1. 志賀十五の壺【10分言語学】
  2. #669 イースター島のロンゴロ..
2024-07-16 09:36

#669 イースター島のロンゴロンゴ文字 from Radiotalk

主要参考文献
石川栄吉・梅棹忠夫・大林太良・蒲生正男・佐々木高明・祖父江孝男(編)1987.『文化人類学事典』東京: 弘文堂.

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
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始まりました、志賀十五の壺。みなさんいかがお過ごしでしょうか。猪頭五郎です。
みなさんはイースター島と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか?
イースター島、おそらくモアイ像ではないかと思います。
あれも、なかなか不思議ですよね。
太平洋に浮かんでいるイースター島ですが、国でいうとチリなんですよね。チリ漁の島となっております。
イースターの時に発見されたからイースター島と言われてるんですよね。
結構そういうことありますね。
その発見された時期、あるいは発見した人、もしくはその時の王様のね、名前なんかをつけるということがよくありますよね。
同じ太平洋のキリバスという国がありますけど、あれはギルバートという人名に由来してるんですよね。
フィリピンはフィリペ2世に由来してるとか、探せば山ほどあるわけですけど、
当然というかね、ヨーロッパ人がやってくる前から人が住んでいたところであれば、現地の名前っていうのがあるわけですよね。
イースター島の場合はラパヌイという名前があります。
言語学的にもラパヌイ語というポリネシア系の言語が話されていて、
ハワイ語とかニュージーランドのマオリ語なんかと親戚の言語です。
今言ったイースター島とハワイとニュージーランドで三角形を作ってポリネシアトライアングルとかね、言われることもあります。
このポリネシアという地域は人類の拡散のその歴史においてめちゃくちゃ最近やってきた、たどり着いた人々です。
西暦1000年ぐらいにハワイとかイースター島とかニュージーランドにやってきてるんですよね。
その頃になると日本だと平安時代とか、ひょっとしたら鎌倉時代ぐらいまで言ってるかもしれないですけど、
源氏物語とかも書かれてた時代ということですよね。
その頃に島に到着して、それぞれ言語が別個に発展していったということなんですよね。
そのイースター島の歴史っていうのもなかなかダイナミックというか、
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まさにそのモアイ像を作る時に森林伐採みたいなのがあって、環境が結構破壊されたとかね、文明が崩壊してしまったとか、そういった話もあったりします。
今回メインにお話しするのはラパヌイ語といえばラパヌイ語ですが、
そのイースター島でラパヌイで用いられていた文字についてお話ししようと思います。
それはロンゴロンゴ文字と言われる文字なんですね。
このロンゴロンゴ文字っていうのは未解読で、さらに資料としてはすごい少ないんですよね。
ロンゴロンゴ文字は木の板に書かれているんですけど、それが20枚ぐらいしか残ってないらしいんですね。
このロンゴロンゴ文字の面白い点はいくつかあって、まずそのポリネシアの言語で文字を持っているっていうのは非常に珍しいです。
さっき言ったハワイとかあるいはマオリの言語には独自の文字っていうのはありません。
現代だったらローマ字を使って表すことはあるんですけど、その言語独自の文字っていうのはないんですね。
ただロンゴロンゴ文字も西洋人との接触によって発明されたんじゃないかという、比較的最近発明されたんじゃないかという説もあるようです。
ロンゴロンゴ文字の別の面白い点は、その形っていうかな、小型文字と見られるような形なんですよね。
で、それがインダス文字とすごく似てるんですよね。
ちなみにインダス文字っていうのも未解読の文字です。
そういう未解読の文字が地理的、あるいは時間的にも遠く離れたところで、よく似た文字が発見されているっていうのはなかなかロマンがありますが、
おそらくね、現実的なこと言うとたまたまだと思います。
ただ非常に形はよく似ているものが多いように見えます。
さらにロンゴロンゴ文字の面白いのは、その書き方で、読み方と言ってもいいですけど、その書く方向ですね。
書く方向としては左から右に書きます。
これは、いわゆるアルファベットというかね、英語なんかがそうですけど、日本語だって横書きの時は左から右に書くので、そんなに珍しい感じはしないと思うんですけど、
その木の板があった時に左から右に書くのに、左下から書いていくんですね。
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我々の感覚だと左上から埋めていきたいとこですけど、左下から右にずっと書いていくと。
ここがまず面白いですよね。
さらに面白いのが、開行の仕方です。
左から右に行ったんだったら、一個上にずらしてまた左から右に書きそうなもんですが、
ロンゴロンゴ文字の場合は、左下から書き始めて右の端っこまで来たら、木の板をひっくり返してまた左から右に書いていくんですね。
で、また右端まで来たらまたひっくり返して左から右と、つまり一筆書きするように文字を書いていきます。
だから読む時はおそらく木をひっくり返して読んでいたんじゃないかと考えられているんですね。
なのでロンゴロンゴ文字で書かれたテキストっていうのは、奇数行と偶数行で文字が転倒しているっていうかな。
ひっくり返ってひっくり返ってひっくり返ってってなっているように見えるということです。
こういうふうに一筆書きするように、視線が切れずに文字を書いていくっていうやり方は、牛行式と言われることがあります。
牛が耕すと書いて牛行式ですね。
現代我々が慣れ親しんでいる横書きのシステム、左から右行ってそしたらまた左から右に行ってっていうシステムは、
たまたま支配的になっただけであって、もしかしたらね、ロンゴロンゴ文字みたいな読み方書き方がスタンダードになっていたかもしれません。
結構ね合理的といえば合理的な感じはするんですよね。
皆さんも経験あると思いますけど、本とか読んでて同じ行を読んじゃうみたいなことがあると思うんですよね。
そういったことがロンゴロンゴ文字では起こりづらいです。
本を読む時っていうのは、視線の移動っていうのがどうしても生じるわけですけど、
それが結構最小限で済むんじゃないかなっていう気がするんですけどね。
日本語だったら縦書きにしろ横書きにしろ、一番最後まで行ったら次の行の頭に視線が飛ぶっていうのが一番大きな移動ですので、
それがなくなるともしかしたら読書のスピードとか上がるんじゃないかなっていう気がちょっとします。
イースター島という太平洋にポツンとある島に未解読のインダス文字と似た文字が存在しているっていうのはものすごくロマンを書き立てるし、
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太平洋っていうと無大陸があって、その無大陸の高度な文明の名残じゃないかとかね、いろんなことが想像できますけど、
まあ想像できますねっていう話でございます。
というわけで今回のエピソードはここまでということで、また次回のエピソードでお会いいたしましょう。
番組フォローも忘れずよろしくお願いします。
お相手はシガ15でした。
またねー。
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