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メリークリスマス
志賀十五の壺です。
今日はクリスマスということで、クリスマスにちなんだお話をしていこうと思います。
当然言語学が絡んでいきます。
メリークリスマスは日本語でもメリークリスマスですね。
まあなんというか、無理に訳してないっていうかね。
ハッピーハロウィンとかも、ハロウィンおめでとうとはならないし、
エイプリルフールも昔は四月バカっていう言い方があったみたいですけど、
これすごいですね、直訳ですからね。
まあ今ではエイプリルフールという言い方になってますね。
まあこういうふうに、外国の文化が別の文化に入るときに、そのまま無理に訳さず入ってくるってことはよくあることなんですけど、
ハワイ語でメリークリスマスのことはメレカリキマーカという言い方になるんですね。
メレカリキマーカ。
まあなんとなく音は似てるなっていう感じがすると思います。
ハワイ語っていうのは英語とは全く系統的に関係のない言語なんですね。
で、今回のトークはハワイ語のお話っていうことでやっていこうと思います。
メレカリキマーカ、メリークリスマス。
これ比べてみたときに、ハワイ語の方はカリキマーカ、クリスマス。
もともとそのSの音っていうかね、スっていう音がクっていう音に変わってますよね。
なんでこれこんなことなってるかというとですね、
ハワイ語にはSの音がないんですね。
専門的には死刑摩擦音っていう言い方をするんですね。歯茎の摩擦音です。
それに加えてですね、
ハワイ語にはLとRの区別がないので、まあこれ日本語と一緒ですね。
Rの音がLに変わってしまっています。
なので英語にはあるけど、ハワイ語にはない音っていうのがたくさんあるので、
SはKに置き換えなきゃいけないし、RはLに置き換えなきゃいけないということになってるんですけど、
そもそもハワイ語っていうのは音の数が非常に少ないんですね。
世界を見回してみても最も音の数が少ない言語、これこそ直訳帳ですけどね。
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まあそういう言語になってるんですね。
具体的に言うと、
破裂音はプ・ク・ウっていう3つしかなくて、
これは両唇を使うプっていう音、
Kに当たるクっていう音、
あとは小さいツみたいなものなんですけど、
専門閉鎖音っていうアっていう音。
まあちょっとわかりづらいかもしれませんけど、
母音と母音の間に出てくるとア・アっていう風に小さいツに聞こえるような音。
破裂音はこの3つしかなくて、
いわゆる日本語の濁音みたいなバーとかダーとかガーっていうのはないんですね。
あとは鼻音と言われる鼻に抜ける音がマーとナーっていうのがあって、
それと専門的には接近音と言われるものにワーっていうものと、
あとはさっき言ったラーっていう音ですね、Lの音があるのと、
摩擦を起こすような音はハーっていうものしかありません。
だからさっき言ったようにサーとか、
あるいは英語のFに当たるようなファーみたいな音もないんですね。
なので死音の数が非常に少ないということになってます。
母音は5つあって、日本語と同じア・エ・イ・オ・ウの5母音体系となっています。
だから日本語母語話者がハワイ語を学ぶのは比較的簡単かもしれませんね。
その発音上難しいものはそんなにないので、数も少ないしね。
もう一つ日本語母語話者にとってハワイ語が学びやすいのは、音節構造が似ているということです。
どういうことかというと、死音が連続したりとか、死音で音節が終わったりすることがないんですね。
つまりカタカナやひらがなで書くことができるということです。
例えば英語のstrikeっていう単語は死音がstrで連続していて、
で最後はくっていう死音で終わってるわけなんですけど、
日本語は死音が連続するとか、死音で音節が終わる、単語が終わるということを許さないので基本的に。
だからstrikeとかstrikeっていう風に、もともとないような母音を入れ込んでるわけですよね。
こういうような特徴がハワイ語にも当てはまって、
メレカリキマーカっていうのも、全部死音母音、死音母音、死音母音の連続になってるわけですね。
こういうふうにハワイ語は発音上はかなりシンプルなものとなっています。
世界の言語を見回してみても、死音の面でも母音の面でも、あるいは音節構造の面でも、
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簡単と言っていいんじゃないかと思います。
ただ文法に関しては日本語とは全然違うんですね。
日本語はsov言語、つまり主語、目的語、動詞と出てくる言語なわけなんですけど、
ハワイ語は文が動詞で始まるんですね。
語順もそうですけど、ハワイ語には漢詩と言われるものがあって、
英語でいうザとかアーみたいなものですね。
そういう日本語にはない特徴をいっぱい持っています。
あと日本語と異なる特徴として、
代名詞の体系がかなりしっかりしていて、
日本語って代名詞ってもうほとんどないと言っていいと思うんですけど、
私、あなた、彼、彼女、私たち、彼ら、みたいなものですよね。
そういったものがハワイ語はかなりきっちりしてるっていうかな、
日本語がきっちりしてないと言った方がいいかもしれませんけど、
英語だと数の区別っていうのは、
代名詞についてですけど、単数形と複数形っていうのがありますよね。
ハワイ語はそれに加えて総数形というものがあります。
2つ専用の形ということなので、
英語で言うIとWeに加えて、
私たち2人っていう代名詞もあるんですね。
さらにこの一人称複数、私たち、Weもまた2つに分かれて、
こういうのを包括形と除外形という言い方をするんですけど、
私たちという時にあなたを含む私たちと、
あなたを含まない私たちという2つの区別があるんですね。
これらは別にハワイ語だけに見られる特徴ってわけではないんですけど、
日本語と大きく違うところなので、
まあ何が言いたいかというと、音はかなり日本語と似てるっていうか、
シンプルなものなんですけど、文法は日本語と全く違うので、
そこで苦労してしまうかもしれません。
冒頭申し上げました通り、
ハワイ語っていうのは英語とは全く系統的に関係のない言語です。
今は行政上はアメリカの一部ですけど、
言語は全然関係ないんですね。
ハワイ語っていうのはオーストロネシア語族という言語のグループに属して、
オセアニアで話されている言語、近隣だと、
イースター島で話されているラパヌイ語とか、
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サマー語、トンガ語みたいなポリネシア系の言語と、
かなり近いということになっています。
さらにはニュージーランドで話されているマオリ語っていうのも親戚の言語なんですね。
さらにもっと視野を広げると、
フィリピンやインドネシアで話されている言語もそうだし、
さらにはアフリカのマダガスカルで話されている言語も、
ハワイ語の親戚なんですね。
これらの言語はもともと台湾で話されていた言語が元となっていて、
そこから海に拡散していったということが分かっています。
というわけで今回のトークはハワイ語についてのお話でした。
今日はクリスマスでしたね、そういえば。
みなさん良いクリスマスをお過ごしください。
お相手はシガー15でした。