1. 志賀十五の壺【10分言語学】
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2021-10-11 10:01

#371 「日本語訛り」を防ぐための発音講座 from Radiotalk

関連トーク
「外国人はなぜ「コニチワ!」と言いがちなのか?(音韻論)」
https://radiotalk.jp/talk/293455

参考文献
『明解言語学辞典』 (斎藤純男ほか編、三省堂)

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
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始まりました、志賀十五の壺。 皆さんいかがお過ごしでしょうか。志賀十五です。
今回のトークは、日本語の発音についてお話ししようと思います。 各言語それぞれ発音の特徴っていうのがあるわけですけど、
逆にね、そういったもののために、 外国語を学習する際に、日本語訛りみたいなものが出てきてしまうわけなんですよね。
まあそういうためにもっていうか、 日本語訛りを出さないためにも、
母語である日本語の発音の特徴っていうのをよく知っておくっていうのは、 結構有益なんではないかなと思います。
日本語の発音を考える際に、大事な概念というかね、単位として モーラというものがあります。モーラ。
これは音節と言われるものと まあまあ似てるんですけど、この音節とモーラっていうのが
食い違うことがあるので、 まあこのために
日本語訛者はね、外国語を学ぶときに 日本語訛りになってしまうし、
一方で非日本語母語訛者が日本語を喋るときに、
なんか外国語訛りっぽくなってしまうわけなんですね。 だからまずこの音節とモーラの違いっていうのを抑えておくっていうのが一つ
大事なんではないかなと思います。
モーラの説明に入る前に音節の話をしとくと、 まあ皆さんも名前ぐらいは聞いたことあるんではないかなと思います。
言語の音っていうのは普通、子音と母音に分けられて、 音節っていうのは母音を中心としてその前後に子音がくっついてくる
みたいな、まあそういった単位になりますね。 日本語っていうのは開音節言語と言われていて、
普通音節っていうのが 子音で終わることはありません。
つまり子音母音子音っていうパターンとか母音子音っていうパターンはなくて、 子音と母音1個ずつの組み合わせか、あるいは母音だけっていうパターンしかないんですね。
英語は全然違いますよね。 子音で音節が終わることなんてザラだし、
中心となる母音の前に子音が何個も連続して出てくることもあります。 これ英語に限った話ではないですけど、
こういうふうに母音を中心として、 その前後にいくつ子音が出てこれるかみたいなのは言語によって異なっているんですね。
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日本語の場合は、 さっき言ったように母音1つにつき前に出てくる子音は1つっていうふうになっているので、
ストライクっていうような英単語もストライクっていうふうに いちいち母音を挟んで発音してしまうということになります。
これが1つ、いわゆる日本語なまりの原因になっているわけなんですね。 ただ日本語の場合も、
子音で音節が終わるっていうことはあって、 今のまさにあってみたいなものですけど、
あってっていうのはローマ字で書くと ATTE ですよね。 これは2つの音節からできていると考えられて、
ATっていう1つの音節と TEっていうまた1つの音節と2つの音節からなっているということができます。
あるいは、んで書くようなものですね。本とか金とか、こういったものもやはり 子音で音節が終わるということができます。
これらは例外的なものとみなして、基本的に日本語の音節は 開音節である、つまり子音で終わることがないと一般化することができると思います。
こういった音節っていうのはどんな言語でも非常に大事な概念なんですけど、 日本語においてはこれと合わせてモーラというものが非常に大事になります。
このモーラっていうのは音節と被る場合が非常に多いですけど、 音節という単位で考えれば独立はしてないけど、
日本語でモーラという単位で考えると独立しているっていうものがあるんですね。
それがさっきもちょっと出てきましたけど、小さい2で書く速音と言われるもの、 んっていう発音と言われるもの、そして伸ばし棒で書くような超音と言われるものです。
この速音発音超音、小さい2とんんと伸ばし棒は、さっき言ったように音節で考えれば独立していない、音節の一部に過ぎないものなんですけど、
日本語母語話者の感覚としては小さい2とかんんとか伸ばし棒っていうのは一つの単位、つまりモーラとして認識しているというか感じていると思います。
というのが俳句とか読むときに、あるいは仙流とか何でもいいんですけど、この小さい2とかんんとか伸ばし棒みたいなものも一つの単位として数えますよね。
こううつうあんぜん。 こういったときに日本語母語話者だと8個、8つの単位で構成されていると感じると思います。
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指で数えるときに多分こううつうあんぜんって言うと思うんですけど、これが日本語をまだ習得できていない、モーラっていう感覚がよく分かっていない、
非日本語母語話者が発音すると、こうつうあんぜんみたいに4つの単位と捉えると思います。
つまりこれは音節という単位では小さい2とかんんとか長音っていうのは独立できてないということなんですね。
ほんっていうのは日本語母語話者だったらほんっていう2つの音の単位だと思ってますけど、
音節で考えると1つの音節っていうことなんですね。
1つの音節だけど日本語母語話者にとっては2つのモーラということになります。
だから、例えばね、こんにちはって日本語母語話者が考えるところを、こにちわになってしまうんですね。
こうんと日本語では別語に考えるところを、非日本語母語話者にとってんっていうのは独立して捉えることができないんですね。
あるいはけんいちさんっていうのがけにちさんになったりとか、よくあることなんですよね。
あるいはきいてっていうのときてっていうのときてっていうね、
これ3つとも違う動詞ですよね。
きくっていう動詞ときるっていう動詞とくるっていう動詞の変化形で、きいてときてときてとあるわけですけど、
これはね、非日本語母語話者にとっては区別しづらいところなんですね。
日本語母語者にとってはきいてときてっていうのは3つのモーラからなって、きてだけ2つのモーラからなってると、
まあそういうふうに感じると思うんですけど、
これもやはり非日本語母語者にとってはすべて2つの音節からなってると捉えてしまうので、聞き分けが非常に難しいんですね。
今までお話ししたように小さいつ、あとはん、それからのばしぼう、この3つは
音節で考えると独立した単位ではないんですけど、日本語を考える上では独立した音の単位であるということです。
この3つをひっくるめて特殊モーラっていう言い方をするんですけど、確かに特殊なんですね。
音節で考えると独立していないっていう面でも特殊なんですけど、例えば独立して発音しづらいとか、
語頭に出てこない、つまり単語の頭には出てこないとか、 あるいはアクセントの面でも特殊なんですよね。
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日本語のアクセントで高い低いというパターンになることがあって、例えばアーメンみたいなものですね。
これは高低っていうパターンなんですけど、この高低となる場合の高い方の音のことをアクセント格って言うんですけど、
特殊モーラはこのアクセント格になり得ないっていうルールがあるんですね。 ちょっと今日はそこまで話せませんけど、
いろんな意味でこの特殊モーラっていうのは日本語において面白い存在であるということです。
というわけで今回のトークはここまでということで、この話がね皆さんの外国語学習に役立てばいいかなと思います。
というわけで最後まで聞いてくださってありがとうございました。 お相手はシガー15でした。
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