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2021-08-23 12:00

320.典型的なオタクファッションの由来はキムタクなのか? from Radiotalk

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「典型的なオタクファッションと(かつての)キムタクファッションに共通点が多いのは、オタクの母親がキムタク風の服を良しとして買ってきていたからでは?」という説がTwitterで話題になっていましたが、実はこの説の中には、人間が陥りがちな認知バイアスが潜んでいるんです・・・。

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00:05
はい、月曜日でございます。皆さんいかがお過ごしでしょうか。
おしゃれの呪いを解くラジオ、本日で320回目の配信でございます。
この番組では、あなたに巻きつくファッションへの思い込み、イコールおしゃれの呪いをバサバサと解いていきます。
服装心理学をベースに、おしゃれを持って楽しみ、自分を変えるコツをお届けしています。
お相手はパーソナルスタイリストで、日本服装心理学協会代表理事の久野栗でございます。
本日も今週もよろしくお願いいたします。
今日は何を話そうかなと思ったんですけど、
たまたまツイッターで流れてきた話題で、ちょっと興味深いなというものがあったので、
もうすでにそれに関してツイッターでもつぶやき済みなんですけど、
結構反応をいただいていて、なかなか面白いなと思って、
ツイッターの文章で読むより、私が声で説明した方が分かるという方もいるんじゃないかなと思って、
改めてこちらでも話しようかなと思ったんですけどね。
どこが発声源のネタか分からないんですけど、
典型的ないわゆるオタクファッションってあるじゃないですか。
今でオタクって概念がだいぶ広くなったので、
今オタクを自称されている方は皆さんこういう格好をしているわけじゃないと思うんですけど、
これ年代的には2000年代初頭ですよね。
いわゆる電車男っていうコンテンツがすごい流行った時、
映画になったりドラマになったりね。
2chで話題になったアスレトが映画になったんですけどね。
あれぐらいの年代ですよね。2000年代初頭のいわゆるオタクって、
みんな例えばチェックのダボっとしたネルシャツに、
ちょっと分からない、何を書いているか分からないようなA字ロゴが入ったTシャツに、
ダボダボなちょっと汚いダメージの入ったデニムを着て、
そしてデニムを履いて、頭にバンダナを巻いて、
リュックサックを背負ってみたいな、いわゆるそういうオタクファッションってあるじゃないですか。
あれの由来がね、キムタクファッションで、
キムタクファッションと典型的なオタクファッションは共通項がすごい多いと。
だからやっぱり起源、由来はキムタクで、
それはキムタクファッションがかっこいいから、
そういうのをチョイスして子供に着せればいいと思って、
チョイスして着せられていたのでは?みたいな言説が、
ツイッター上でふと流れてきて、ちょっと盛り上がってたらしいんですよね。
確かに、みたいな。
大元のオリジナルの投稿が見つけられなかったんですけど、
それについてまた会話しているツイートが何個か私のところに流れてきて、
確かに今言ったような典型的なオタクファッションって、
いわゆる飴かじってやつなんですけど、
チェックのシャツとか、ヴィンテージっぽい古着っぽいTシャツとかデニムとかね、
確かに一個一個のアイテムのデザインなんかは、
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割とキムタクのすごく人気だった、それも2000年代初頭ですよ。
ヒーローっていう、あれは検察官でしたっけね。
の役をやってたドラマのあの時代ですよね。
フェイクレザーのダウンジャケット着たら即腕したみたいな、
ああいう時代ディバイスのデニムに、
その時代のファッションに共通項が確かに多いんですよ。
なので、時代的にも割と一致がするので、
っていうのは確かにあるんですけど、
私この中でちょっと気になったところがあって、
確かに時代的に一致しているので、
おそらくその起源はキムタクファッションである。
キムタクファッションというか、
キムタクがブームをリードしたアメカジ。
アメカジって過去もっと古い時代にも、
1960年代とかもっと古い時代から何度か流行っているので、
この2000年代初頭のアメカジブームもリバイバルブームなんですけど、
このブームから端を発しているものだ、オタクファッションはね。
っていうのは間違いないかなと思うんですよ。
でもその理由として、
そのキムタクがかっこいいと思っていたお母さんが、
それを真似して子供に着せたっていうのはちょっと違うかなと思っていて、
ネット上では、ツイッター上ではね、
オタクがね、いわゆるオタク当人が、
それをすごい否定してるみたいな話が出てきてるんですね。
それはやっぱりお母さんに選んでもらったものを着てたっていうのを否定したんじゃないか、
みたいに言ってたんですけど、
この問題は、
お母さんが選んだか、
オタクと呼ばれるご本人が選んだかの問題じゃないんですよね。
多分そのキムタクを真似しようと思って、
もしくはキムタクが着ている服はかっこいいから、
それを着れば間違いないと本人、
もしくはお母さんが思ったという問題じゃない。
つまり、あえて選んでいたわけじゃないっていうところが、
ちょっと問題だと思うんですよ。
元々のオリジナルの話のちょっと違うところかなと思っていて。
確かにキムタクがすごくブームをリードした雨風邪っていうのは大ブームになったので、
だいたい雨風邪に限らず、
何かのテイストが大ブームになると、
それはだんだんセレクトショップとか百貨店とか、
そういった高価格帯のお店から、
だんだん低価格帯のお店でも似たようなデザインというのが
売られるようになっていくんですね。
なぜかというと、
低価格帯のお店というのは、
大量生産しなきゃいけないので、
確実に売れるものじゃないと、
そこまで流れ出ていかないんですよ。
雨風邪みたいなファッションというのは、
チェックシャツとかネルシャツとかね、
これは大量に売れるぞっていうのが
分かったので、
低価格帯にもかなり広く広がっていた。
その結果、
例えばそのツイッターの投稿にも
挙げられていた例としてね、
ジーンズメイトみたいな郊外にもある量販店、
しまむらとかね、
そういうところにも、
そういう雨風邪っぽい服が、
その結果大量に置かれるようになったと。
だからそこにたまたま心理的にも、
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そして経済的にももしかしたらアクセスしやすかった
オタクの皆さんが、
そこにあったから手に取っただけだと思うんですよ。
つまりオタクの皆さん、
それがお母さんなのか本人なのかは全然別としてね、
たまたま行きやすいお店に
それがあったから買ったっていう、
これは環境要因の問題であって、
内的な要因ではなくて外的な要因であって、
誰かがオタク本人もしくはお母さんが
お母さんがキムタクに憧れて、
キムタクっぽい服ならかっこいいと考えて、
それを選んで買ったっていう、
内的な要因ではないっていうところじゃないかなって、
そこが問題というか、
そこを勘違いしちゃいけないところなんじゃないかなって思ってるんですよ。
なんでかっていうと、
こういう勘違い、人間すごくしやすいんです。
人間がしやすい勘違い、
総称してバイアスってよく言いますよね。
今回のこのバイアスっていうのは、
対応バイアスとか、
あとは基本的帰属のエラーとか呼ばれる、
よく言われるバイアスなんです。
これどういうバイアスかっていうと、
他の人、自分以外の他の人の行動の理由を、
その人の内面に求めてしまう。
つまり今回の場合には、
そういう格好、
ああいうキムタクファッションと共通するような、
オタクファッションになったのは、
キムタクに憧れて、
キムタクっぽい格好ならかっこよく見えるだろうと思って、
選んで買ったんだろうっていうね。
あえて選んで、
そうなりたくて買ったんだろうっていう、
内面に理由を見出してますよね。
でも実際にはただ単に、
お手頃な価格で行きやすいお店に、
そういった服が大量に売ってたから、
ただ買っただけっていう、
そういう環境になったから、
そういう行動を取っただけっていう、
そういう外部要因、環境要因に行動が基づいていた、
ってこともすごくよくあるわけです。
で、こういうね、
なのに私たちは人の行動に関しては、
あの人きっとあれが欲しくて買ったんだよって考えちゃう。
実際にはその人から見たら、
それしかないぐらいの、
それがたまたまそこにあったから買っただけだとしても、
きっと欲しくて買ったに違いないと思っちゃう。
これが基本的規則のエラーってやつなんですよね。
これね、よくあるんですよね。
例えば自分は、
売店に行ってね、
例えば学生時代とかさ、
こう思い出してもらって、
売店に行って、
もう欲しかったおにぎりが売り切れてて、
コッペパンしかなかったからしょうがないコッペパン買って帰った。
なのにクラスメイトがコッペパン食べたら、
あいつも珍しいな、
あのコッペパン好きなんだ、
俺嫌いなのにみたいな。
でもその人もしかしたら
そのコッペパンしか残ってなかったから
それ買っただけかもしれないですけど、
人のことは好きで買ったんだみたいに、
その行動の原因を内面に求めてしまう。
自分は外的要因で行動することもたくさんあるのに。
これが基本的貴族のエラーとか呼ばれるやつなんですよ。
やっぱり洋服好きは特になんですけど、
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自分自身がやっぱりそうだからっていうのもあると思うんですよ。
自分自身が洋服を着る時に、
ちゃんと考えて、
これが欲しいから買うとか、
こうなりたいから買うっていう風に思って買うので、
他の人も全員すべからくそうに違いあるまいと
考えてしまいがちなんですよね。
最近にこのツイッターの話題に参加した人って、
ある程度洋服に関心があったりとか、
洋服の文化に関心がある人がやっぱり多かったんですよ。
だからオタクファッションも、
誰かが何か意図を持って
ああいうデザインを選んだに違いない
っていう風に思ってしまいがち。
だけど実際には、
やっぱり売れてるものがたくさん大量に出荷されていたら、
全然洋服に興味がない人は
特にそこにアクセスしやすくなるわけで、
単純に理由は大量に売ってたからだけ
っていうことは全然あるわけなんですよね。
だからやっぱりね、
特にファッションの仕事に従事するのであれば、
自分と同じように他者が全員洋服を選ぶときに
考えて好きで買ってると思わない方がいいと思うんですよね。
本当に洋服には全く興味がなくて、
ただそこにあるものを手頃だったら買う。
今着ている服が汚れてきたから、
破れたから新しく買うだけの人もいるっていうことは、
やっぱり覚えておかないとね、
ビジネス的になかなか難しくなっていくんじゃないかと。
今後ますますね。
オタクが広がってきたって言いましたけど、
今そのいわゆる昔のね、
そういうオタクファッションのようなオタクじゃなくて、
本当にいろんな物事を押し買いたりとか、
いろんな好きなもの熱中するものを持っている人が増えてきてると思うんですよ。
そうするとやっぱり時間とか持ってるお金って有限なので、
そっちに使いたい。
だから洋服には使えないっていう人がすごく増えてきてる。
そういう中で、
とにかくパーソナルスタリストとかね、
イメージコンサルタントとか特にそうですけど、
そのファッションの面白さを伝えなきゃいけない仕事に就くのであれば、
やっぱりそういう人がいるっていうことを認識して、
そういう人を振り向かせていかないと、
そのファッションがもともと好きな人だけをお客様にしたんでは、
今後回っていかなくなるっていうことは認識した方がいいと思うんですね。
なので、みんなが洋服を買うときにすごい考えて買ってるか、
好きで買ってるかっていうと、
そうではないっていうことをやっぱりよく理解して、
じゃあどうしたらおしゃれに興味がない人には楽しいと思ってもらえるかなっていうところから、
それこそ集客だったりとかを始められるようにしておかないと、
アパレル業界全部そうですけどね、
特にパーソナルスタリスト、イメージコンサルタントはなかなか厳しいんじゃないかななんて思います。
この後半の話はツイートではあまり書かなかったんですけどね、
なのでうちのスクールに集客の授業をみっちり入れてるのもその辺に理由があるということでございます。
ということで、この番組ではまだまだ皆さんからのお悩み、ご質問お待ちしております。
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