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始まりました、志賀十五の壺。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。志賀です。
さて、今日のトークテーマは、言語の多様性です。
多様性という言葉自体は、いろんなところで使われてますね。
特にこの国際化した現代社会において、
多様性を認め合おうとかね、そういったこと言われますし、
あるいはジェンダーについてもそうだし、
また、あるいは生物の多様性とかね、そういったこともよく言われたりします。
多様性っていうのは、改めて言うまでもないですが、
数が多いとか種類が多いと、そういうわけですよね。
言語についても、そういった多様性はよく議論されます。
そして、その多様性を守ろうという運動もあります。
さて、その言語の多様性を考える上でですね、
皆さん、この地球上でどのくらいの数の言語が話されているかご存知でしょうか。
これはね、7000ほどの言語が話されていると言われています。
7000、どうですかね。多いと思うか少ないと思うか、ちょっとわからないですけど。
ちなみに国家というか国という単位で考えると、国っていうのは200ぐらいですよね。
確か。 だから、
やっぱりその国家と言語っていうのは1対1の対応ではないんですよね。
これね、ちょっと日本語母語話者にとってはイメージしづらいんだと思うんですよね。
というのは、多くの日本語母語話者にとってですね、
日本人というのは日本に住んでいて、そして日本語を話す。
そういう図式がね、どっかしらあると思うんですよ。
ただね、ちょっと肝に銘じておきたいのは、
その国家と言語と、あるいは民族と、
こういったのが1対1で対応してるっていう、日本語みたいな例は稀であるっていうことですね。
そして日本の場合も言語の多様性は確認されます。
それは方言っていう意味でもそうなんですけど、
つまりいろんな方言がありますよね。日本国内を見回してみても。
そういう意味でも多様性に富んでると言われるんですけど、
その日本国内においてもですね、絶滅に瀕している言語があります。
これは方言ではなく言語です。
ユネスコが規定している、その絶滅に瀕している言語が日本に8つあります。
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それがアイヌ語とアマミ、ハチジョ、クニガミ、ミヤコ、オキナワ、ヤイヤマ、ヨナグニとこういうふうになっています。
このうち、アイヌ語っていうのは、日本語とその系統関係がないと考えられている言語で、
その日本語とは全く別物なんですけど、他の7つはすべて日本語と親戚関係にある言語です。
で、その中でもハチジョ島の言語は行政的には東京に属してますよね。
で、他のアマミ、クニガミ、ミヤコ、オキナワ、ヤイヤマ、ヨナグニ、これらの言語はすべて沖縄の島々で話されている言語です。
まあね、これを方言じゃないかとね、言う人もいると思うんですよね。
多分ね、最近の研究では全部言語とするんだと思うんですよ。
特に日本語と琉球語っていうのは多分分けて考えていると思います。
そして沖縄の島々で話されているこれらの言語は、すべて通じ合わないぐらい独立しています。
そういう意味でもやはり方言とは認められないということですね。
さらに言うとですね、本州の青森から九州、鹿児島までこう日本列島ずらーっと方言がいろいろありますけど、いろんな方言が。
そういう日本本土の方言の多様性よりも沖縄で話されている言語の多様性の方がはるかに富んでいると言われています。
そしてその沖縄の言語もですね、今読み上げたように、ユネスコの規定によれば絶滅が危惧されている言語とそういうことになっています。
なので今日のトークでまず知っていただきたいのは、日本国内にもですね、あらゆる言語が話されているということですね。特に沖縄においてですね。
さて、ここからちょっとワールドワイドというか、もっと視野を広げてですね、世界を見回して言語の多様性を考えていくんですが、
言語の多様性が観察される地域っていうのは割と特定できるんですよね。
つまり、赤道付近の地域で言語の多様性はよく観察されます。
赤道から離れて北や南に行くと、だんだん多様性は少なくなっていきます。
具体的に申し上げますと、一番はやっぱパフはニューギニアでしょうね。
あるいはフィリピンとかインドネシア、そして東南アジア大陸部、
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あとはインド、そして中央アフリカや西アフリカとかですね。
こういった地域は非常に言語の数が多い、つまり多様性に富んでいる地域です。
ではなぜこういう赤道に近い地域で言語の多様性がよく見られるかというとですね、面白い仮説があるんですよ。
というのが、その赤道付近の地域っていうのは雨量っていうのが年中安定していて、雨量って雨の量ですね、雨が年中通して安定していて、
なので食料の供給が比較的安定していると言われます。
言われますというか考えられます。実際そうなんですよね。
一方、赤道から離れた地域、今の国で言うとロシアとかですかね、とかあるいはサハラとかの砂漠地帯は、
まあ想像がつくと思うんですけど、気候としては厳しいですよね。雨も降らなかったりとか、
あるいは土地が痩せてたりもするんでしょうけど、食料の供給が安定していない地域になります。
そういう食料が手に入りづらい地域は、すぐ生命の危機に直面するんですよね。
食べ物がないっていう状況が頻繁に起こるので。そういう地域はできるだけ近隣のコミュニティと関係を密接に築いておかなきゃいけないんですよ。
困ったら頼れるっていうコミュニティを、できるだけ多くのネットワークを張っておかないといけないんですよね。
なので、そのピンチの時に頼れる共同体を多く作っておくっていうのが、赤道から離れた地域の特徴なんですよ。
そういうことになると、言語も単一化していくんですよね。
つまり、近隣のコミュニティと意思疎通しなきゃいけないので、頼れるように同じ言語を話すようになるっていうことですよね。
同じ言語を共有するようになるので、そのネットワークが広ければ広いほど、つまり
食料の供給が安定していなければしていないほど、同じ言語を話す可能性が高くなるということですね。
一方、赤道付近の地域に話を戻しますと、そういった地域では食料が安定して手に入るので、
生命の危機っていうのをあまり感じないというか、そういう可能性が低いんですよね。
そういう場合は、近隣のコミュニティと密接な関係を築く必要もなく、独立して自分たちのコミュニティを築いているということなんですよね。
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そうなると、隣のコミュニティと意思疎通する必要がないので、独立した言語を発達させていくと、こういう理屈らしいんですよね。
この話が先ほど言った沖縄の島々に当てはまるかというと、どうですかね。それはちょっとわかんないです。
ここでは沖縄の話は別故にしておいて、今の話をまとめますと、赤道付近の地域では安定して食料が手に入るので、
近隣のコミュニティと社会的なネットワークを築き上げる必要がないので、独立した言語を発展させていくと。
一方で砂漠地域とか赤道から離れた気候としては厳しいような地域では、できるだけ生命の危機を感じたときに頼れる社会的ネットワークを広げておかないといけないので、
そのために意思疎通できるツールとして単一の言語を共有していくと、こういう理屈のようなんですね。
あくまでこれは一つの仮説なので、納得はできるけどどうですかね。
でも面白いなと思います。僕個人としてはね。
そういうわけで本日のお話は言語の多様性についてでした。
よろしかったら他のトークも聞いていただけたらと思います。
また番組クリップもよろしかったらお願いいたします。
ではまた次回お会いしましょう。ごきげんよう。