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2024-09-01 38:13

スポーツを科学する!野球をAIで分析するバイオメカニクスと傷害予防の研究【スポーツ科学 前編】 #142

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スポーツはどうやって研究されている?近年注目を集めるスポーツ科学について、プロスポーツ選手のトレーナーもされている研究者にお話を伺いました。


★ゲスト

帝京大学スポーツ医科学センター

大川靖晃さん

https://okawabaseball.fc2.page/


★おたより

Google form: https://forms.gle/zan5CEEuiMLUdAvi9

メール: ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠scientalkclub@gmail.com⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠

Xアカウント : https://twitter.com/REN_SciEnTALK


【サイエンマニアについて】

あらゆる分野のゲストを招き、サイエンスの話題を中心にディープでマニアな話を届けるポッドキャスト。

研究に夢中な大学院生や趣味を突き詰めている方まで、好きな事を好きなだけ語りたい人が集まる番組です。

第3回 Japan Podcast Awards 2021 推薦作品


【プロフィール】

研究者レン from サイエントーク

化学と生命科学が専門のおしゃべり好き研究者。サイエンスをエンタメっぽく発信するために様々な形で活動中。ポッドキャスト「サイエントーク」ではOLエマと共に番組を制作中。

Twitter: ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://twitter.com/REN_SciEnTALK⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠

HP: https://scien-talk.com/

サマリー

大川康明氏をゲストに迎え、スポーツ科学、特に野球におけるバイオメカニクスと傷害予防の研究について語ります。アスレチックトレーナーとしての経験を基に、スポーツ科学の様々な分野とその重要性について考察します。このエピソードでは、スポーツ科学と野球におけるAIの分析、さらにはバイオメカニクスと傷害予防の研究について論じています。特に、東ドイツのスポーツ研究が競技力の向上に寄与した点や、AI技術の進展に伴うスポーツ科学の発展について注目しています。AIを活用した野球の動作解析やバイオメカニクスの研究も紹介されており、具体的には肘の角度や投球速度をデータ化し、選手にフィードバックを行うことでパフォーマンス向上や怪我の予防に役立てる方法について述べられています。本エピソードでは、野球における傷害予防の重要性や最新のスポーツ科学に基づいたトレーニング手法についても議論されています。

ポッドキャストの紹介とゲストの背景
スピーカー 2
こんにちは、レンです。サイエンマニアは、あらゆる分野のゲストを招き、ディープでマニアの話を届けるポッドキャストです。
今回のゲストは、スポーツ科学の研究をされている、提供大学スポーツ医科学センターの大川康明さんです。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。はい、今回是非サイエンマニアに出たいというメールをいただいてですね、ゲストを参加していただいてるんですけども、もともとサイエンマニアを聞いてくださってたということですね。
スピーカー 1
そうですね、やっぱりこう皆さん研究者、他の方もそうかもしれませんが、その分野は結構こう勉強してるんで、
深く入り込んでいくと思うんですけど、なかなか他のところに目を向けれないというか、ただそういうところからもいろんな研究のヒントだったりとかもらえるんじゃないかということで、日頃からこう視野は広くっていうのはなんか思ってるんですけども、
そんな中でこのこちらのポッドキャストで、本当に全く自分が今までやってきた分野とは違うような話を聞かせてもらって、すごいこちらも勉強になっているので、何か聞かせていただいている代わりに、特にこうスポーツ関係の科学の話ってあんまり多分ポッドキャストに出てないかなというふうに思っていて、
聞いたことないですね僕も はい、少しでもこうなんかトピック、なんか新しいトピックというかに加えていただければなというふうに思い連絡させていただきました
スピーカー 2
いやーありがとうございます本当に、僕のポッドキャストかなり雑食系と言いますか、何でもかんでも扱ってる番組なんで、それでも意外とスポーツなかったなっていう気がするんですよ
スピーカー 1
そうです、僕途中までこれ結構あの最初の方は科学の話とか多かったんで、ちょっとスポーツは違いすぎるなぁと思ったんですけど、だんだん途中からなんかこのトピックでもいけるならスポーツもいけるんじゃないかっていう気になってきて
本当に何でもあり、カメラとかあのファミコンとか出てきたあたりから、何でもありになったんで
スピーカー 2
それでもやっぱりやっぱりスポーツ科学って僕もすごい興味があって、僕はもともとサッカーやってたんですよね
ああそうなんですね はい、でやっぱり自分でちょっと調べたりしてそのトレーニングのメニューの考え方とか
やっぱり体使うんでその人体の構造的に良いストレッチこういうのだよねとか、調べたことはあったんですけど大人になってからというか自分が研究者になってから改めてその
スポーツ科学みたいなのに触れたことは全然なくって結構だから興味あるなっていう感じですね今日の話は
なのでまずちょっと大川さんがどういう人なのかっていうのも最初に聞いていきたいんですけど、どういう経緯でこうスポーツ科学の研究とか
スピーカー 1
そういうのに携わるようになったんですか 大川 そうですねあの自分自身僕はずっと野球をやってきて
日本で大学まで一応野球をやっていました でその後にプロ野球選手になりたかったんですけどなれなかったので
なんとかこうその選手をサポートする役になれないかなということで今現在も続けているんですけどアスレチックトレーナーという職業がありまして
多分一番思い浮かべるのはあのテレビ中継とかで試合とか見ている時にどんなスポーツでも誰かが怪我したりとか倒れた時に
一番最初に走っていく人ですね ああいますよね 大川 応急処置とか緊急時の対応するっていうところなんですけど
でそれを目指そうと思ってその大学を卒業した後にアメリカに行きまして 当時は特に今から20年ぐらい前なんですけどやっぱりこうアスレチックトレーナー
っていう職だったりとかアスレチックトレーニングっていう学問があるんですけど それはやっぱりアメリカの方が進んでいるっていうことでそっちで勉強しようということでアメリカに渡って勉強をしました
日本には全然なかったってことですかその時は 大川 当時は一応あったんですけどまだそんなに発展途上みたいな形でやっぱり最先端学ぶならアメリカみたいなイメージが当時はありましたね
スピーカー 2
なんか今ほどインターネットとかもこうまだまだ発展してない時で情報も少ない時だったのでやっぱりこう今はもう結構そういうのでアメリカの情報もどんどん入ってくるんでそんなに何か差はないのかなと思うんですけど当時はアメリカの方が先行っているかなというところで学びに行ったというような感じです
確かに野球だったらメジャーリーグのそういうサポートしている人たちって世界最高峰な感じがしますよね
スピーカー 1
そうですね本当にそれもあって当時何か一郎選手とか水井秀樹選手とかどんどん日本からメジャーリーグに行っていてそういうのも例えば通訳兼そういう職業でも入っていけないかなっていうのを持ったりとかして
スピーカー 2
でそこは大学ですか
スピーカー 1
そうですね当時は大学でアスレチックトレーニングの資格を取るためのプログラムみたいなものがありましてなので編入という形でもう一回アメリカの大学に入り直してそのアスレチックトレーナーになるため資格を取るためのプログラムに入って
およそ2年半ぐらいですかねでその資格を取ったというような感じです
スピーカー 2
それは修士号みたいなそういうイメージなんですかね
スピーカー 1
その時はですね学士号ですね学士号をもう一回取り直したという形ですね
その後修士に進むことになりまして当時は学士号を卒業してアスレチックトレーナーの資格を取るっていう順番だったんですけど
アメリカって結構ドクターになる医者メディカルドクターになる時とかもうメディカルスクールに行くみたいな
学士号終わってからメディカルスクールに行くみたいなステップでどんどん他の職業とかも学士4年間終わった後に専門に行くっていう流れがあるので
このアスレチックトレーナーの資格も今は大学院で行ってその資格を取らないといけないっていう風に変わってきてるんですよね
でまぁそれのちょっと前段階だったっていうこともあってただこうアスレチックトレーナーって結構現場で働くようなのが強い職業なんですけど
それでもやっぱり修士は持って行った方がいいっていうことで多分その当時でもどうですかね半分ぐらいの人は修士取りに行くっていうような流れがあったので
僕もその流れに乗ってやっぱり修士ぐらいは取りたいなっていうところで右回りにつながる研究の一歩というかちょっとそこで進んだという感じです
スピーカー 2
そのトレーナーみたいなやつは国際資格があるっていう感じなんですか
スピーカー 1
一応その資格はアメリカの中の資格ですね
スピーカー 2
アメリカの中の
スピーカー 1
アメリカだと純医療資格になるので看護師さんたちとかと同じような位というんですかねになるような資格になります
スピーカー 2
でも結構医療的な知識必要ですもんね
スピーカー 1
そうですね本当に現場に出てる医者の下っ端みたいなような感じですね知識的に言うと
スピーカー 2
応急処置みたいなのしないといけないですもんね
実際それでメジャーリーグかわかんないですけどそういうところの現場に行ってとかもやってたんですか
スピーカー 1
そうですね結局メジャーリーグはですね2級段インターンみたいな形で春のキャンプになるんですけど春のキャンプに帯同させてもらったのと
あとはちょっと日本ではあんまりちょっとメジャーじゃないんですけどNFLっていうアメリカンフットボールのプロのチームで
それはですね大学院卒業した後に1年間そこのチームで働いていて
日本に帰ってきたその後に帰ってきたような感じです
スピーカー 2
じゃあ帰ってきたのはそういう資格を持ってる人としてというか
スピーカー 1
そうですね一応アメリカの資格なんで日本では無資格みたいになってしまうんですけど
一応アスレチックトレーナーの世界ではアメリカのその資格は比較的知名度があるので
アメリカでこれを勉強してきてこの資格を取った人なんだなっていう認知はされるような形で帰ってきたっていう感じ
スポーツ科学の全体像とその歴史
スピーカー 2
そうですね重宝されそうですよね
そうですねあと特に日本でも海外の選手とかがいるようなチームとかだと英語も喋れるしっていうので結構重宝されたりする時もあります
スピーカー 1
それでプロ野球のなんかそういうのをやったりしたんですか
日本に帰ってきてから今はですね大学と提携しているプロのチームがありまして
そちらで週の何日かそっちでも勤務させていただいているっていう感じです
スピーカー 2
そうかそれをやりながらというかスポーツ科学っていうところに入っていくっていう感じですよね
スピーカー 1
そうですね日本に帰ってきて大学に入って大学に入ったので研究もということで
シューシーでも研究していたのでそれを活かしてサポート以外にも研究もやっていこうという形で今やっています
スピーカー 2
ただスポーツ科学って多分いろんなジャンルあるんだろうなっていうのは想像できるんですけど
もちろんスポーツによってもそうだし怪我した時の対処とかトレーニングとか多分食事とかも入ってくるのかなとかいろいろ思いますけど
なんかざっくりどういう感じなんですかねスポーツ科学の全体像みたいな
スピーカー 1
そうですねもうまさしく今おっしゃられた通りスポーツ科学ってスポーツなんとかってついたら全部入ってくるので
スピーカー 2
なんでもありな感じがするんですけど
スピーカー 1
なのでスポーツ栄養学だったりスポーツ心理学だったりとかもうそういうのも全部入ってくるので
本当だったら心理学とかだったら心理学で一つの大きな学問だったりとか栄養学だったら栄養学で一つ大きな学問だと思うんですけど
それにスポーツってつくと全部スポーツ科学の中に入ってくるのでとても幅広い学問になりますね
スピーカー 2
スポーツ心理学あんまり聞いたことないけどまあでも確かにメンタル大事だよなっていうのは
スピーカー 1
そうですね結構大きなトピックでやっぱり緊張する大会でいかに力を発揮できるかっていうようなところだったりとか
やっぱり力を発揮するためには特にオリンピックのような大きな舞台とかでってなるとその辺のサポートもしっかりしていないとってこと
結構チームとかでも心理サポートするような方がついているチームも結構今は多いですね
スピーカー 2
スポーツ科学ってもともとをたどれば何千年前とかからあるようなものなんですね
なんかアテネで裸で走り回ったっていうか最初のオリンピックって服着てないみたいなのありますよね
スピーカー 1
そうですね最初のオリンピックとかも紀元前とかの話ですし
エジプトとかにもそういう競争とか競技してたみたいな引きがとかもあったりするっていうので
特にギリシャとかだと僕も見たことあるんですが壺みたいなものに絵が描いてあるものとかだと
マッサージするようなシーンが描かれてたりとかするっていうのもあって
そういうのも含めるとその頃から研究というかどうすればアスリートが最大のパフォーマンスを出せるのか
みたいなことは考えられてたんじゃないかなっていうふうに言われていて
ただ実際本当に今でいう科学的なものってなるとほぼほぼ戦後ぐらいなイメージですね
スピーカー 2
戦後か
スピーカー 1
はい1950年代とか60年代とかその頃から本格的な今につながるような研究がなされてきたっていうところで
東ドイツのスポーツ科学
スピーカー 1
特に初期の頃は旧というかソビエト連邦だとかが結構アメリカもそうなんですけど
その辺がたくさん研究をしていて特に意外なところで東ドイツがめちゃくちゃすごかったんですよ
スピーカー 2
めちゃくちゃすごいっていうのはどうすごいんですか
スピーカー 1
東ドイツって多分皆さんあんまり知らないと思うんですけど
人口が2000万人いないぐらいだったんですね1800万人とかそれぐらいのレベルで
ソウルオリンピックっていうオリンピックが1980年代ぐらいにあったんですけど
その時のメダル獲得数が2位だったんですよ
スピーカー 2
そうなんで全然知らない
スピーカー 1
ソ連が1位で2位が東ドイツで3位がアメリカで金メダルの数も総メダル獲得数もアメリカよりも2000万人もいない東ドイツの方が多かったっていうところで
研究もやっぱり東ドイツってすごくてその頃からいろんな研究をしてそういうメダル獲得につなげていたっていうのがあって
今でもいろんなそこで取られてた情報なんかっていうのが今でも使えるような貴重な資料として残っていたりするんですけど
そこにもいろいろドーピングの話だったりとかいろんな話が
スピーカー 2
ちょっと思いましたね
スピーカー 1
あってあれなんですけどただ純粋にスポーツ科学としてのデータとかっていうのはたくさん残っていて
特にタレント発掘みたいなところでそんだけの人数しかいないので
いかに幼少期の時にその子の将来性を見越して競技を決めたりとか
この選手はこの後伸びていくっていうのとかをしっかりやっていたっていうので
スピーカー 2
それを見極めてもう君はこのスポーツ向いてるからこれどうみたいなそういう感じですか
スピーカー 1
そういうことですね
スピーカー 2
へえそれすごいな
スピーカー 1
いろんな体力測定をしてここの能力がすごくこの子は高いとか
あとは本当に身長とか体重とかあと本当に親の身長とかまで聞いたりとかして
この子は何センチまで伸びる予測だみたいなところからそういうのを判断したりとか
やっぱりスポーツによっては例えばバレーとかバスケみたいな種目って
やっぱ身長が圧倒的に有利じゃないですか
そういったのを事前にどういった体格だったりすると
その種目に有利に働くかみたいなものをすごくデータを取ってて
トレーニングの進化
スピーカー 1
活用してたっていうのでそういったデータは今でも貴重な資料として残っていたりするですね
スピーカー 2
ええそれトレーニングとかの内容とかもかなりブラッシュアップされたとかそういうのもあるんですか
スピーカー 1
そうですね
へえ
その頃特にソ連だったりとか東ドイツとかのその頃の研究で
例えばウエイトトレーニングとかだと何回何セットぐらいやると
こういう効果がありますよっていうのにつながったりとか
スピーカー 2
はあすごいなそれはもうだってAIとかないから
経験則でそういうトレーニングが作られたってことですか
スピーカー 1
そうですね
スピーカー 2
はあすごいなそう考えると
めっちゃ本気でやってたんですスポーツ
スピーカー 1
そうですねで大体そういった筋力経営のものっていうのは結構データ化しやすいっていうんですかね
何キロの重りで何回何セットやったら何キロぐらい持てるようになったっていうのがわかるので
比較的そういうそっちの方面の研究っていうのはどんどん進んでいったっていう感じで
逆にスキルとか技術的なものっていうのはやっぱり難しいんですよね研究するのが
スピーカー 2
複雑だから
スピーカー 1
数値で表しづらいというかなんかこれがうまくなったっていうのが
何をもってしてうまくなったかっていうのが言いづらいっていうのがあって
スピーカー 2
球技とか難しいですよね
スピーカー 1
そう難しいんですよねそれこそピッチャーでも球が速ければ優秀っていう定義があれば
ともかく球を速くすればいいんですけど別に速くても打たれる人もいるし
とかでなってくるんで上げていった時にじゃあ球が速くなったからいい選手なのかどうかなのかっていうのが
言えないっていうところでやっぱその技術的なところっていうのはすごく
遅れているというかなかなか発展してこなかったっていうのがあって
それが今ようやくいろんなAIだったりとかそういう分析ができるようになってきたっていうので
ちょっとずつ進みつつあるっていうのが今なのかなっていうふうに思ってます
スピーカー 2
なるほどなんかここから先もめちゃくちゃ面白くなりそうな気がしますね
だってまだ走り始めじゃないですかAI最近があって注目されてるけど
もうすでに結構いろいろ取り入れられてるってあと10年したらどうなっちゃうんだみたいな
スピーカー 1
そうですね本当に楽しみというかどうなるかわからないですけど
スピーカー 2
ですよねなんか新しい変化球みたいなのできないかなとかめっちゃ浅いところだと思うんですけど
スポーツ科学って元々をたどれば何千年前とかからあるようなものなんですね
スピーカー 1
なんかアテネで裸で走り回ってたみたいな走り回ったっていうか最初のオリンピックって服着てないみたいなのありますよね
そうですね最初のオリンピックとかも紀元前とかの話ですし
エジプトとかにもそういう競争とか競技してたみたいな引きがとかもあったりするっていうので
特にギリシャとかだと僕も見たことあるんですけど壺みたいなものに絵が描いてあるものとかだと
マッサージするようなシーンが描かれてたりとかするっていうのもあって
それを含めるとその頃から研究というかどうすればアスリートが最大のパフォーマンスを出せるのかみたいなことは考えられてたんじゃないかなっていうふうに言われていて
ただ実際本当に今で言う科学的なものってなるとほぼほぼ戦後ぐらいなイメージですね
1950年代とか60年代とかその頃から本格的な今につながるような研究がなされてきたっていうところで
特に初期の頃は旧というかソビエト連邦だとかが結構アメリカもそうなんですけど
その辺がたくさん研究をしていて特にですね意外なところで東ドイツがめちゃくちゃすごかったんですよ
めちゃくちゃすごいっていうのはどうすごいんですか
東ドイツって多分皆さんあんまり知らないと思うんですけど
人口が2000万人いないぐらいだったんですね1800万人とかそれぐらいのレベルで
ソウルオリンピックっていうオリンピックが1980年代ぐらいにあったんですけど
その時のメダル獲得数が2位だったんですよ
スピーカー 2
そうなんで全然知らない
スピーカー 1
ソ連が1位で2位が東ドイツで3位がアメリカで
スピーカー 2
金メダルの数も総メダル獲得数もアメリカよりも2000万人もいない東ドイツの方が多かったっていうところで
スピーカー 1
研究もやっぱり東ドイツってすごくてその頃からいろんな研究をして
そういうメダル獲得につなげていたっていうのがあって
今でもいろんなそこで取られてた情報なんかっていうのが
今でも使えるような貴重な資料として残っていたりするんですけど
そこにはいろいろドーピングの話だったりとかいろんな話が
スピーカー 2
ちょっと思いましたね
スピーカー 1
あってあれなんですけど
ただ純粋にスポーツ科学としてのデータとかっていうのはたくさん残っていて
特にタレント発掘みたいなところで
そんだけの人数しかいないので
いかに幼少期の時にその子の将来性を見越して競技を決めたりとか
この選手はこの後伸びていくっていうのとかをしっかりやっていたっていうので
スピーカー 2
それを見極めて君はこのスポーツ向いてるからこれどうみたいなそういう感じですか
スピーカー 1
そういうことですね
それすごいな
いろんな体力測定をして
ここの能力がすごくこの子は高いとか
あとは身長とか体重とか
親の身長とかまで聞いたりとかして
この子は何センチまで伸びる予測だみたいなところから
そういうのを判断したりとか
やっぱりスポーツによっては
例えばバレーとかバスケみたいな種目って
身長が圧倒的に有利じゃないですか
そういったのを事前にどういった体格だったりすると
その種目に有利に働くかみたいなものをすごくデータを取ってて
活用してたっていうので
そういったデータは今でも貴重な資料として残っていたりするんですね
スピーカー 2
トレーニングとかの内容とかもかなりブラッシュアップされたとか
そういうのもあるんですか
スピーカー 1
そうですね
その頃特にソ連だったりとか東ドイツとかのその頃の研究で
例えばウェイトトレーニングとかだと
何回何セットぐらいやるとこういう効果がありますよっていうのにつながったりとか
スピーカー 2
はあすごいな
それはもうだってAIとかないから
経験則でそういうトレーニングが作られたってことですか
スピーカー 1
そうですね
スピーカー 2
はあすごいなそう考えると
めっちゃ本気でやってたんですスポーツ
スピーカー 1
そうですね
大体そういった筋力経営のものっていうのは結構データ化しやすいっていうんですかね
何キロの重りで何回何セットやったら何キロぐらい持てるようになったっていうのがわかるので
比較的そういうそっちの方面の研究っていうのはどんどん進んでいったっていう感じで
逆にスキルとか技術的なものっていうのはやっぱり難しいんですよね研究するのが
複雑だから
数値で表しづらいというかこれが上手くなったっていうのが
何をもってして上手くなったかっていうのが言いづらいっていうのがあって
スピーカー 2
球技とか難しいですよね
スピーカー 1
そう難しいんですよね
それこそピッチャーでも球が速ければ優秀っていう定義があれば
ともかく球を速くすればいいんですけど
速くても打たれる人もいるしとかでなってくるんで
上げていった時に球が速くなったからいい選手なのかどうかなのかっていうのが言えないっていうところで
技術的なところっていうのはすごく遅れているというか
なかなか発展してこなかったっていうのがあって
それがいまようやくいろんなAIだったりとか分析ができるようになってきたっていうので
バイオメカニクスの重要性
スピーカー 1
ちょっとずつ進みつつあるっていうのが今なのかなっていうふうに思ってます
スピーカー 2
なるほどここから先もめちゃくちゃ面白くなりそうな気がしますね
だってまだ走り始めるじゃないですか
AI最近があって注目されてるけど
もうすでに結構いろいろ取り入れられてるって
あと10年したらどうなっちゃうんだみたいな
スピーカー 1
そうですね本当に楽しみというかどうなるかわからないですけど
スピーカー 2
ですよね本当カバー範囲めちゃくちゃ広いなと思うんですけど
実際どういうところなんかフォーカスしていることとかあるんですか
スピーカー 1
はい僕はですね今一番メインで研究しているのはバイオメカニクスというところの分野に
スピーカー 2
バイオメカニクス
スピーカー 1
はいになります簡単に言うとスポーツで起こる動作の体の動きっていうところで
3次元の動作分析みたいな感じですね
昔だと体に銀色のマーカーを関節とかにつけて
それをたくさんのカメラで撮影してっていうようなことで
ニュースとかで見たことあるんじゃないかなと思うんですけども
スピーカー 2
あれですよねゲームとかでその人の動きを取り込むみたいなモーションキャプチャーってあると思うんですけど
スピーカー 1
ああまさしくそんな感じです
スピーカー 2
ああいう感じですか
それを使ってどういうことをやるんですか
スピーカー 1
それで人が動いていく動作を撮影して
例えばこのスポーツのこの動作している時には肘が伸びるスピードはどれぐらいだとか
この関節はこのフェーズの時にはどれぐらい曲がってるとか
スピーカー 2
へえそんなことまで分かるんだ
スピーカー 1
はいそうですね
見ていって例えば僕が一番やっているのは野球のピッチャーなんですけども
ピッチャーだと140キロ以上投げるような速い人と140キロ出ない人だと何が違うのかみたいなところで
速い人だとこの時のこの角度はこうなってますよとかっていうのを調べていったりとか
っていうのが結構メインなテーマになってきます
スピーカー 2
いやなんか結構最近発展したジャンルですかそれやっぱ
プロ野球選手のデータ解析
スピーカー 2
多分だいぶ解析がちゃんとできないとなんか難しそうだなってそもそも分析自体が
スピーカー 1
そうですね結構新しいですね新しいしさらに最近AIとかが出てきて分析もですね
今まではそのマーカーをつけてマーカーの動いているものを撮影して
それを人体のモデルに落とし込んでたんですけど
今はもうマーカー使わなくても生身の体で動作をするとそれだけでもうその骨格のモデルが作成できてっていうような感じで
その解析自体ももう撮影してなんか自動でそれを分析してくれるソフトに放り込んでおくと
数分後にはもう全部その解析が終わって出てくるっていう風な簡単さになってます
スピーカー 2
すごいですよねそれもう今までは一人一人結構ちゃんとやんなきゃいけなかったけど
言ったらテレビ映ってるプロ野球選手とかで解析できちゃうってことですか
スピーカー 1
そうですねもう結構簡単でしかも今はもう日本のプロ野球は全部Hawk Eyeっていうシステムが入ってるんですけども
試合中そのスタジアムについているカメラでそういったデータを全部撮っていて
試合中の全部の選手の動き体の動きだったりとかボールの動きだったりとかも全部データとして残っています
スピーカー 2
すごいですねそれ解析してでピッチャーだったら肘こういう角度の方がいいみたいなアドバイスを本人にフィードバックするとかそういう感じですか
スピーカー 1
そうですね
スピーカー 2
すごいですねそれめっちゃ納得感ありそうというか
スピーカー 1
そうですねやっぱりたとえば140キロ投げる人はこんなデータなんですよであなたはこんなデータなんですよっていうのを見せると
じゃあ僕のなんかここの部分が足りないからじゃあ例えばそこをトレーニングしましょうとか
そこを意識してなんかこうドリルみたいなもんやりましょうみたいな感じで
そうですねすごくアドバイスしやすいというか選手も納得しやすいっていうのは今あります
スピーカー 2
はあ大谷翔平とかめちゃめちゃ分析されてるんだろうなっていう気がするけど
スピーカー 1
そうですねアメリカは特に進んでいましてボールのデータとかっていうのはもう全世界にというか公表されてるんですね
ああそうなんですか見れる
はいなので今日見ててピッチング良かったなと思ったらこの試合のこの時の何球目に投げたボールってすると
そのボールがどういう回転しててどういう軸がずれててみたいな全部わかるんですよ
スピーカー 2
ええすごいなそれデータ取り放題なんですね今
スピーカー 1
そうですねで日本では今まだその一般の人には公開されてなくて自分のチームとかそういうのは見れるんですけども
そこちょっとアメリカと日本の野球の違いではあるんですけど
スピーカー 2
はあじゃあそれをいろいろ分析してっていうのが実際いろんな大学とかスポーツ科学の研究室とかでやられてるって感じですか
怪我の予防研究
スピーカー 1
そうですね
スピーカー 2
しかもこれスポーツごとにあるしすごいデータ量だなって思うんですけど
スピーカー 1
そうですね本当に
スピーカー 2
実際あれですか大学とかはそのこのスポーツはこういう分析しましょうみたいななんか研究室で分かれてたりするんですか
スピーカー 1
そうですねそれぞれの大学でスポーツ別って言うんですかねこのスポーツに強いというかこのスポーツをよく研究してるとか
なんかこの動作だと高校の研究室がよくやってるみたいな感じのものはあります
スピーカー 2
いやなんかスポーツってめちゃくちゃ歴史長いじゃないですか
ずっと昔からやってて多分経験則とかで積み重なってきたやつが多分今めちゃくちゃロジカルに動きとかこうした方がもっといいみたいな積められてて
なんか新しいフォームとか生まれそうだなとか思いますけどすごい
スピーカー 1
そうですねまた今なんか大体は結構その経験則って当たっていて
スピーカー 2
3次元で分析しても例えば経験だけでやってきたコーチの人がアドバイスしてるのって本当に3次元で分析してもその通りだなっていうことがほぼそういうことが多いんですけど
スピーカー 1
中にはなんかこれって感覚と実際に起こることっていうのが違うのでそこが結構難しいところで
なんかデータだとこういう動きなんだけど自分の感じ方としてはそうじゃないっていうことが結構あるんですね
スピーカー 2
感じ方?
スピーカー 1
なんか野球とかだとよくあるのが例えばバット振るってなった時に
普通に振ってるとバットが下から出てるみたいなものを例えばまっすぐにしたいっていう時に
まっすぐに自分ではしてるつもりなんだけどそれは下から出てて
なんかよく野球の世界だと上からバット振り下ろせみたいに言うんですけど
なんか上からバット振り下ろすように自分の中で振ってみるとデータ的には横から振ってるみたいなことがよくあるんです
スピーカー 2
そっかなんか感覚とちょっとずれてる
それもなんか面白いなちょっと認知的な何かありそうですけど
スピーカー 1
そうなので今結構いろんな分析でいろんな細かい数値とかがわかるようになってるんですけど
結局じゃあもうちょっと肘曲げた方がいいですよとかもうちょっと足上げた方がいいですよっていうのはデータからわかるんですけど
それをやってみてくださいって言った時にそれを再現できるかどうかっていうのはその人の感覚の中の話なので
言ってすぐパッと変えれるような感覚の良い人もいればさっき言ったみたいに結構大げさに変えてみてって言ってやっとちょっと変わるような人とかもいたりとかして
今はそこをなんか研究するというかどういうキューイングを与えればどんな変化が起こるのかっていうところも結構見られたりとかしています
スピーカー 2
でもそれ難しいですね本当に一人一人多分オーダーメイドじゃないとわからないというか癖とかもありそうですしね個人の
スピーカー 1
はいそこまで育ってきた環境というかその人の運動の経験とかにもよったりするんでここは本当に一人一人に合わせないといけないっていうところです
スピーカー 2
まあでもこれどのジャンルでもやっぱり今AI使ってこういろいろデータやってますみたいな出てくるなっていう感覚はありますけど
かなりスポーツって相性いいですよねきっと そうですね相性はいいと思いますね最近はすごく進んだと思います研究的には
スピーカー 1
最近こういう研究が熱いみたいなのってあります? そうですね全般的に言うとやっぱりスポーツ科学の世界というか特に怪我とかパフォーマンスっていうことになると
下半身の方が圧倒的に多いんです研究とかは あそうなんですか はいやっぱ怪我とかも圧倒的に下半身が多くて
スピーカー 2
確かに怪我は多そうですね スポーツの怪我でダントツでナンバーワンなのが足首の粘座なんですね
スピーカー 1
僕もしたことあります何回も 粘座は比較的治るというかそんなにすごくひどいものじゃない限り手術とかしなくてもいいので
件数は多いんですけどある程度っていう感じでやっぱり一番メジャーな関節っていうのはやっぱり膝の関節になっていて
膝は本当に膝の中に前十字人体っていう人体があるんですけどもこれを切ってしまうと今のゴールドスタンダードとしてはほぼほぼ手術しないといけないっていうような怪我で
手術をすると早くても半年から1年ぐらい復帰までにかかってしまうっていうところでそこの研究っていうのは一番件数的にも多いです
少し前から変わってきたところというのが10年から20年前まではなぜその怪我が起こるのかとか
例えばどういう着地した時にそこがその人体が切れてしまうのかとか
スピーカー 2
確かにそれはありそうですね
スピーカー 1
あとはもっと深くその人体が実際どういうふうについててどういうふうに手術したらうまくいくのかとか
どっちかというと成形外科の先生の話とかなんですけどもっていうのが結構主流だったんですけど
最近はやっぱり予防に関する研究が非常に増えているというのがあります
スピーカー 2
予防ある程度手術とかで治すみたいのはできるようになってきたからっていうところもあるんですか
スピーカー 1
そうですねあと特にアメリカのスポーツを中心に結構長期契約みたいなことをするようになって
野球とかで10年何百億みたいな契約が出たりすると思うんですけど
そうなった時にじゃあ例えばその膝の人体とか切ってしまうと
1年例えば50億ぐらいの選手がいたとすると50億全くそれ使わない使えない選手に払ってるっていうことになってしまうので
少しでもその元気な状態でプレーしてもらえるようにということで
その怪我をする前に何とか予防できないかっていうので
こういう予防のトレーニングをしたらその怪我の発生率が何%減りましたよみたいな感じの研究が結構ここ最近は多いように思います
予防用にトレーニングするんですね そうですね
あんまりそれはイメージないですね ああなるほど
スピーカー 2
実際の練習とか体力つけるためのトレーニングはそれはやるだろうって思いましたけど
スピーカー 1
それとまた別にやるってことですか そうですね
スピーカー 2
ええどういうトレーニングなんだ
スピーカー 1
例えば膝とかだと膝の全従事人体を予防するためのそういうトレーニングとして
PEPプログラムっていうプログラムがあるんですけども
そのプログラムをやったグループとやってないグループ結構何百人単位で調べるとやってたグループはほとんどその人体切らなかったっていうようなプログラムがあって
それはしっかりと筋力をつけましょうとかバランス能力をしっかり上げましょうとか
っていうようないくつかの項目がある
多分20分ぐらいで終わるようなものなんですけど
それをちゃんとウォーミングアップの時にその項目を入れていきましょうっていうような形で
傷害予防の重要性
スピーカー 1
特別すごい難しいとか激しいことをやるっていうわけじゃないんですけども
確実に抑えておきたいやっておいた方がいいっていうことをちゃんとリストにして
それを毎日の練習の前に行うっていうような感じです
スピーカー 2
なんかそれすごい学生とかでもスポーツやってる人とかいっぱいいるから
本当にやりやすいやつだったら広まったらいいですよね
そういう予防の運動とか
スピーカー 1
そうですね本当にそれやるかやらないかで
特に学生とか1年なくなってしまうとかなり大きな痛手だと思うので
そういうのをしっかり続けてやることによって
少しでも減らせるんだったらっていうのがあって
やっぱどんどん広まってほしいなっていうのはあります
スピーカー 2
なんか僕も部活やってる時に
なんとなくその代々伝わってるストレッチみたいな
そのメニューがあってとりあえずそれやるみたいなのはありましたけど
多分それもアップデートした方がいいかもしれないですよね
そういうより怪我しにくいような
ストレッチなりトレーニングみたいなのがあるんだったら
絶対やった方が怪我して大会出れないとかがやっぱ一番辛いんで
ストレッチの考え方
スピーカー 1
そうですねでちなみにストレッチも
練習前にゆっくり伸ばすようなストレッチっていうのは
あんまり良くないっていう意見もあるんですよ
なんかこれから筋肉って筋肉の役割は
どっちかっていうと縮むっていうのが役割なので
今から爆発的に筋肉を縮めるようなことをやらないといけないのに
逆に伸ばしてしまうと力が出づらくなっちゃうんじゃないかっていうのが言われていて
結構そういう研究とかではゆっくり伸ばすようなストレッチした後に
ジャンプとかを測定するとジャンプ力が減ってしまうっていうようなものがあったりとか
スピーカー 2
そうなんだ
スピーカー 1
なのでゆっくり伸ばすっていうよりは動きながら伸ばしていくっていうんですかね
歩きながらグッて伸ばすような短時間でしっかり伸ばしてあげるような
ストレッチはいいとされていますね 今は比較的
ああそうか これちょっと僕が全然知らないだけなのかもしれないですけど
スピーカー 2
そういうのも全部スポーツ科学ですね
そうですね
あと予防ってそれ以外もいろいろある感じですか
スピーカー 1
そうですね あと足首 先ほど出てきた足首なんですけど
足首の念座って手術するほどじゃないんですけど
結構繰り返しやすいっていう特徴がありまして
ポッドキャストの情報
スピーカー 2
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38:13

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