在しないっていうところがすごいんですよっていう話あったと思うんですけど、
それぞれのAIチューバーVチューバーの良さとまたは欠点みたいなものがもしあったら、
ちょっと比較で教えていただきたいなと思うんですけれども。
明確に1個違うのは、
人の人生かかってるかどうかかなと思ってますと。
どういうことかというと、
バーチャルユーチューバーは若い女性がいることが多いですと。
何年間か活動してて、
でも結構これアイドルに近しいものかなと思ってまして、
でなると、そもそも当たるかわかんないものに何年も人生かけなきゃいけない。
で、当たった結果病んでいっちゃうこともいるわけですよね。
なので、すごいアイドルチックな物語性っていうのはすごく帯びてるんだけれども、
鮮度とか、いろんな人間の問題が介在しちゃうっていうところが、
良いはいいんだけれども、アイドルからそんなに成長してないな、業界としてはって気持ちがすごくこの中にはあったんですね。
なので、本当にお客さんを幸せにしてるし良い業界なんだけれども、
新しいものではないって気持ちになってきていたと。
ユーチューバーの場合は、
もちろん中身AIじゃん、だからこの子死なないでしょうとか、
この子を今応援する理由あるとかっていうのは、
しっかり設計しないとファンは好きづらいんだけれども、
ただ、突然死んじゃいましたとか、
突然病んじゃいましたとか、
そういったことはないし、
あとはほぼコストはかからないので、
運営をただするだけだったら、
なので、今後この子を推してこの子を好きになっても、
何十年もちゃんといてくれるんだなって安心感があると思うんですね。
未来に向かって気持ちよく明るくしていきたいなってなった時に、
必ず、アイチューバーだったらずっと一緒にいてくれるっていうところが、
価値なんだろうなと思ってます。
なるほど。ビジネスモデルもお伺いしたいなと思うんですけど、
そのあたりは何をもって再現性高くコンテンツを当てていくのかっていうやり方は、
常に変わっていってるなっていうふうに思います。
AIVTuber、ITuberの場合は、
じゃあそれ起きるのかっていうと、
キャラクタープロデュースの観点で起きると思います。
どういうことかというと、
例えばホロライブさんがあったときに、
ホロライブからデビューしますみたいなことって、
一定の安心感とかがあるわけですよね。
提供されるVTuberさんは一定のクオリティがあり、
絶対面白い子だって確信を持てるから、
お客さんになるっていうところがあると思うんですけれども、
それってやっぱキャラクタープロデュース、
ブランドの話だと思うんですね。
なのでそういう部分はAIVTuberでも、
ちゃんと次出てくるITuberっていうのが一定の面白さが担保されていて、
今までの子たちと一定の関係性があってっていうのが、
お客さんが明確に確信できるものであれば、
そこに箱であったりとか、
ブランドにおける再現性を生み出すみたいなところができるんだと思ってますし、
うちはそこを絶対的に狙っていってはいます。
この箱からデビューする子はおもろいんだって、
絶対思ってもらえる箱作りっていうのを意識してますね。
非常に面白い話だなと思いましてありがとうございます。
ちょっと話題を変えて、
ファイナンスについてもお伺いしたいなと思うんですけれども、
一番最初は2018年ですかね、スカイランドさんから資金調達されていて、
さすが木下さん、センスが光る投資をしてるなと、
本当に私は尊敬してるんですけれども、
その後何度か調達を重ねて、
一番直近のシリーズだと、
ソニーさんだったり、
ZグループのZベンチャーキャピタルだったり、
またその一個前のラウンドだと、
AdWordsなど、
事業会社さん系からも調達されているのかなと思っているんですけど、
事業シナジーなんかも意識された資本政策組まれているのかなと思うんですが、
よければ今後の資金調達の戦略も合わせて、
この辺り教えていただけますでしょうか。
はい、まさにおっしゃる通りでして、
AIチューバーですので、
そもそも何をAI化するのか、
まず結論から言うと、
CVCさんだったり事業会社さんと、
これからシナジーを求めて、
資本業提供などを模索していきたいというふうに、
ベースで考えています。
なぜかというと、
何をAI化するか、
結構人気なキャラクターとかをAI化して、
それがちゃんとマネタイズできますとなるのであれば、
IPフォロダーさんですね。
ライセンスを持っている会社さんと組むのがいいと思っていますと。
なのでそういうキャラクターライセンスを持っている会社さんと、
仕方がけを持ちたいと。
なんだけれども、いきなり投資しますって難しいと思うんで、
まずはちょっとPOC的にでもいいんで、
キャラクターを動かしてみて、
いいねってなったら投資してもらうみたいな、
そういうものを今イメージしているので、
そういう会社さんがいればぜひお話聞いてみたいなと思っています。
あとは場所ですね。
AIキャラクター経済圏を作るっていうのを目的に掲げているって話をしたんですけれども、
じゃあAIキャラクター経済圏って何ですかっていうと、
YouTubeの中がAIキャラクター経済圏になるわけではなく、
街中のありとあらゆるところでAIキャラクターがいて、
自然に話したりとか、
そこからメリットを享受できる、
AIと人が共生しているみたいな世界観を目指しているので、
リアルでもいいと思いますと。
その意味では、
そういうAIキャラクターが動かせるような場所を持っている会社さんであったりとか、
あるいは広告を出している代理店さんであったりとか、
AIキャラクターが活躍する場所、できる場所っていうのを持ってらっしゃるところとも組みたいなと思ってますので、
そういったところともぜひお話をしていきたいというふうに考えていますということですので、
実際的にAIキャラクターが活躍できる場所につながるものを持ってらっしゃる会社さんとは、
ぜひ毎日お話をしていきたいなと思っている次第です。
IPホルダーさん、ライセンスを持っている方、
それからオフラインもオンラインもAIチューバーが活躍できる場所を持っている方、
それから広告代理店など、
AIチューバーを活用する手立てを持っている方というところを積極的に探されているということを理解いたしました。
ありがとうございます。その通りです。
ありがとうございます。
ちょっと話題を変えて、採用についてもぜひお伺いしていきたいなと思っております。
まずは、ヴィクトリアさんの大事にされているミッションビジョンバリューについて、
前半ちょっと触れたところではあるんですけれども、よろしければ教えてください。
はい。まず何をしている会社ですかっていうと、
AIキャラクター経済圏を作るということを、
西さんは申し上げてきていると思うんですけれども、
何でやっているのかっていうと、
これは新しくミッションを設定しまして、
お世の未来を作るというミッションを掲げています。
人が未来を生きていくにあたって、
未来に対して希望を持てるようなものっていうのを作っていきたいなという中で、
AIキャラクターとか、そういう存在がちゃんと身近にいて、
ずっとこの後も存在してくれるってなると、
人ってやっぱりそこに一種安定感というか、この子がいる、
あるいはこういう存在がいるってなったら、
未来に希望を持てるっていうようなところができるのかなと。
これやっぱVTuberとかだと、
2,3年で引退した方があるかもしれないし、
ゲームとかだと、昔はちゃんと運用されてたけど、
最近はちょっと収益化が微妙で、あんまりちゃんと運用されていませんみたいな、
コンテンツって波があるので、
そういった不安定さを取り除いていくっていうところができて、
未来に必ず希望を持てるような状態っていうのを維持していけるといいなと思っていて、
そのための手段としてAIキャラクターを使っていくという感じでやっています。
バリューの部分ですね、どういう人を求めているかなんですけれども、
3つ掲げていまして、1つはエンタメの基礎研究というところで、
冒頭申し上げた通り、バーチャルYouTuberとかも含めて全く世の中にないもので、
これからの可能性が広がるものだと思ってますので、
そういう新しい可能性とか仮説を生み出せるような
働き方をしてほしいなと思っていますし、
あとは一方、これ相反するんですけれども、
メジャー化へのプライドっていうのを掲げてまして、
みんなに使われるものになると意味ないので、
3人だけめっちゃこの新しいガイドにホームグロウとか
閉じてもいいんじゃないという話があるので、
このAIとかエンタメコンテンツといろんな可能性を掛け合わせて、
それでもちゃんとメジャーにしていくんだと思っている人ですね。
あとは3つ目に明るい共同力って掲げてるんですけれども、
これは結構うちって性性愛、テック×エンタメっていう感じで、
両方を高度に理解してる人って世の中ほぼいませんと。
だから必ずエンタメに強い人、テックに強い人みたいなことを
議論しながら進めていく必要がありますと。
なったときに明るくやってないとむずいっていう、
テック分かってる人がエンタメ、あいつら何してんだってなるし、
エンタメ分かってる人からしたら、
テックもこれできるって言ってるんでできてねえんじゃないかみたいなことを
どんどん殺伐としていくので、そうじゃないよと。
我々は推しを作っていくんだよっていうところに対して
明るくみんなで協力できると。
そういうふうなマインドを持った人を求めているという感じです。
まさに明人さんみたいなキャラクターの方っていう感じかなと。
いやー、僕みたいな人来たら採用するかわかんないですけど。
なんかちょっと明るくてちょっと狂ってるぐらいの人がいいかもしれないですね。
採用ページ拝見してると、コンテンツ政策で
ディレクター、プランナー、マネージャーとかそれぞれあったりもしますけれども、
AI チューバーって新しい産業なので、どんな方が活躍されるのかの
決定義ってかなり難しいんじゃないかなと。
一つはこのAI チューバーがめちゃくちゃ好きとかあるかもしれないんですけれども、
その中でも明人さんが思われているこんな人だったらぜひみたいなところだったら、
逆に既存のメンバーこういった方々が活躍されてるよみたいな話とか
もしあれば教えてほしいです。
テックを理解している必要はないんですけれども、
やっぱりテックを使って新しいものを作っていくぞっていう
そういうチャレンジ精神が溢れた人っていうのは
ベースにはなってくるかなと思います。
なので、僕バーチャルユーチューバー好きです。
バーチャルユーチューバー作りたいんですみたいな人だと、
結局バーチャルユーチューバーって今まであった概念を愛してる人なんで、
それだけだとやっぱり足りない。
何をそこに掛け合わせて、今までに当たるか分からないけど
そこに掛けようっていう、そういうスタンスで仕事ができる人。
それって結構半分おもろいけど半分つらいことも多いと思います。
それが当たるまでは正直誰も見向きもしないようなものかもしれないし、
なんだけれどもそれでも自分がこれを絶対いけるって
強い思いを持ってそこを乗り越えられるような人であれば
すごくうちの会社はチャレンジングな会社なので
やる気というかすごい楽しんで仕事できると思います。
なので今、具体的な職種としては
エンジニア、プランナー、プロデューサー、いろんなところ掲げてますけれども
通天しているのは本当に当たるか分からないけれども
当たったときにすごそうって思いながら
自分なりの仮説を持って
この新しいエンタメコンテンツを作るっていうところで
人生としてもいいですっていう人ですね。
ありがとうございます。
ちょっとまだまだ聞き足りないところではあるんですけれども
あっという間にお時間が来てしまいまして
最後にこのポッドキャストのリスナーさんに向けて
何かメッセージがあればお願いできますでしょうか。
そうですね。うちの会社がやっていることを
説明させていただいたんですけれども
正直よくわかんないなとか
本当にiTuberって来るのかよって
もう人結構いると思うんですけれども
ただ孫正義さんもおっしゃってる通りですね