00:01
こんにちは、レンです。 シーズン21は、クモの世界です。
クモマニアの方をお招きし、クモのめちゃくちゃ面白い生態や、ありより小さいクモの研究方法について語っていただきました。
それではどうぞ。 今回のゲストは、九州大学農学部天敵昆虫学研究室から野口翔吾さんです。よろしくお願いします。
はい、よろしくお願いします。 野口さんはですね、
個人的にツイッターで、クモ大好き人間みたいな感じで、クモ中毒者を名乗っていますよね。 そうですね、名乗ってますね。
それでちょっと、かねてより注目してまして、個人的に。 この度、ついに呼ぶことができました。ありがとうございます。
こちらこそ、こういう機会を設けてくださりありがとうございます。 では、簡単に最初に自己紹介の方お願いします。
はい、今おっしゃった通りで、九州大学の天敵昆虫学研究室というところに所属していて、研究はクモの生態について研究しています。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。 これちょっと聞きたいんですけど、最初に。
天敵昆虫学研究室っていう名前がちょっと気になりすぎて、これは天敵、だから天敵に特化してるんですか?
そうですね、うち何やってるかっていうと、いわゆる農業害虫っていうものを天敵の力、つまり自然の力で化学農薬とか使わずに防御しようっていうのが趣旨の研究室なんですね。
あー、なるほど。虫を使うみたいな。 そうですね。例えば貝殻虫っていう農業害虫がいるんですけど。
聞いたことないな。 それって聞いたことないですか?なんか見た目で言うとほんとバラジムシみたいな見た目してるんですけど、それが柿のヘタの隙間とかに入り込んじゃうんですね。
なので農薬を振っても隙間にいるからかからないんですよ、その農薬が。 だからなかなか防御がしにくいというところで、今回出てくるのが天敵昆虫で。
あー、その隙間に入ってるやつもなんか食べてくれるみたいな。 あの寄生蜂がいまして、その貝殻虫に特化した。 え、蜂? はい、あの蜂、ちっちゃな蜂がその貝殻虫ってやつに寄生するんです。 えー、蜂って寄生するんですか?全然そのイメージなかったですね。
あー、そっかそっか、そうですね。 寄生蜂か、はい。 実は蜂ってみんなさんが想像するのは結構スズメバチとかでっかい蜂だと思うんですけど、実はそのもうほんと何数ミリ、1ミリ、2ミリっていう世界の蜂が結構多くて。 えー、で、そのいう蜂って結構その何か昆虫に寄生して生存しているっていうものが多いんです。
03:15
あー、そうなんだ。すみません、蜂の話になっちゃいましたけど。 あー、いえいえいえ。で、まあその、何でしょう、やっぱり何か天敵っていうのを放つときもやっぱりこう、害虫以外にも益虫っていうのがいるわけですよね。 あー、有益の益の虫ですね。
有益な方もいるので、そっちまで殺しちゃうと困るわけですよね。 だから、今回その例えば貝殻虫に対して放たれる蜂っていうのはその貝殻虫のみに特化しているので、他の益虫とかには悪さをしないっていうか食べたりしないので、効率よくその貝殻虫だけを傍聴できるっていうそういうのが天敵昆虫のいいとこですね。
へー、なるほど、それはすごい。まあ確かに、蜘蛛も益虫みたいなのはもう聞いたことあるなと思って。 そういう意味でこの研究室で野口さんは蜘蛛の研究をされてるってことですかね。
あ、でもね、そういう意味ではちょっと違くて。 あー、違うんですね、はいはい。 蜘蛛は天敵としてその利用するには非常に微妙なところがあって。
おー、というと。 っていうのもさっき言った通り、そのまあ何かこう虫を導入したときに液中まで倒してしまったらダメなわけですよね。
で、蜘蛛って基本的に色んな昆虫食べるんですよ。 あー、もう巣にかかったやつとかを何でも食べちゃうみたいな感じですか。 そうそうそう、なので、あのバッてこう何かビニール箱まで放っちゃうともうそこの昆虫、もう誰からかまわず食べちゃうんで。
えー。 うん、だからね、ちょっとまあこうやって天敵、こういうのって天敵資材っていうふうに言うんですけど。 天敵資材?
はい、あのそうやって農地に導入する天敵のことを天敵資材っていうふうに。 おー、材料とかの資材? あー、そうです、さっき言った、さっきのあの蜂のこととか天敵資材なんですけど、だからちょっとそれとしては蜘蛛はあんまり適してはないって感じですね。
なるほど、強すぎるってことですね。 はい。 じゃあちょっと、僕完全にもう蜘蛛ドシロートなんで。 いいですね。 もう蜘蛛といえば僕はもうスパイダーマンぐらいしか浮かばないようなもんで。 おー、なるほど。
スパイダーマンは大好きなんですけど。 はいはいはいはい。 それぐらいのもんで。 あー、なるほど。 はい、全然いろんな生態とかを知らないんで、まず蜘蛛の基礎的なことをちょっといろいろ質問していきたいなって思うんですけど。
はい。 僕のイメージですけど、いろんな昆虫とか虫がいて、蜘蛛って結構ちょっと特殊なくくりなイメージが僕はあるんですよね。 はい。
っていうのも、蜘蛛以外にあんなに蜘蛛の巣張ったりとか、蜘蛛の巣っていうぐらいですからね。 だからそういう生態っていうんですかね、持ってるのってかなりレアだなと思ってて。 はいはいはい。
06:10
そういうのって結構独自に進化してきたみたいな感じなんですかね。 そうですね、蜘蛛って陸上の捕食者の中でもっとも多様なグループって言われてて。
へー、捕食者の中でってことはもう動物とかいろいろ含めてってことですよね。 そうそうそう、そんぐらい減る。で、なんでそんなに多様かっていうと、やっぱり捕食する上で蜘蛛の巣っていうのをいろんな蜘蛛の巣作ったりするんですよ。
たとえば、みなさんがよく想像するのは放射状に伸びた、よく見るああいうのなんですけど、あれ以外にも他にも立体的に作られた蜘蛛の巣もあれば、管状に伸びた、地中の中に管状に伸びた蜘蛛の巣っていうのもあれば。
地中にも巣糸で作るんですか? あ、そうです、はいはいはい。 えー、それなんか全然イメージなかったっすね。空中のイメージでしたね。 そうですね、もう空中にもあるし、地中付近もあるし、あとはすごいのだったの、蜘蛛の巣自体を足のところで作ってそれを投げつけるってやつがいて。
え、投げ、投敵するんすか? そうです、どういう状況かっていうと、基本的に蜘蛛の巣って何か枝とか葉っぱとかのところに作られるんですけど、それを足の部分だけでも一旦作っちゃって、で獲物が来たらそれをファって投げつけるっていうやつがいるんですよ。
え、それなんか糸をぐるぐる巻きにしてるみたいなイメージですか? いや、なんかどう、なんて言ったらいいんだろうな、あの、要は蜘蛛の巣をその枝とかに作るじゃないですか、あれをあの、足の、足を枝と考えてそこに作っちゃって、で上からかぶせるみたいな。
あー、なるほど、これどうイメージしたらいいかな。人間で言うと、あの、手、脇の下に蜘蛛の巣作って、かぶせるみたいな、なんかそんな感じですか?
いい、あれですね、なかなかこう、いい表現が見つからないんですけど。 でも自分の体に巣を張るみたいなことって言うんですね。 まあそういうことですね、あの種類で言うと目玉グモっていう蜘蛛がそういう、あの、蜘蛛の巣を作りますね。
へー、不思議だな、それは。 じゃあ割とその種類ごとに決まった巣の作り方をしてるというか。 そうなんですよ、あの。 巣でその多様性がかなりあるっていう。
うん、やっぱりその、餌とする生き物に適した捕獲方法を取ってるんですね、蜘蛛自体が。 あーなるほど、敵に合わせてるのか。 そうなんですよ、だからその、蜘蛛の巣ごとに取れる昆虫も違ってきてて。
あー、はいはいはい。 それはやっぱり進化の歴史でいろんな蜘蛛の巣があったし、例えば何かあるかな、えーと、あ、一番すごいのだと、あの、鳥の糞魂っていう名前の蜘蛛がいまして。 すごい名前ですね。 すごい名前なんですけど。 鳥の糞魂。
09:09
はい、これがすごくて、基本的にさっき冒頭で言ったとおり、蜘蛛っていうのはいろんな昆虫を食べるんですね。 こういうのをなんか専門的にはジェネラリストって言うんですけど。 ジェネラリスト。
はい、だけど、あの、その鳥の糞魂っていうのは、あの、蚊しか食べないんですね。 あー、蚊結構でかいですね。 そうそうそう、うん、しかもその、蚊ってリンプンっていうのがあるじゃないですか。 はいはい。
だから基本的にこう、あの、蜘蛛の巣にかかった場合にそのリンプンがあるから、くっつかなくて離れて、もう逃げてっちゃうんですね。 うーん。 リンプンのおかげで。 あ、そうなんだ。
だけど、その鳥の糞魂っていうのは、その蚊しか食べない、つまり蚊に特化した、あの、蜘蛛の巣っていうのを作るんですよ。 えー、それは、はい。 成分的になんか工夫されてるんですか。
まず一つあるのが、あの、めちゃめちゃ粘着性が高い、あの、糸を出します。 うんうんうん。 っていうのと、あとは、あの、これすごいんですけど、あの、ローシアジョイントっていう、あの、機能があって。
ローシアジョイント。 ま、なんじゃそれって感じですけど、あの、どういうことかっていうと、あの、基本的に蜘蛛の巣って、こう、放射状に貼られてて、そこにベチャってくっついたら、もうそれで、あの、蜘蛛が食いに来るんですけど、そうじゃなくて。 はい。
なんか本当に簡素な糸だけで、えー。 巣が作られてて、あの、そこに、蚊がくっつくと、あの、片方がプチって切れて、こう、蚊が宙吊りになるっていう仕組みなんです。
あー、なんかトラップみたいになってんすか。 あー、そうなんですよ。 えー、すごいっすね、それ。 で、蚊が宙吊りになるとどうなるかっていうと、それでこう、運動エネルギーが失われて、
あの、いくらバタバタバタバタしても捕まるとこないんで。 おー。 そう、それでもう、あの、どんどん蚊が、あの、弱っていって、で、最後、あの、捕食するみたいな感じなんですよ。
すごいっすね、それ、どうやって進化したらそうなるんだ。 そうそうそうそう。 全然わかんない。 え、これ、なんで鳥の糞だましっていう名前なんですか、これ。
あのー、まあこれはまあ、まあ聞いてる皆さんがこう、検索してみればわかるんですけど、本当にあの、鳥の糞みたいな見た目してるんですよ。 あー、見た目で。
はい、もう見た目が、もう、鳥の糞みたいな感じです。 あ、そうなんだ。
うーん、面白いな。 え、この蜘蛛をなんでも食べるっていうのは、もう蜘蛛に共通してることなんですね。
じゃあ。 あー、そうです。蜘蛛は一般的にもう、食性が広い、つまり、もう小さい蝿から、もうなんかちょっと大きい、なんか黄金虫みたいな、いろんなもの食うっていうのが、まあ蜘蛛一般の特徴なんですよ。
うーん。 そう、だけど、まあ、中には今みたいな変わった、菓子か食べないとかっていうスペシャリストの蜘蛛も、中にはいるんですね。
そうなんだ。 うん、なんでも食べるってことは、あんまり、その蜘蛛の捕食シーンに注目してみたことないんですけど。
はい。 え、どんな感じなんすか? なんか、バリバリ食うんすか?
12:06
えっと、まあ、基本的に蜘蛛っていうのは、あの、対外消化っていう消化方法を取るんですね。
あー、なるほど。なんか、なんか溶かすみたいなイメージですかね。
そうなんですよ。だから、あの、人間みたいにバリバリ食べて、中に入れて、中で消化するわけじゃなくて、もう目の前にある昆虫に対して消化液を流し込んで、
で、ドロドロになった内容物を、ちゅうちゅう吸い取るっていう感じなんですよ。
あ、吸うっていう感じなんですね。 はい、そんな感じです。
もうなんか、ガとか栄養あんのかなって感じしますけど。
確かにそうですね。言われてみれば、ガって栄養あるんかな。
まあでも、タンパク質は取れるか。 そうですね。
いや、なんか、でもイメージ、その溶かして食べるみたいなのと、あとは、ま、毒あるやつもいるじゃないですか。
毒グモみたいなやつも。 どういうパターンあります?毒グモって。
そうですね。ま、まず、毒グモって実際どうかっていうと、あの、基本的に全てのクモが毒持ってるんですよ。
あ、全部。
はい。あの、一部の、あの、クモを除いて、ほぼ全てのクモが毒を持ってるんですけど、
あの、ま、ここで、ま、みなさん、あの、勘違いしてほしくないのが、その毒が人間に効くかどうかっていうと、ほとんど効かないんですね。
ああ、なるほど、なるほど。
先ほども言ったんですけど、クモの餌のほとんど昆虫なので、昆虫に効くは毒を持ってるって感じなんですよ。
なんかすごい、いや、僕、化学系なんで成分気になっちゃうんですけど、麻痺させる系とかですよね、きっと。
あ、そうです、はい。基本的に麻痺させて、で、ま、そのまま捕食するみたいな感じですね。
そっか、全部、なんか毒ないクモいるのかなと思ったけど、あくまで人間目線なんですね。
そうなんですね、うんうんうん。
そうか。
なので、あの、よく巷を騒がせるセアカゴケグモとかいるじゃないですか。
あ、なんか聞いたことありますね。
あの、ま、毒グモでセアカゴケグモっているんですけど、あれとかがなんで危険かって言うと、あの、毒が人間にも有効だってとこですね。
そっかそっか、かまれたり、か、噛むんですかね、毒の周囲。
はい、噛みます、はい。
噛まれたりしたらやばいと。
はい、あの、牙の先端に穴が開いてて、そっから毒液を注入します。
ああ、てか牙あるんですね。
ああ、そうです、牙ありますね。
基本的に牙あるんですか、クモって。
ああ、基本的にクモは、あの、だいたい、うん、牙があって、その牙の先端部分に穴が開いてて、そこから毒液が出てきます。
ああ、じゃあもうほんとにヘビみたいな感じなのか。
ああ、あの、そうです、あの、なんかね、えっと、クモの教科書とか見たら、あの、クモの牙の先端の構造とか載ってるんですけど、それと比較して、あのヘビの、あの、牙の先端の構造も出てくるんで。
ああ、そうなんですね。
はい。
へえ。
おそらくまあその、いわゆる毒を使う生き物っていうのは、そんな感じで似たような、牙の先端に穴があって、そっから毒液が出るっていうのは、なんか共通してるんじゃないですかね。
15:02
ああ、なるほど。
いやまあ、クモ噛むと言えば、僕はあの、スパイダーマンの映画でしか見たことがなかったんで。
ああ、そうですね。
はい。
クモに噛まれて、スパイダーマンになるんで。
ただね、あれ、ちょっと見てて思うのが、
はい。
あの、上からバーって降りてきて噛んだりするじゃないですか。
はいはい。
だけど、あの、クモの牙ってそんなに可動域ないんですよ。
そんなサッときてサッと噛むようなもんじゃないってことですか。
そうなんです、だから、しかもクモの牙って、あの、まあさっきも言ったんですけど、昆虫に基本的に、あの、効くようになってるし、
うんうん。
あの、まあその可動域も昆虫に合わせてるので、
うーん。
あの、まずその皮膚を、なんだろう、つかめるほど開かないし。
ああ、そうなの。
そう。
確かにな、溶かして食べるって、さっきも言ってましたけど、そうっすよね、そんな動かす必要ないですよね。
そうですよ、しかもあの、人間の皮膚ってそんなに柔なもんじゃないので、
うふふふふ。
あの、サッと降りてきたちっちゃなクモが、すぐ貫通するかって言うと、そんなことはなくて。
なるほど。
そう、あの、さっき言ったアセアカゴケグモっていう、まあちょっと今日本で、わりと危険と言われるクモがいるんですけど、
はい。
そのクモも、あの、もう自分から牙を皮膚に押し込んだりしない限り、あの、毒が注入されることまずないんですよ。
あ、そうなの。ああ、じゃあ、気をつけなきゃっていうのは、
はい。
なんだろう、まあそんな、いきなりバーッと来てバッと噛まれるみたいな感じじゃないってことっすね。
じゃないし、その、むしろクモ自身が、あの、触ろうとしたら死んだふりとかするぐらいなんで。
えー。
うん、あの、すごく臆病なんですよ、基本的にクモっていうのは。
あ、そうなんすね、死んだふりするんだ。
はい、あの、なんか、コロッて石ころみたいな感じになりますね。
うーん、なんかイメージはありますね、見たことは。
ありますね、うーん、そう、だから、あの、うわ危険だと思ってもね、その、よっぽどのことがない限りは、噛まれないと思いますよ。
あ、そうなんだ、そんなに凶暴なクモはいないってことですね。
なんか、けっこう映画とかで、クモとかって、わりと凶暴に描かれがちだと思うんすよ。
ですね。
イメージですけど。
うーん。
あんまそんな凶暴なクモはいないってことなのか。
じゃないですよ、そうそうそうそう。
だって自分より大きい生き物が目の前にいたら、そりゃ逃げるしかないですよ、クモからしたら。
いや、まあそうですね、たしかに。
いやー、でも、ガーとか、さっき言ってたガーとかは、でも自分より大きいっすかね、だいぶ。
大きいっす、はい、大きい。
そういうのは、いけるのか。
だからやっぱりその、クモの巣っていう、自分のこう、武器さえあれば、そうやって大きいものだって捉えれるってことですね。
あ、そっかそっか、自分のテリトリーだと強いみたいな。
そうそうそういうことです、はい。
へー。
いや、このクモの糸とか、めちゃくちゃすごいじゃないですか。
すごいですね、はい。
なんか、クモの糸を研究して、それを衣服に使おうみたいな会社があるぐらい。
18:03
よくご存知ですね。
ですよね、スパイバーっていう会社、僕知ってるんですけど。
すごい、はい、そうですね、スパイバーさんがやってらっしゃいますね。
はい、完全に、僕はニュースで見ただけなんですけど、いやすごいなと思って、人工クモの糸みたいな。
スパイバーさんの会社は、僕実際に行ったことあるんですよ。
おー、そうなんすか。
会社が山形のほうにあって、2年前に日本クモ学会大会っていうのが、毎回いろんな県で各地であるんですけど、
2年前が山形だったんですね。
それで、大会の後に会社見学みたいな感じで、スパイバーさんにお邪魔したことがありました。
めっちゃ面白そうですね。
いや、めっちゃ面白かったですよ。
どんな感じなんですか?
実際に作ってるところみたいな。
でもね、見たのが、やっぱりクモから糸出してましたよ。
それ、巻き取るみたいなことですか?
そうです。クモが仰向けにされて、ひたすら糸を出されてました。
えー、そんな感じなんだ、すごいな。
で、あとクモもいっぱい飼育されてましたね。
なんか、より切れにくくするために、いろいろ研究してるみたいですよね。
糸として使うために。
そうですね、やっぱりクモの糸っていうのは柔軟かつ強靭みたいな、そういう売りがあるんでね。
でも柔軟すぎたら衣服に使えないですよね。
そうですね。
びよびよすぎたら。
だから、そういうのを研究してるんだろうなと思って、想像はしてたんですけど。
そうですね、もう今、クモの糸の研究って言えば、スパイバーさんが一番有名ですし、
あとはスパイバーっていう会社自体が、慶応義塾の学生さんがベンチャーで起こされた会社。
で、だから慶応義塾大学のほうでクモの糸のゲノム解析とかやったりしてて。
あー、そうなんですね。
はい、なので、クモの糸の研究って言ったら、もう慶応が思いつきますね。
あー、そうなんだ。クモの糸の研究か。
おもしろいですよね、あれ。
いやー、おもしろいですよ。
ほんとに、使う日来るかもしれないですもんね、全然。
そうですね、確かに。
クモ、毒は全員出すって話でしたけど、糸も絶対出しますよね、きっと。
そうですね、糸も、基本的にどのクモも、糸栓っていう糸を出す機関があって、
基本的にどのクモも糸の糸栓っていうのを持ってます。
あー、そうなんですね。だからそこはイコールなのか。
糸出さないクモはあんまりいないってことですね。
ただ、その、クモの巣を張るクモと、クモの巣を張らないクモもいるんですよ。
えー、あ、張らないクモがいる。
はい、で、実はクモの巣を張らないクモと、クモの巣を張るクモって半々ぐらいなんですよ。
21:00
あ、そうなんですか。
はい。
え、もうみんな張ると思ってました。
例えば、想像しやすいのが、ご存知かな、ハエトリグモってご存知です?
いやー、わかんないですね、ハエトリグモ。
たまに家の中でぴょんぴょん飛んでるやついませんか?
あー、なんかすっごいちっちゃい、わりとすばしっこいやつですか。
はい、あれがハエトリグモっていうやつで、あいつらはクモの巣っていうのを張らないんですよ。
えー、でもクモの糸を出すことはできるんですか?
そうなんですよ。じゃあどういう時に出すかっていうと、しおり糸っていう糸を出しまして。
しおり糸、しおりって本のしおりですか?
はい、そうです。で、どういう時に使うかっていうと、高いところから落ちる時とかにその糸を出して、それこそもう上から降りてくるクモみたいな、スパイダーマンみたいな状態になって、
で、その糸をたどればまた元の場所に戻れるっていう。
あー、なるほど、天井から降りる用みたいな。
そうですね、どっちかっていうと、多分その高いところから一回落ちたら、その元のところに戻るまですごいエネルギーが必要じゃないですか。
まあまあ、そうっすね。
だから、そういった場合のために、そのなんかこう、イノチズナみたいな感じで、そういう糸を出すってことはありますね。
えー、じゃあ縦方向だけなんですね。
あとは、脱皮とかするときに。
あ、脱皮すんのか。
そう、そこからか。
そこからっすね。クモの脱皮、わー、見たことないな。
あの、クモってあの、生まれてから大人になるまで、あの、複数回脱皮するんですね。
あー、じゃあもう生まれてから形はもうずっと一緒っていう。
そうです、形はもう一緒です。
で、そのやっぱ脱皮の前後って、やっぱりその獲物に襲われる可能性があるので、
あの、その瞬間ってクモにとっては非常に危険な時間なんですね。
だから、そういった場合に自分を保護するために、その、なんか天幕状っていうか、こう、自分を守るガードとなるような、あの、まあクモの巣って言っていいんかな、まあそういったものを張るときはあります。
防御用の糸の使い方もあるのか。
そうなんですね。
えー、てかクモ脱皮するんだ。
あー、しますよ。
脱皮したクモの殻とか見たことないですね。
あー、すごいですよ。例えば、ハイトリグモとかだと、あの、ハイトリグモってめちゃめちゃ目が発達してるクモなんですよ。
うんうんうん。
だから、あの脱皮殻とか見ると、すごいなんかオウムの抜け殻みたいになってるんですよ、自分。
あー、あの目の形みたいな。
あー、そうです、ちょうど目の形が綺麗に残った脱皮殻なんですよ、めちゃめちゃ綺麗、めちゃめちゃ綺麗ですよ。
あ、そうなんだ、なんか家とかに出るクモあったら、なんか見たことあってもおかしくないのに。
うーん、見たことないな。
そう、あの脱皮殻も結構綺麗に残るんですよ、クモって、あのー、頭の部分から足の部分まで。
そんな綺麗に。
はい。
できるんですか、あー調べたら今。
出ましたわ。
ほんとだー。
24:00
だからちょっと僕ね、いつかね、ちょっとクモの脱皮殻図鑑作りたいんですよね。
はははは、むちゃくちゃマニアックですね、それ。
いやでも、あの、あれなんですよ、その、クモやってる人なら、脱皮殻からだいたいわかるんですよ。
あー、じゃあ、もう種類わかるぐらい綺麗に、だから脱げるっていう。
そう、あの、なんか一回面白かったのが、僕の、そのまあ先輩のクモやってる人いるんですけど、
はい。
その人になんか脱皮殻ちょっと見せたら、ああ、ここの目の配列とあとまあ足の感じからまあ何々クモやねとか言って当てるんですよ。
はははは、クモの脱皮殻クイズみたいな。
そう。
ははは。
まあ、極一部の人たちにだけ需要があるかもしんない。
はははは、いやでも、え、クモって、いやあの、目っていう話も出ましたけど、目がいいみたいな、結構目複数というかいっぱいあったりするじゃないですか。
はいはいはい。
あれも結構種類によりますか。
あー、いい質問ですね、あの、基本的にクモの目は8個なんですよ。
あー、でもなんかそんなイメージはありますね。
だけど、あの、まあおっしゃる通り、種類によっては、あの、退化して6個になったものもいれば、あの、4個もいれば2個もあれば0個もいますね。
えー、そんないっぱい種類あんな。
はい。
てか0個あるんですか。
やっぱあの、まあどんな生き物もそうなんですけど、洞窟性の生き物とかって目が退化しがちなんですよ。
うんうんうん。
で、クモで言うと、あの、ホラヒメグモっていう、あの、洞窟性のクモがいまして。
はいはい。
で、そのホラヒメグモの中では、あの、目がないクモっていうのがまあ、いたりしますね。
えー、それ、どうやってるんですか、その場所とか。
えっと、まあそのクモ自身が、まあでも詳しい生態はわかってないんですけど、まあおそらくですけど、そのクモはあの、不規則な形をした立体的なクモの巣を作るんですけど。
はい。
その糸がこう、センサーのような形で、こう、その糸が振動したら、ああ、獲物がいるなみたいな感じで。
あー、すごいな。
基本的にその網、クモの巣を張るタイプのやつっていうのは、あの、そうやって振動が自分のセンサーになってるっていう感じですね。
うーん、まあでも結構、明体化してるやつって、まああと、聴覚がすごいとか、嗅覚がすごいとか。
あー、はいはいはい。
ありますよね。
そうなんですよ、クモって実はね、聴覚が発達してるんですよ。
あ、そうなんですか。
はい。
聴覚、発達してるんだ。
あの、蝶毛っていう、聴覚の蝶に毛っていう、そういう特殊な毛が生えてるんですよ。
え、それは、毛ってことは、外側なんですか?
はい、外側、あの、足に生えてるんですよ。
足に生えてるんだ、へー。
足に耳があるみたいなことですね。
ほうほうほう、それ結構すごい。
多分他の昆虫とかないんじゃないですかね、そんな聴覚として、耳としてのこう、手みたいなもの多分生えてないんじゃないですかね、他の昆虫だと。
え、それってでも、どうなんだろう、なんか糸を伝ってなんか情報を得るみたいなのって、結構やられてるんだったら、足に耳みたいなやつあるの、結構理にかなってそうだなっていうのもあるでしょ。
27:03
うーん、そうですね。
糸電話的な、なんか音拾えそうじゃないですか。
そうですね。
で、なんか、この、ま、クモにとって音、どんだけその、機能してるかっていうと、あの、例えば、確かね、なんだっけな、ハイトリグモの仲間だったかな、ちょっと何の仲間か忘れたんですけど、
はい。
あの、ま、餌じゃないか、えっと、さっきその寄生鉢の話しましたよね。
はいはい、最初に。
あの、実はその、クモにも寄生する鉢いるんですよ。
へー、そうなんだ。
なので、クモにとって、実はその寄生鉢っていうのが、あの、ま、天敵だったりするんですね。
ふんふんふん。
だから、ま、いち早く天敵の、あの、接近を知りたいわけですよ。
ふんふん。
で、クモは、あの、どうしてるかっていうと、なんか歯音が聞こえたら、わかるらしいんですよ。
あ、そうなんだ。
その、蝶毛っていうか、その器官を使って。
なので、例えばその、ハッ、例えば後ろの方に、こう、蜂が接近してきても、あ、いるなってわかって、すぐに逃げることができる。
へー、すごいっすね。
視覚も聴覚も結構すごいのか。
そうですね。基本的にクモは、あの、視覚が悪いの。
あの、目が発達してないんですよ、基本的には。
あ、そうなんですね。発光ある、結構デフォルトが発光だけど、あんま良くはない。
そう、数はあるけど、視力自体は良くないんですよ。
だから、その、振動とか、その、聴力とかっていうのに頼ってるんです、基本的には。
だからその、一部のハエ取りクモみたいなものは、目が、あの、発達してる感じなんですよね。
確かに今、結構僕、特殊なケースばっかり聞いてますね、気になって。
ははは。
そうなんだ、いやー、不思議だなーと思って、クモ目いっぱいあるの、不思議だなーと思ってましたけど、そうなんすね。
退化してるっていう感じなのか、増えてってるってわけじゃなくて。
うーん、そうっすね、デフォがそう8で、やっぱその、環境によって、その、そんなに光がない環境とかにクモ居がちなんで、
まあ別に8個なくても6個でいいや、みたいな。
ははは。じゃあなんで、なんで8個になったんだろう、みたいな感じなんですかね。
いやー、まあそうですよね。
まあ、最初にワーって増えた時が8個だったんですかね。
だから多分そういうとこは、なんかその、クモの進化みたいなところを、多分、たどっていくと、答えがあるのかもしれないですけど。
クモの遺伝子的なとこ調べたらわかるのか。
どうですかね、多分クモの祖先とか、どんどんこう、たどっていけば、いずれ答えがあるかもしれないですね。
クモに近い虫とかっているんですか。
クモに近い虫で言うと、えっと、ダニとかサソリとか、その辺です。
あー、その辺になるのか。
まあ確かにちょっと似てはいる感じです。
うんうんうん。
まあグループで言うと、胸郭アモンっていうグループ。
あ、胸郭、あ、そっかそっか。
胸郭っていうのが、あの、なんかハサミみたいになってるみたいな感じで。
うーん。
まあクモのあの牙の部分とかがあれ、胸郭っていうんですけど。
あ、そこを胸郭って言うんですね。
30:01
なるほど。
はい。
まああとちょっと細かいかもしれないですけど。
はい。
クモって自分でまあクモの巣張ったりして、
はい。
結構動き回るじゃないですか。
そうですね、はい。
それってなんか工夫されてるんですか。
自分にはくっつかないけど、他の虫にはくっつくみたいな。
あー。
はいはいはい。
クモの巣っていうのは、あの、まあ放射状の部分と、あの、グルグルになってる部分があるじゃないですか。
で、その放射状の部分っていうところが縦糸っていう名前がついてて。
おー。
あの、グルグルになってる部分が横糸って名前がついてるんですよ。
あ、なるほど。
もう服、服みたいですね。縦糸、横糸。
はい。
そう。
で、その縦糸っていうのが粘つかなくて、横糸ってところが粘れましてるんですよ。
あー、なるほど。ってことは、めちゃくちゃ上手いこと縦の部分を伝って移動してるってことですか。
そうなんですよ。あの、クモの足の部分って、あの、爪が生えてて、あの、そこでこう糸を握れるようになってるんですよ。
あ、握ってるんですか。
はい、あれよく見るとギュって握ってるんですよ。
あ、そうなんだ。
なんか乗ってるだけじゃないですね。
うん。じゃないですよ、ちゃんと握ってて。
まあまあ、そっか、くっつかないんだったら、ちゃんと掴まないと落ちちゃうか。
そうなんですよ。だから、あの、動くときは、その縦糸の部分をギュッギュッとこう握りながら移動していくっていう感じですね。
んー、なんかぼーっと見てるだけじゃわかんないですね、全然クモ。
んー、なんか、その、足の部分とかクローズアップとかしたら、ちゃんと握ってんなってわかりますよ。
いや、ちょっといろいろクモの話聞きましたけど。
はい。
あの、まあだいぶこのクモのイントロダクションで時間使っちゃったんですけど。
イントロ長かったっすね。
いや、すいません。僕がいろいろ聞きたいこといっぱいあったんで。
いやいやいやいやいや。楽しかったです。
で、実際に今、どんな研究を自分ではやられてるんですか?
はい、そうですね。実はイントロ部分に、あの、本当の僕のこの研究のイントロも含まれてて。
おー、あ、そうなんですね。
あの、鳥のふんだましの話をしたじゃないですか。
はい。
基本的に、その、クモはいろんな、あの、餌を食べるジェネラリストだけど、その、鳥のふんだましみたいに、特定の、ガみたいな特定な餌だけを食べるスペシャリストがいるって話をしたじゃないですか。
はい。
で、僕の扱ってるクモ自身がスペシャリストなんですね。
だから、さっきはガを食べるっていうガのスペシャリストだったんですけど。
はい。
今回は僕の場合はアリ、アリのスペシャリスト。
えー。アリのスペシャリスト。アリばっかりを食べるクモ。
はい。
そう、アリばっかり食べる。
おー、あんまりイメージない。
で、これの何が面白いかって言うと、あの、まずアリ、アリに対してどういうイメージを持ってます?
アリに対してイメージ?
あの、この、なんだろう。生態系においてアリの立ち位置どう思います?
33:05
いや、生態系で言ったら、まあ、強くはないですよね、そんなに。
あー、はいはいはい。
強くないイメージを僕は持ってますけど。
ですけど、実はアリは結構生態系においてはもうほぼ最強ぐらいの感じなんですよ。
あ、ほぼ最強ぐらいなんですか。全然違った。
まあ、こと節足動物とかってちょっと区切ると、アリはだいぶもう上位のとこに訓練してますね。
あー、そうなんだ。
っていうのも、アリって色んな武器持ってるんですよ。
あー、毒とかそういう系ですか。
そう、あのー、ギサンとか。
ギサン。
アリのサンって書いてギサンとか。
はい、ギサンはもう僕めっちゃ使ったことあるんで、わかります。
そうですね。
実験で使いますね。
ギサンとか毒張りも持つやついますし、顎が異常に発達したものもいますし。
あとは何よりもやっぱりアリっていうのは社会性昆虫なわけなので、集団で何か獲物を狙うっていうことがありますから、なかなかアリを食べるっていうのは難しいんですよ。
あー、そうなんですね。ちょっとあれでした。昆虫目線を考えてませんでした、僕は。
人間目線でアリは弱いっていう。
そう、人間目線じゃ弱いかもしんないけど。
人間とか大きい動物目線で完全に言ってましたね、今。
そう、だからなかなかこう、だからアリを食べる拙速動物って実際ほんと少なくて。
で、この僕がやってるクモがミジングモっていう名前なんですね。
ミジングモ、はい。
はい、もうなんか名前からわかるといいすけちっちゃいミジンなクモなんですよ。
あ、もうほんとそのミジンなんですね。
はい、あの大きさが基本的にもう2ミリぐらい。
えー、めっちゃちっちゃいな。
そう、2ミリってどれぐらいかっていうと米粒ぐらいなんですね。
で、その米粒ぐらいのクモがアリを倒してアリしか食べないんですよ。
すごいっすね、米粒ぐらいだったら全然アリの方が大きいっすよね。
だからアリの頭より小さい時あるんですよ、全然。
えー、そんなやつが、しかも最強って言われてるアリを倒すんですか。
そうそうそう。
だからそんなアゴとかあの毒バリとかギサンとかそういった武器も全部買いかけて倒せるんですよ、そのちっちゃいクモが。
えー、それは気になりますね。
そう、ですよね。
それを僕が、僕がどうやってそいつらがアリを食べてるかっていうのが僕の研究なんですよ。
うわ、めちゃくちゃ面白い。
え、これどうやって研究するんですか?
あの、まあ非常に単純で、野外においてその米粒ぐもがアリを捕獲する瞬間を撮影するとか、
また実際に飼育してアリをクモに対して与えてみるとか。
36:03
あー、それでいろいろ動きを観察したり。
そうなんですよ。でね、これがね、まあ僕の1年間の研究がそれだったんですけど、非常に大変で。
あの、まあまず小さいですから見つけるのが大変。
いや、思いました、それ。外でどうやって見つけるんだろうって思いました。
そう。で、あとミジンクモって夜行性なんですよ。
いや、めっちゃ難易度高いっすね、それ。
そう、だから真夜中の中にの米粒を探すっていうのがまず始まりです。
いや、もう全然意味がわかんない、もう。
それがまあスタート。
どうやって探すんだろう、それ。
で、そのスタートに立ち、ミジンクモがいるなとわかったら、また次の難易度がありまして。
あの、基本的にあの、このミジンクモがアリを捕獲する瞬間すごい短いんですよ。
あ、めっちゃ早い。
一瞬で蹴りがつくんですよ、基本的に。
えー。
うん、だからあの、夜行った時にどういう状況かっていうと、もう終わってるんですよ、捕獲が。
あ、もうアリ死んでるみたいな感じなんですか?
もうアリ死んでも、アリもぐもぐ食べてるんですよ、もう。
えー、じゃあもう殺し方、いやそれめっちゃ難しいですね。
そう、だからどうするかっていうと、クモがアリに出会う瞬間、アリに接近するその瞬間に出くわすしかないっていうか。
いやー、やばいやばいと、どんな確率なんすか、それ。
そう、だからこれ本当に大変だったんですけど、僕がもう本当にあの、毎日山に行って、あの、そのいろんな時間に行って、この時間ならどうだ、この時間ならどうだっていろんな時間に行って見てみて、
あ、だいたいこの時間だっていう時間がわかったんですね、その狩りが始まる時間が。
あ、え、そんな決まった時間なんですか?
だいたい決まってました、はい。
えー、それも面白いですね。
そう、で、その時間に集中的に行って、あの、ちょうどそのミジングモがアリを待ち構えてるので、
はい。
はい、そこに、でもここでまたね、また難易度がありまして、あの、クモが待ち構えてるから、こうカメラを構えるわけですよ。
はいはい。
でも、待ってるだけで終わりみたいな。
あー、そんな動かないんですか。
だから要はその、クモがアリを待ち構えてるんですけど、目の前にアリが来ないままはもう3時間も4時間も経つみたいな。
あー、きつい、きついですね、それ。
あのー、なんか人によってはそういう場合って、あの、もうやらせで、なんかアリとかを近くに置いたりするんですよ。
あー、はいはいはい。
うん、でも僕はやらせ断固禁止の人なんで。
介入しない。
そう、僕はもう絶対にその目の前で起こるまでは待つっていうスタンスでやってたんで。
39:05
だから毎日その、なんとなく分かったその時間に行ってカメラを構えて、よし今日は何もなかったっていうのを、もう毎日毎日繰り返して。
えー、それすごいですね。
そういう作業でようやく1年間で、えっと、ま、飼育課での撮影も含めてですけど、あの、20例ぐらいの動画を撮ることができました。
いやー、でもこれ1年間やって20っていうのはなかなかすごいですね。
まあちょっとあの、前半の部分はやっぱりその、どの時間に狩りが始まるかとかっていうそういうところがあったんで。
だからもう今年とかは多分もう、大体もう掴んでるから、どんどん動画撮れると思います。
えー、それって、なんか同じような場所にいるんですか?いつも。
あ、それいい質問ですね。あのー、やっぱりミジングモウだからそのアリのスペシャリストだからアリしか食べないわけです。
まあ、アリ、もうほとんどアリしか食べないんですよ。
うーん、まあそうですね、だから。
ってなったら、そう、だからアリがいる場所が分かってるってことなんですよ、彼らは。
ですよね、アリの巣の場所とか。
だから、大体いつ行っても同じ木、同じなんか枝とかにいますね、彼らは。
あー、それはまだちょっと良心的ですね、そこだけ。
そう、そこだけ。
場所は固定してくれてるのはまだいいな。
うーん、えー、それすごいな。
いや、ちなみにカメラって、なんか特殊なやつなんすか?そういう撮影ときって。
全然、これ生き物の研究やってる人ほとんど使ってる、オリンパスのTGシリーズっていうカメラがありまして。
オリンパスのカメラなんだ。
はい、3万ぐらいかな、3万ぐらいで、2ミリとかの雲がすっごい綺麗に撮れる良いカメラで。
あと、水に濡れても大丈夫だし、落としても全然壊れないしっていう、フィールドで使うには最適のカメラがあるんです。
さすがオリンパス。
それを使ってこの1年間撮りまくりましたね。
いやー、すごいっすね。
で、根気強い観察からどんな感じのことが見えてきたんですか?
分かったことがあって、これは去年かな、去年の11月の日本雲学会というところで学科を発表したんですけど。
ここまでお聞きいただきありがとうございました。
サイエンマニアはあらゆる分野のゲストをお呼びし、世界を探求していくポッドキャストです。
番組やSNSのフォロー、感想などいただけると嬉しいです。
では次回もまたよろしくお願いします。