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2021-10-20 28:53

脳で炎症を起こす犯人をどう見つけるか?【脳と免疫③】#27

脳の中の炎症は「DJ-1」が関係していることが発覚。しかし、それをどうやって発見したのか?というお話を語っていただきました。


ゲスト

東京大学大学院 博士課程

中村 幸太郎さん (https://twitter.com/Koutarou_nkmr)

「脳梗塞に苦しまない世界をつくりたい/サイエンスコミュニケーションを通じて社会と科学の架け橋になりたい」とクラウドファンディング挑戦中

https://academist-cf.com/fanclubs/196?lang=ja

研究ピッチコンテスト GENSEKI運営中

https://www.notion.so/GENSEKI-46ac77cff54a4197a53fb348a776fd4a


▶DAMPs:damage-associated molecular patterns  壊死した細胞などから細胞外へ漏れ出ることで炎症を惹起する分子。

▶PAMPS:pathogen-associated molecular pattern 病原体がもつ特有の構成成分、分子。

▶尿酸結晶:血中の尿酸値が高い状態が続くと溶け切れなくなった尿酸が結晶となり、関節などに蓄積することで炎症が起こる。

▶ATP:アデノシン三リン酸、生体内ではリン酸1分子、または、リン酸2分子が離れたり結合したりする事で、エネルギーの放出・貯蔵を行う。

▶DJ-1:酸化ストレスのセンサーとして機能し、ニューロンを保護するタンパク質。PARK 7(パーキンソン病タンパク質7)とも呼ばれている。

▶マクロファージ:白血球の一種で、体内に侵入した細菌などの異物を捕食し、ホルモン用のタンパク質であるサイトカインを出して他の免疫細胞を活性化する。

▶樹状細胞:血液中の白血球の中の免疫細胞の一部で、血液によって運ばれ体の中のあらゆる場所に分布している免疫細胞。異物を発見すると、それを自分の中に取りこみ特徴を覚える。その後樹状細胞はリンパ節まで移動し自分の覚えた異物の特徴をリンパ球に教え、リンパ球にその異物を攻撃するように指示を出す。

▶脳の城壁=血液脳関門 (BBB, Blood-Brain Barrier)

血液と脳(中枢神経系)の組織液との間の物質交換を制限する機構。

▶ミクログリア:中枢の免疫担当細胞として知られる細胞。細長い突起を動かし、シナプスや軸索等に接触させて機能を監視・調節している。

▶先発部隊→自然免疫:外部から侵入した異物 「非自己」と、本来自身のもっているもの「自己」を区別し、「非自己」を速やかに処理する仕組み。主に好中球やマクロファージ、樹状細胞といった食細胞が担当。

▶後発部隊→獲得免疫:感染した病原体を特異的に見分け、それを記憶することで同じ病原体に出会った時に効果的に病原体を排除できる仕組み。主にT細胞(細胞障害性T細胞、ヘルパーT細胞など)やB細胞といったリンパ球が担当。

▶貪食(どんしょく):菌やその他の固形物を取り込む作用。食作用とも呼ばれる。

▶ポリクローナル抗体: 一つの抗原に対して様々な親和性を持つ異なる抗体の混合物。

▶モノクローナル抗体:ポリクローナル抗体に対し、1種類のコピー(クローン)からなる抗体。


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00:00
自己組織由来、自分の細胞由来だけど、免疫を活性化しちゃうような因子っていうのをダンプスって言うんですね。
ダンプス、はい。ダメージアソシエイティットモラキュラーパターン。 つまり、その体がダメージを受けた時に
その細胞の外に出て、で、免疫を活性化するパターン。
おー、なるほど。 で、それに対義語になるのが、パンプスP、パソジェンアソシエイティットモラキュラーパターンなんですよ。
つまり、病原体ですね。病原体とかウイルスの抗生成分のパターンがいくつかあるので、そんなパターンをまとめて認識して、
炎症を引き起こす、そういうパターンのことをパンプス。 で、それに対して内因性、体の中にあるものをダンプスって言うんですね。
へー、なるほど。パンプスは、だからじゃあ最初の方に言ってた、ウイルスの抗生物をそのもののことを言うって感じですね。
外来性ですね。 だけどダンプスは内来性、内因性のものを指します。
なるほど。 それをちょっと最初に言っておけばよかったんですけど、で、そのダンプス研究っていうのも結構進んでて、
で、だからその同じようにこう自分の体の中の成分だけど免疫系を活性化しちゃうって結構いろいろあって、
あの身近なとこだと尿酸結晶とか。 あー、尿酸結晶。ああいうのもそうなんですよ。尿酸とかも当然活性化しちゃうし、
あとタンパク質とか、あと実はATPってあるじゃないですか、細胞のエネルギー源ですね。
あれも実は体の外だと免疫系活性化しちゃうんですよ。 えー、そうなんですね。そうなんですよ。結構面白くて。エネルギーなのに。
なのにみたいな。 へー。 なんかいろいろその免疫を活性化するようなダンプスっていうの知られてたんですけど、
で、ただ濃厚色におけるダンプスっていうのは全然わかってなかったんですよね。 つまりその濃厚色の時に炎症を起こす陰性っていうのがわかんなくて、
で、うちのボスはそれを一番初めて見つけたのはうちのボスだったんですね。 うーん、そのダンプス。ダンプス。そうです。はい。
で、よくよくいろいろ探してみると、その濃厚色におけるダンプスっていうのもまあいろいろ種類があって、
あー、なるほどなるほど。いろいろDJ以外にも。そうです。DJ以外にも、実はPRXっていうペロキシレドキシンっていうそのタンパク質があったりとかHMGB1とかいって、また別のタンパク質なんですけど、
なるほどなるほど。そういうのがダンプスとして知られてて、まあだけど今回は結構その中でもメジャーなものっていうものとしてDJ1が童貞されたっていう感じだったんですね。
で、ご質問に戻って、じゃあどうやって童貞してきたのかっていうとこなんですけど、本当にもう一番最初は脳みそすりつぶしたんですよ。
03:05
すごいシンプルですね。もう何時代だよみたいな感じなんですけど、脳みそすりつぶして、で、実は免疫細胞って体から取ってくることできるんですね。
で、それこそ働く細胞じゃないですけど、免疫細胞っていろんな種類があって、マクロファージュとか甲虫球とか腫瘡細胞とかっていろんな種類があるんですけど、その中のマクロファージュとかに、要は脳みそすりつぶし液を配置中に加えて、
で、そうするとそのいろんな炎症性の因子っていうのを出すので、それを定量化してあげると、要は脳の中にはどうやら炎症を引き起こす因子っていうのがあるらしいということが一番最初まずわかったわけですよ。
たしかに古典的っちゃ古典的ですね。物理で吹っ壊して中身出しちゃおうっていう感じですね。
逆に一番、でも逆にゼロイチの現象がしっかりあるので。
まあまあ確かに確かに。まずはそれが本当だよっていうのは、それマウスの脳ですか?
基本的に今、うちは全部マウスで脳拘束の実験をしているので。
へー、全然想像つかないですけど、マウスの脳をすりつぶすっていう。
本当に物理的に、ネズミさんには本当に申し訳ないですけど、すりつぶします。すり鉢でみたいな。
すり鉢で。
すり鉢で。っていう感じで。
すげー研究だ。
どうやら脳の中にはまさに炎症が起こる物質っていうのが含まれていると。
で、それをですね、タンパク質分解処理をしたんですよ。
あーなるほど、そのすりつぶした駅。
そうですそうです。で、そのすりつぶした、当然駅の中には何でも入ってますから。
そうですよね、ぐっちゃぐちゃですよね。
そうですね、だから脳の中にあるような全部ですね、例えばDNAもあるし、タンパク質もあるし、それ以外の油とかもあるし。
そうですね、細胞の膜とかも全部入ってます。
だからその細胞の中にあるもの、外にあるもの全部まとめてあるので、その中から要はどうやって絞っていくかっていうそこの時に、
そのタンパク分解処理をしたら、そしたらその炎症誘導活性っていうのがなくなっちゃったんですよ。
うーん、なるほどなるほど。てことは?
そう、てことは、あ、じゃあタンパク質だったんだっていうことですよね。
そうですね。いやー意外とじゃあDNAとかその辺は大丈夫みたいな。
そうなんですよ、実は面白いのがそのダンプスの中にはDNAもあるんですよ。
あー、はいはい、知られてるね。
06:00
DNAももちろん認識はするんですけど、今回は脳の中の場合だとダンプスはそっちでは少なくともなくて、タンパク質がメインソースだったんですね。
なるほど。
だったので、じゃあまあタンパクだろうと、だけど脳の中のタンパクって四孔玉いっぱいあるやんみたいな。
そうっすよね、大量に種類があるんですね。
そうなんですよ、めちゃくちゃ種類あるじゃんみたいな、遺伝子だけで2万2千種類あるしみたいな。
2万2千、はい。
まあまあ脳の中のタンパクはもちろんそんなにいっぱいってわけではないんですけど、
そうなったときにじゃあ一個一個探してるわけにいかないので、
そうなったときにやったのが密度勾配延伸っていう方法で、要はバカでかい延伸器にかけるんですよ。
なるほど。
めっちゃ延伸するわけですか。
そうです、延伸すると分子量ごとにきれいに分かれてくれるんですね。
重いものがどんどん下行って。
そうですそうです、下行って。
そういうのを密度勾配延伸って言うんですけど、
うまく分子量ごとに分かれるような溶液の素性と一緒に流してあげると、分子量ごとに分かれていくと。
なるほどなるほど。ざっくり大きさをまずは調べられるってことですね。
そうですそうです。
そのときに15から25キロダルトンのところの分割で、逆に今度分割ごとにとっていって、また免疫細胞にかけてみたんですよ。
なるほど。
ちっちゃいのから大きいのまで、それぞれザッタザッタザッタにかけていったと。
そうすると、ちょっとちっちゃめのやつ、15から25キロダルトンぐらいのところに分割かけたときがめちゃくちゃ炎症が起こったんですね。
なるほどなるほど。どんどん犯人を追い詰めていくみたいな。
そうですそうです。まさにもうコナン君の追い詰め状態で。
そうですよね。絞り始めて。
だけどまだまだその中にはいっぱいあるということで、最終的に火曜サスペンスのがけっぷちまでどうやって追い込んでやろうかと思ったときに、使ったのがマス質量分析ですね。
なるほど。もっと細かい分子量を出すっていう。
そうですそうです。本当にその分割の中にどんなタンパクが含まれていたかっていう。
で、見たときに当然マスでまだ数百種類出てくるんですけど、その中で上位、リスト順位付けされるわけですよ。その分割の中で一番多かったもの1から100みたいな。
なるほど。じゃあもうそれで量とかもある程度は決まってくるってことですね。
そうですそうです。わかるんで。で、次にやることは至ってシンプルで、さすがにそこからはもう一個ずつ確かめましたっていう。
なるほど。まあそれっぽい順位が出たから上からみたいな。
09:02
もう上からみたいな。
それをまた振りかけてみたいな。
そうですそうです。で、今度はじゃあタンパク質がどういうタンパク質が中に含まれていたのかっていうのはわかったので、そのタンパク質っていうのは今結構便利なことに大腸筋が作ってくれるんですね。
ああ、無理やり作らせるやつですね。
そうです。だからもう遺伝子はわかっているので、その遺伝子、設計図を大腸筋にポーンとぶち込んで、お前これ作れって言うと作ってくれるので。
これで生成かけて、もう本当にそのタンパクだけにして、で、また免疫細胞に入よってかけると、おーって活性化したのがDG-1だったんですよ。
えー、結構なかなか長い道のりですよね。そこまでたどり着くのに。
めっちゃくちゃ長かったですね。
どれぐらいかかってるんですかね。
まあでもそうですね、そのマスぐらいまでは先行でかけてたので、私がやったのはむしろDG-1が本当にそいつだったのかっていうのを当てにいく方だったんですけど、それでもやっぱり最初見つけてからは5年ぐらいかかってますよね。
5年。
DG-1が候補として出てきてからはもう。
すごい大変だ。
なるほどな、やっぱそれぐらい時間かかりますよね。
そうですね。
1個のやつまで追い詰めるのに。
追い詰めるっていうのは。
すごいな。
で、そのDJが犯人だったわけですね、とりあえず。
そうなんですよ、DJが犯人で、よくよく分析してみると、そのDG-1っていうのがそもそも炎症を引き起こすもので。
で、ただ面白いことに、もともとさっき言った通りそのDJ-1って体の中ではいいやつなんですよね。
で、ノーコースクの時って、ある意味そのものすごい酸化ストレスがかかるんですよ。
拒絶、要は酸欠になるってことは。
あーなるほどなるほど。
酸化ストレスがかかるので、あ、やばい酸化ストレスきたって言って、その細胞の中での発言が逆に上がるんですよ、神経細胞の中で。
あーそれを頑張って分解しなきゃっていうので。
そうなんですよ、本当に体の中で、あ、やばいやばいやばい、あの化石酸素出てきちゃったからどうにかしなきゃって言って、DJ-1の発言がガンガン上がってくるんですね。
へー。
ただ、ノーコースクが起きて24時間後ぐらいにそのDJ-1が細胞外に放出されちゃって。
あーそれは細胞が死んじゃって。
そうですね、まあ細胞が死ぬのはもっと早いと思うんですけど、その膜が本当にこうもうバラバラになっちゃうというか、膜の外に出ていっちゃうのがそのぐらいのタイムコースで。
へー、それなんか。
12:00
そうなんですよ、24時間後ぐらいに細胞の外に出てくると。
へー、それがいっぱいやばいと思って作ったのが恨みに出てるわけですね。
そうなんですよ、そうなんですよ。で、一生懸命作ってたんだけど外に出ちゃったら、で、たまたままた運の悪いことに、そのノーコースク後の24時間後ぐらいっていうのは、当然血液の中を免疫細胞がパトロールしてくるんで、ただそのノーコースクっていうのは当然血管が詰まっちゃって。
血管が詰まっちゃうとそのあたり一体がこうまずやけの腹になっちゃうので、さっき言ったBBBって上壁あったじゃないですか。
はい。
あの上壁ももうぶっ壊れちゃうんですよ。
え、あ、もう上壁まで壊れちゃうんですね。
そう、上壁も壊れちゃうんで、そうすると血管の中にいた免疫細胞がどんどんそのノーコースクの中に、ノーコースクの脳の中に入ってくるんですね。
うわー、大変ですね、それ。
そこが大体12時間後ぐらいなんですけど。
はい。
だからもうそこがもう本当にタイミングとしてバッチリ合っちゃってて。
あー、なるほどね。
脳内に浸潤してきた免疫細胞が入ってくると同時にDJ1が外出てるから、あ、こんにちはしたらもうボーって大炎上ですよね。
えー、そういう感じなんだ。
じゃあ、そこのじゃあ、普段はそんなにそんなにパトロールは脳までは来ないっていう。
あ、そうなんですよ、実はその脳の中の免疫細胞ってのはミクログリアって別の免疫細胞がいるので、そいつが普段はいるんですけど。
まあそいつよりも断然体中を巡ってる免疫細胞の方がパワフルというか。
そうですそうです。
いろいろ攻撃しちゃうからっていう感じなんですね。
当然量も多いんで、当然その高中級とかマクロファージって呼ばれるような細胞集団、主にその自然免疫系って呼ばれる細胞集団ですね。
免疫応答にも大きく分けて2種類あって、先発部隊と後方部隊みたいな感じなんですけど、先発部隊っていうのが自然免疫と呼ばれるやつで、
高中級マクロファージとかそのあたりの細胞たちはさっき言ったそのパターン認識需要帯っていうのをまず持っているので。
まずは敵か味方かを判別するっていう。
いち早く行って、なんかいるなんかいるみたいなのを応答して、バクッと食べて、
すいませんこんなの来てましたよっていうのをリンパ節っていう司令塔みたいなのがいっぱい集まってるところに行くと、
こんなのがいるかって言って、例のT細胞、B細胞、その抗体を作る細胞とか、直接細胞を殺しに行くような生物体みたいなのが出てくるんですけど。
なるほど、第2陣がやってくるんですね。
15:01
そうです。それのうちの濃厚素で炎症を最初起こすのはその第1陣、自然免疫系のやつらが炎症を起こすんですけど、
それの倍入ってくるのと同じぐらいのときにDJ-1がちょうど相当に出ちゃうので。
なんか悲しい事故みたいな感じしますね、すごい。
そうですよね。
ついてないというか。
そうなんですよ。
だけど幸いにして、一応そのDJ-1だっていうことが分かったので、じゃあ今度そのDJ-1っていうのをどうにかしてやれば、さっき言った通り炎症っていうのが抑えられるんじゃないかと。
なるほど、そこから今度はそれを何とかしようっていう。
何とかしようっていう。
治療の方に行くわけですね。
そうですそうです、ベクトルの治療。
これは面白いな。
で、じゃあどうやったかっていうと、実は最近話題の抗体を使ったんですよね。
抗体。
そうです。で、実はネズミさんにDJ-1抗体、つまりそのDJ-1にベタベタベタベタまとわりつくので、簡単に言うとお皿に認識できなくしちゃったんですよ。
マスクした感じですよ。覆っちゃう感じです、イメージでいくと多分。
なるほどなるほど、細胞の外に漏れ出ちゃったDJ-1をめっちゃブロックするみたいな。
そうですそうです、もうその周りにベタベタベタベタってくっつくから、多分PRRも認識できないよねみたいな。
なるほど、免疫細胞は来ちゃうけど、あれなんかまあまあ大丈夫かみたいな、そこでは異常にアラームを出すこともなく。
しかもさらにいいことは、抗体がいっぱいついてるっていうのが、ある種目印になって、自然免疫系の細胞ってのは鈍食っていうのをするんですね。
あー食べちゃう。
食べちゃうんですよ。つまり体の中でなんか変なものとか異物があったりすると、彼らのを食ってくれるんで、だから抗体がついてると食べちゃうんですよ。
なるほどなるほど。
だからそもそものアラーム自体を食べちゃうので。
炎症も多分起きてないと思うんですけど。
あー、そっかそっか。なるほど、抗体をとりあえず外から入れればなんとかなりそうっていう。
そうです。なので濃厚削除を起こしたネズミさんに、血管の血液の中に抗体を投与してあげると、そのDJ-1にくっついて、今回面白いことに炎症っていうのがかなり抑制されて。
で、最終的にフェノタイプ、表現系を見るんですけど。
実際にどうなってるかっていう炎症は起きてない。
そうですそうですそうです。で、炎症も起こってなかったし、あとその高速体積ですね。
ニューロンが死んだ領域っていうのも、DJ-1抗体打ったのと打ってないのと打ったほうがちっちゃくなってたし。
18:06
えー、じゃあそこのどんどんどんどん。炎症が一回起きちゃうともうなかなか収まらないっていう感じ。
もちろんどんどんどんどん広がっていっちゃうので。
まあもちろんある程度のピークはあるんですけど、やっぱそれまでの炎症っていうのも抑えられてたよねっていうので、
もしかすると今後、新しい治療につながるかもしれないねっていう。
えー、めっちゃ面白いな。
それって、じゃあ結構、なんかちょっと変なマニアックな質問かもしれないですけど、
なんか抗体を投入するタイミングとかも重要そうだなと思って。
そうなんですよ。
それはまさにあのよく学会とかにもやっぱ来る質問で。
はいはい。
あのー、クリティカルなやっぱりポイントだと思っていて。
そうですね。なんか遅くなっちゃうともう炎症一回起きちゃうと止められないみたいなのが来ちゃう。
ただ、可能性としてあるのは脳梗塞24時間後にDJ1が出てくるので、
それより前に多分抗体を打っとけば、
まあ抑えられる可能性はあるんじゃないかと。
なるほどなるほど。
で、今ですね、脳梗塞の有効な治療薬として知られてるのが、ご存知かもしれないですけど、RTPAっていう薬なんですね。
はいはい。
で、それがですね、要は血栓を溶かしてくれる薬なんですよ。要は何かっていうと。
うんうん、なんか分かりやすいですよね、すごい。
そうですね。
つまるような薬。
つまった血栓を溶かせば血液が戻るよね、みたいな。
はい。
RTPAっていう薬があるんですけど、ただ、それの適用時間っていうのが発症後4.5時間なんですよ。
短いっすねー、4.5時間。
そうなんですよ。
っていうのは、脳が詰まって倒れて、救急車を呼んで、病院に着いて診断されて、脳梗塞ですねって言って、じゃあRTP打ちますかっていうのが4.5時間以内に始まってないといけないと。
いやー、だいぶきついですよね。
だいぶきついじゃないですか、もう夜中とかおじいちゃんとか。
そうですよね、一人暮らししてる人とか。
そうなんですよ。
はいはいはい。
なので、それがやっぱ有効な治療。
で、もうちょっと長いと、今度仮定てる血管の中に細い手術器具を通して、血栓を物理的に引っ掛けて取ってくるみたいな、そういう血栓回収術っていうのがあるんですけど、それはもうちょっと長くて、でも12時間とかそのぐらいなんですよね。
でもそれでももう12時間ぐらいなんですね。
だからまだまだやっぱり脳梗塞の早期の治療法しかないので、もうちょっと長いスパンの治療法っていうのが全然ないので、もしかすると24時間っていうのは一つ標的というか、にはなるんじゃないかと。
21:05
今までにはなかったような治療にはなりそうですね。
えーすごいな。
なかなか、その抗体も自分で作ってきたっていうことですか?
あ、そうですね。その抗体さんはですね、あのうさぎさんに作ってもらいました。
あーうさぎさんに。
はい。
DJ1を打ち込んで。
打ち込んで。
で、出てくるのを取ってくるみたいな。
取ってくると、もうほんとに。
うさぎさんなんですね。
そうなんですよ。
あ、そうなんですね。
うさぎさん。
そこのなんか、いやこれ全然話違うかもしんないですけど、なんかいろんな動物でやったりするじゃないですか。
ありますよね、ありますよね。
抗体を作るときに。
そうですね。
なんかあるんですか?基準、選び方というか。
いやー、でもどうなんですかね。だからネズミさんの、ネズミから抗体取ってくるっていうのも、まあ複数接種とかはあるわ。
一番だからあれですよね。大きく分けてやっぱり2種類あって、モノクロとポリクロってあるじゃないですか。
うーん。
単一、単一。
抗体ね。
実は抗体っていうのもいろいろ種類があって。
はい。
その抗原、例えばDJ1、同じDJ1でもDJ1の例えば先っちょにくっつくやつと下っかわにくっつくやつとかって実はいろいろあるんですけど。
うんうんうん。
そういう抗原が、抗体がくっつく部位のことをエピトープ、抗原決定器って言うんですけど。
はいはい。
それが大抵いろんなタンパク質で複数持ってるので。
うんうん。
で、今回の場合だったら、とりあえずどこでもいいからいっぱいくっついてくれよみたいな、そういうのが欲しかったので。
なるほどなるほど。
だからそのポリクローナルっていう、いろんなとこにくっつく抗体が欲しかったと。
で、だけど逆にモノクローナル抗体っていうのもあって、その一箇所しかくっつかない抗体を四個玉作ってくれるっていうのもまた別途あるんですけど、
今回はそのポリクローでその中和作用っていう方を目的としてたので。
とりあえずくっついてくれれば。
いっぱい大量にくっついてくれみたいな。
うんうん。
まあそうですよね。
なんか一種類だけだとそこを抑えきれないとかもありそうですよね。
そうですそうですそうです。
そうなんですよ。
だから一番何が大事かっていうと、そのお皿との結合の場所がもちろんわかればいいんですけど、
そこさえマスクされてれば多分お皿とはくっつかないので。
はいはい。
だけどそんな特定するのも結構大変なので。
そこはまだまだわかってないって感じですね。
例えば結晶構造とか、一緒に結合させた状態で多分結晶化させて、どこがくっついてるかを同点しなきゃいけないとかって可能性も多分あるんで、
そんなのだったらもうとりあえず、あのいっぱいはよくわかんないけどマスクしてやりながら。
いや確かにまずはそこでそのコンセプトがちゃんといけるのか。
24:03
そうですそうです。
そこが重要ですよね。
そうです。
だからそんな感じでポリクロを取ろうってなったときに、
まああとは結構抗体打つっていうのは結構な量いくんです。
200マイクログラムぐらい打たなきゃいけないんですよ。
あー結構多い。
ドチャッといくんで。
ですね。
なので、そうなると結構抗体って高いんですよね。
はいはいはい。
なので、まあお値段との兼ね合いでウサギさんに作っていただくと結構いっぱい取れるので。
あーなるほどなるほど。
まあ動物によってどんぐらい抗体作ってくれるかみたいなのがなんか差は。
やっぱり違いますよね。
そうですね。
ありそうですよね。
ただ結構やっぱり免疫だとウサギさんがよく、ウサギさんってよく抗体作ってくれるってよく聞きますよね。
うーん。
なんか不思議ですけどね。
本当に。
ウサギがありがとうございますとしか言いようがないですけど。
ありがたく使わせていただいて。
まあでもそのまたDJ1をキャッチするような抗体は一応は全身をめぐるわけですよね。
あ、そうです。血中に打つので血中に当然血中めぐるんですけれども。
はいはいはい。
さっきも言った通りも、普通だったらさっき言った城壁は通れないんですよ。
はいはい、そうっすね。
だけど濃厚則によって城壁が壊れてるから抗体も中に入ってこれるんですよ。
なるほど。そこはじゃあうまいこと入り口は開いてる。
不幸中の幸いみたいな感じですよね。
まあそうっすね。本当はそこも治んないといけないと思いますけど。最終的には。
逆にそんな時に変な菌が血中に入ってたらもっと大変。脳いっちゃったら大変なことになりますからね。
ああ、なるほど。
それって、で、抗体がくっついて、で、まあ食べるってさっき丼食の話ありましたけど、DJ1を食べて、
で、その後ってなんか第二陣みたいなやつはやってきたりはしないんですかね。免疫の細胞的には。
もうそれは食べて終了になるっていう感じなんですか。
ああえっとですね。メインは、濃厚則後の炎症のメインっていうのはやっぱりその自然免疫系だっていうふうに言われてますね。
はいはい。
もちろん若干あのT細胞応答っていうのはあるはあるんですけれども。
ああ、そこまで大きな影響はない。
あんまりそうですね。そこまでは行かないですね。メインとしては。
うーん。
まあそうなんだ。
言ってもすごい特殊なT細胞、ガンマデルタTセルっていう特殊なやつとか、T細胞の中でもガンマデルタTセルって特殊なT細胞が濃厚則後の時に入ってくるっていうのは、それはまた新しい発見ではあったんですけど。
ただまあメインとしては、そうですね、マクロファージュとかそのあたり自然免疫系による炎症がメイン。
なるほど。
まあだから戦場にはならずに。
27:00
まあ一応じゃあその後は。
まあもう徐々に。
回復は回復はしていくもんなんですか。
だからあのだいたい7日ピークですね。
えー。
7日ピークってそういうの3日、3日目、まあ3日7日ぐらいでだいたい炎症っていうのがだんだんそこから落ち着いていく方向に行くんですよね。
当然そのさっき言った通りダンプスっていうのがどんどんクリアランスされていくので、どん食されていくし、まああの炎症応答自体もこうなんか一段落みたいな感じになるので。
なるほど。そこからまあ治せるところは治すみたいな感じなんですかね、細胞でも。
治るもんなんですかね、なんか。
濃厚則後。
そこがまさに今次の研究でして。
ああそうですか。
いやそこがやっぱりよく聞きますもんねやっぱり。
脳の細胞って一回やられちゃうと戻ってこないみたいな。
脳って本当に治るのかっていうところはまさにちょっと次の研究で。
サイエンマニアお聞きいただきありがとうございました。
この番組では幅広い専門知識を一つの番組に集め、聞くだけで誰でも楽しく学べる番組を目指しています。
そのために皆さんからの質問や意見、感想を募集しています。
概要欄のお便りフォームやツイッターハッシュタグサイエンマニアでコメントいただけると嬉しいです。
またお手元のポッドキャストアプリでフォロー、レビューいただけますと大変励みになります。
次回のエピソードもお楽しみに。
28:53

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