シン・道楽亭の誕生と企画の背景
はい、シェアする落語の四家です。
道楽亭がですね、橋本さんが亡くなられた後、
渡辺寧久さんを初めとする有志の方々が、
共同席亭となって復活、シン道楽亭ということでスタートされたと。
先月からプレ公演が始まっているのかな。
今月から本格稼働ということで、立川寸志さんがご出演されると聞きましたので、
土曜日でしたのでね、行ってまいりました。
歌入り落語とミニライブの会というような企画で。
なんでこの企画になったのかなというのがですね、ちょっと不思議な感じがあったんですが、
なんか寸志さんが、ただ普通に落語をやってもあれなのでということで、
なんか3つぐらい企画を出したら、通ると思ってなかった3つ目が通ってしまったみたいな、
なんかそんなお話だったようです。
寸志さんの歌入り落語
寸志さん昼も会がありまして、そこから夜の会の間に1回カラオケボーカルを
ボックスに行って、歌う歌の確認をしてリハをやってきたみたいな。
ということは1日中喉を動かし続けてるんじゃないのかというですね。
昼、僕は行かなかったんですけど、会でやったのが中村仲蔵だったらしいんで、
大丈夫かというところで、やっぱり最初ちょっと声が枯れた感じがありましたけどですね、
すぐふだんの調子に戻りましたね。
枕っぽくですね、豆腐の佐藤という僕の割と好きな寸志さんの新作があるんですが、
そこをですね、枕っぽくまとめて描けたところで、1席目は棒鱈ですね。
棒鱈はですね、寸志さんは何といってもこのサゲをね、しっかりと変えている。
あの分かりにくいサゲを誰も変えてこなかったっていうのは、
これ落語家の怠慢だったんじゃないかというふうに僕は思ってますが、
寸志さんはそこの辺をしっかり変えてきて、かつですね、なんか喧嘩をこう、
喧嘩っていうかですね、その芋侍、薩摩の芋侍に対する怒りをあんまりこう、
強く出さない。それよりはその江戸っ子2人の酔っ払いのだらしなさみたいなところですよね。
だから結局喧嘩になっちゃうんですけど、その時のですね、江戸っ子の態度も
どっちかというとその開き直ったたがやに近いっていうのが、もう斬りやがれという感じですね。
この辺がね、僕はとても好きなところで、で、さっきも言った通りしっかりサゲを変えてきて、
サゲになっている。ピタッと落としているというのがですね、いかにも寸志さんらしいですね、
優しい工夫、優しいっていうのはお客さんに対して優しい工夫がされているあたりが好きだなと思います。
その後がですね、今回の企画に合わせて歌の入る落語の2席目ということで、お菊の皿。
お菊の皿はですね、普通にいろんな人がやっていろんな人が面白い落語ではありますが、
普通歌入らないですよね。で、ここでですね、お菊さんが歌うというですね工夫をして、そこに歌謡曲を突っ込んでくると。
で、ある縛りでもって歌謡曲を突っ込んできてお菊さんが途中で歌えなくなるっていうですね、あたりがいかにも寸志さんらしいですね、
気の利いた工夫で、もうすでにここでですね、寸志さんの歌の上手さはですね、バレてしまっているので、
それをお客さん存分に楽しむという感じでですね、一粒で二度おいしい落語になっていたかなというふうに思います。
打ち上げの楽しみと感想
ここで仲入りになりまして、3席目がですね、本当はね、なんか野ざらしをやろうとしてたんだけど、
お菊の皿を歌入りでやることになって、気がついたら野ざらしバカつきじゃないかという話でですね、
他の噺に入ろうとしていたんですが、なんかちょっと逡巡してる感じがあったので、ここは私はじめ数人がですね、
「ついても野ざらし」と、野ざらしがいいよというふうに持ちかけまして、3席目野ざらしでした。
もうこれはもう寸志さん絶好調の感じでですね、もう流れるような何度も申し上げますが、スイングジャズで、
そのスイングを楽しむようなですね、寸志さんのリズムでもって聴かせていく。あれがね、もう素晴らしかったですね。
でも歌はバッチリ、さいさい節が入りますから、今日日ね、これぐらいちゃんとさいさい節が歌える人っていないと思うんですよ。
この辺りね、みんなで聴けて非常に楽しかったですね。
ここからですね、今回の謎の企画で寸志さんが歌うというですね、企画です。
これはですね、企画としては結構かなり苦しいものになりました。
これは何でかというと、寸志さんは歌うまいんですよ。歌うまいし、人をちゃんと楽しませる歌も歌えるんです。
そんなことは分かってるんです。だからそれを期待してたんですが、何しろね、流行歌、アカペラって無理よ。
聴いてる方はね、実は楽しいんですよ。聴いてる方は実は楽しいんだけど、歌う方がね、辛い。辛そう。
しっかり歌えてるだけに逆に辛そうなですね、ところが見えてしまって、
聴いてる方は楽しいんですけども、やってる方のしんどさがちょっと見えちゃうんで、
ここはやっぱりね、アカペラではなくて、やっぱり何らかのカラオケなのか、何なのか。
一番言うのはアコーディオンですね。が入らないとちょっと形にはなりにくいかなというふうに思いました。
立川流、談志の好みの懐メロを、霧島昇だったかな。
美空ひばりもね、歌ってましたね。美空ひばりが一番良かったんじゃないかな。
最後がですね、スローバージョンの、ここだけ懐メロではなくて、今や懐メロかもしれませんけどね、
ブルーハーツ、情熱の薔薇をスローで歌って、これがね、非常に良かったですね。
ちょっとギターが何かの伴奏が入るといい感じになりそうな気がいたしましたね。
というわけでね、寸志さん歌うまいっていうのは知ってましたけども、改めてこれをね、感じることができた。
そういう意味では楽しい企画ではありましたが、
伴奏欲しいね。伴奏が入るとね、これはいいよ。なんかね、そういう機会もまたあって欲しいなというふうに思いますけども。
で、シン・道楽亭のお話をさせていただくと、落語を聞く分には、
旧道楽亭と特段変わったところはなくですね、楽しく落語を聴ける非常に小さな良い小屋でございます。
で、シン・道楽亭名物の打ち上げなんですが、最大変わったポイントと言いますのは、ビールが飲める。ちゃんとビールが飲めるというのがですね、いいとこですね。
今まで発泡酒だったので、喬太郎師匠のネタに出てきますね。発泡酒は発泡酒ってですね。
まあ別に発泡酒でね、どうせ2杯目3杯目お酒買いちゃうんで、あんま変わらなかったりもしますけども、そこらは非常に変わってました。
で、打ち上げの料金が今回2500円だったのかな。2500円で軽食ワンドリンク付きというですね、リーズナブルな打ち上げなんですけど、軽食というのが、今日に関して言えば軽食のレベルを超えておりました。
おいしいし、種類たくさん。ちょっとね、大丈夫かな、これでいけるか、大丈夫かっていうような感じで、心配になるんで、おいしくいただいちゃったんですけど、いっぱいおいしくいただいちゃったんですけど、ちょっと心配になるんでもうちょっと減らしてもいいんじゃないかなというふうには個人的には思いました。
追加で飲み物は1杯500円でいろんなものが飲めるという感じでございます。
まだまだね、これから新しいスタッフの方々がいろいろとですね、試行錯誤を繰り返し工夫を重ねていき、もっともっといい感じになっていくかと思いますが、少なくとも今日はですね、非常に楽しめる、
コスパの高いですね、落語が終わった後、その落語を聞いた人たち同士でお酒を組み交わしながら、いろんな話ができるという非常に貴重な空間がそのまま残ったって言いますかね、とってもですね、ありがたいことだなというふうに思っております。
ということでですね、来月も寸志さんは自分の会ではなくて春風亭一猿さんの会にゲスト出演するんだそうでございます。
8月9月のですね、スケジュールすでに出ておりますのでシン・道楽亭のですね、サイトをチェックしてみていただければというふうに思います。
シェアする落語の四家でした。ではまた。