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始まりました、志賀十五の壺。みなさんいかがお過ごしでしょうか。
R2D2です。 今回は日本語のアクセントについてお話ししていこうと思います。
具体的に言うと、 アメとアメの違いですね。
アメといった場合はキャンディ、 アメといった場合はレインのことを指します。
で、専門的にこれをアクセントという言い方をするんですが、 巷ではイントネーションっていう言い方が定着してしまってますよね。
まあイントネーションという言い方を知ってもいいんですけど、 ただ言語学ではイントネーションっていうのはまた別の音の特徴を指すので、
やっぱりねこの番組では一貫してアクセントという言い方を貫いていこうと思います。
まあ往々にしてねそういうことはありますね。 その専門的な用語と
その一般的な使われ方がね違うっていうことは言語学に限らずよくあることです。 でこの
アクセントアメとアメ 詳しく見てみるとキャンディの方はアメ
低い高いという 音のパターンになっているんですね。
アが低くてメが高いアメ 一方レインの方はこれが逆になって高い低いというパターンでアメとなっています。
もし日本語にアクセントがなかったとしても まあ文脈でね判断できるようなとこは大いにあると思います。
あると思いますけど それでもやっぱり日本語においてアクセントっていうのは非常に重要な
音の特徴と言っていいんではないかと思います。 で母語話者は当然こういったことは意識してないので平気で発音もできるし
聞き分けもできています。 学習者にとっては少し大変なところもあるかもしれません。
今回お話ししていくのはいわゆる標準語共通語における アクセントのお話で
当然ね方言ごとにこのアクセントの仕組みっていうのは異なります。 例えば鹿児島方言のアクセントの仕組みなんかは非常に面白いんですが
こちらについてはね関連エピソードがあるのでこの後ぜひ聞いていただけたらと思います。
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まあそういうふうに面白いアクセントの仕組みはそれぞれの方言であるんですが 今回は標準語のお話ということでよろしくお願いします。
さっき雨と雨の例でお話ししたように
それぞれの音の単位 まあモーラとかハクと言われるものに
高いか低いの値が単語ごとに決められているんですね まあこのハクっていうのは
まあここでは文字一文字みたいに考えてもらってもいいかもしれません で標準語共通語のアクセントの
規則っていうのはいくつかあるんですけど まあ一つはこの高いと低いっていう
音のパターンが 1拍目と2拍目で異ならなければならないというルールがまずあります
雨だったら低い高い 雨だったら高い低いというふうに
必ず値が異なるんですねこれが低い低いとか高い高いとなることは 共通語では
あり得ないということになっていますこれは当然方言では別です これは単語ごとに決まっているので
単語ごとに覚えるしかないものなんですけど 法則がないこともないんですね特に人名です
でこれは苗字じゃなくてその名前の方の人名に アクセントの規則みたいなものがあるんですね
なので聞いたことのないような名前であっても ある意味正しいっていうかなちゃんとしたアクセントで発音することができます
どういうことかというと 例えば女性の名前で
子がつく名前 結構メジャーなパターンだと思うんですけど
この子がつく名前は 高ひくひくというパターンになることが非常に多いです
今回ちょっと3文字の名前に限定しますけど子がつく名前は高ひくひく 例えば春子
夏子、秋子、冬子っていうふうに あるいは花子さんでもそうですけど
高ひくひくというパターンになるんですね こういうのを専門的に頭高型アクセントといったりします
まあ頭が高いからなんですね この子の前が春夏秋冬どれであっても
春子夏子秋子冬子という 最初が高くて低い低いというパターンになるんですね
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ただこのパターンになるのは子っていうのがついた時で もしこれが身っていうのに変わるとアクセントのパターンが変わります
例えば春美、夏美、冬美みたいに 今度は低い高い高いのパターンになるんですね
でこの低い高い高いのパターンを 専門的には平板型アクセントということもあります
専門的な用語は置いといて これもなかなか面白いですよね
この美の前が春夏 あるいはどんなものであっても
春美みたいに低い高い高いのパターンになるんですね でこういったものがどうやら日本語母語話者の頭の中にあるようで
全く聞いたことのない名前でも 例えばポポ子とかポポ美みたいに
こういうありえなそうな名前であっても ちゃんとポポ子だったら高ひくひく
ポポ美だったら低高高 というこういうパターンに従ってるんですね
これはなかなか面白いですよね
これは男性の名前についても同様のことが 言えます
まあ男性の名前女性の名前っていうのもね あれかもしれませんけどまぁ伝統的に男性女性につけられる名前
ということでお話ししていきますね で男性の名前で
形容詞由来の名前 例えばたかしきよしひとし
こういったものはしで終わってますけどこういう形容詞由来の名前は 最初が高くて低い低いという頭高のパターンになります
たかしきよしひとし 一方
動詞に由来する名前の場合は 保つ学ぶ努む
かおるまさるみたいに ひくたかたかという平板型のアクセントになるんですね
こういうふうに由来が形容詞か動詞かによって アクセントのパターンが決まってるんですね
これはね言われないとなかなか気づかないことですよね で面白いのは
もし動詞に由来していたとしても元の動詞のアクセントとは パターンが変わっていることもあり得るということです
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例えば学ぶっていう名前は動詞としても学ぶっていう発音ですけど 保つっていう名前は本来の動詞は保つっていう低い高い低い
というアクセントです なので人名になった途端別のパターンが適用されているということなんですね
まあこういうふうに人名になった時にアクセントのパターンが変わるっていうのは 他にもあって他にもあってというか僕の名前がしが十五ですけど
15っていうのが名前だと15っていう風になっているので こういうふうに日本人名っていうかね
日本語において人名っていうのは 独自のアクセントの規則があるというまあそういったお話でございました
というわけで最後まで聞いてくださってありがとうございました また次回お会いいたしましょう
番組フォローも忘れずよろしくお願いします お相手はしが十五でした